- 蓮實重彦 Chapitre 20
248 :名無シネマさん[sage]:2011/09/04(日) 23:15:54.45 ID:c9MJe3S7 - >>246
そのとおりなんだよね。 分かっているねえ。 最悪な意味での人文的レトリックになっちゃってる。 文献学的な意味での実証性もないし、常識的な意味での解釈でもない、物語や映像についての技術論でもない。 ふつうの人間にとってはどんな意味でも有益性がないんだよね。 まあ、ひとつのアプローチとしても正当性を持ってないでしょ。 テマティスムというのはブログとかそういうレベル。
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249 :名無シネマさん[sage]:2011/09/04(日) 23:26:13.14 ID:c9MJe3S7 - 結局、映画について誠実にアプローチしようとすれば、沈黙が正解なんだよね。
要約できないなら、それしかないでしょ。 後は、実製作者になって、実際に映画を作る。 映画という形で映画を批評する、という。 ゴダールの映画史ってそういうこと。 まあ、エンタメとかでも批評性というのは無意識に入っているんだけど。 逆に、映画について何か書くなら、誠実さは捨てるしかないよね。 映画について何を書いてもそれは映画それじたいではないわけで。 まあ、おれは映画というものが、ハスミ的な意味で存在しているとは思わないから、頭を悩ます問題ではないんだけどさ。 だから、まず研究者には、シャブロルならシャブロルについての事実を淡々と教えて欲しいんだよね。歴史的に何が新しくて、どこが評価されたのか、とか。 ウィキペディア以上のレベルをさ。わざわざ資料とか調べて裏づけとる時間も熱意もない読者にさ。 評論家は、社会的正当性とは無関係だから、要求するのは筋違いだけど、やっぱまず面白くあてほしいよね。 テーマ批評が面白いのかってことだよね。
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250 :名無シネマさん[sage]:2011/09/04(日) 23:41:07.76 ID:c9MJe3S7 - 結局、批評もエンタメなんだよね、いまや。
近代以前なら宗教があるし、近代でも「ザ芸術」という信仰があったときは、何か高尚なものだったけど、今では商品でしかないわけで。 エンタメとしてどうかっていう。 そこなんだよね。 エロゲとかさ、エロゲやるよりエロゲ批評読むほうが面白かった時代があったじゃん? やってみて糞つまらなかったり。 ネットや2chていうのは、まあそういう媒体なんだけど。 今は批評で動かないからね。 純文ぐらいじゃない。よく知らないけど。 だからおれがいつもいっていることと矛盾するけど、批評=評価行為ではないんだよね。 アマゾンレビューとダンコガイとかがぎりぎりそういう意味では正統的な批評かな、という。 文芸誌とか読まないけど、アマゾンとか有名ブロガーとかはみんな見るじゃん。 だから、既存の批評っていうのは、いまやエンタメだろう。 アニメとかのメタ言説ではなく、競合商品。 一応、形式的には、メタ言語なんだけど、経済的には競合している。 評論対象の作品とか見ないでも面白いっていうのが条件だよね。 そういう意味では、ハスミ的な評論って作品ないと意味不明じゃん。 ハスミの場合は、ハスミ本人のキャラがエンタメなんだけど。 だから今では小林秀雄とか吉本隆明みたいな感じでしょ。 ともかく、シネフィル的評論が今パッとしないのは、エンタメとして成立してないってこと。 主題批評とか物語批評とかシネフィルは馬鹿にするけど、実はエンタメとしては上質なんだよね。
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