- ママ、どうして僕を産んだの?
7 :創る名無しに見る名無し[sage]:2018/11/09(金) 01:23:15.17 ID:Wy/L+TTt - やがて僕らは墓場に着いた。
花も線香も持って来ていないのに。 僕らに縁のある仏様もいないのに。
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- ママ、どうして僕を産んだの?
8 :創る名無しに見る名無し[sage]:2018/11/09(金) 01:31:30.85 ID:Wy/L+TTt - 「ここに立ってな」
崩れそうな無縁仏の前で僕にそう命じると、ママは森の奥へと一人で歩き出した。 樹の上でカラスどもがうるさく鳴いていた。寒い風が一層僕を心細くさせた。 ママはそれきり戻って来ないと思わせといて直ぐに戻って来た。手に誰かの骨を持って。
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- ママ、どうして僕を産んだの?
9 :創る名無しに見る名無し[sage]:2018/11/09(金) 01:34:25.42 ID:Wy/L+TTt - まだ汚ならしい命の余韻の残る顎の骨だった。短い髭もちゃんとついている。
「パパ……?」 僕の疑問には答えずママは、無縁仏の裏の地面をハイヒールでコツコツと蹴った。 「ここにこれを埋めな」
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- ママ、どうして僕を産んだの?
10 :創る名無しに見る名無し[sage]:2018/11/09(金) 01:41:21.59 ID:Wy/L+TTt - 「掘れないよ。石が多いし、固いよ。スコップは?」
「指で掘るんだよ」 「無理だよ」 「掘らないと帰れないよ」 選択肢をなくして僕は、ガリガリと固い地面に爪を立てて掘りはじめた。 幸い少し柔らかいところを見つけた。 『ついてる』と思い、僕は嬉しくなった。
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- ↑と↓のスレタイを合体させるスレin創作発表板 3
926 :創る名無しに見る名無し[sage]:2018/11/09(金) 01:45:30.64 ID:Wy/L+TTt - 料理、他含む創作小説「おやつが食べたいな〜」第九部
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