- アルバム全曲レビュースレ in 邦楽版29th
95 :名無しのエリー[]:2019/10/12(土) 22:56:50.99 ID:8v1ro08H0 - キリンジ
8thアルバム『BUOYANCY』 (2010.9.1リリース) 1.夏の光 ★★★★ 兄作。 夏にぴったりの爽やかな曲。 夏が来てハイになってはしゃいでいる人達を描いているが、ところどころ哲学的なフレーズも多く、ただのサマーソングで終わらせないところがキリンジらしい。 音の洪水って言葉が合うくらい賑やかなサウンドだが、メロ、アレンジはキリンジらしく良く練られている。 海水浴場やプールで流れていたら思わず聴き入ってしまいそう。 2.温泉街のエトランジェ ★★★☆ 兄作。 前曲とうってかわってほんわかした曲に。 歌詞は、温泉街に1人で来たはいいものの、周りの人たちはワケありそうな人たちばかりなのに自分だけ普通でなんだか悔しい、という内容。 サウンドに起伏はあまりないが、メロが綺麗なのでスッと聴ける。
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96 :名無しのエリー[]:2019/10/12(土) 23:01:52.06 ID:8v1ro08H0 - 3.ホライゾン! ホライゾン! ★★★
弟作。やっさんお得意のカントリー風の攻めた楽曲。歌詞がユニークで良い。 ただ、ラストの「急かすように〜」のところが、なんか間延びしているように聴こえる。 4.Rain ★★★★★ 弟作。本作で一番好きな曲。 ちょっとリバーブの掛かったボーカル、レゲエ風の曲調、美しいメロディ、 雨の情景が浮かぶ歌詞と、全てが心地よく「雨」というイメージをここまで体現した曲はなかなか無いと思う。 キリンジは雨に関わる曲に名曲が多い気がする。 けれど、雨音のSEは無くても良かったかもしれない。 5.セレーネのセレナーデ ★★★★ 兄作。 アルバムのタイトルを体現したようなフワッとした曲。この浮遊感を体現している音、いったい何の楽器を使っているのだろう? 歌詞もそのまま聴いていれば美しい印象を受けると思うが、少し深読みするとかなり嫌らしい。 それを嫌らしさを感じさせず自然に聴かせてしまう高樹マジックはさすが。 しかしメロディが本当に綺麗。ただ、7分超えはちと長すぎる。
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97 :名無しのエリー[]:2019/10/12(土) 23:03:46.59 ID:8v1ro08H0 - 6.台風一過 ★★★★
兄作。なんか合唱曲みたいな歌。 曲調にはあまり変化はないが、緊張感を保つギターの音色がグッド。 歌詞が秀逸。 キリンジの2人は作詞家としても相当な技量の持ち主であることを改めて思い知らされた曲。 兄による凄まじい描写力で台風の被害を描いているのに、裏腹に曲は凄くポップで爽やかだ。 「台風が過ぎ去ったら世界はニュープリント 最高のリマスタリング」 7.空飛ぶ深海魚 ★★★★☆ 弟作。こっちはやっさん流のボイエンシー。 歌詞、メロディの相性が最高で、夜中に聴くとトリップしてしまうような感覚になる。 サウンドも浮遊感があり、何度でも聴ける出来栄え。 8.都市鉱山 ★★★★☆ 兄作。問題作でもある。 兄のヘンテコなボーカルとヘンテコなサウンドはまんまトーキング・ヘッズ。 今作で一番ロックしている曲。 レアメタルをテーマに歌っているが、このテーマで名曲に仕上げてしまうキリンジの力量に脱帽。 ライブ映えする曲だが、レアメタルの名称をつらつらと連呼するラストは、果たしてお客さん一緒に歌ってくれるのでしょうか。
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98 :名無しのエリー[]:2019/10/12(土) 23:06:46.24 ID:8v1ro08H0 - 9.Round and Round ★★★
弟作。 おふざけサウンドからラテン調にチェンジ。このサウンドの幅広さよ。 全体的に音が乾いており、シリアスなイメージを受けるが、なかでも歌詞がお気に入り。 10.秘密 ★★★ 弟作。ムーディーな曲。歌詞がエロい。 ハーモニカが印象的だが、他はあまり印象に残らなかった。 詞と音のマッチングが良い。 11.アンモナイトの歌 ★★★ 兄作。 メロディはいいけど地味! 12.小さなおとなたち ★★★★★ 兄作。 傑作だと思う。とにかく歌詞の哀愁が凄まじい。 遊園地という「非日常」な空間で楽しんでいても、結局またいつもの日常はやってくるという シリアスでもの悲しい曲。最後の「明日があるさ」の連呼でさえ、後ろめたさマックスだ。 演奏は終始スリリングで、特に間奏は必聴。 光が目の前に飛び込んで来て、そのままどこかに連れていって貰えるのかと思いきや、 視界が開けたらいつもの日常が待っていた、という感じ。 この曲を最後に持ってきたのは英断だと思うが、アルバムタイトルが「浮力」なのに、 最後の最後で現実に引き戻してくるところが憎い。
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99 :名無しのエリー[]:2019/10/12(土) 23:08:35.51 ID:8v1ro08H0 - 総評
★★★★☆ 音楽業界人から非常に高い評価を受けている堀込兄弟によるバンド、キリンジの8枚目のアルバム。 タイトルの「ボイエンシー」は、浮力という意味があり、 それを体現したようなサウンドの曲がたくさんあるが、 カントリー調の曲や合唱曲のようなものもあり退屈しない。 歌詞ももちろんだが、メロディ、アレンジも研ぎ澄まされており、どの曲も上品に練り上げられている。 セルフプロデュースになってからのアルバムでは一番気に入ってる作品。 兄・高樹の楽曲はいつも通り安定感があり、すべて高水準を維持しているが、 今作は弟・泰行の楽曲も負けずと良い曲が多い。 まとまりのあるアルバムで、ポップス好きな人に是非オススメしたい1枚。 以上です。つらつらと失礼しました。
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