- アルバム全曲レビュースレ in 邦楽版23rd
172 :名無しのエリー[sage]:2010/03/07(日) 23:19:18 ID:+O7hFGSZ0 - 皆さん乙です。
もったいないので書きかけてたモンテビレビューざっくり仕上げました。 前の方と点数やら感想やらモロ被りしてるけど。 相変わらずベタ褒め長文ですがヲタ乙と思っていただければ幸い JET PLANE/rumania montevideo 1.picnic ★☆ ギターとボーカルの導入部からバンドサウンドが入る、明るめのリズミカルな曲。サウンドはひと昔前の洋楽っぽく、全体的にメロディアスな作り。 最初の数十秒だけで十分アマチュア臭さが分かる曲なので(音楽素人レベルの耳でも)、そこでダメな人は多分この一枚自体どうしてもダメ。 しかもそれを乗り越えた聴き手にも彼らは更なる試練をお与えになる。一番サビ終了後の間奏でどう考えてもスネアの音一個抜け落ちてる。 えっこれ良いの・・・?いくらインディーズとはいえ市場に出せる水準ってものがあるんじゃ・・・。 しかも何喰わぬ顔で演奏は続くのでなんか自分だけ落とし穴にはまった感覚に。確かに不完全さは彼らの魅力だと思うけど・・・。 わざと失敗テイクを収録したとかにしても、申し訳ないが個人的には許容範囲外。 メジャー版と比べてベースがメチャ簡素なことを踏まえると、Bメロのギターのポップなオブリとか既にこの頃から出来てたのは意外かも。 ちなみに明るい曲調に反して歌詞は子捨ての歌らしい。後に同名メジャー3rdシングルとして発売、メジャー2ndアルバムにも収録。 2.Jonathan ★★☆ アップテンポの爽やかなギターポップ。一体何をもってJonathanなのか歌詞を読んでも分からないけど。 AメロBメロと穏当に進んでいくが、サビで一気に妙な雰囲気に。元々たどたどしい歌唱力なのに、キー高めのメロディを連続で歌うには 歌唱力が追いつけ無さ過ぎて、なんか泣きながら必死に歌ってるみたいに聴こえる。キュッキュッって効果音も印象をおかしくする。 さらに後半のサビではその泣きそうな歌の上に露骨にやる気が感じられない「オイェー、オイェー」ってコーラスを被せてきた。ドン引き。 聴き手にどんな感情を湧かせたいんだ・・・。まあわけの分からない複合技に緊張はするけど。 後に曲名を『さよなら』と変え、メジャー1stアルバムに収録。
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173 :名無しのエリー[sage]:2010/03/07(日) 23:20:07 ID:+O7hFGSZ0 - 3.Halfmoon ★★★★★
冒頭の音外しまくった裏声ウーウーコーラスで早々にズッコケる。しかしまあこのあたりは彼らの持ち味。 加えて鉄琴の音や舌足らずなボーカル、ヘタウマルーズな演奏もあり、ある種のノーテンキムードが最大限に発揮された曲。 面喰らうような謎の転調も多いが全体としてはピースフルな出来。ノイジーなギターは意外に重く、曲を盛り上げる。 オルタナティブロックバンド・rumania montevideoのド天然の魅力を存分に堪能できる良曲。 4.Another day is yet to be ★★★★ えぇーと、何風って言うんだろうこういうの・・・スウィングジャズ?いや要素はあると思うけど絶対違う。 間奏とかはちょっとハワイアンっぽいところもあるし、フレンチポップな雰囲気もあるような。もうよく分からん。 M3よりもっとノーテンキでピースフルな感じに思えるが、どっちかと言うと正体不明のむず痒いピースフルさのような気が。 聴き手を困惑させたかったのかも。いやただ単に楽しい曲を入れたかったって可能性もある。本当に分からん。 ところでこれちゃんとメンバーが演奏してる?特にベース。ウッドベースに近い音に聴こえるんだけど。打ち込み? ドラムも他のプレイに比べて安定し過ぎてる気がする。なんかもうそのあたりからして本当に全く分からん。どうにかして。 「dreams again, dreams again, dreams again」と珍しく歌がリズミカルに曲を引っ張る瞬間が耳に残る。
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174 :名無しのエリー[sage]:2010/03/07(日) 23:21:24 ID:+O7hFGSZ0 - 5.JET PLANE ★★★☆
まんま洋楽な感じの準インスト曲。当然技術は足りてないが、今作では最もヒステリックなパフォーマンスを見せるナンバーか。 まあ歌唱力不足を補うためにボーカル加工してるけど。でもこの加工がまさか後になって意味を持つとは。 歌詞は無意味っぽい。英単語を適当に当て字にしている(away→awey、change→chenzi等)。でも「melan-steal」とか「welan-steal」って何? 最後は加工されたボーカルが再度入って徐々に大きくなり、不意にビタッと切れる。サイケ。 6.I can't help but hold you tight ★★★★★ ピロピロいいながら上下するイントロの電子音が印象的なスローテンポの曲。 「冬に男が死んだ(超要訳)」ってな物騒な英詞の短い歌パートが終わったあと、シンセストリングスを中心とした悲しげな長い間奏に入る。 抑揚などいっそ何も考えないようにガスガス叩くスネアやシンバルのシャンシャンした余韻が、積もりゆく雪の情景を思い浮かばせるような気がする。 そこに三好真美のコーラスも加わった時、悲壮感はさらに加速。彼女の声はもともと生気に欠ける感じだったが、 曲の悲壮感をこれほど煽るものとは思わなかった。凄まじい。中谷美紀の『フロンティア』並みに死臭を放っている。 吹雪の山荘で一人で静かに死んでいく老人とか、歌詞と合わせてそういう光景が容易に想像できる。 最後は吹雪が止むように急に穏やかになり、歌パートをもう一度繰り返して終了。 妙な転調を得意とする三好誠だが、この曲は場面転換ごとに聴き手の感情を揺さぶるような上手い転調をしてると思う。 ところでいくら詞中で雪だの冬だの言ってても、自分の中でこの吹雪というイメージがどこから湧いたんだろうと不思議に思ってたら、 曲中ほぼ通しで風のような吹雪のようなフォオオオって音が鳴ってました。あなたの仕業でしたか。
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175 :名無しのエリー[sage]:2010/03/07(日) 23:22:38 ID:+O7hFGSZ0 - 総評 ★★★★☆
詳しい情報は前の人のレビューに任せて省くが、rumania montevideoのインディーズ一枚目。 彼らのCD音源をすべて聴いた印象では、これが飛びぬけてカオス。カオスっていうかどんな言葉で表していいのかもちょっと困る感じ。 特に演奏はもんのすごい感覚的。曲によっては商品としてギリギリアウトなクオリティのものもアリ。 プラス今さら言うまでもなく歌はド下手だし、歌詞も中学生英語だし発音は悪いし作曲は変だしで、こう書くと良いとこナシな一枚にも聴こえるが、 言い換えれば、メロディ・詞・声・演奏、曲を構成する全方位に対してどこかしら天然的に欠落してる感じが今作のカギ。 むしろ欠落してることに非常に安定感があり過ぎててなんかブキミ。 インディーズ2ndとのリリース期間は1カ月未満だが、それと比べても大分とっ散らかってる。なんでこんなに差があるんだろう。 総合すると、ちょっと変わった凡人が寄り集まって曲を作ったら、相当奇妙な一枚が偶然出来てしまいました、って感じ。 そうは言っても全曲歌モノで、曲は転調こそアレだけど割とメロディアスだし、何より曲ごとの収録時間が短いので(4分を超える曲がないです)、 聴きにくさはそれほど無いはず。当然、技術の無さに目を瞑れば、という前提はあるけど。 相変わらず誰にオススメしていいのか迷うが、ボーカル兼ドラムの三好真美が虚ろな表情でこちらにビデオカメラをジッと向けているジャケット (本当は歌詞カードだけどね)を見て何か惹かれるものがあるという人は、聴いてみると未知の感覚を味わえるかも。 大体あんな感じの雰囲気です。
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