- 【エラー】どらさんの行方7【鈴木】 [無断転載禁止]©2ch.net
168 :ドラム缶B ◆P7KNUTc4/g []:2016/01/21(木) 16:56:50.95 ID:uJHmFfl8 - >>157
その悩みとは、せっかくの休みで、痛みも落ち着いた事であるし、再びランニングに行くか否かである。 そして、その事もまた、俺は、例に漏れずウエイト板にて自問自答をしていた。そしてその結果、 俺は、ランニングに出かける事を決意する事となった。だから俺は、その瞬間、ウエイト板に、 「決めた!行ってくるぜ!」 と、書き込んでいた。が、俺のその書き込みを読んだ匿名達は、俺の体調不良を知りながら、 誰一人として俺を止める者はいなかった。そして、ランニングに出かけてしまった俺は、 その日、さらなる痛みに見舞われる事となり、ウエイト板で愚痴る事すら出来なくなっていた。 そして、運命の月曜日。俺は、その右頬の腫れをさらに強い物とすると、診断結果を聞きに、 病院へと訪れていた。そして、病院へ訪れた結果、俺は、またしても入院する事となってしまった。 そんな病院側が言うには、俺のこの症状は、やはり原因不明であるらしく、そしてその診断結果を聞いている俺の眼は、 明らかに異常と言う他に無い程に充血していた為、さらなる検査に、どうしても入院が必要らしい。 だから俺は、17時までに病院に戻って来て欲しいと言う病院側の要望を呑むと、一時帰宅し、 入院の準備をするに至った。因みにその時の俺は、以前の入院で物凄い自己嫌悪にさいなまれた経験からか、 二度とあのような自己嫌悪には陥らないよう、大量のウォッカを隠し持つ事に決めていた。 そして、ウォッカを買い漁った俺は、その時の心境を、ウエイト板にこう書き残している。 「ああああああああああああああ!!!」 と。とどのつまり、言葉に出来なかったのである。そして、俺のその叫びを目の当たりにした匿名達は、何故か、 「春だな。」 と言うと、勝手に俺から季節を感じ取っていた。だから俺は、訳のわからない匿名達に対し取りあえず、 「黙れ。わしゃあ性懲りもなく入院の準備で忙しいんじゃ。 再生を誓ってからまだ2週間、墜ちるように仕組まれてるとしか思えない。 右胸に激痛があり、右わきの下と右耳下が腫れて、右目眼圧が上昇、 全身の関節は痛く、古怪我部位は特に著しい。熱は39度。全てにドクターストップじゃ。」 と返すと、自身が入院の準備に忙しい事を宣言した。そして、入院の準備を済ませた俺は、 ここに来て何故か、病院に行きあぐねていた。が、それもその筈であり、俺の顔は今や、 人に見せられない程に腫れ上がっているのである。だから俺は、病院に行きあぐねたままで、 再びウエイト板でくだを巻くと、そこに、自身の顔の画像を投稿する事となった。 すると、俺のその顔を見た匿名達は、こぞってそんな俺の事を、 「ほっしゃんみたいだ。」 とか、 「バカボンのパパみたいだ。」 などと称した。だから俺は、それに対し、まず、自身が太っていない事をアピールすると、 原因不明でリンパ節が腫れてしまっている事を匿名達に告げる事にした。そして、 俺のその書き込みを読んだとある匿名は、そんな俺に対し、 「ドラムって毎日「俺って可哀想」アピールをするくせに、他人が苦しんでる姿に対しては、 異様に冷徹なんだよな。こいつ人間失格だろ。」 と、書き込んだ。が、彼のその書き込みは、的を射ていた。そう、そんな俺は、自分が墜ちていく姿や、 自分が馬鹿にされる姿も好きであるが、他人のそれもまた、大好きな変態である。だから俺は、匿名のそれに対し、 「ところで、病室に酒の持ち込みって問題ないよね?いや〜他人が苦しむ姿は酒の肴にはもってこいだね。 墜ちていく奴の姿を端から観察し、大爆笑かましながら酒を飲むって最高だね。 だから病室でガン患者でもいようもんなら、俺は毎日そいつの隣に居座り、ウォッカ片手に、 「悲劇気取ってないでとっととくたばれや。」と大爆笑しながら耳元で囁いてやるんじゃ!」 などと、人としてあるまじき書き込みで返していた。すると、俺のそれを読んだ別の匿名は、そんな俺に対し、 「それって、まさに俺がドラムの落ちていく姿を見て楽しく酒飲んでるのと同じジャン。」 と、返した。瞬間俺は、大爆笑してしまっていた。そう、ウエイト板は、こうで無ければならない。
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169 :ドラム缶B ◆P7KNUTc4/g []:2016/01/21(木) 16:58:12.86 ID:uJHmFfl8 - >>168
最悪な固定ハンドルネームの俺と、最悪な匿名達、それこそがウエイト板なのである。だから俺は、 ケータイの画面越しに満足げに頷くと、一人にやついていた。そして、俺がそんなやり取りをウエイト板でしていると、 いつの間にやら、病院へ行く17時が迫っていた。だから俺は、まず、 「わしの胸をナイフで刺したの誰だ〜?シバいたるから出て来い〜。どんだけ痛い思うてんじゃ〜?」 と書き込み、自身の胸の痛みを周囲にアピールした後に、 「5時までってもう4時過ぎてんじゃねえか!痛い痛い痛い痛い痛い!!」 と、書き込み、あわてふためいて見せた。すると、そんな俺に対する匿名達の反応は、 相変わらず冷たい物があり、故に俺は、そんな彼等に対し、最後に、 「はいはい。僕はもう死にますよ。満足だろ?さいなら。行かなきゃ。」 と書き込むと、病院に向かう事にした。すると、病院に向かう事を表明した俺に対し匿名達は、 「まずは脳の病院に行け。」 などと書き込み、またしても冷たくあしらうだけであった。そして、そんな匿名達の中には、 やはり俺の顔の画像から、俺がおたふく風邪であると想像する人も少なく無く、彼等は、 成人になってからおたふく風邪になると、精子が死ぬ事があると言う噂から、そんな俺の現状を、 「こいつの精子が死んで、こいつの遺伝子が残らなくなってよかったじゃないか。」 とまで書き込んだ。俺も、嫌われた物である。が、元からウエイト板の匿名達に好かれようと思っていない俺は、 その事に対し、別に何の不満も抱いていなかった。だから俺は、そのままで、何食わぬ顔で病院へと向かっていた。 そして、病院へとたどり着いた俺は、早速自身が入院する事となる病室を振り分けられると、 次に精密検査を受ける事となった。因みにその時の精密検査とは、主に、痛む肺と、そして、 真っ赤に充血している眼についてであった。が、精密検査を受けて尚、俺の胸は、 やはり以前と変わらず気管支炎しか見つからず、そして眼に至っては、結膜炎ですら無く、 何の菌にも感染していないとの結論に達してしまった。だから、俺の眼を担当した医師は、 当時の俺の病名について、原因不明のブドウ膜炎との診断を下した。が、俺の肺を担当した医師も、 そして俺の眼を担当した医師も、実は重要な事を見落としていたのである。それは例えば、 肺であるならば、そのレントゲン写真にて、気管支の炎症が顕著に映ってしまい、 その他の部位には目が行かなかったと言う感じである。そう、実を言うと、俺の肺は、 内部の毛細組織が、ある奇病によって侵されていたのである。そして、その奇病とは、 サルコイドーシスと言う名の、免疫異常である。そして、サルコイドーシスとは、 肺の毛細組織に、原因不明のままで、肉腫を形成する事が多い。しかし、俺がサルコイドーシスに気づけたのは、 その遥か後の、偶然による物でしか無く、だから当時の担当医が、気管支炎だけを診断してしまった事を、 誰も責める事は出来ないだろう。そして、眼もまた、サルコイドーシスの例外に無く、 サルコイドーシスの患者は、原因不明でブドウ膜炎にかかってしまう事が多いらしい。 が、その原因は、今になって思うと、明らかであり、なにぶんサルコイドーシスとは、 免疫異常である為、免疫不全も引き起こす疾患なのである。だから、免疫不全を引き起こした患者は、 本来ならば感染しないようなウイルスやバクテリアに対しても、過剰反応を示し、感染してしまうのである。 だから、本来なら感染しないウイルスやバクテリアを、当時の担当医が調べなかった事もまた、 誰も責める事は出来ない。だから、今になって思うと、当時の俺は、ただでさえ免疫力を低下させるオーバートレーニングに、 さらにサルコイドーシスと言う免疫異常も抱えていた為、そのような生活を続けていたのならば、 全身の関節や、全身のリンパが痛んでも何ら不思議では無い。が、当時の俺のそれら全ての症状は、 結局のところ、医師ですら原因を特定するに至れなかった為、俺は、死さえも覚悟していた。
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170 :ドラム缶B ◆P7KNUTc4/g []:2016/01/21(木) 16:59:10.63 ID:uJHmFfl8 - >>169
そして、死を覚悟した俺は、以前、自身が努力に死ねるのならば本望であると語った事を思い出していた。 が、いざ、死が現実に迫り来ると、そんな俺ですら、怖じ気づいてしまうのである。 死とは、これほどまでに恐ろしい物であるか。だから俺は、その日の内に、隠し持っていたウォッカで気を紛らすと、 酔った勢いで点滴を引っこ抜き、ベッドを血だらけにしてしまっていた。そして、点滴を引っこ抜いた俺は、 片腕から血を垂れ流したままで、病院内を徘徊する事となった。そして、そんな俺の姿を見つけた看護士は、 とりあえず俺に病室に戻るよう説得すると、隠し持っていた全てのウォッカを没収し、 俺の事を、夜間は閉鎖されている、痴呆患者向けの特殊な病棟に移す事となった。 が、酒が無いとなると、俺は、迫り来る死と言う概念から逃れる術が失われてしまう。 因みに、当時の俺のその模様は、ウエイト板にて、こう書き残している。 「死とは、非現実的でなければならない。世の中には、棺の収まらないエレベーターが数多く存在する。 いずれは死ぬる、人という存在が多く住まう、マンションのエレベーターでさえ、その例外にない。 それでいい。それがいい。現実に常に付きまとう死という影は、あまりに悲しすぎる。 例えそれが他人であろうとも、我が身であろうとも。が、もしも死と言う概念が、とても非現実的とは思えぬ程、 頻繁に襲い来ると言うならば、人はどうすればいい?決まっている。それさえも日常と言う絶対的な存在に溶かし、 何食わぬ顔で、笑顔絶やさず生きて行けばいい。そうだろう?怯えるには足らないさ。 共に日常に溶かし歩もう。でも、それは、あくまで単なる影でしか無い。もし、日常にはとても溶かせそうにない、 影と呼ぶには余りにリアルな、絶望にも似た死が、突如と無く襲い来たら、人はどう行動すればいい? 大規模災害、戦争、病気、云々…。それらから人は、どう日常を奪還すれば良いのだろう? 答えの出ない問いを胸に俺は、片腕から血を流し、もう片腕にはウォッカ持ち、徘徊を続ける。」 と。そう、死とは、本来であるならば、現実でありながら、どこか非現実的でなければならないのである。 だからこれを読んでいる皆さんもまた、まさか自分が今日にでも死ぬ運命であるかも知れないなどと、 余り意識していない事だろう。が、死とは、生ある限り、常に我ら生命体の隣につきまとう物であり、現実問題である。 が、文章にもある通り、棺が収まるように設計されていないエレベーターが数多く存在する事もまた、事実である。 だからこそ、死とは、現実問題でありながら、非現実的でなければならないのである。 そう考えないと、余りにも悲しすぎるし、余りにも恐ろしすぎる。が、その当時の俺は、本当に、 死を現実としてしか捉えられずにいたのである。だからこそ、酒に溺れもしてしまうのだ。 が、しかし、酒は没収されてしまった。だから俺はその後、自分がどうあるべきか、 何もわからなかった。そして、酒が没収された翌朝の事。俺の病室に、とある珍客が訪れた。 それは、我が会社の我がチームのリーダーである、前山さんの姿であった。しかし、俺は、 失礼にも、お見舞いへと訪れてくれた前山さんの姿に、最初は気付いてすらいなかった。 そう、前山さんと俺は、普段作業着を着てしか会わないのである。だから俺は当時、ウエイト板にて、 「作業着を着てなきゃ誰だかわからない。」 と、唐突に書き込んだ事があるのだが、そう言う理由である。そして、俺と前山さんはしばし、 しがない会話をしていた。が、俺はその時、ある事を迷っていた。そして、そのある事とは、 前山さんに酒を買って来て貰うよう頼むべきか否かである。そう、前山さんであるならば、 別に誰に咎められる事も無く、病院外へと外出出来るし、酒だって買える筈である。
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171 :ドラム缶B ◆P7KNUTc4/g []:2016/01/21(木) 17:00:24.71 ID:uJHmFfl8 - なんとか言えや
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