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443 :774RR[sage]:2017/03/21(火) 18:21:30.37 ID:J34ghAov - >>441
オートバックスやガソリンスタンドでは、「オイル交換は3千km毎、走行距離が短くても オイルの酸化劣化があるので、半年に一度は交換、オイルエレメントはオイル交換2回に 1回交換(6千km毎)」を推奨しているようですが、現在の殆どの日本製乗用車 (オイルが高温となるターボ車は除く)のメンテナンスノートには、1.5万km毎または 1年毎にオイルとエレメント(フィルター)を交換することが記載されており、 これが技術的に充分保証できる交換時期です。 町の整備業者にとっては、オイルがドル箱であり、毎月の売上げ目標を達成するために カーメーカが責任を持って記載している交換時期と違って、極端に短い交換時期を 勧めているのです。 ちなみに、ヨーロッパ製の乗用車のオイル交換時期は、2〜3万km毎であり、日本からの 輸出車は1.5万km毎であることが、ヨーロッパのユーザには、地球環境とユーザ維持費の観点で、 不評であると言われています。 自動車のエンジニア(私達)は、地球環境の悪化や化石燃料の枯渇を防止するため、 燃費の低減とオイル交換時期の延長に、血の滲むような努力をしているのです。 オイル交換時期の延長には、オイル自体の長寿命化、エンジン冷却システムの強化などを オイルメーカと共同で開発してきています。しかし、一般の整備業者などが、商業主義によって オイルの交換時期をやたらに短く設定すると共に、モリブデンなどの摩擦係数低減剤などの特殊な 添加剤を入れて、高価なオイルを販売していることに対して、私はいつも苦々しく思っていました。 しかも、オイルが一般の人にとっては得体が知れず、特に寿命に関する知識が全くないことに つけ込んで、劣化オイルによるエンジン本体のダメッジをことさらに強調し、何らの根拠も無しに、 まことしやかに短距離・短期間でのオイル交換を推奨する雑誌類が後を絶たない日本の現状は 嘆かわしい限りです。 また、オイルを開発しているエンジニア自身も、オイルが金のなる木である現実の前には、 真実を語ろうとしない面もあります。
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444 :774RR[sage]:2017/03/21(火) 18:22:09.20 ID:J34ghAov - オイルの劣化は、高温時の酸化によるベースオイルや添加剤の劣化、
軸受けや歯車噛み合い部での機械的剪断によるオイルの鎖状分子の破壊(剪断劣化)、 ガソリンの混入などによる希釈(粘度低下)、水分の混入 (エンジンが加熱・冷却を繰り返し外気が導入・排出することによって、水分が混入) による変質などが挙げられます。 上記のうち、酸化と剪断による劣化が主体で、そのうちでも、 高温による酸化劣化が支配的です。 ただ、オイルの酸化は100℃以上の高温では問題になりますが、温度に対して指数関数的な 劣化特性(10℃上昇毎に寿命が1/2と言われている)を示すことから、常温でしかも、 太陽光に完全に遮断されたエンジンのクランクケース内で、オイルが実用上問題となる程に 酸化劣化するとは到底考えられません (100℃で600hの寿命とすれば、130℃では75h 、40℃では1,600日の寿命) 従って、半年に一回はオイルを交換せねばならない理由はありません。 メーカ指定の1年毎交換もどちらかと言えば、オイルによる利益確保が主目的ではないかと 思っています(日本では、今まで誰も突っ込んで問題にしたことがなかった)。 以上のように、オイル劣化の進み具合は、オイル温度とエンジン負荷とに左右されるので、 ベンツやBMWなどドイツ車の一部では、車載コンピュータでそれらを常時監視し、 オイルの劣化度合いを演算して、寿命が来たと判断されるときには、警告灯によってユーザに 知らせるなど、非常に合理的にオイル交換を指示するものもあります。 日本車は全て走行距離と年月で単純に交換時期を表示していることから、 真夏の高温時に山岳路を走行するなどの厳しい条件もある程度想定して1.5万km (平均時速25km/h×600h、100℃程度)が設定されているのです。従って、実際の一般走行では オイル温度はさらに低く、劣化も少ないので、推奨値以上の走行距離でもオイルは使用可能です
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445 :774RR[sage]:2017/03/21(火) 18:23:06.39 ID:J34ghAov - ヨーロッパ車では、アウトバーンでの高速走行(140〜160km/h×140h、130℃程度)を想定して、
交換時期を2〜3万kmとしていることから、この地域では耐熱性を1ランク上げたベースオイル (合成油)を使用するか、エンジンの冷却性を向上し、10℃程度油温を低減させているのです。 ヨーロッパでは、特に地球環境に配慮してこのような対応をしているのでしょうが、 日本のユーザの地球環境に対する意識との違いには驚かされます。 日本も、もっとオイルを大切に使おうという意識がなければならないと思います。 なお、オイルの劣化度は、オイルレベルゲージの先端部に付着したオイルを指に触れ、 その色と粘度の具合で判別できるようなものではありません。オイルが黒ずんでいるからといって、 劣化していると判断するのは大きな間違いですし、温度によって大きく変化するオイル粘度が 正常かどうか見分けることは実際には困難です。このような判別法では、オイル交換の20日後に、 ガソリンスタンドでまたオイル交換を勧められるようなはめになっても、不思議はありません。 簡便な分光分析機などで、簡単にオイルの劣化度を検出できるような装置がガソリンスタンドや 整備工場などに配備されることが望まれます。
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446 :774RR[sage]:2017/03/21(火) 18:23:43.00 ID:J34ghAov - 以上のことから、3千kmで交換するということは、まだ新品のオイルを捨ててしまっているような
ものなのです。 また、オイルフィルターは、新品時のメッシュは粗く作ってあり、小さなごみ(10〜100ミクロン程度) は通しやすく、1〜2万km程度走行後には適当に目詰まりし、適正なフィルタ機能 (10ミクロン以上は通さない)を発揮するものなのです。従って、6千kmで交換すれば、 適正なフィルター機能を発揮する前に、フィルタを捨ててしまっていることになります。 ヨーロッパや米国では、オイル交換2回に対して1回、または1年毎に交換することを推奨している メーカが殆どです。 実際、私は3万kmでフィルターを交換(オイル交換の2回に1回)していますが、 これでも速すぎるのではないかと思っています。 3千kmでオイルを交換することは、1.5万kmで交換する場合に比較して、炭酸ガス排出量で約1.2%、 燃料費で7%程度の増大(平均燃費11km/g、交換オイル4g/3千円と仮定)となります。 また、エンジンオイルには微量の塩素が含まれていることから、廃油処理のために通常の焼却炉で燃やせば、 極めて有害とされるダイオキシンが発生することになりますが、燃費などと違って、これらについて 一般ユーザにアピールされることが少なく、ユーザの意識も全くないのは残念です。
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