- 僕らは愛とエゴがなければ生きて行けない
55 :創る名無しに見る名無し[sage]:2019/07/16(火) 08:35:32.57 ID:vIhKHYOv - 十三とリルは仲がよかった。
正確には十三がリルのことを大好きで、リルはそれを拒まなかった。 崖上から広い海を眺めながら十三が言った。 「リルのこと、お嫁さんにしたいなぁ」 リルは複雑な光をたたえた緑色の瞳で十三を見ると、銀と金の美しい髪を揺らしてまた海のほうを向いた。 十三にはわかっていた。リルに「オヨメサン」なんて概念はわからないし、興味もない。 食えるか、食えないか。好きか、嫌いか。その相手の子を望むか、望まないか。リルにあるのはそれだけだ。 それでも十三はリルの子供離れした端正な横顔に感動を覚え、その髪を撫でても怒らないことに満足を覚えていた。
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