- アルバム全曲レビュースレ in 邦楽版24th
451 :名無しのエリー[sage]:2010/12/28(火) 12:19:09 ID:rE+3H5lB0 - >>447
HD漁ってたら書き溜めてた「THE CIRCLE」があったから投稿するよー かなり主観が混じってるけど勘弁してください B'z / THE CIRCLE 1.THE CIRCLE ★★★★ アコギとパーカッションを主体として作られた、本作における導入の役割を果たしている1曲。 怪しげかつオリエンタルな音階に、稲葉の「オーオーオーオー…」という宗教がかった歌唱が乗る。 この時点で、このアルバムは元来のB'zとはまったく異なる毛色の作品であることが伺える。 2.X ★★★★☆ 左右にブイブイと蠢くギターから始まる怒涛のミディアムHRナンバー。イントロの稲葉のシャウトに早くも圧倒される。 Aメロこそ#1の流れを引き継ぐ民族的なメロディーだが、Bメロ〜サビは完全に王道のB'z。 ただ、ここ数年のB'zのアルバムにしては珍しくダークな幕開けであるため、あまりマンネリ感は感じられない。 イントロのギターリフは中々クセになる。 3.パルス ★★★★ #3が「X」だっただけに、いかにもX JAPAN的なアルペジオから始まる。 曲調は今までのB'zにはありそうでなかったメロコア的な要素を感じられる1曲だが、良くも悪くもまとまっている印象。 稲葉の作詞センスは相変わらず並みのものではなく、サビでは 「どっくんどっくん」「どっこいどっこい」 と、普通なら乗せるのをためらうどころかそもそも頭にすら浮かばないようなフレーズを平気で叫びまくる。
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452 :名無しのエリー[sage]:2010/12/28(火) 12:20:09 ID:rE+3H5lB0 - 4.愛のバクダン ★★★★
先行シングル。松本曰く「皆がコピーしやすいような曲」ということで、 いかにもそこら辺のガールズバンドが演っていてもおかしくないような軽い軽いサウンドに仕上がった。 全体的にダークなイメージのこのアルバムの中でも異彩を放っているが、良いアクセントになっているかもしれない。 5.Fly The Flag ★★★☆ あまりリフも重くなく、サウンド面で言うとわりかしポップなナンバー。 だが、サビの「いっ↑しょう↓けん→めい」なる独特なメロディも相俟って、中々クセのある印象も。 Bメロの、所謂「テケテケ奏法」はあまりB'zでは聴くことができないもの。 6.アクアブルー ★★★★☆ #4同様軽い軽いメロディアスなアップテンポナンバーで、シングル候補にも挙がっていたらしい。 ジッタリン・ジンの「プレゼント」をこねくり回したようなメロディで、サビが2回あるようなあやふやな構成。 ギターはそれを引っ張るかのようにグイグイと行く。聴いていて結構心地が良い。 歌詞については、数年に1回はある女性目線による歌詞。視点を変えると色々な見方があるんだろうが、 とりあえず表層を見る限りでは恋人の馬鹿さ加減を嘆く女の独り言にしか聞こえない。 ちなみに、「アクアブルー」というのは携帯が着信した時に光っている、あの青い光のことだそうで。 7.睡蓮 ★★★★★ 東洋的な香りが味わい深いバラード。ここで段々薄れてきた序盤の民族色を一気に引き戻す。 イントロとサビで終始聞こえるアルペジオ、感傷的なギターソロと、松本の仕事は完璧。元々こういう叙情的な曲は得意らしい。 稲葉もそれに乗じてか、Aメロはあまり使わないファルセットを使用。改めて歌唱力の高さには感心する。 このアルバムの中でも数少ないバラードだからこそ、かえって良さが際立っている。名曲。
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453 :名無しのエリー[sage]:2010/12/28(火) 12:20:51 ID:rE+3H5lB0 - 8.Sanctuary ★★★★★
静かな出だし、サビで爆発と、B'zお決まりの構成。が、細かい仕掛けが際立つ。 例えば、この手の曲はサビでひたすら暴走してリスナーそっちのけという展開が多いが、 この曲のサビではバックに流麗なアルペジオの旋律が入っており、それを抑える役割を果たしていたりする。 また、アウトロのギターソロはZepの「天国への階段」を巧みになぞったようなアレンジだったり。 構成も素晴らしく、間違いなく今作のハイライトだろう。 9.Fever ★★★★ #4のシングルの2nd Beat。ブリティッシュ風味のギターリフが結構カッコよかったり。 歌詞はB'z自身がライブについて歌っているのか、それとも稲葉お得意のアレについての曲なのか。 #8から続く高揚感がそのまま続いているので、アルバムの構成でいうと絶妙な位置に配置されている。曲順で得をしているかも。 10.白い火花 ★★★★★ 軽快なカッティングから幕を開けるミディアムナンバーだが、予想以上にサウンドは重い。 間奏では短いながらもドラムソロやベースソロなどが置かれており、実際松本も普段のB'zとは 少し趣を異なる感じに仕上げた曲だと語っている。 稲葉の歌詞はここ数年では珍しい啓蒙思想の強いものとなっているが、 あまり説教臭くなく自然に諭すような感じなので、あまり鼻につかないのが好印象。 11.イカロス ★★★★☆ 三連のゆったりとしたテンポで始まるスローバラード。 …かと思いきや、サビ直前で突如アップテンポと化す変わった構成の1曲。 2番サビからはテンポを戻さず、今にも吹っ飛びそうな勢いで進行していくが、アウトロには元通り。 哀愁を織り交ぜた爽快なメロディのギターソロが映える。
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454 :名無しのエリー[sage]:2010/12/28(火) 12:21:54 ID:rE+3H5lB0 - 12.BLACK AND WHITE ★★★★☆
このアルバムが発売された前年に松本が結成したバンド、TMGの作風をそのまま受け継いだかのようなモダンなHR。 序盤の民族的なメロディが復活し、やたら難解でグニャグニャとしている。まさかB'zがこんな実験的な曲を作るとは思わなかった。 歌詞は何でもかんでも白黒付けたがる世の中を皮肉ったもので、あまりにも痛快。 「永遠に続く憂いの理由は 自分自身だと最期まで気づかないまま」 ラストのこの一節は鳥肌が立つ。「最後」じゃない、「最期」だからね。あぁ怖い怖い。 13.Brighter Day ★★★☆ ラストは何故か全英詞のバラードナンバー。この曲を聴くと何故か夕暮れを思い出す。 メロディは泥臭いアメリカンロックそのもので、いかにもなアコギがジャカジャカと終始響き渡る。 東洋的な怪しさに満ち溢れた#1とは対照的な作風だが、それはそれで面白いかもしれない。 総評 ★★★★★ このアルバムが発売された前年、2004年には2人はソロ活動に入り、それぞれの音楽活動を行っていた。 松本はアメリカンHRの中途半端な有名どころと組んで、本格的なHRバンドであるTMGを結成、ライブツアーをまわっていた。 一方稲葉はソロアルバムを発表、かつての作品では見られなかった哲学的な歌詞が全体を占めたものだった。 そしてその2つの要素が見事に結実したのが今作の「THE CIRCLE」だ。 全体の雰囲気はどことなく灰色がかったような印象があり、実際曲調も、「Brotherhood」に見られるような重苦しくダークなものが大半。 これはTMGの影響が現れていることは間違いないだろう。 さらに稲葉もソロ活動からの流れか恋愛をテーマにした歌詞は少なく、哲学色が強いものが多い。 このアルバムのテーマは、ズバリ「輪廻」。 仏典などで見られる言葉で、全ての魂は人間に限らず、全ての動植物に姿を変えて生き続けるといった意味である。 そのせいもあってか、今作は序盤の流れから見れるように宗教的な印象を感じ取れる。 B'zの中でも珍しくコンセプトがはっきりと現れているアルバムなので、全体として芯が通った作風で、最後までその流れが途絶えることは無い。 アルバムを単なる曲の寄せ集めではなく、一つの作品として見ている方にもお奨め。B'z後期の名盤。
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