- 【寺島トヨ】 松本清張-10- 【藤島チセ】
638 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w []:2011/01/30(日) 01:22:21 ID:xUgbPwWB - >>634
正に清張流エスピオナージ。 やはり、先生はジョン・ル・カレ、後のフリーマントルとかも読んでいたと思う。 あの文体なら、アンブラー風(フレミング風でなく)スパイものなら十分行けたと思うが。
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- エラリー・クイーン&バーナビィ・ロス〜PART10〜
634 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w []:2011/01/30(日) 01:24:36 ID:xUgbPwWB - 講義を続けましょう。
Xでは大都市NYを舞台にした空間的広がりを持った都市ミステリとでも称す べき作を書き得たエル、国名シリーズでも第3作までは都市ミステリ志向を 貫徹しますが、本格ミステリ(特にフーダニット)というジャンルに内在する 田園小説志向ゆえにか、国名シリーズの代表作ギリシア棺では、 NYど真中で発生した事件を描きながら、都市風俗、情景描写は殆ど無く、 実質はハルキス家、否、ハルキス村の事件とでも言うたような内容であります。 結論としては、面白い、優れたフーダニットを書く最適な舞台は「田園に限る」 というのは、決して過言ではないのであります。 >>624 長編なら文句無しに「中途の家」と「靴に棲む老婆」。 後、気軽に楽しめるという意味ではシナリオ集がお薦めだ。
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590 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w []:2011/01/30(日) 01:29:46 ID:xUgbPwWB - >>583
あれは結局、爺とスキーのトリックってだけの作品かと思う。 交霊会ネタの使い方もいまひとつ、やはりこの手のものを書かせるとジョンが1枚上手だわな。
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- 『読みました』報告スレッド その2
673 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w []:2011/01/30(日) 01:30:58 ID:xUgbPwWB - しばし、「銭形平次捕物控」に関して書いてみたく思う。
「銭形平次捕物控(四) 城の絵図面」を読んだ。 早速だが、大好評の収録作品全話講評逝ってみようか!!! 「くるい咲き」 意外な動機というミステリ的趣向はあれど、基本は平次談らしい人情噺。 可も無く不可も無くと言うたところか。 「兵糧丸秘聞」 秘薬ネタでなかなか面白い。 「人魚の死」 いわゆるプール殺人事件だが、トリックもそれなりに出来ている感あり。 「美女を洗い出す」 フランス・サスペンス・ミステリのようなタイトルだが、サイコ・ミステリの 如き展開と相成る。まずまず読ませるものあり。 「城の絵図面」 偶然性に頼ったものとはいえ、本物と偽物の絵図面が交錯する展開が面白い。 「黒い巾着」 ダイイングメッセージねた。おみくじに着目したのは、なかなかの慧眼か。
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- 『読みました』報告スレッド その2
674 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w []:2011/01/30(日) 01:31:50 ID:xUgbPwWB - 「大盗懺悔」
池波作品にありそうな盗賊談。美女の拷問シーンとか正にオトナの読物という 感あり。 「十手の道」 表題作と同じく武家ネタ。美女に酷い運命ってのはシリーズのデフォ化して いるという感あり。 「どんど焼き」 江戸風物をあまり書き込まない「あらえびす」には珍しく「どんど焼き」が メーンに出て来るネタ。密室トリック好きは必見や。 「十七の娘」 若い娘の連続殺人。やや偶然性に頼った部分もあるが、 本巻の締めとなる作だけあって、書き込めば長編ミステリとしても いけそうな作。出来から見れば、「城の・・・」ではなく本作をタイトルに冠するべきであった。
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