- ■ The 1975 // Part 11 ■
560 :名盤さん[sage]:2022/06/27(月) 01:27:41.91 ID:dUcvKSYa - The Green Room 2019/09
ー君の名声との付き合い方は興味深い、『自分の意見を多くの人々に発信できる有利な立場にあるなら、 何か意義あることに利用すべきで、何もしないならアーティストである意味がない』と信じてるって? 「ああ、それは俺がハードコアやパンク出身だからだよ。アートは声明であり、 音楽とは何か意味をもったものである、という考えは俺のDNAの一部なのさ。 あと、親父の影響でウィルソン・ピケットやジェームス・ブラウンといったブラック・ミュージックを幼い頃から聴かされて育ったからね。 彼らの音楽を聴いていて、ただ直感的に、”わかった”んだ。彼らの音楽には揺るぎない信念があった。 だから俺にとって、信念はとてつもなく大事なものになってるんだけど… いやでも、まずそれ以上に、そういう有利な立場や機会を利用しないって、単純にナンセンスだしさ? 正直な話、音楽の中で世界に対する自分の考えを言ったからといって、他の場でも発言しないといけない義務なんて生じない。 でも、一人の人間として、ライブのステージや、インタビューの場がせっかく与えられているのに、 そういう機会を利用しないのは…俺にはナンセンスとしか思えないんだよね。
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561 :名盤さん[sage]:2022/06/27(月) 01:28:30.72 ID:dUcvKSYa - 『自分がいかに恵まれてるか自覚しろ』って非難されたからじゃないんだ。
中流階級の白人で80年代後半にイギリスで生まれたという事実を除いても、 やりたいことがやれているというだけで、恵まれているなと自然に思うものなんだよ。 だから時々、この場を無駄にしてはいけないと感じる。 例えば、ブリット・アワードの授賞式で母親やみんなに感謝の言葉を述べるより、もっと意義のあることを言うべきだ、とね。 勿論、その後プライベートで母親に感謝したけど(笑) あと俺のカルチャーにおける立ち位置から来る責任もあるし…オルタナティブミュージックは、 かつてのように凄くポピュラーな存在とはいえない、マリリン・マンソンみたいな奴があまりいないんだ。 ブラック・ミュージックやヒップホップの世界には沢山いるけどね。 俺と同じ立ち位置にいるのは誰か? それは、ポップスターだ。ポップスターは、社会問題に対して発言をしたがらない。 そうなると、同じポップスターである俺が自分の立場や機会を活かして、声を上げる必要があるとより強く感じるのさ」
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562 :名盤さん[sage]:2022/06/27(月) 01:29:31.49 ID:dUcvKSYa - ーポップスターにも、もっと積極的になってもらいたい?
「実際のところ、彼らも声を上げるけど…ちょっと待つんだよ。エド・シーランやテイラー・スウィフトみたいなポップスターは、 ”ウォーク”ショップ、つまりワークショップのように安全な環境になるまで、ウォークなことはしないんだ。 気候変動の問題にしたって….そう、例えば、テイラー・スウィフトが最近リリースしたゲイの人々をサポートする曲は、 6年前には出せなかったはずさ。LGBTQに対する社会的理解が今より低くて、リスクが高かったから。 別に、彼らを批判してるんじゃない。彼らはグレイトだ、沢山の人々に彼らの音楽が響いてるわけだし、俺は凄く尊敬してる」
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563 :名盤さん[sage]:2022/06/27(月) 01:30:09.82 ID:dUcvKSYa - ーそういう問題意識が大きくなるにつれ、君は自分のバンドが、現代におけるレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンになりつつあると思う?
「いやいや、全く。なれるなら是非なりたいね(笑) レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの音楽は、ほぼ全てのどのロックバンドよりも優れていた、俺の個人的な意見ではね。 それでも、彼らは政治が第一だったんだ。それがちょっと彼らの解散の一因でもあって…そういうタイプのバンドとは似てないと思う、 俺達はもっと…そうだな、もし君が代わりを望むなら、俺達はU2に似ている所があるかもしれない。 あまり恵まれていない地点から始まって、ビッグなバンドになっていく…その過程で、それを当然とは思わずに、 より社会的なことにも目を向けるようになるっていう」
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564 :名盤さん[sage]:2022/06/27(月) 01:31:22.74 ID:dUcvKSYa - ー普通はバンドがビッグになったら、アリーナやスタジアムで演奏するようなステップアップした道を選択する。
でも君は最近、真逆のことを言っていた、 『バンドとして成功したといえる地点に辿り着いたけど、小さなエモバンドのようになりたい』って? 「そう、問題はそこなんだ。俺達レベルに成功したら、誰もがビッグなロックバンドの方向に進みたがるよね。 でも俺達は逆に、スモールなエモバンドのようになりたい。 それは単に、謙虚さや純粋さ、生きがい、普通にそれが楽しいからでもあるし、流動性、 あまりに遠くの過去や、ずっと先の未来を望むよりも、今この瞬間を生きること…そういうことがより利益を求める道に進むよりも、 俺達にとって遥かに魅力的なことだから。 『より売れる曲を作ろう』と考え始めた瞬間に、俺達のバンドは上手くいかなくなるよ。 要するに、ただ純粋に音楽を作り続けたいってことさ、陳腐で使い古された言い方だけど…でも、本当にそう思う」
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565 :名盤さん[sage]:2022/06/27(月) 01:32:05.01 ID:dUcvKSYa - ー有名になることは、多かれ少なかれ、必ず人に何かしらの影響を及ぼすからね?
「ああ、ただ俺としては…これはよく言ってることなんだけど、俺達は長いことレーベルと契約できなかった。 なんとか契約しようと必死になる度に、状況はますます悪くなるばかりで…ある時、マネージャーのJaimeにこう言われた、『お前が本当に価値あるものを作るのは、他人の評価を気にしてない時だ。ただ音楽を作れば、それが最高のものになる』と。 そして23歳ぐらいの頃に、彼の言ってることが正しいと学んだ。 ファンのみんながよくタトゥーにするのが、物凄く率直で超個人的な歌詞だったり…だから俺は、正直であること、 自分の直感を根本的に信じてる。 どこか、ありのままの自分になるほど、より有名になれてしまったっていうか…俺の言いたいことわかる? つまり、自分を装ったり、自分の理想、他人が期待するような人物になろうとしたんじゃなくてさ」
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