- スタービースト:失われたエイリアン原案
98 :名無シネマさん[]:2011/12/16(金) 10:32:19.78 ID:R1aSD6W6 - ハリケーンのような強風に打たれ、壁に叩きつけられてロビーは止まる。彼はためらい、バランスを取り直そうと
する。彼はクリーチャーが他の廊下を駆け下ってくるのを見る。モンスターを無視し、壁から離れて再び走り出す。 エアロック外の回廊。エアロックから続くホールの終点の出入り口につかまってロビーは止まる。恐ろしい勢いで 風が吹いている…衣服はばたつき、あらゆる物が宙を待っている…風は強烈に唸っている。ロビーは直ちに大きな 舵輪を回し始める。スライディング・ハッチのドアが閉じ始め、エアロックの廊下をふさぐ。ハッチが閉じて強風は 低下し、つには停止する。やり終えて、彼は床に崩れ折れる。と、彼はノドを掴み息苦しさにあえぎ出す。空気が 薄いために船内の音響レベルは低下し、殆ど聞こえなくなる。ロビーは大きなあえぎ声を上げるが、かろうじて 聞こえる程度である。足音は水中を歩くようにかぼそい。 廊下。ロビーはノドを押さえながら、他の男たちに出会う…スタンダードとハンター…彼らは窒息し、ノドを押さえて 水の外に出た魚のように喘いでいる。汗にまみれ、鼻血を出している。お互いに話しかけようとするが、くぐもって 遠いしわがれ声にしか聞こえない。スタンダードは何か言い、床へ倒れこむ。皆も後を追う。
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99 :名無シネマさん[]:2011/12/16(金) 11:20:14.06 ID:R1aSD6W6 - 訂正:床へ倒れこむ→ホールをよろめいて歩いていく
メイン・エアタンク・ルーム。ドアが押し開けられ、スタンダードがよろめいて入ってくる。金属製のフロアーだが 足音はか細い。大きな酸素タンクが並んでいる。ホースで繋がれたタンクには幾つかのコックが付いている。 スタンダードはよろけながら近づき、ハンドルをひねり始める。シューッという鋭い音と共に空気が流れ出し、音響 レベルが徐々に正常化する。床に倒れているスタンダードたちは感謝しながら酸素の中であえぐ。回復した彼らは 上体を起こす。 ロビー:どれだけ酸素を失った? スタンダードはふらつきながら立ち上がり、計器を見つめる。 スタンダード:残りは6時間分だ。 ハンター:オー・マイ・ゴッド。 スタンダード:何が起きたんだ? ロビー:見た。ファウストがエアロック・ドアに挟まれて、ドアが開いたままになったんだ。 スタンダード:ファウストの所まで行けるか? ロビー:ノー。全セクションを密閉せざるを得なかった。もし連結するドアを開けたら、残った空気を失う 事になる。 エアロック。インナードアで破壊されたファウストの体が、真空の中、重量を失って浮いている。鼻と口は、大量の 乾いた血の塊で覆われている。 ブリッジ。3人の生存者…スタンダード、ロビー、そしてハンター…は椅子に沈み込んでいる。猫が恐怖で泣き声を 上げながら姿を見せる。
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100 :名無シネマさん[]:2011/12/16(金) 14:14:30.22 ID:R1aSD6W6 - ロビー:(猫を抱き上げ)可哀相に。
スタンダード:少なくとも化け物からは免れたな。真っ先に船から吸い出されたに違いない。 ロビー:運がなかったな。あいつが廊下を走ってくのを見たぜ。 ハンター:(呻いて)オー、ノー!戦えない!空気は6時間分しかない…もう死んだも同然だ! スタンダード:そうは行かんさ。まだ時間はある。あいつを駆除して、俺たちはフリーザーへ 入るんだ。 ハンター:どうやって? スタンダード:ドラスティックな策を打つ時だ。 ロビー:何日も前に打つべきだった。 スタンダード:そんな意見は無意味だ。さあ、カモン…どんな意見でもいいから聞かせてくれ。 どんなに無茶でも構わん。 ハンター:船内では殺せない。あれほど巨大なら、体内の酸の量は途方もないに違いない。
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101 :名無シネマさん[]:2011/12/16(金) 15:05:48.33 ID:R1aSD6W6 - ロビー:俺にアイデアがあるが、気に入らないだろうな。
スタンダード:聞かせろよ。 ロビー:OK。まず、スタードライブ・エンジンの冷却システムを全部シャットダウンする。 スタンダード:船が吹っ飛ぶぞ。 ロビー:そうだ…だがエンジンがオーバーヒートしてコアがメルトダウンするには数分かかる。その間に 俺たちは救命艇で船を去るんだ。 ハンター:船を吹っ飛ばすのか? ロビー:クリーチャーもな。俺たちは救命艇で地球へ帰るんだ。 スタンダード:だが、救命艇は光速まで加速できんぞ。 ロビー:問題ない…もうすでに光速で飛んでる。コロニーへ帰ったらネットワークで拾ってくれるさ。 ハンター:貨物の鉱物や元素はどうなる?俺たちがこんな所まで来たのは、鉱物や元素が目的だったんだぞ。 全部見捨てなきゃならん。俺たちは破産だ。 ロビー:命の方が大事だ。とにかく、救命艇には必要最小限の道具だけ持っていく。 スタンダード:そいつは無理だし、理由も分かってる。救命艇には1人分のハイパースリープ・フリーザーしかない。 1人しか生存できないんだ。 ロビー:イヤー…忘れてたよ。 スタンダード:だが、アイデアはいい。何とかこいつをアレンジできんかな。 彼らは考える。 スタンダード:クリーチャーを救命艇に押し込む事ができれば、宇宙空間へ射出して吹っ飛ばせるぞ。 ハンター:グッド!そいつはいい!
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102 :名無シネマさん[]:2011/12/16(金) 15:49:22.42 ID:R1aSD6W6 - スタンダード:救命艇に爆薬を積み込んでおけば、切り離した時に遠隔操作で爆破できる。
ロビー:あいつを救命艇まで追い立てるのはまず不可能だと思うがな。 ハンター:火炎放射器が使えるじゃないか。 ロビー:無理だな。 スタンダード:そう言うな!グッド・プランだよ。 ハンター:火炎放射器にもっと燃料が欲しい。 スタンダード:ああ。やる事が沢山ある。行こう。 カーゴ・ベイ。3人が汚れたエリアへ降りてくる。多くの道具、機械類が貯蔵されている。 様々な形の金属コンテナにストックされた長い棚のラックがある。コンテナはパックされ、 ラベルが貼られている。 ハンター:どの爆薬がいい? スタンダード:N-13スティックがいい。携帯できるし、無線で爆破が可能だ。 ハンターはロッカーを開け、箒の柄のような長くて赤い棒を取り出す。その間、ロビーは 並んでいる金属製の缶を見て、その1つに触れる。 ロビー:おかしな話さ…掘り出すのにえらく苦労したこのお宝、この掘り出し物…あの化け物 のおかげで、うまく地球に着くんだ…俺たちはいなくてもな。 スタンダード:こっちだ、運ぶんだ。
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103 :名無シネマさん[]:2011/12/16(金) 17:28:58.42 ID:R1aSD6W6 - ハンターが爆薬を1抱え取り、つまづく。
ロビー:(彼を掴んで)ヘイ、気を付けろ! スタンダード:(歯を見せ)大丈夫だ。落としても差し障りはない。 彼らは爆薬を運び上げ始める。 廊下。3人は機材を運んで廊下を進んでいく。その時、ハンターの追跡装置が突然ビープ音を上げる。 ハンター:止まれ! 全員が立ち止まる。再びビープ音が鳴る。ハンターは機材を下ろし、装置を周囲に向ける。 ハンター:(うなづいて示し)この上だ。 彼らはお互いを見合う。スタンダードは爆薬の束を下ろし、火炎放射器の用意をする。 ロビー:さあどうする?あいつを無視してボートに爆薬を積むか…それとも、今あいつを追い出すか? スタンダード:今やろう。ボートの中へ捕まえれば、吹っ飛ばす必要はない…宇宙空間へ射出できる。 スタンダードは火炎放射器を持ち上げ、歩み始める。 階段の吹き抜け。回り階段を登るスタンダードの顔は緊張している。突然、金属を叩く音が聞こえる。彼は しばし凍りつき、そして再び登り始める。 船背部の観測ドーム。星間空間が広がる壮観。スタンダードが上がってくる。再び金属音が聞こえる。 スタンダードは周囲を見回す。そして、ブロサードの死体がガラスの外に漂っているのを見つける。死体は 何かの索具と絡み、機械の動きにつれ、周期的にガラスに当たっているのだった。 スタンダード:(叫ぶ)上がってきてもいいぞ!安全だ! 2人は上がってくる。 ロビー:(死体を見て)オオ…ジーザス… ブロサードの死体は着衣が剥がれ、青く膨れ上がり、ガラスに突き当たる。中へ入りたいと望んでいるか のようである。
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