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創る名無しに見る名無し
5レスごとに完結するリレー小説
【リレー小説】TPパニック 〜 殺し屋達の絆 〜

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5レスごとに完結するリレー小説
250 :創る名無しに見る名無し[]:2020/03/26(木) 00:39:59.65 ID:FApSBOPK
第49話 「疑問符で終わる物語」
【リレー小説】TPパニック 〜 殺し屋達の絆 〜
187 :創る名無しに見る名無し[sage]:2020/03/26(木) 15:14:56.98 ID:FApSBOPK
マルコムはホテルの一室で、キンバリーと甘美な時間を過ごしていた。
「あぁ……。素敵だ。ずっとこうして君の中に入っていたいよ、キム」
「ああっ……! マル……っ! あたしもよ……ああっ!」

マルコムのスマートフォンにはモーリンの死を報せるバーバラからのLINEメッセージが入っていたが、二人はまだそのことを知らなかった。
【リレー小説】TPパニック 〜 殺し屋達の絆 〜
188 :創る名無しに見る名無し[sage]:2020/03/26(木) 15:22:43.57 ID:FApSBOPK
目を覚ましたムーリンはまた涙が止まらなくなった。
スマホを取ると、ヤーヤにLINEのメッセージを送った。

○ お姉ちゃんが死んじゃった

メッセージは見ている前で既読になり、すぐに返事が帰って来た。

    なななな何? どうしたの? ●

ムーリンは涙を拭きながら、メッセージを返す。

○ あたし以外の誰も悲しんでくれない(;O;)

またすぐに既読がつき、暫く待つと、ヤーヤの短いメッセージが返って来た。

     今から出て来れる? ●
【リレー小説】TPパニック 〜 殺し屋達の絆 〜
189 :創る名無しに見る名無し[sage]:2020/03/26(木) 15:30:05.83 ID:FApSBOPK
待ち合わせの公園に行くと、ヤーヤは既に来ていた。
涙でひどい顔になっているムーリンのほうへ駆け寄ると、肩に手を置いてヤーヤは聞いた。
「大丈夫?」
「だいじょーぶ」ムーリンは答えた。「……じゃないかも」
「お姉さんが? 一体何があったの? ねぇ?」
「仕事中に……」ムーリンはしゃっくりをしながら、言った。「しくじって……」
それ以上ヤーヤは何も聞かなかった。
ムーリンを引き寄せると、自分の胸に埋めさせた。
【リレー小説】TPパニック 〜 殺し屋達の絆 〜
190 :創る名無しに見る名無し[sage]:2020/03/26(木) 15:33:45.08 ID:FApSBOPK
ムーリンはヤーヤのTシャツを掴んで思い切り泣いた。
暫く泣いていると、頭の上に雨のようにヤーヤの涙が落ちて来た。
ムーリンは見上げた。顔をぐしゃぐしゃにして泣いているヤーヤの顔が見えた。思わず聞く。
「なんでヤーヤが泣いてるの?」
【リレー小説】TPパニック 〜 殺し屋達の絆 〜
191 :創る名無しに見る名無し[sage]:2020/03/26(木) 15:37:21.16 ID:FApSBOPK
「だってお姉さん、死んだんでしょ」ヤーヤは言った。「あたしも悲しいよ」
「会ったこともないお姉ちゃんの死を悲しんでくれるの?」
「ムーリン、大好きだったんだよね? お姉さんのこと」
「うん」
「だから、さ」ヤーヤはムーリンを思い切り抱き締めた。「ムーリンが悲しいと、あたしも悲しいんだよ」
【リレー小説】TPパニック 〜 殺し屋達の絆 〜
192 :創る名無しに見る名無し[sage]:2020/03/26(木) 15:46:51.71 ID:FApSBOPK
悲しいことを一緒になって悲しんでくれる人がいれば、こんなにも救われるものだということを、ムーリンは生まれて初めて知った。
最愛だった姉のモーリンでさえ、可愛がっていた猫が死んだ時に一緒に悲しんではくれなかった。
ムーリンはヤーヤに抱きつくと、涙が涸れるまで泣き続けた。
ヤーヤはムーリンの細い腰を強く抱き締め、ぽろぽろと涙を流しながら、金色の髪をもう片方の手でずっと撫で続けていた。


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