- 【ファンタジー】ドラゴンズリングV【TRPG】 [無断転載禁止]©2ch.net
123 :ジャン ◆9FLiL83HWU [sage]:2017/04/22(土) 13:42:01.77 ID:chS4X/IN - >「……勝手な事をして、申し訳ありませんの」
「……いや……たまげたぜ。女王ってのは、本当なんだな」 ふと、フィリアの右手にあの虫たちと同じような亀裂が入ったように見えた。 フィリア自体は笑って誤魔化す程度のものかもしれなかったが、ジャンにとってはあまりいい光景ではない。 「さっきの力、あんまり使うんじゃねえぞ。 前は俺が支えるし、肝心なときに倒れられても困るからな」 魔力か何かの反動だろうと思って、ジャンは最低限の注意にとどめておく。 そして飛空艇の後方を見てみれば、あちらにいた眷属は全てグラハたちが倒してくれたようだ。 魔導砲で全て撃ち落としていたらしく、服を着たグラハがこちらへとやってきた。 >「強い魔力が近づいている。こちらは敵に丸見えだ。魔力が足りなければ、僕が協力する フィリア、君も魔力を持っているんだろう? 着陸だけは成功させたい。ジャンとラヴィアンには両側の防衛を。 扉を開けて、常に敵から眼を離さないようにするんだ」 >「残念ながら、わたくしの間合いでは護衛に回る事しか出来ませんの。 ジャン様、ドラゴンが近付いてきたら頼りにしてますの。 風の竜と、指環の勇者様の力比べ……今度はお話を聞くだけじゃなく、目の前で見れるのは嬉しい事ですの!」 「今度は眷属じゃねえな、俺たちが来るって分かってんならもっと面倒な奴が来るぜ。 あとフィリア、一つ間違ってることがある。俺は指環の勇者じゃなくて、ただの冒険者だよ」 徐々に近づいてくる大平原。その鮮やかな緑の光景の中に、石作りの見事な都市がそびえ立っている。 都市に飛空艇が近づくほど、風が強くなり、荒れていくのをジャンは感じた。 >「……しかし、思ったより小奇麗なまま保たれてますのね。 案外、まだ誰か住んでたりして……なーんて。 もしそうだったら面白そうだけど、いくらなんでもあり得ませんの」 「いや、俺たちが行った古代都市はどこも遠くからでも分かるぐらい荒れていた。 だけどよ、ここは違うぜ……何かがおかしいんだ。まるで今作られたみてえな綺麗さだ」 風がさらに吹き荒れ、飛空艇が都市へと近づいていく。 その嵐の中で、ジャンは見た。 はるか過去、古代都市に人が溢れ、華やかに人が暮らしていた時代の風景を。 「……ティターニア、嵐ってのは幻覚も見せるもんなのか?」
|