- スタービースト:失われたエイリアン原案
26 :名無シネマさん[age]:2011/12/04(日) 10:59:31.12 ID:O3FWDV1w - ブリッジ−昼。ロビーはヘルメット通信の対話に真剣に聞き入っている。
メルコニス:埃だ。砂埃が妨害してるんだ… 集中するあまり、ハンターが背後に近づいてくるのに気付かない。 メルコニス:待ってくれ、また捉えた。あっちだ。 ロビーのすぐ背後でハンターが話す。 ハンター:どうした? ロビーは驚愕して振り向き、ハンターと向き合う。 ロビー:(驚いて)ヘル! ハンターはロビーを見る。つかの間の恐怖は当惑した怒りへと変わる。 小惑星−昼。3人は嵐の中を進んでいく。メルコニスは再び立ち止まり、方向感知器を調べる。 メルコニス:近いぞ、すぐ傍だ。 スタンダード:どれくらい? メルコニス:殆ど真上のはずだ… 突然ブロサードがスタンダードの腕を掴んで指を指す。渦巻く濃密な砂嵐を通して、なにかの巨大な 形がうっすらと見える。見る間にも砂埃が薄れ、巨大な毒キノコのように奇怪な船の姿が露わになる。 人間の手によるものでないのは明らかである。男たちはこれを見てショックを受け、口も利けない。 やっとスタンダードが口を開く。 スタンダード:マーティン、見つけたぞ。 ロビー:何を? スタンダード:ある種の宇宙船のようだ。近付いてみる。
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27 :名無シネマさん[age]:2011/12/04(日) 11:28:19.46 ID:O3FWDV1w - 彼らは異星人の船に向かう。
ブリッジ−昼。 スタンダード:生命兆候はない。光もなく…動きもない… ロビーとハンターは催眠術にかかったように聞き入る。 スタンダード:フー、基部に着いたぞ。 毒茸船基部−昼。奇怪な形のドアが基部で大きく口を開いている。埃と砂が吹き込み、入り口の床を 埋めている。男たちは身長に入り口に接近し、寄り集まる。 スタンダード:ドアは開いてるようだ。入り口はゴミで埋まっている。 ブロサード:乗り捨てられたらしいな。 スタンダード:マーティン、続いて進む。ここからは会話は最小限で。 異星人の船内−昼。戸口は光と暗闇に幾何学的にかすみ、埃を吹き出している。部屋の暗闇の中に、 巨大ではっきりしない形が見える。3人は戸口でシルエットとなって浮かぶ。彼らは懐中電灯に似た “データスティック”にスイッチを入れ、中へ入る。
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28 :名無シネマさん[age]:2011/12/04(日) 11:53:01.20 ID:O3FWDV1w - 慎重に周りを見回しながら、はっきりしない機械類を越えて3人は進んでいく。
メルコニス:エアーロックか? スタンダード:知るもんか。 ブロサード:コントロール・ルームを探そう。 明かりを動かすと壁、天井、そして機械類は大きく不規則な穴だらけである。 メルコニス:穴を見てみろ。スイスチーズみたいだ。 ブロサードは天井の大きな穴にライトを当てる。 ブロサード:この穴は何階層も続いてる…誰かがここで軍用の分解装置を発射したみたいだ。 彼らは闇に延びている穴を見上げる。 スタンダード:クライミング・ギアを。 スタンダードはずんぐりしたスピア・ガンを取り出し、グラプロンを装着する。彼は穴の上へ 狙いを付け、発射する。撃ち出されたグラプロンは細いワイヤーを引いて闇の中へ飛び、鈍い 音がしてワイヤーは垂れ下がる。 ブロサード:俺が先に行こう。 スタンダード:いや、お前は俺の後だ。 スタンダードはワイヤーを胸のパワード・ギアボックスに繋ぎ、ボタンを押す。機械音と共に 彼は穴の中へ、足をテコにしながら引っ張り上げられていく。ブロサードはワイヤーを自分の 胸のユニットに繋ぐ。
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29 :名無シネマさん[age]:2011/12/04(日) 16:13:34.48 ID:O3FWDV1w - 異星人の船、コントロール・ルーム。ブロサードが穴を抜ける。部屋は暗い。スタンダードは懐中電灯/カメラ
(データスティック)で垂れ下がるゴミを辿る。ブロサードはワイヤーを外し、ライトを上げる。メルコニスも 到着する。光が部屋をスキャンする。漂う埃の中、ビームは光の円柱となってくっきり見える。重い、奇妙な形 が見えてくる。ブロサードは何かに躓く。そしてライトでそれを照らし出す。それは大きな、光沢のある壷だった。 茶色で、奇妙な模様がついている。ブロサードは壷をまっすぐに立てる。頂点に丸い開口部があり、中身は空だ。 突然、メルコニスがショックを受けて呻き声を上げる。ライトに、言いようも無く奇怪なものが浮かび上がる。 巨大な、異星人の骸骨である。死骸はコントロール・チェアに座っている。3人は骸骨に近づき、ライトを向ける。 死骸はグロテスクで、人類に似たところは全く無い。 メルコニス:ホーリー・クライスト! スタンダードは醜い骸骨の座っているコンソールを照らす。ライトを近づけ、パネルを見つめる。 スタンダード:見ろ。 3人は近づく。 スタンダード:何か、彫りつけられている…パネルの板に。見えるか?
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30 :名無シネマさん[age]:2011/12/04(日) 16:35:41.84 ID:O3FWDV1w - パネルの表面に、道具の尖った先端で刻まれたギザギザの絵。それは、小さな三角形だった。何か物音が聞こえ、
ブロサードはライトを部屋の向うへ向ける。光は壁をスキャンし、何か動くものを捉える。メルコニスは発作的に ピストルを抜く。 メルコニス:気を付けろ!動いてるぞ! スタンダードがメルコニスの手を押さえる。 スタンダード:銃を放せ! スタンダードが押しのけて前へ出る。3人は明かりを照らしながら壁のコンソールへ接近する。機械の上、小さな棒が 間断なく前後に動いている。溝の中を音も無くスライドしている。 スタンダード:ただの機械だよ。 ブロサード:だが機能している。 メルコニスは方向感知器を見下ろす。 メルコニス:通信はここからだ。 メルコニスは方向感知器のスイッチを叩く…ハム音、バチバチ言う雑音とともにぞっとするような声がイヤフォンを 満たす。 ブロサード:録音だ!畜生、自動録音だ!
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31 :名無シネマさん[age]:2011/12/04(日) 17:00:26.72 ID:O3FWDV1w - 小惑星−日没。太陽の光は血の色に変わる。日は沈み、跡に濃密な暗闇を残す。船のフラッドライトが再び
燃え上がり、暗闇と嵐を相手に弱弱しく戦っている。 多目的室。クルー全員が会議机の周囲に座り、スクリーンに映し出されたホログラフィーを見ている。 データスティックで撮られた写真である。スタンダードがコメントを加えていく。 スタンダード:これがコントロール・ルームで… 数枚のスライドが連続してスクリーン上に映し出される。 スタンダード:コントロール・ルームの詳細だが… スクリーンに骸骨が現われる。反応してつぶやきが漏れる。 スタンダード:骸骨だ…これは別の角度から…これは通信デバイスで… 異星人のコンソールに刻まれた三角形が現われる。 スタンダード:これは、骸骨の前のコンソールに書かれた三角形のクローズアップだ… スタンダードはスライドをチェンジする。スクリーンは真っ白になる。 スタンダード:以上だ。 彼はプロジェクターを切り、照明をつける。 ハンター:驚くべき事だ。たまげたぜ。 ブロサード:戻って、もっと多くの写真を撮ろう。あらゆる物のホログラフを。 メルコニス:物理的な証拠もできるだけ持ち帰るんだ。骸骨の残骸、機械、記録、何もかもだ。 ロビーは椅子に沈み込んで、何も言わない。
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