- 【リレー小説】TPパニック 〜 殺し屋達の絆 〜
272 :創る名無しに見る名無し[sage]:2020/04/07(火) 09:07:59.07 ID:ThkU4LzD - 「あたし……たまに記憶が飛ぶの」
ムーリンはヤーヤと並んで歩きながら、打ち明けた。 「昨日も2番目のお兄ちゃんが変態プレイしてるとこ見てから、記憶がない……」 「よほどショックなもの見ちゃったんじゃない?」 ヤーヤは笑い飛ばすように言った。 「それを忘れるための自己防衛システムが働いたんだよ、きっと」
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273 :創る名無しに見る名無し[sage]:2020/04/07(火) 09:13:03.24 ID:ThkU4LzD - 今日、ムーリンは初めて友達の家へ遊びに行くのだった。
ヤーヤから「ウチ、遊びに来ない?」とLINEにメッセージが来た時、ムーリンは飛びつくように「うん!」と返事をした。 しかし今、実際にヤーヤの家へ向かいながら、なんだか恥ずかしさがどんどんと増していた。 自分みたいな裏の世界で生きて来たおかしな子が、ちゃんとした堅気の子の家に遊びに行ったりしていいのだろうか? そう思いながらその反面、ドキドキするような嬉しさに心の奥のほうは満たされていた。
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274 :創る名無しに見る名無し[sage]:2020/04/07(火) 09:19:58.30 ID:ThkU4LzD - ヤーヤの家はよくある賃貸住宅の2階だった。
足音の響く鉄の階段を昇るとすぐに扉があった。 「こんにちは」 扉を潜り、恥ずかしそうな声で挨拶の声をムーリンが投げると、奥のほうからエプロン姿のヤーヤのお母さんが姿を現した。 「いらっしゃい。ムーリンちゃんだね? 臭豆腐炊いてたとこなの。食べる?」 「ママ……」ヤーヤが呆れた声を出す。「フツー客にそんな臭いもの出さないっしょ」 「い、いただきます!」ムーリンは緊張した笑顔で元気よく言った。
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275 :創る名無しに見る名無し[sage]:2020/04/07(火) 09:23:54.73 ID:ThkU4LzD - ヤーヤの部屋はちらかっていた。
壁中にロックっぽいポスターが貼られ、床には脱いだままの衣服が散乱している。 ヤーヤはそれらを足で脇へ避けると、ベッドの上に座った。 「ま、座んなよ」 「うん」 ムーリンは嬉しそうにヤーヤの隣に座ると、皿の臭豆腐を食べはじめた。
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276 :創る名無しに見る名無し[sage]:2020/04/07(火) 09:28:18.39 ID:ThkU4LzD - 「フツー臭豆腐はないだろ。ジュースとお菓子だろ」
「でも美味しいよ」ムーリンは大便臭放つ豆腐をパクパクと食べた。「スパイシーで。泡菜も上手に漬かってる。お母さん、料理できるの凄いね」 「いつもは仕事帰りに夜市で何か買って来るんだけどね、料理するのはたまにだよ」 ムーリンはさっきから気になっていたもののほうをじっと見た。 「ヤーヤ、ギター、弾けるの?」
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