トップページ > 創作発表 > 2019年01月27日 > xu2+BfnV

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創る名無しに見る名無し
【リレー小説】快楽殺人鬼スネ夫

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【リレー小説】快楽殺人鬼スネ夫
817 :創る名無しに見る名無し[sage]:2019/01/27(日) 02:51:48.85 ID:xu2+BfnV
「ねぇねぇ、嵐の鳥って知ってる?」
私の机に座る行儀悪い娘が私に問いかける。
「知らない。机から降りて」
「やーだぷー」
彼女はそのまま机の上に寝転がった。勢いよく倒れたから彼女のワイシャツが少しめくれ
ヘソが見える。可愛らしいヘソだ。イヤになる。
この学校には登校日という不可思議かつ理解不能で意味不明なものがあり、その日は学校に来なければいけない。
夏休みなのに。
では学校に来て、何をするかというと特に何もせず少しばっかり担任の話を聞いて解散である。
夏休みなのに。
幸いにも登校時間は少し遅めなので早く起きなくてもいいが、夏の日差しの中を意味がないとわかっていながら
登校するのはなかなか苦痛で、周りの生徒も合わせて死の行進を思わせるものだった。
そして目の前に転がっている彼女は私をずっとからかい続けている。別の言い方をするとイジメをしている主犯格だ。
最も仲間が一人もいないので彼女の単独行動なのだが。
「あー、おへそみてるー。いーやーらーしーいー」
「うるさい。早く降りて」
「見てたこと否定しないんだ」
そういうと彼女はすーっとシャツの裾を上げて行く。イヤになる。
読んでいた本を閉じて、腹を平手で叩いた。
パァンと良い音が鳴った。今まで見てみぬ振りをしていたクラスメイトが一瞬こっちを見たがすぐに目線を元に戻した。
蛙の潰れたような悲鳴を上げた彼女は机の上を退くかと思ったが、そのまま全身の力を抜いてぐったりし始めた。
「ああ、もうだめ。今の一撃でHP0。ここから退けないわー」
「邪魔なんだけど」
「退けないわー。それでさー、嵐の鳥なんだけどさー」
こちらの意向を無視してそのまま話し始めた。
「季節の変わり目に嵐が来るんだよ。野分とかそういうの。知ってる? 野分」
「秋から冬にかけて吹く強い風」
「さっすがだねー。ご褒美としてキスしてあげる。早く顔こっちにー。んー」
「どいてくれる?」
「まぁいいや。昨日嵐だったじゃん。知ってる?」
知ってるもなにも昨日は台風が日本列島を襲ったのだ。
テレビをつければそのことばかりやっていたし、外を見れば雨と風が吹き荒れていた。
あれで知らないと言う人間はおそらく地下に幽閉された人間ぐらいなものだ。
「でねー。嵐の鳥って言うのは季節を変える嵐を持ってくるの。昨日の嵐にもいたんだー」
「そう」
「そうなんだよー。だから今日ちょっと涼しいじゃん?」
いや、それはない。絶好調に暑い。昨日のよるが幾分か涼しかったがあれは台風の風のおかげだろう。
「別に」
「そう? まぁいいや。でもさ、疑ってるでしょ。そんな鳥いるかって。疑ってるでしょー?」
彼女は楽しそうだ。とても子供っぽい言葉だし、実際子供っぽい行動もするし、子供ではないかとも
考えてしまうが彼女の美しい金色の髪と豊満な胸、そしてすらりとした腰つき。見た目は完全に大人なのだ。
イヤになる。
「でもねー証拠見つけたんだ。ほら!」
そういうと彼女は黒い羽を取り出した。どこから取り出したのかは深く考えない。
「それ、烏でしょ」
「違うよー、嵐の鳥だよー。よく見て」
「烏だから。はやく降りて」
「カラスじゃないってばー! ねーえー!」
夏休みだというのになぜ私は彼女の執拗なイジメを受けなければいけないのか。
思わずため息がこぼれてしまう。



「おい、あいつらまたいちゃついてるぞ」
「つーか何語で喋ってんの?」
「そりゃあれだろ。デンマーク語」
「なにそれ」
「外国から来た自由奔放な英語しか喋れない娘とどうみても堅物な委員長の英語のやり取りか」
「あいつら絶対カップルだって」
「キマシタワーを建設しよう」


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