- レトロファンタジーTRPG
268 :マグリット ◆jNSAPJmKA/Ms [sage]:2021/04/04(日) 19:54:46.41 ID:ygvBmbjJ - >「実はサマリアを出る前に、会わなきゃならない人がいる……仮面の騎士だ」
レインのその言葉に思わず息を呑むマグリット その存在を港で見かけてから嫌な予感はしていたが、まさかのこの展開に動揺が隠しきれない とは言え、自身の内に秘めたサティエンドラの魔の因子の為に接触を避けたいという訳にもいかず 結局のところしどろもどろとその言葉に従わざる得ないのだが 三人は港に着き、ついに仮面の騎士との再会を果たした なるべく目立たぬように、後ろで大きな体を縮こまらせていたが、仮面の騎士の言葉に小さく反応する >風月飛竜"シェーンバイン 「……竜……」 小さく呟きそれを反芻し、これから向かう大陸での戦いに想いを馳せている最中に思考は現実に引き戻される 戦い方と攻略法を教える、と仮面の騎士が戦闘を始めたのだ 「え、いや、私は……それにクロムさんは武器が……」 小さく抗議しようにも、既に戦闘は始まってしまっている 文字通り目にもとまらぬ速さで攻撃を繰り出す仮面の騎士に対応するのは清冽の槍術士に召喚変身したレイン 武器の召喚のみならず、変身も伴う召喚はレインの奥の手であり、それを初手で出さざる得ないという事なのだろう マグリットとしても援護に出るべきなのだが、どうしても二の足を踏んでしまうのであった その中で戦いは動く 目を複数生み出し複眼効果で動体視力を上げてようやく見えるその動きの中で、レインは仮面の騎士にカウンター攻撃を決めたのだ が…… その一撃は手甲によって受け止められており、いわく、シェーンバインは早さに加え半竜の魔族故に皮膚は竜鱗によって守られているとの事 更に底から繰り出されるのは広範囲にて高威力の一撃 それは上位光魔法セイントクロスであった 光の十字架がレインを飲み込みさらに広がっていくのを見て、マグリットは口に小さな貝殻を放り込み、ギリリと歯を噛み締め覚悟を決めた 「出発前から奥の手を出さなきゃいけないなんて、参りましたね……!」 噛み砕かれた貝殻から溢れ出るのは、常人であれば浴びるだけで魔力中毒を起こすダゴンの水槽の魔力水 それを飲み込む事によりマグリットの魔力は暴走状態にも似た状態になり、その奥底に眠る魔の因子を呼び起こす 瞬間、マグリットの右腕が大きく隆起し、サティエンドラのそれに近くなる 手に持ったシャコガイメイスもその影響を受け炎を纏い、そこから繰り出される強力な一撃は上級光魔法に対抗しうる威力を持った その眩さゆえにホワイトアウトの領域を広げていく十字架の根本、レインの板付近に叩き込まれる炎を纏ったシャコガイメイスはサティエンドラの一撃に等しく光を抉り取った 抉り取られた光の境目にレインの影を捉えると、その隙間に体を滑り込ませ気絶したレインを抱え込んだ
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