- アルバム全曲レビュースレ in 邦楽版29th
166 :名無しのエリー[]:2021/01/16(土) 00:05:48.65 ID:aQLt8ZHj0 - 6,please please love mode ★★
「三時までに…」 留守電が一件。再生すると上記の台詞が流れ、ノイズ塗れになる。このノイズがまさにテレビの砂嵐を激しくしたようなもので、そのせいか恐怖心を強く掻き立てる。最高に悪趣味だが、今作の流れにはガッチリハマってる。2,4と同じで事実上シークレットトラック。 7,副流煙 ★★★★☆ 曲の持つ世界観に飲み込まれるという点では、今作でも最強クラスのムードナンバー(使い方大丈夫かな?)。ギターのアルペジオが孤独感を煽った後に、無機的なベースとドラムのリズムが乗る。次第に激しくなるギターが自棄的に聴こえるが僅かに耽美な雰囲気を匂わせて芸術的に昇華する。このイントロは約2分と長く、待ち侘びたかのように歌い出すボーカルの心情を如何に汲み取るかが肝要。舞台女優のように飼い慣らしているのか、それとも振り回されているのか。どこまでが演技で、どこからが本音なのか…一人舞台のような曲。 8,CRAZY 4U'12 winter ver.★★☆ 「今ひとつ出来なけりゃ明日も多分足らぬのだな」 打ち込みのトラックに合わせて展開されるのは予定調和なチープ歌謡。男女デュエットでこなれた歌い方だなぁと思ったら中盤でズッコケます。ここまでの流れの後だと、このお遊びに冷えた笑いしか出てこない。もしかして、それを見越してwinter verなのかな?中毒性あり。2〜6と一緒で、事実上シークレットトラック。 9,世紀末 ★★★★☆ イントロの入りから奇妙な雰囲気のはずが、ここまでの流れからだとむしろポップで爽やか、健康的にさえ聞こえてしまうのだから面白くて仕方ない。コンッと小気味よくなるSEやピアノの音、果てはベースやドラムでさえも晴れやかに聞こえてくる。雰囲気としては、長雨の後の虹が近い。 今作の〆としては最高にハマっている。 総評,★★★★★(おすすめ度★★) ガールズバンドの赤い公園が2012年に出した1stEP。このバンドの特性である演奏の引き出しの多さやそのアクの強さ、閉鎖的なドロドロとした世界観を堪能できることから通称「黒盤」と呼ばれている。レビューでは書けなかったが、歌詞も非常に尖っていて、例えば 「かもめ、かもめ。お前が見ているのは羽織物に包まった、36℃の塊」 の様な生理的に恐怖を掻き立てる暗喩を用いて訴えかけてくる様はメンヘラのよう。
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