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ティターニア ◆KxUvKv40Yc
【ファンタジー】ドラゴンズリングV【TRPG】 [無断転載禁止]©2ch.net

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【ファンタジー】ドラゴンズリングV【TRPG】 [無断転載禁止]©2ch.net
274 :ティターニア ◆KxUvKv40Yc [sage]:2017/08/07(月) 23:06:02.31 ID:BYFAfZvO
スレイブは時折独り言のようなことを呟いている。否、指環に宿るウェントゥスと会話しているのだ。
更に、その内容からどちらかが完全に主導権を握っているわけでもないことが伺える。
ウェントゥスとしては完全な傀儡が欲しかったようだが、メアリが一枚噛んだ影響で今のところ利用し合う関係となっているようだ。
心の中でテッラにウェントゥスが言っていることの通訳を要請してみるも、『話がややこしくなっても困るので』と渋られた。
こちらのそんな調子に業を煮やしたのか、ウェントゥスが自ら幻影として飛び出して喋りはじめる。

>『ティターニア!息災じゃったか!?お主と別れて以来色んな菓子屋を訪ねたが、やはりお主のくれた飴が一番甘かった!
 さぁこっちへ寄れ、こんなポンコツ傀儡よりもよっぽどお主こそが風の指環を持つに相応しい!
 あん?テッラ?旧大陸の穴蔵に引き篭もってた根暗地属性なんぞ捨て置け捨て置け!メアリとかが拾うじゃろ多分!』

おそらく彼女が言っているのは聖ティターニア――王国時代のエルフの国の最後の女王にして、ハイランド建国の英雄の一人。
もちろん人違いだというのは言うまでもない。
しかしウェントゥスに呼びかけられたティターニアは、束の間の白昼夢を見た気がした。
それは今の状況とよく似た、指環の勇者一行の旅。しかし使う指環は、大地ではなく風の指環。
仲間の顔ぶれも今とは全く違っている。天才少年魔術師ダグラスに、エルフの魔法剣士カドム。
ちなみに大地の指環の使い手は、今のメンバーで例えるとジャンの系統のパワーファイターだったようだ。
ダグラスが外見がそっくりと言っていた通り、自分の姿だけは、今と同じだった。
大地の指環が遥か昔の記憶を見せたのか。
魂縁的には聖ティターニアは現ティターニアの曾祖母にあたるため、縁者である影響か。
あるいはもっと深い繋がりがあるのか――
しかし今はそんなことをじっくり考えている場合ではない。
『ほら言わんこっちゃない』とテッラに現実に呼び戻され、慌てて戦闘に意識を戻すティターニアであった。

>『なんっ……で!四竜三魔もケツァクも!どいつもこいつもなんで儂の言うことを聞かんのじゃ!
 儂はちゃんと世界の未来とか考えとるのに!儂だけが、ヒトに丸投げせず儂らで頑張ろうって言うとるのに――』
>「これは俺の戦いだと言った。あんたが千年生きていようが、シェバトを庇い立てするのならば今日がその歴史の終わる日だ」

「残念ながら似ているが別人だ。ウェントゥス殿の言うティターニアは戦乱に巻き込まれ死んでしまったらしい」

とはいえ、殆どの場合100年も生きられない人間から見れば年齢三桁も四桁もとてつもなく長く生きているという意味では似たようなものかもしれない。

>「指環を集めて世界を変えると言ったな。あんた達の都合の良いようにか?それは今この世界で私腹を肥やす為政者と何が違うんだ。
 古龍の力に願ったとしても、この世にあまねく全ての者を幸せにすることなど出来ない。
 それは力に限界があるからではなく、幸せの形が人それぞれだからだ。
 誰かにとっての幸せが、別の誰かの不幸によってもたらされることなど珍しくもない。俺が、そうだったようにな」

なるほど何かを変えるということ自体、誰かが必ず割を食う行為なのかもしれない。
例えば大部分の人間から見れば最悪な独裁国家を打倒した革命の英雄だって、独裁国家で既得権益を得ていた者にとっては憎むべき悪である。

>「お前たちがそれでも指環を集めると言うのなら――」
>「みんな不幸になれば良い」

>「……簡単なことじゃねえか!みんな幸せにしろって指環に願うか、できなきゃ全部どこかに捨てちまうまでだ!
 ジュリアンから教えてもらわなかったか?いらねえもんはとっとと捨てろってな!」

なんともジャンらしい威勢の良い答えである。

「その通りだ、今までの指環を集めた者が皆つい私利私欲に流れてそう願った前例がないのなら試すだけ試してみる価値はある。
駄目ならその時考えればいい」

>「『ブロウツイスト』」

多重術式陣による暴風の攻撃魔法が解き放たれる。
ジャンが水流の壁で、真空刃による攻撃を防ぐ。
それでも体の小さなフィリアなどは立つのは難しいと思われたが、バアルフォラスの力を借りて持ち堪えていた。
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275 :ティターニア ◆KxUvKv40Yc [sage]:2017/08/07(月) 23:08:22.00 ID:BYFAfZvO
>「……関係ありませんの。誰かを幸せに幸せにする事が、別の誰かの不幸になったって。
 わたくしは、わたくしがしたい事をするだけですの」
>「誰かの幸せが、あなたを不幸にしたなら、今度はわたくしがあなたを幸せにすればいい。
 それでまた、別の誰かが不幸になるなら……」
>「……それは、また別の誰かになんとかしてもらいますの。
 そうやって不幸を消して、幸せを順番に回していけば……きっといつか、みんなが幸せになれますの」

「そうだ、この期に及んでまだ公平な社会を実現しようとするとは真面目も度が過ぎるぞ。
今まで散々苦労したのだ、自分だけは幸せになってやろう、そう考えても罰はあたらぬ。
そなたが投げても案外他の者がどうにかしてくれるものだ」

>「……指環の力よ!」

炎がフィリアの体を包み込む。炎の指環に認められたようだ。

>「バアル君。ここからはもう、その空気を薄める魔法だけでいい。
 完全にじゃなくてもいいから、飲み込んで欲しいですの」

>「風の刃は俺とティターニアで止められるだろうよ。後は突っ込んで殴り倒す!
 それじゃあ一丁――おっと」

フィリアが舞のようでもある目にも止まらぬ動きで、スレイブに怒涛の攻撃を加える。

>「……たまには俺が後ろに行くか!水流の壁をありったけ張るぞ!」

真空刃による攻撃はジャンの水流の壁で防げそうだ。ならば、ティターニアが対抗すべきは――

「空気正常化は任せよ! ――ライト」

ティターニアが普段は洞窟探索時などに使われる人工照明の魔術を唱えると、戦闘域全域の地面に緑が広がっていた。
テッラの魔力によって顕現させた概念的な苔だ。
苔であれば日向の植物と比べて、人工照明等の薄暗い場所でも効率的に酸素を供給することが出来る。
これにより、ウェントゥスの力によって奪われた酸素を空気中に供給する。
そうしてバアルフォラスの手があけば、彼の能力を他の事に使う事が可能になる。
そう、彼が最も得意とする知性食らいに回すことが。
知性は素晴らしい物だが、時として仇となる。
色々難しく考え過ぎて本当の願いが分からなくなってしまうことがある。

>『――ウェントゥス。君の一人でなんとかしようとする姿勢は偉大だが、
 この世界は既に僕らのものではない。彼らと共に行くべきだろう』
>『虚無に飲まれるな、とは我らが古竜様の口癖だったろう?
 またあの長い説教を聞きたいのか?』

アクアが竜同士のよしみでウェントゥスに説得をはじめた。これはチャンスかもしれない。

「バアル殿! 余計なものをそぎ落として本当の願いを引き出すのだ。昼間に我にやってくれたように!
――アースウェポン!」

知性食らいの側面も持つテッラの力を上乗せする意味で、バアルフォラスに大地属性付与の魔術をかける。


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