- スタービースト:失われたエイリアン原案
39 :名無シネマさん[age]:2011/12/06(火) 10:49:28.56 ID:vXB9hS0v - ピラミッド頂上−昼。穴の縁から釣り下がり、ブロサードはベルトからギアを外す。
スタンダード:デル、降りてこい。 ブロサード:いや、俺は行きたい。 ピラミッド基部−昼。スタンダードとメルコニスは視線を交わす。 スタンダード:OK、デル、しかしちょっと見回すだけにしておけ。ケーブルを外すなよ。10分以内に出るんだ。 ピラミッド頂点−昼。 ブロサード:ああ。 ブロサードは穴の入り口に3脚を置く。デバイスから数フィートワイヤーを引き出し、胸のユニットに接続する。 彼は穴を乗り越え、穴の中へ降りていく。ワイヤーで吊られ、頭と肩は穴の外にある。 ブロサード:今、煙突の入り口だ。降下を始める。 スタンダード:気を付けて。 ブロサードはクライミング・ユニットを作動させ、穴の中へ降りていく。 ピラミッド−昼。垂直なトンネルの粗い石壁に足を踏ん張りながら、ブロサードはデータスティックのスイッチ を入れ、深みへと向ける。ビームは30フィートほどまで達し、闇に消える。 ブロサード:凄く暖かい。暖かい空気が下から昇ってくる。 彼はラインを引き出し、小刻みにホップしながら降りていく。止まって呼吸する。荒い呼吸音がヘルメットの 中に響く。日光が上からわずかに差し込んでいる。見上げると、入り口は光る点となっている。スタンダードの 声がイヤフォンを通して聞こえる。 スタンダード:大丈夫か? ブロサード:(あえぎ声で)イヤー、OKだ。まだ底には着かない。暖かい空気が円柱様に昇ってくる。それがここ を砂埃から守っているんだ。 スタンダード:デル、何だって?見失ったぞ。聞こえるか? ブロサード:イヤー、ハードワークさ。今は話ができん。 彼は壁を蹴って降り続ける。ホップを長く、自信を持って。少し休んで呼吸を整え、計器を照らして見る。 ブロサード:地面レベルより下に来た。
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40 :名無シネマさん[age]:2011/12/06(火) 14:40:35.00 ID:vXB9hS0v - ピラミッド基部−昼。
スタンダード:何て言ってる? メルコニス:分からん…干渉がひどいんだ。 ブリッジ−昼。 ハンター:駄目だ!ピラミッド周囲全体、通信が効かない。後を追うべきだ。 ロビー:ノー。 ハンター:ノー?どういう意味だ! ロビー:俺たちはどこへも行かない。 ハンター:だが、あいつらは翻訳の内容を知らない!たった今、危機に陥ってるかも知れないんだ! ロビー:人を割くことはできない!離陸に最低限の能力しか、今はないんだ。チャズが俺たちを船に 残したのも、そのためだ。 ハンター:何故だ、弱虫のクソッタレが! ロビー:できない!チャズが戻るまでは俺が指揮を執る!だれも船を出てはならん! ピラミッド−昼。ブロサードは再び降りはじめる。突然、足がかりが消える。トンネルの壁が消えた ようである。トンネルは終わり、彼の下には底知れない洞窟の空間が広がっている。 ブロサード:(あえぎながら)トンネルは消えた…下は洞穴か何かだ…熱帯みたいだ。空気は熱くて 湿っぽい…(計器を見て)…酸素含有率が高い。埃もない。完全に呼吸可能だ…
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41 :名無シネマさん[age]:2011/12/06(火) 15:38:59.58 ID:vXB9hS0v - 苦労してひと息つくと、彼は石壁から足を離し、自力で降りていく。今や彼は暗闇の中で宙ぶらりんで、ワイヤー
の先でゆっくり回転している。やっと足が底に着く。彼は驚いて文句を言い、バランスを失いそうになる。 墓−昼。ブロサードは埃だらけの石の床に立っている。弱弱しい日光がトンネル上部から彼の周囲に差し込んでいる。 周囲は濃密な闇である。彼はデータスティックで周囲を照らす。石の部屋である。奇妙な象形文字が壁に刻まれている。 原始的で、宗教的なもののようである。象形文字は何列も何列も、床から天井へと延びている。未知の言語で描かれた 叙事詩のようだ。巨大な宗教的シンボルが壁を1つ占めている。一定の間隔を置いて並んでいるのは、様式化された彫像で、 彫られているのは奇怪な怪物たち…半ば類人猿で、半ば蛸のような。 ブロサード:信じられん!墓らしい…ある種の原始宗教!誰か、聞こえるか?スタンダード! いらだったブロサードは呼吸ゴーグルをむしり取る。彼は湿った空気を深く吸い込む。 ピラミッド基部−遅い午後。スタンダードとメルコニスと神経質そうに立っている。 スタンダード:すぐ連絡がなければ、後を追おう。 メルコニス:日はすぐ沈むぞ。 墓−遅い午後。顔をむき出しにして、ブロサードは部屋の中心に近づく。そこは大きく広い台座で占められている。台座の 上には、皮製の壷、或いは甕が列をなしている。異星人の船でブロサードがつまづいたものとそっくりである…違う点は、 これらには全部、穴が開いていない。彼は壷の周りを歩き、調べる。全て、蓋は閉じている。彼はその1つを照らし、手を かざす。 ブロサード:聞こえてるかどうか分からんが、この場所は大きな瓶、もしくは壷で一杯で〜あの船で見つけたのとそっくりだ。 こっちのは全部蓋が閉まっているのを別にすれば。それに、触ると柔らかい。
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43 :名無シネマさん[age]:2011/12/06(火) 17:20:18.89 ID:vXB9hS0v - 彼は皮の壷を更に近寄って見つめる。
ブロサード:他にも奇妙な事が…手を乗せると、指先の当たる部分が持ち上がってくるんだ。 ピラミッド基部−遅い午後。太陽が水平線に沈む。景色は闇に包まれる。スタンダードとメルコニスはライトを 点ける。 スタンダード:行こう。 彼は胸のユニットにワイヤーを繋ぎ、出発する。 墓−夜。ブロサードは壁の象形文字の列をライトで追う。奇怪な怪物たちを様式化して描写している。彼は一休みし、 データスティックのフィルムクリップを急いで交換する。そして調べている「壷」を振り返る…しかし、今ではてっぺんに 穴が開いている。彼は「壷」の根本の床を照らし出す。「蓋」が落ちている。彼は拾い上げて調べる。人工的と言うより、 生物的で、内部表面は海綿状で不規則である。彼は今では口を開いている「壷」にライトを向ける。 彼は明かりで照らしながら、「壷」の開口部に身をかがめていく…猛烈な勢いで、小さな、蛸のような物体が飛び出し、 彼の顔に張り付く。触手が頭部を包み込む。くぐもった叫び声と共に、手で顔をかきむしりながら、彼は後ろへ倒れる。
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