- 『読みました』報告スレッド その2
636 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w []:2011/01/10(月) 00:14:06 ID:GHQ/j0/f - 野村胡堂著・末国善己編「奇譚 銭形平次」を読んだ。
著名な銭形平次シリーズはボリューム大なため、 なかなか全集に手を出す暇はなく、 セレクション頼りで読むことになりがちだが、 さすれば選者の腕に頼る面が出て来ざるを得ないわけである。 本書はシリーズ中から「奇譚」と称するにふさわしい作を編纂したものであり、 とにかくどれも面白く読める。 ゆえに、作者「あらえびす」だけでなく、選者の末国君の名も列記することとした。 では、大好評な収録作品全話講評逝ってみよう!!! ・「金色の処女」 記念すべき銭形平次シリーズの第1弾だが、 時代性を考慮すれば、これほどエロく猟奇的な作であったとは意外や。 「ゴールドフィンガー」かおと言わぬまでも、 眠狂四郎シリーズかと思うような出来の作。 敵地に張り込みながら、眠らされしまう平次には後の切れる捕物名人の面影は まだ覗えず、非常に人間臭いものがあって良しか。 ・「呪いの銀簪」 銀簪で目を突き刺す美女連続殺人。 この時代にして、シリアルキラーというワード想起させる読み応えある作で あった。本作のセレクトもグッドや。
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- 『読みました』報告スレッド その2
637 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w []:2011/01/10(月) 00:14:54 ID:GHQ/j0/f - ・「人肌地蔵」
怪奇性よりミステリ色が強く出た作。 平次が冴えた推理を展開する。このシリーズの特色である人情噺色もあり。 ・「七人の花嫁」 後の恋女房(本作ではまだフィアンセ)を囮捜査に利用して、 新婚花嫁連続失踪事件解決を図る平次はエグ過ぎか・・・ 丹頂のお鶴は鬼平犯科帳シリーズの方がフィットしそうな凄いキャラ。 ・「南蛮秘法箋」 怪奇性・猟奇性は無く、歴史ネタ、アクション、人情噺が前面に出た その意味では平次シリーズらしい面白ろさがある作や。 ・「江戸阿呆宮」 ハーレムねた。 このエピでは敵地潜入に成功しながら平次は窮地に陥るが、 先に捨て身の探索を続けていた お品(同業石原の利助の娘で病床にある父の代理を健気にも勤める)が登場・・ まあ、これもエロく面白いネタではあるな。 ・「火遁の術」 解説によると当時時事ネタらしいが、 新興宗教全盛な現代でも通じるようなエピ。 だが抜け穴ネタはミステリとしては反則だし、 捕物奇譚と言うには怪奇性も弱い感あり。 ・「遠眼鏡の殿様」 まあ、このネタを殿様視点に別話を展開したのが横溝御大の作なわけである。 胡堂作品なりの面白さ(これが本当の「罪を憎んで人を憎まず」、 平次流超法規的措置やろうね)はある作。 だが、先達半七ならやはり縛っていたはず、 そして「かわいそうですが、入牢してまもなく獄死したそうです」 とでもなったか・・・ ・「密室」 いささか強引な面はあれど(注 いささか先生ではない(w ) フリーマンねたを江戸時代設定で成立させた工夫は評価したく思う。 だが、それだけだ・・・
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- 都筑道夫
163 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w []:2011/01/10(月) 00:16:20 ID:GHQ/j0/f - 新春特別連載企画「みっちーとオレ」第7回
今日は、雪崩連太郎に関して少し書いてみましょう。 オレは第1集となった幻視行はミッチー作品には珍しく新刊ハードカバーで 読んでいる。 古い備忘録を確認すると、昨年逝去した才人井上ひさし氏の「新釈 遠野物語」 を同時期に読んでおり、(余談ながら、昨年は井上氏の没年、かつ、 柳田先生による「遠野物語」刊行100年ということもあって、 本作はもっと注目されてもよかった佳作である。原典では意図的に抑制された エロティシズムが巧みに取り入れられた現代的な遠野物語ワールドが展開され ている) 匹敵するホラーを期待して購入したようだが、 ミッチーの狙いは土俗的・民話的な世界とは正反対なルポライターを主人公にした現代怪異談(昔のワイドショーによる怪奇特集風)であり、 いささか(注 いささか先生ではない(w )外された感はあった。 つづく
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- 江戸川乱歩
768 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w []:2011/01/10(月) 00:21:47 ID:GHQ/j0/f - >>766
その解釈でOK。 俺が正月に見たフランス映画版「陰獣」もストレートにそう解していた。 原作は大乱歩らしい「まだ何かあるかもよ」という遊び心から出た思わせぶりでしょ。
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- 【寺島トヨ】 松本清張-10- 【藤島チセ】
561 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w []:2011/01/10(月) 00:24:58 ID:GHQ/j0/f - 前にも書いたが、寛次ファン(?)には短編「老春」は絶対のお薦め。
こういうしょうもない人間像を書かせると清張先生の筆は冴えまくる。
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- 秋の夜長にF・W・クロフツpart2
47 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w []:2011/01/10(月) 00:27:57 ID:GHQ/j0/f - >>46
「ポンスン事件」あたりにした方がいい。 フレンチ警部シリーズは「最大の事件」からなるべく順番に読んでゆくのがベストと思われだ。
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