- 『読みました』報告スレッド その2
693 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w []:2011/02/05(土) 23:16:44 ID:VuCi6vtq - 本来はホラーは板違いなのだろうが、ミステリ作家の手による「ミステリ」
としての読み方が可能な作も含んだ作品集を紹介しておこうか。 都筑道夫「深夜倶楽部」を読む。 読み始めて気付いたが、新刊時(随分と前になるが)に 既読の連作短編集であった。 狂綺堂の「青蛙鬼談」等の怪談を愛読する筆者としては、 明らかにこのスタイル(百物語形式)を意識した構成に惹かれて 手にしたのであろう。 感想は暇潰し程度にはOKだが、あまり面白くはない。 と言うたところか。 時代性の違いはあるが、ストイックなタッチが魅力の綺堂怪談とは 異なり、ミッチーなりの読者サービスなのかセックス、お色気絡みのねた多し。 (「姫はじめ」なんていうまんまのタイトルの作もあり) 結果的にこれが恐怖感を殺ぐような結果になっているのが残念だ。 ミステリと違い謎の解明は不可欠ではないので、作者ミッチーが思わせぶりに 楽しんで書いているのがわかる。
|
- 『読みました』報告スレッド その2
694 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w []:2011/02/05(土) 23:17:54 ID:VuCi6vtq - 収録作品全話講評
「死びと花」 それなりにこってりしたオーソドックスな怪談(生霊ネタ)だが、 合理的な解釈も可能かと思わせる点がミソか。 この後に話されたという、遂に書かれず終った「十年前のニューヨークの話」 も読んではみたい気はする。 「鏡の国のアリス」 お色気が強調された鏡怪談。 語り手のエディターからひとつの疑問点が呈されてはいるが、 これも一応合理的な解釈が可能という締め。 「姫はじめ」 3話構成。怪談は昭和10年代を舞台に講釈師が主人公の2話目のみ。 1話目は江戸時代末期を舞台にした町絵師が主人公のエロティックで 猟奇的な奇談、3話目は現代艶笑談とでも称すべき作。 まあ、どれも楽しく気軽には読めるわな。
|
- 『読みました』報告スレッド その2
695 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w []:2011/02/05(土) 23:18:34 ID:VuCi6vtq - 「狐火の湯」
山中の温泉を舞台にしたお色気たっぷりな怪異談だが、 友人の死体を見た女のそっけない態度、最後の宿の主人の醒めたコメント、 この辺に何かありそうに思わせる含みが読ませどころかも。 「首つり御門」 残酷でホラーな設定にもかかわらず、登場キャラたち掛け合いで落語を見ているかのような軽快さがある作。 作中でも言及される「そこつ長屋」、作者のなめくじ長屋シリーズを想起させる タッチである。「馬頭等誌」(めずらし)にはワロタ。 「幽霊屋敷」 オーソドックスなゴーストストーリーかと思いきや、 予想外のハチャメチャ展開を見せる作で、まずまず楽しめた。 本作は超常現象前提なのが難だが、心霊現象と思わせて超能力か、 これはマシスンの「地獄の家」とは反対のパターンやね。 トビー・フーバーの「ポルター・ガイスト」とはどちらが先だろうか? ・「夜あけの吸血鬼」 これはタイトルからネタばれ気味の失敗作でしょ。 親子二代で謎の母娘に遭遇するという点は凝っているが、 際立った意外性も無いし、それなりの謎解きも無し。 これが締めの1作なのは惜しかった。
|
- 再復活!横溝正史スレ!
84 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w []:2011/02/05(土) 23:21:52 ID:VuCi6vtq - 「仮面舞踏会」はポイントとなるマッチ棒の謎解きが読者にはまず無理
なものなのが、本格ミステリとしては非常にまずい。
|
- 【寺島トヨ】 松本清張-10- 【藤島チセ】
681 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w []:2011/02/05(土) 23:25:23 ID:VuCi6vtq - >「西海道談綺」
この作品に関して論じた過去ログもあると思うが、 これは冒険小説でしょ。一般的に考えられているような伝奇小説の類でない ことは確実だ。
|