- リレー小説「アメリカ滅亡」
534 :創る名無しに見る名無し[sage]:2019/01/20(日) 00:36:27.38 ID:SWgPtEM+ - 「おやおや、いきなり何だい?」
そう言いながらウェイターの上半身はトカゲの尻尾のように再生した。
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- ふみえさんはいつも突然に 〜 シーズン3 〜
618 :創る名無しに見る名無し[sage]:2019/01/20(日) 00:37:20.85 ID:SWgPtEM+ - 句点で閉じてしまった。
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- 僕らは愛とエゴがなければ生きて行けない
9 :創る名無しに見る名無し[sage]:2019/01/20(日) 02:28:08.00 ID:SWgPtEM+ - 「さぁ、ご飯にしよっか」
ユイの言葉にロイの顔がぱぁっと輝いた。 ユイが袋からコンビニ弁当を2つ取り出すと、ちょっと項垂れた。しかし文句は言わずに食べはじめる。箸の使い方がまったくなっていないのでフォーク付きスプーンを出してやった。 「家出?」とユイが聞いた。 「イエデ?」とロイは聞き返した。 面倒臭いのでほっといた。 チョチョはユイの周りをウロチョロし、ロイの側には決して近づかなかった。 ロイも興味がないようで、一瞥もせずに弁当をパクパク食べていた。「みずー」と言って立ち上がると、チョチョが低く唸った。 「お茶があるでしょホラ」とユイがペットボトルを差し出してもロイは「みずがいい」と言って聞かなかった。 しかし蛇口をひねって出て来た水を一口飲むと顔を不味そうにしかめ、戻って来ると大人しくお茶を飲んだ。 食事が済むとユイはロイを可愛がった。 口の周りを拭いてやり、爪を切り、頭にブラシをかけてやった。 歯ブラシの使い方を知らなかったので、トラベル用の歯ブラシで磨いてやった。ロイはすべて大人しくされるがままになっていた。 あとは寝るだけの状態になり、ユイがベッドに寝転んで雑誌を読んでいると、そこへロイが覆い被さって来た。 さすがにドギマギして「何よ」と言いながら睨むと、ロイが言った。 「ねぇ、僕、君が食べたい」 「ダメよ。大人しくネンネなさい」 しかしそんな命令など軽く無視して抱きついて来た。 「あ」ユイが甘い息を吐き、思わず声を出してしまう。 その首筋にロイは牙を立てると、音を出して吸い付いた。
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10 :創る名無しに見る名無し[sage]:2019/01/20(日) 02:47:03.43 ID:SWgPtEM+ - ちゅーちゅーと音を立てて首筋を吸われながら、ユイは痺れるような快感に身を任せた。
「ロイ……凄い……」 ユイは吸われながら腰が勝手に動いてしまった。 しかしこんな破廉恥な展開になる予想はまったくしていなかった。男を部屋に連れ込んでおいてこんな言い訳は出来ないかもしれないが、本当に「そんなつもりはなかった」。 「もぉっ、ダメよっ!」 そう言って笑顔で引き離したロイは恍惚の表情を浮かべていた。その口の端から真っ赤なものが滴った。 自分の首筋に手を当て、その手を見る。掌の真ん中にちょんと血がついている。 「あんた……吸血鬼なの?」ユイに嫌悪感はなく、ただびっくりしてそう聞いた。 ロイはそれには答えず、無邪気な目をして首を捻り、「ダメ?」と聞いた。 「うーん」ユイは暫く考え込むと、言った。「ロイならいっかぁ」
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11 :創る名無しに見る名無し[sage]:2019/01/20(日) 03:13:07.72 ID:SWgPtEM+ - 愛田谷 善三はウトウトと眠っていた。
暑すぎて1日中クーラーの効いた部屋で眠っていたい季節がようやく終わり、過ごしやすさに1日中眠っていたくなる季節がやって来ていた。 場所は警察本部の捜査会議室。会議の真っ最中である。いつものことなので彼を起こす者は誰もいない。愛田谷は夢の中で刑事部長の話を聞いていた。 「……であり、……は」 ムニャムニャ。 「……と思われる。……の現場は」 ムニャムニャ。 「……と、いうわけで愛田谷刑事の出番だ」 ムニャムニャ。 「愛田谷刑事」 もう食べれないッス。 「アイタガヤァーっ!」 部長に名前を叫ばれ、寝ぼけた顔を上げ、急いで立ち上がる。 「はいっ、先生!」 「先生じゃねーから」 「聞いてませんでした!」 「ドヤ顔で言うことじゃねーから」 疲れたように失笑する他の刑事達の呆れた視線を浴びながら、愛田谷は自分が名前を呼ばれた理由だけはしっかりとわかっていた。 「俺の鼻が必要な事件なんですね?」
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- 僕らは愛とエゴがなければ生きて行けない
12 :創る名無しに見る名無し[sage]:2019/01/20(日) 03:27:24.85 ID:SWgPtEM+ - それは連続女性殺人事件と名付けられていた。犯人の手掛かりはまったくなかったが、手口と何よりも遺体の有り様が同じだった。
4人目の被害者が出た。愛田谷は初めてその現場に赴くよう命令を受けた。 「はいはい退いてくださいよ」と言いながら現場へ入って行く先輩刑事の後をついて部屋に入ると、なぜか懐かしい匂いがした。 被害者はリビングルームのセンターラグの上で仰向けになって息絶えていた。その姿を見るなり先輩刑事が言った。 「うん、間違いなくヤツの仕業だな」 「嫌だなぁ、見たくねぇなぁ」愛田谷が顔を背けている。「どうせグロいやつでしょ? 今夜の飯がまずくなる」 「とりあえず、まぁ、嗅げや」 先輩刑事にぐいと背中を押され、死体を直視してしまった。
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13 :創る名無しに見る名無し[sage]:2019/01/20(日) 03:35:09.76 ID:SWgPtEM+ - 「……何だこれは」
愛田谷は思わず愕然とした。 目の前の死体はあまりにも美しかった。 被害者の34歳女性は胸の前で手を組み、幸せそうな笑みを浮かべ、安らかに瞼を閉じて死んでいた。 その腹部には獣が食べたような穴が空き、醜い内臓がすべて綺麗に抜き取られ、そこからまるで花のように血の痕が50cm四方に開いていた。 「……しかしこの匂いは……覚えがある」 愛田谷は独り言のようにぶつぶつと呟いた。 「この匂いは……!」
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- ふみえさんはいつも突然に 〜 シーズン3 〜
620 :創る名無しに見る名無し[sage]:2019/01/20(日) 07:42:17.49 ID:SWgPtEM+ - そしてカンガルーダンスを踊ると、襲いかかって来た。
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