- 各アーティストの全アルバムレビュースレその2
185 :名無しのエリー[]:2011/01/28(金) 07:09:02 ID:QEF4puXQ0 - もう既にひとつレビューありますが、BOaTいきます
フルーツ☆リー ★★★☆ インディーズから出たファースト。大学サークルのノリをそのままCDにしたような、軽い一枚。 メンバーの合唱やらギャグが入った語りのみのトラックやら。 しかし帯にも書かれてる通り「凡百のギター・バンドとは曲のデキが違う」。 中国語とポップなメロディの融合「ウォティパティ」、歌詞はおふざけながら演奏は本気の「Omansa & Samanquo」、 ジャクソン5調のポップナンバー「Mr.グリーン」、美メロと作詞センスが炸裂する「夕日」など名曲を多数収録。 ライブでよく演奏されていた(っぽい)「プールジャック」や「スマートボール」もこれに入っている。 「RORO」よりもこちらの元気さを気に入る人もいるかもしれない。 これは廃盤扱いになってることもあるがamazonでも買えるっぽいし店を探せば普通に新品で買えるはず。 soul, thrash, train ★★☆ セカンド。これもインディーズから。 サウンドとしては前作の延長なのだがSEのサンプリング等も取り入れており、 ここら辺から徐々に曲の構成も複雑になっていく。 決して悪いアルバムではないのだがBOaTの歴史の中ではどうにも埋もれがちになってしまう、なんとも可哀想な一枚。 しかしこれも買って損はない。特にBOaT初期屈指の名曲「KILL/KILL」「12回............」は一度は耳にしておくべき。 90年代バンドブーム調の佳曲「PARALLEL」やお得意の美メロが炸裂する「THE WORD IN THE SEASON」も地味に良い。 しかしなんか他のアルバムと比べると捨て曲や記憶に残らない曲が多い印象がある。 でも聴き込めば聴き込むほど面白くなるアルバムだと思うのでほかが気に入ったらこれも。 これも廃盤扱いになっている事もあるが実際は普通に買えるはず…と思ったらどこも品切れになってる…?
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186 :名無しのエリー[]:2011/01/28(金) 07:10:49 ID:QEF4puXQ0 -
LISTENING SUICIDAL ★★★★ メジャーファースト。アイゴンプロデュース。ここで完全にBOaTは進化を遂げる。 トラックが変わるごとに変化するジャンル、半ば分裂病の様相を呈してきた作詞センス、そしてチャネリング。 もう音楽性としては崩壊寸前のムチャクチャさがあるのだが何故かそれらすべてがポップな地点に着地しており、 音楽好きを喜ばせる変態性と誰でも聴けるキャッチーさを持ち合わせた唯一無二のサウンドを作り上げることに成功している。 ビートルズmeets90年代J-POP「Planet Foxy」、シングル曲ながら個性が爆発した「狂言メッセージ」、 夏の終わりの寂寞感「銀色うつ時間」、両A面の片方だったのに色々とおかしい「DON'T YOU」などなど、 ここには書ききれない勢いで名曲が滂沱の如く溢れる必殺盤。 そんな中でも特に素晴らしいのは「代打デストロイ&サーチ」。これほど能天気なのに泣ける曲は他にはないと思う。 初回盤は8cmCD付き。「RORO」のプロトタイプとも言うべき内容でなかなか面白い。 「Rummy Night」の別バージョン「Night Hawk Night (No Mix)」も聴ける。 これは現在廃盤で、探すのはなかなか難しい。「RORO」と比べたらまだ楽かも知れないが…
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187 :名無しのエリー[]:2011/01/28(金) 07:12:32 ID:QEF4puXQ0 -
RORO ★★★★★ ミニアルバムにしてラストアルバム。そして間違いなくBOaTの最高傑作。本来踏むべき段階を5段ぐらい一気に外して超進化。 音楽的にはかなり複雑になっているのだが、ここでもやっぱり全曲キャッチーかつポップ。 とてもじゃないが「知る人ぞ知るバンド」の入手困難盤とは思えない。「AKIRAMUJINA」の後半なんてかなりムチャクチャなのに何故かポップ。 6曲の中にまともな神経では考えられないほど音と展開が詰め込まれている。なのにまるで組曲のように全て同じような空気感。 共通して流れているのは「夏の終わり」の寂寞感。上のレビューの「銀色うつ時間」でも全く同じ言葉を書いたが、 このアルバムではそれが43分に亘って拡大延長されたような印象を受ける。当然の如く泣ける。 そして特筆すべきは5曲目に収録されている「Tuesday」。これはもう邦楽の歴史に残るべき名曲。 結構メロディ的にはBOaTの過去曲に似たような感じの曲が結構あるんだけれど、それが逆に走馬灯のような効果を醸し出していて このバンドのことを1stから追って聴いていた人ならもう確実に号泣もの。ラスト数分間の哀愁はただ事じゃない。 そして「Tuesday」がギターノイズと合唱で幕を下ろすと聴こえてくる「Circle Sounds」のイントロはフィッシュマンズの「空中キャンプ」に於ける 「ずっと前」にも匹敵する抜群の必殺性を持った名イントロ。内容も他の曲と比べていつも通りのBOaTっぽくてなんかとっても切ない気持ちになる。 で、こんな素晴らしい内容のアルバムが何故廃盤なんでしょう?それは永遠の謎。単に売れなかっただけとは言わないで。 オークションとかで買うとむっちゃ高そうですがユニオンとかで地道に探せば5000円くらいで買えるし、 その価値をわかってない中古CD店でかなり安く手に入れたという報告も見かけたことがあるので、頑張りましょう。 探し続けたけれど疲れて折れそうだけどやっぱりネットの音質じゃ満足できない、ネットじゃなくてどうしてもCDで聴きたい、 という関東在住の方はジャニスや渋谷TSUTAYAでも借りれるらしいので検討してみましょう。 またちょっと興味があるという方は中古で簡単に買える「北青山的13曲1000円」というコンピで1曲目「ALL」(名曲!)が聴けるので参考にしてみては。
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188 :名無しのエリー[]:2011/01/28(金) 07:14:17 ID:QEF4puXQ0 -
総評にかえて―アルバム外のBOaT音源のかなり不完全なレビュー [V.A] 「Tokyo Hot Indies Super Recording Vol.1」 <1998> 「絵になる最後」収録。CDは持ってないけれどニコニコにあるライブビートの音源でライブバージョンが聴けます。 なかなか良い曲だとは思うのだが、そんな気に留めるほどでもないとも思う曲。 CDは見たことない。 [split 7inch] 「BOAT vs SeaMeal」 <1999> SeaMealとのスプリット7インチシングル。「SkyHigh」のカバーと「Pretend」を収録。 「Pretend」は「LISTENING SUICIDAL」とは別テイクで、AxSxE氏のコーラスが入っている。こっちの方がいいかも。 [maxi single] 「ウォティパティ (パ'28)」 <1999> ワンコインシングル盤。 名曲「ウォティパティ」のリテイクバージョン。これがなかなか良い感じで、この曲が好きなら一聴の価値あり。 そしてB面曲「USUNORO PORK FACE」はテレビ番組の企画から生まれた複雑展開パンクナンバーで、 かなりひっそりとした存在だが初期BOaTのいいところが全て詰まった地味な名曲。 これも廃盤っぽいですが中古店では結構見かけます。店によっては結構安く売ってたり。 [maxi single] 「狂言メッセージ/DON'T YOU」 <2000> メジャーファーストシングル。アルバム未収録曲「Listening 13 (Flush Fast)」を収録。 かなりアグレッシブな感じのするロックナンバーで相変わらず展開も滅茶苦茶だしなかなかカッコいい曲。 でも印象にはあんま残らない。聴くのは最後でいいかもしんない。入手困難度はそんな高くないはず。
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189 :名無しのエリー[]:2011/01/28(金) 07:15:28 ID:QEF4puXQ0 -
[V.A] 「HEADACHE SOUNDS SAMPLER CD vol.3 "Strange Circus"」 <2001> 向井秀徳のユニットとかが入ってるオムニバス盤。「Pills To Kill Ma August」を収録。 これは名曲中の名曲!何せAxSxE氏が「一番好きな曲」と綴ったことがある曲なので間違いナイ。 轟音ギターの壮大な響き、「RORO」から変わらず通じる夏の終わりの寂寞感、そしてメロディの美しさ、これを聴かない手は無い。 ちなみにこの曲、Natsumenになってからもリテイクされているみたいですが、そちらは微妙な出来との噂。 廃盤にはなってないっぽいがネット通販ではどこも在庫状況があやしげ。見つけたら買っておきましょう。 [V.A] 「London Nite 4 "OLD&NEW FRIENDS-UNITY"」 <2001> 何故ロンドンナイトにBOaT?勿論全体からは浮きまくり。改めて聴いてみたがやっぱり笑っちゃうぐらい浮いている。 「Mr.Crowly On The Beach」を収録。 「RORO」の世界観を濃縮した4分ポップソング。後半はやっぱり轟音。名曲、というほどではないけどこれもかなり良い。 相変わらずメロディのセンスは神がかかっている。そしてこれがバンドとしては最後の音源。 しかし曲を聴き終わると「ああ…」と余韻に浸る間もなく次の曲のノーテンキなイントロが聴こえてきてムカつく。 現在は多分廃盤。でも探せばけっこう簡単に見付かる予感。 [V.A]「GUT 1+1」 <2004> 「NEVER WEAR OUT yOUR SUMMERxxx!!」収録。元は「BOaT VS Natsumen」という企画ライブで配布された音源。 アインちゃんとAxSxE氏による弾き語り+α。バンドとしてのBOaTを期待すると拍子抜け必至。 まあメロディはやっぱり凄くいいし、なんか爽やかな感じで普通に良い曲なんでBOaTが好きだったら聴いてもいいんじゃないでしょうか。 そしてこれが現状BOaT名義では最後の音源。果たして次はあるのか!? 新品で買えるっぽいですが内容からいってBOaT目当てなら中古でいいと思います。結構安く買えるし。 余談ですがAPOGEEの「ゴースト・ソング」のインディーズバージョンもこのコンピで聴けます。 長々とすいません
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