- 【ミシマイズム】三島由紀夫【その1】
748 :無記無記名[]:2010/06/26(土) 10:28:48 ID:e8TnvLd+ - 僕は、単細胞のせいかもしれないけれど、革命というものはイデオロギーの問題でも
なんでもない、ただ爆弾持って駈け出すことだと思っているんです。維新というのも、 ただ日本刀持って駈け出すことだと思っている。駈けるのには、百メートルを十六秒以下で なければ駈けるとは言えない。そのためには、ふとっていちゃ絶対だめですよ。 アメリカとベトコンの戦争は、やせたやつがふとったやつを悩ませたというだけの話ですよ。 ベトコンはやせているから駈けられる。アメリカ人はあの体していちゃ崖やなんか駈け昇れない。 どうして日本のインテリというのは、ふとるようになっちゃったんでしょう。これは僕は 重大問題だと思っているんですよ。つまり肉体と精神との関係において。 三島由紀夫 石川淳との対談「破裂のために集中する」より
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- 【ミシマイズム】三島由紀夫【その1】
750 :無記無記名[]:2010/06/26(土) 23:26:53 ID:e8TnvLd+ - 戦後の日本人に大きな魂を残したのは、三島由紀夫と神風特攻です。これも実はフランス人がそう言っているんです。
ベルナール・ミローが『神風』という本を書いていまして、「特攻の精神は、千年のときを貫いて人間の 高貴さを示している」と1970年代に書いています。戦後の日本人に対して特攻隊と三島の死が非常に大きな 力と言いますか、日本精神の原点は何かということを教えてくれた気がします。 憲法の問題ですが、アメリカが作って翻訳された「たかが成文憲法」です。しかしこのたかが成文憲法を戦後 60年近く押し戴いている日本は一体なんなんだというのが私の今の正直な感想です。自民党がこうなったのも 当然だと思います。 富岡幸一郎「第39回憂国忌『現代に蘇る三島由紀夫』」より
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- 【ミシマイズム】三島由紀夫【その1】
751 :無記無記名[]:2010/06/26(土) 23:27:57 ID:e8TnvLd+ - 三島が45年の11月25日に、自民党政権はもはや火中の栗を拾わない、すなわち憲法改正をしなくても
政権は維持できる。このことにどうして自衛隊の諸君は気がついてくれなかったんだと言っています。 そういう意味で、政治論ですけれども、たかが成文憲法を変えられない我々の問題も感じます。 あと二年のうちにということがどういう意味かと考えると、三島没後の72年にあれほど対立していた米中が 手を結びました。つまりあの瞬間に日本の憲法改正も、自衛隊が国軍になる日もなくなった。あるいはその チャンスが失われかけた大きな危機だったのではないか。今はそれと同じ状況だと思います。スケールは違いますが、 同じ事態が出来している。アメリカと中国が経済同盟を結んで日本をスルーしていく。民主党政権の外交は全く 機能しておりません。 富岡幸一郎「第39回憂国忌『現代に蘇る三島由紀夫』」より
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- 【ミシマイズム】三島由紀夫【その1】
752 :無記無記名[]:2010/06/26(土) 23:28:31 ID:e8TnvLd+ - 何年も前から檄文のなかにあった二年後というのが気になっていて、一体なんなんだろうとずっと考えていました。
あるとき気づいたんですが、一つは米中接近がありますね。もう一つは沖縄返還です。昭和47年に沖縄返還が 行われることは決まっていて、そのときにどういうかたちで返還されるのか。それによって日本という国家が 相変わらず独立できないまま半独立国家として、アメリカの永久占領が限りなく続いていくことを三島は見抜いていた。 彼が45年の生涯で書いたものの全てが、今の21世紀の私たちに突き刺さってくる問題ばかりを書いている。 それが天才の所以なんでしょうけれども、認識と行動の問題もつくづく考えさせられます。二元論に自分を 追い込んでいって、ラディカリズムがニヒリズムを克服するという方法論をとったのではないかと私は解釈しています。 西村幸祐「第39回憂国忌『現代に蘇る三島由紀夫』」より
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753 :無記無記名[]:2010/06/26(土) 23:28:54 ID:e8TnvLd+ - (中略)
三島は現実的な問題も、十分捉えていたわけです。二年後に自衛隊はアメリカの傭兵になってしまうと 1970年の時点で言い切っていたのは、米中接近と沖縄返還のことを、すでに視野に入れていたということです。 (中略) 最近よく話題になる核のシェアリングの問題がありますけれども、そういったことも三島さんは考えていた。 それは日本の核戦略はどういうものになるのかと、40年前の時点で考えられ得る現実的なこともちゃんと 提起していた。国土を守るほうの自衛隊を、国軍として成立させることで、日米安保体制下のなかでの日本の 自主防衛をどうしていくかを、40年前のあの制約のなかで考えていたことは素晴らしい慧眼だと思います。 西村幸祐「第39回憂国忌『現代に蘇る三島由紀夫』」より
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