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名無しの歌姫
分島花音 part6

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分島花音 part6
438 :名無しの歌姫[sage]:2014/01/31(金) 15:08:24.62 ID:qEGVFPBL0
マリアを愛した彼女の幸福

嫉妬を覚えた小学生 憶測

私のマリア

私はマリアが好き。マリアの美しく流れる黒髪や、透き通るような白い肌や、長く影を作る睫毛、桜色の唇、凛とした芯のある声、高い能力やセンス、人望の厚い穏やかで賢い性格、その全てが私の理想で私の憧れ。
私はマリアと友達になりたかった。一言でも良い。マリアと会話がしたい。あの美しい瞳を私に向けてほしい。しかしマリアは私とは住む世界の違う、遠くの存在だった。
いくら私がマリアに近づこうとしても、きっとマリアは私の存在に気づかない。
こんなに好きなのに!好きなのに!好きなのに!好きなのに!大好きなのに!マリアはこちらを見向きもしないどころか、マリアの隣にはいつも花村の姿があった。
私は花村の存在が疎ましかった。私の方がずっと前からマリアを知っている。花村よりもずっとずっと前からマリアが好き。
なのに花村はいきなりマリアの前に現れて、マリアと親しく話し、笑い、マリアと遊んだり、髪型をお揃いにしたり、何もかも私からマリアを奪って行く。
私のマリアが汚れて行く。マリアは2人も必要ない。花村はマリアの偽物。マリアから全てを奪ってマリアに成ろうとしている悪者。
なんなのあのこ。むかつく。むかつく。むかつく。許せない。許せない。許せない。許せない。
私は日に日に花村に対する憎悪が肥大して行った。マリアと花村を引き離したい。私のマリア、私のかわいいマリア。どうかこれ以上花村と関わらないで。
私はマリアに手紙を書いた。もちろん誰がかいたかわからないように。花村の悪口をたくさん綴ってマリアに送った。
マリアが花村を嫌いになるように、そしてマリアを責めた。私のマリア、あなたは花村と仲良くしすぎた罪は重い。
私のことを見ることもしないで。こんなに愛しているのに。酷い、酷い、酷い。
手紙は毎日マリアに宛てた。マリアの表情はみるみる暗くなり、遠くからでもその元気の無さは垣間見えた。
嬉しい。マリアが落ち込んでいる。私の書いた手紙でマリアがどんどん花村に不信感を抱いているんだ。
私の手紙を信じているんだ、読んでいるんだ。嬉しい、嬉しい、嬉しい。
マリアは日を追うごとに衰弱して行った。花村が心配している様子を見せていたが、マリアは徐々に花村と距離を置くようになった。
花村はもう完全にマリアに嫌われているんだろう。私の送った手紙で花村はマリアに対してただの悪魔でしかなかった。マリアを乗っ取りマリアに成ろうとしている悪者。
マリアの存在が花村によって蝕まれて行く。ほら逃げてマリア。花村といるとあなたは駄目になる。マリアがマリアでなくなってしまう。マリアを奪われてしまうよ。
ある日を境にマリアと花村はぱたりと関係を絶ったようだった。
分島花音 part6
439 :名無しの歌姫[sage]:2014/01/31(金) 15:09:10.12 ID:qEGVFPBL0
ようだった、というのは、やはりお互いになにがあったか私にはわからないし、でも私の勇気ある正義のおかげで2人の関係は見事に崩れあっけなく幕を閉じたのだ。
知りたいな。マリアがどんな形で花村を憎んで拒絶して不幸に追いやったら知りたいな。私のおかげだよマリア。
私のおかげであなたは気づいて助かったんだよ。なんて喜ばしこと。これで私だけのマリアが戻ってくる。ああ、マリア、大好きよ。邪魔者の花村は私が消してあげたから。もう大丈夫よ。
コレで私だけのマリアを取り戻すことができた。嬉しい、嬉しい、嬉しい。
けれども私の花村への憎悪はまだ冷めた訳ではない。花村は相変わらずマリアの断片をちらつかせるのだ。
マリアとの過去を、マリアとの思い出を、痛く残念そうに引きずりながら生きている。うざい。正直本当にうざい。あんなこ消えてしまえば良いのに、死んでしまえば良いのに、もっと苦しめば良いのに。
まだマリアを引きずっている。マリアとの過去を悔やんでいる。まだマリアを愛している。マリアを許そうとしている。
嫌だ、いやだいやだいやだ憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい。
それでも花村は周りの友人に慰められて少しずつ元気になっていってるようだった。それが私には楽しくなかった。
どうせ落ち込んで喚いて被害者ぶってんでしょ。あんなやつほんとに心配されてる訳無いじゃん。どうせ社交辞令真に受けちゃってんでしょ。バカだし。すこし優しくされただけで良い気になって。
友達がいるからって調子乗って。あんなの友達じゃないし。偽善ぶってるだけだし、本当にあんたのこと心配してるやつなんかいる訳無いじゃん。あほみたい。
私は花村に手紙を書いた。マリアとの関係を、忘れたいであろう思い出をえぐるように、花村を責め立てた。
花村の傷つくようなこと、いやがることを片っ端から書いた。花村ははっきり言って調子乗ってる。あんな子がいたところで世の中には何の価値にも成らない。
花村がちやほやされてるのが許せない。花村が幸せに生きてるのが許せない。
なんで、なんで私じゃないの、なんで私じゃなくて花村なの。嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い大嫌い!!!!!!
私は花村の悪口を至る所に吹き込んだ。花村の信頼や羨望が落ちるように。花村がみんなから嫌われますように。嘲笑されますように。
あんなこいたってなんの価値もないってはやく気づきますように。
マリアを奪った花村。何年も、何年もあなたが憎いの。あなたが苦しめば苦しむ程私は嬉しいの。
花村からの反応はなかった。しぶといしうざいしつまんない。もっと落ち込んでもう私の周りに姿を見せなければいいのに。
相変わらず幸せそうに笑ってる花村がうざい、うざいうざい。
気づけば花村のことばかり考えている。どうして?こんなに大嫌いなのに。疎ましいのに。うざいのに。考えなければ楽なのに。
私は自分の幸せを見いだす方法をすっかり忘れてしまった。他人の不幸でないと幸福を感じないのだ。
花村の不幸、花村の苦しみ、花村の衰弱からでないと幸福を感じられない。私は花村が好きなの?いやそんなはずはない。
花村の行動を逐一確認して、花村のことをくまなく調べていたとしてもそれは全て花村を不幸にしたいから。慌てふためくさまをみて喜びたいから。
私はマリアだけ。私にはマリアだけだよ。でもそんなマリアも私の存在に気づいてくれない。
私はどこで謝ってしまったんだろう。いや、間違ってなんていない。これが私の道楽で、ささやかな幸福なのだ。
ああ、花村なんて早くこの世からいなくなれば良いのに。死んでくれないかな。苦しんでくれないかな。
花村は今日も偽善ぶった友達と交じって笑ってんのかな。許せない許せない。
分島花音 part6
440 :名無しの歌姫[sage]:2014/01/31(金) 16:03:35.18 ID:qEGVFPBL0
月の土地の生命体

私は月の土地に産まれた生命体であった。
知能も、寿命も、すべてにおいて低い数値であった。
銀河系には私を含め、無数の生命体が存在し、各星に散らばり、その星の中でひっそりと瞬いていた。
星達は皆、自らを誰かに認知してもらう為、そうして一生涯瞬くのだ。

私は産まれたときから星と同様、瞬くことを強いられて来た。
それに何の疑問も持たず、瞬き輝く事が日常の一部であった。
か弱くとも瞬く事で、その光をどこかで見付け、微笑み、ささやかな幸福としてくれている者がいるかもしれない。
私は自分の為に瞬くことを止めず、誰かの為に瞬き続けていた。瞬くことは私にとって幸福であった。
自分より美しく、明るく輝く星は沢山あった。しかし私は他の光に嫉妬する事は無かった。比べる物では無い気がした。
比べて、明らかな優劣を目の当たりにし、美しく瞬けない自分に腹が立ち、落ち込んだ事は数多くあったが、だからといって別の星になりたい訳ではなかった。
別の星になって瞬いたところで、それは決して幸福ではないと思った。
私は必死に瞬いた。瞬くことは私にとって幸福だけでは済まなかった。
美しく輝いている星を見よう見まねでより明るく輝こうとした。
上手く瞬けない自分への不甲斐なさと、瞬くことの幸福との間で、それでも私にとって瞬く事が日常であった。
分島花音 part6
441 :名無しの歌姫[sage]:2014/01/31(金) 16:04:37.57 ID:qEGVFPBL0
ある日私は太陽の生命体に出会った。彼女の光は月からでも十分確認できるほど強く明るく美しい物だった。
それまで見て来た星と光り方がまるで違って見えた。自分が今までいかに稚拙で、未熟な瞬き方であったか思い知らされたような、それは私に無い光をすべて持っていた。
彼女はおとなしかった。太陽に住んでいるのに、声一つ発さず、悲しそうな退屈そうな顔をして、じっと熱を込めただただ瞬いていた。
美しかった。他の星のまたたきとは違う何かがそこには存在した。
切なげで、儚げで、でも力強く、とにかく眩しく、明るく、豊かであったが、異常なまでに控えめであった。
恐怖すら感じた。それは彼女の光への恐怖ではなく、自分の価値への恐怖であった。
彼女は私の求めていた光にとてもよく似ていた。
しかしそれは私がどんなに手を伸ばしても、一生かかって瞬き続けても得られないものであった。
私は彼女を認知した時点で無価値な物となった。所詮月の住人である。
楽しいからと瞬き続けていても、さらに美しい瞬きがあると知って以上何をすればいいというのだ。
それほどまでに彼女の光は美しかった。
私は彼女に自らの光が見えぬように生きた。月の裏側の、一番底の土地に身をひそめ生きた。
私だけが思慕すれば良いのだ。私だけが焦がれて、片想いであれば良い。彼女の光のように私も瞬いてみたい。
だが私たちは出会う。それがいけなかったのだ。
彼女は優しかった。私のような月の住人にはもったいないことであった。
認知されると自分がいかに惨めであるか思い知らされた。
自分の未熟さを目の当たりにしたが、それは私にとって嫌な事ではなかった。
ただ美しい瞬きをより近くで眺める為の副作用に過ぎなかった。それ以上に私は彼女の瞬きが好きであった。
彼女は私とともにいるとき、星の話しをしなかった。
星の話しを嫌っているように見え、そのときの彼女は人が変わったように恐ろしかった。私に自らの瞬きを卑下する有余も与えなかった。
彼女は自分の光に満足していなかった。それを聞いてただただ愕然とした。
私が長らく憧れ、焦がれ、慕い、目標にし、恋をし続け来たその光は彼女にとっては不満や諦めの固まりに過ぎなかったのだ。
多分執着はあるのだろう。瞬く事への執着。瞬く事の楽しみ以外、私たちは知らずに産まれて来た。
たとえそれが時に苦しく残酷な事と知っても、瞬き続けるように、彼女もそうしていた。

私は苦しかった。彼女には自信に満ちて瞬いているものと思い込んでいた。
しかし私では彼女の力にはなれなかった。私は無力で、とても彼女を助けられない。
その後も私は彼女と時折出会い、言葉を交わした。
彼女は木漏れ日のように穏やかで機嫌がいいときがあれば嵐の前の様に静かで緊迫した不機嫌な時があった。
気分によって別人になる彼女に、私は少しおののいていた。自分が嫌われているのではとすら思い、彼女との時間が不安で仕方ない物になった。
分島花音 part6
442 :名無しの歌姫[sage]:2014/01/31(金) 16:06:01.77 ID:qEGVFPBL0
結果、それが真実だと知る。ある日彼女から連絡が途絶えた。
最後に会ってから太陽を見ていない。私は不安になった。心配だったが連絡をすべきか迷った。
彼女が私を必要としている確率は低い。それは何となく感じていた事だった。だが私は彼女の力になりたかった。
やはり穏やかな彼女の方が好きだったからだ。日々あのような彼女であってほしかった。
私は耐えられず彼女に投げかけた。遠い太陽の地に届くように長いほうき星を使って言葉をのせた。そして彼女の返事で私は大きな絶望を知った。

彼女は太陽の土地の生命体である。自ら光り輝きあらゆる星に影響を及ぼす絶大な力を持った太陽の。
その光は多くの星の憧れであった。私もその一人である。
私は月の土地の生命体である。自らでは光り輝けない月。私も誰かの星を眺めて、必死に瞬いていた。
太陽にいる彼女を知って、その光は私のなかで大きな物となった。
しかし、彼女は月の土地の生命体である私に嫉妬していたのだという。疎ましかったと。憎らしかったと。
なぜだろう。訳が分からなかった。なぜ自ら瞬けない星の住人を、眩しいほどに光る星の彼女が嫉妬するのだろうか。
彼女には私の未熟で幼く、少しでも彼女に近づこうと必死に瞬く光がどのように映っていたというのか。
彼女は私に光を奪われてしまう恐怖を感じていたという。
後に光る事が怖くなったが、光る事以外のすべを知らない。恐怖と戦いながらむりやりに光っているという。
どんなに望んでも願っても手に入らない光を持っている彼女が、どうしてわたしにそのような気持ちを抱いたかわからない。納得がいかないし、苦しかった。
私が彼女の苦しみに加担していたかと思うと悲しくてたまらなかった。
美しい私の思慕した輝きを、知らないうちに苦しめていた。
私はその事実をしり、恐怖で瞬く事ができなくなった。もともと瞬く者の少ない月はさらに光量を減らしてあたりは暗闇に包まれた。
吐き気がした。憧れていたその光は、私の事が憎くてたまらないという。
分島花音 part6
443 :名無しの歌姫[sage]:2014/01/31(金) 16:06:44.60 ID:qEGVFPBL0
絶望であった。他の星ではなくなぜ私なのだ。私の瞬きなどなんの価値もないというのに。
そしていままで穏やかで優しかった彼女を思い出す。
すべて偽りであったかと思うと、吐き気が襲い、昼間は何度も吐いた。夜は眠れず、何も食べず、ただただひたすら泣き続けた。
わからない事が多すぎたが、ただ一つ確かなのは、私は光を失ったのだ。
憧れを失った。目標を失った。友を失った。それがこんなにも苦痛で驚く程我を見失う事だったかを痛感した。
自暴自棄になり不安定な生活が半年ほど続いた。
私はやはり瞬くことを止める事はできなかった。それ以外の幸福を知らないし、すべての数値が低い私はそれ以外何もできなかった。
瞬く事を止めたらどんなに楽だろうと思った。そもそも私が瞬く生命体でなければ、彼女とは永久に良い関係であったかもしれない。
過ぎた事を反芻し、折りに触れては思い出し、その度に海ができるほど泣いた。
もはやそれは苦痛に過ぎなかった。光る事が怖かった。
彼女は最後に私の事は忘れてほしいと言った。残酷であった。
望んでも願っても、忘れることができるだろうか。彼女にとって他人の記憶などその程度の者だったのだろうか。
全てにおいて、未だ夢や嘘のような気分であった。ここまでの事を述べられ、それでも私は彼女を嫌いになりきれなかった。

私は苦しみながらそれでも微かな光で月の裏側を照らしている。
彼女はどうだろうか。私の事を忘れて幸福に瞬いているだろうか。
そうであれば良い。苦痛を味わうのは私だけで十分だった。
私はこれからも瞬くたびに思い出すだろう。彼女のこと、彼女の美しい瞬きのこと。
思い出しては苦しむだろう。そうして明日も瞬く事を止めずに虚無の中にいるのだろう。
永遠に。


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