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シリル ◆X4hrf3EOqI
【剣と魔法】ファンタジークエスト【TRPG】

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【剣と魔法】ファンタジークエスト【TRPG】
275 :シリル ◆X4hrf3EOqI [sage]:2019/01/12(土) 22:39:39.13 ID:CltuLFui
なんとクラーケンを追い払ったお礼にお金を貰った。
自分の命を守るためにやったことなので正直受け取る義理はない。
だが折角の厚意なのでありがたく頂戴することにしたのだった。
さらに折角なので装備を整える運びとなり、お買い物に乗り出すことになった。

暗雲が垂れ込め、日中にも関わらずどんよりと暗いアライアンス。
武器屋のひとつが目に映り入ってみる。どことなく湿っぽい雰囲気だ。
店主の顔も影が差し込んでいて浮かない色をしている。

「いらっしゃい。魔法使いかね。何をお求めかな」

「杖が欲しいな」

「あるよ。魔杖ロアクルスなんてどうだい」

店の奥から引っ張り出してきたのは十字をあしらった銀製の杖だった。
元来杖とは魔法使いの魔力を高め、魔法発動の補助を行ってくれるためのものだ。
ロアクルスは高名な魔道士が使っていたという杖で、南方の商人が譲ってくれたものらしい。
破邪の効果があり、怪しいものや瘴気から身を守ってくれるという。

「なんつうかな。武器商人の勘って奴よ。
 こいつがお前さんのトコに行きたがってる……。
 代金は譲らねぇけど、できることなら買い取ってくれないか」

「珍しい物言いだね……買うよ。今の僕には丁度良い」

三日三晩悪夢に魘されたシリルには丁度良い武器だ。
初心者時代から使い続けてきた樫の杖に別れを告げて新たな武器を得た。
【剣と魔法】ファンタジークエスト【TRPG】
276 :シリル ◆X4hrf3EOqI [sage]:2019/01/12(土) 22:40:26.13 ID:CltuLFui
アライアンスからシャンバラまでは馬でひとっ飛びの距離だ。
広大な竹林に囲まれたシャンバラには現地の人々が慎ましく暮らしていた。
ところどころに遺構をみることができ、かつてこの土地を支配していたという超古代帝国の名残が見て取れる。
シャンバラに入るなり、シリル達は軽鎧に身を包んだ神殿騎士達に囲まれた。

「な……なにかな。僕は何もしてないよ。本当だよ」

神殿騎士は恭しく頭を垂れると192に声を掛ける。

「192、ご苦労だった。貴方様達がかの神託の勇者。突然のご無礼をお許しください。
 私は001……神殿の外では"鏡の騎士"ロートレックと呼ばれている者です。
 僭越ながら、勇者様達のお名前は?」

一番に名乗りを上げたのは端正な顔立ちをした青年だった。
しかし引き締まった顔立ちは相当の錬磨を積んだ戦士であることを思わせる。
恐らくは192にも劣らない強者なのだろう。

「シリル。シリル・フラマリオンだよ。よろしく。
 えっと、001とロートレック、どっちで呼べばいいのかな?」

「001は神殿の習わしで与えられた名。
 本名はロートレックですが、勇者様のご随意に」

「じゃあロートレック。積もる話もあるから、どこかで話をしよう」

「では神殿へ向かいましょう。聖女様も貴方様達に会いたがっています」

一同は小高い丘の上にある神殿へと向かう。
馬と神殿騎士を引き連れ歩くさまはちょっとした見物のように思えた。
クリスタルのみで建築された静謐な神殿は、鬱蒼と伸びる竹がどうにもミスマッチだ。
道に敷かれた玉砂利を踏みながらシャンバラで最も重要な施設である神殿へと足を踏み入れた。
【剣と魔法】ファンタジークエスト【TRPG】
277 :シリル ◆X4hrf3EOqI [sage]:2019/01/12(土) 22:40:53.28 ID:CltuLFui
神殿の最奥――予言の間と呼ばれるその場所に、聖女はいた。
黄金を散りばめたような目映い金髪と神性を帯びた瞳に息を呑む。
シリルは途端に緊張した。彼女を前にすると丸裸になった気分だ。
それに、なんだか力がなくなっていく気がする。

「暗黒魔法の使い手に神殿はきついよ。神性に灼かれそうだ」

ぼそりとキャトラに呟いてシリルは黙った。
聖女はにこやかに微笑むと神託の勇者達を出迎えた。

「貴方達が神託の勇者ですね。私はソフィア。
 遠路の旅ご苦労でした。そこにお座りなさい」

小間使い達が椅子を用意してくれると、僕達はそこに座った。

「ありがとう。早速聞きたいことがあるんだ。なぜ僕達を探してたの?
 いや、僕達もシャンバラを目指してたし、192さんには世話になったけど……」

「でしょう。簡潔に言ってしまえば、貴方達の旅の手助けをすること。
 それが私達の神託だったのです……。貴方達が、これから挑む困難な戦いの為に」

シリルは驚いて頓狂な声を上げた。

「た、戦い!?何と戦うって言うんだい?」

「魔王を完全に封印するため――闇の軍勢と戦うのです。
 彼らは今、瘴気を振り撒きながらシャンバラを目指しています。
 より正確には、シャンバラの地下に眠る超古代帝国の遺跡に……」

聖女は女神の神託を一言一句違わず唱える。

「女神は言いました。"神託の勇者達が、超古代帝国の遺跡を攻略し、
 欲望のまま封印の柱を穢す邪悪なる召喚士を止めてくれるはずです"……」


【シャンバラ到着。聖女から新たな神託を聞く】


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