- ロスト・スペラー 20
581 :創る名無しに見る名無し[sage]:2019/07/09(火) 19:00:16.07 ID:16L+6Org - 一方、ボルガ市内ではビシャラバンガとポイキロサームズの他にも、反逆同盟と戦う仲間が居た。
それは自称妖獣の天敵、猫型妖獣のニャンダコーレである。 ニャンダコーレは同じ猫型の妖獣、魔猫や化け猫に混じって、情報収集をしていた。 彼は道行く化け猫に話し掛ける。 「コレ、そこの!」 「ニャー、儂ん事(きょと)きゃにゃ?」 化け猫は酷い訛りだったが、言葉を理解出来ない訳では無かった。 「コレ、そうである、そうである」 「ニャんの用きゃや?」 「コレ、この街は、どうなっているのだ、コレ?」 「おミャーしゃんはニャんも知りゃんと来たんきゃにゃ?」 「コレ、どう言う事なのだ?」 「しゃーニャーのー。 知りゃにゃー教(おしぇ)ーちゃーや。 ニャンダキャ様(しゃま)の再来(しゃいりゃい)でゃーよ」 「ニャンダキャ……。 コレ、ナンダカナンダカの事かな?」 「人間(にゃんぎゃん)共に反乱(はんりゃん)を起こしたニャハトギャーブときゃ言うんぎゃ、 居ってにゃ……。 そん手下ぎゃ生き残(にょこ)っちょって、仲間(にゃきゃみゃ)を集めちょーっち、 話(はにゃし)だぎゃ」
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582 :創る名無しに見る名無し[sage]:2019/07/09(火) 19:01:00.94 ID:16L+6Org - 化け猫の話を聞いたニャンダコーレは驚く。
「コレ、ナハトガーブだと!? その手下が、コレ生き残っていたのか!?」 「そうだぎゃ。 儂も驚(おでれ)ぇたでゃーよ」 「それは、コレ、どんな奴なのだ?」 「見た目(み)ゃあ、人間でゃーよ。 ニャんでも、獣きゃー人間にニャったっちゅうぎゃ……。 儂も人間にニャれーきゃのー?」 「コレ、真面な手段では無いぞ」 「そうきゃにゃぁ……。 はぁ、そっきゃぁ……」 「お主も、コレ、ナハトガーブの手下の配下になるのか?」 「ニャー、儂ゃー日和見だぎゃー。 人間と戦(たたきゃ)う気ゃーニャーきゃーの」 「コレ、賢明である」 ニャンダコーレは化け猫と別れて、再び市街を彷徨いた。 (獣から、コレ、人間に……? コレ、ナハトガーブの配下に、その様な物は居なかった筈……。 ニャー、コレ、何者かの手により、コレ、人化したと見るべきであろうな……。 コレ、やはり反逆同盟が絡んでいるか……)
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583 :創る名無しに見る名無し[sage]:2019/07/09(火) 19:04:37.17 ID:16L+6Org - 獣が人に成ると言う事に就いて、ニャンダコーレは否定的だった。
一時的に化ける事は出来ても、本性までは変えられない。 魂の形は、そう簡単に変えられる物では無いのだ。 人に焦がれ焦がれて、魔性を蓄え、長き年月の果てに人の姿に変じたとしても、本当の姿は……。 人に成ったのだから、人として生きれば良いのだが、それが出来ない、それをしないと言う事は、 自分が獣だと言う意識を捨て切れない証拠。 ニャンダコーレは他にも化け猫達を探して、ナハトガーブの手下だったと言う者に接触しようとした。 「コレ、そこの! ナハトガーブの手下だと言う物は、コレ、どこに居る?」 「ニャー? ニャんだゃ、おミャーは? 仲間にニャーに来たんきゃや?」 「コレ、そう思って貰って良い」 「ニャー、コレコレ妙な奴(やっ)ちゃニャ。 できゃー図体(ずうてゃー)だぎゃ、何某(にゃんぼ)の物(もん)きゃーのー。 ミャー良え、付いて来ぃやー」 化け猫はニャンダコーレを連れて、行き詰まりに誘う。 そこには何匹もの化け猫が屯していた。 「ニャー、誰(だり)ゃー、そいちゃー」 「新入りだぎゃー」 「ヒャー、中々(にゃきゃにゃきゃ)偉丈夫だにゃーきゃ!」 「ヴェリャー様(しゃま)ん会(え)いに来たぁて」 「ヒャー、ヴェリャー様にきゃや? ミャーしきゃし、力(ちきゃりゃ)の程ぎゃ判(わきゃ)りゃにゃーのー」
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