- 【なりきりリレー小説】ローファンタジー世界で冒険!3
186 :ゲッツ ◆Sin.5EUo9A [sage]:2013/12/03(火) 20:54:58.02 ID:Of1cr4eW - >「えっと…、じゃあとりあえず、そのフォルテのイタズラ書きを消してみましょうか。
>で、ゲッツの胸はパカッと開いたりするの? >そもそもその落書きって消せるものなの?」 >「本来であれば口を挟む事ではないと思ったが言わせて貰うが >まずはレントゲンに掛けてから実物を判断するべきではないのかね? >明らかにいきなり胸を切開するというのは、どうかと思うのだが」 「――俺をロボットか何かと勘違いしてねェか? そんなぱかぱか開いてたまるかっての。 ただ、なんだ。――魔術っぽいアレだし、普通に拭いても取れねぇんじゃね? それに――俺らは時間が無い。そうだろ、特にエス平。お前さんそういうのに敏感そうじゃねぇか」 肉を食いちぎりつつ――竜人はつらつらと己の状況について語り。 己の胸の中にある物は、恐らく物理的な問題で不具合を起こしているわけではないだろう事を予測する。 「んで、お前さんのそのハンマーと俺のこいつは同種であっても同類じゃあない。 俺の場合は、ぶっ壊してぶっ殺す為の戦闘兵器な訳で、だ。 ……要するに、鉄火場にぶち込まれて死にかける羽目になりゃ復活するんじゃねェかと思うんだが、どうよ?」 己の義手と心臓は、殺戮の為の未完成兵器。 恐らく術者の死によって任を終えたとシステムが勘違いしたためにこのような事態になってしまっただろうと判断した。 そして、これを何とかする術としては――この義手がどうしても必要になるような状況になる事。 即ち――死地。鉄火場に出向き、ピンチに陥ることなのではないか。そう、ゲッツは結論づけた。 その上で。 「エスペラント。フェネクスにはいなかったが、どうせ大体事情は察してるだろ? あんまり俺の手ェ生やすの待ってる時間もねぇ。だからよ――ちょいと枢要罪に喧嘩売りに行こうぜ?」 ゲッツは、いつもと変わらずに――戦火の元へと向かおうとしていた。 だが、実際問題このままゲッツ1人の為に立ち止まっていてはどうしようもない事態になってしまう。 本人がこう言っている上、現在の状況を考えると――先ずは動くのも有りといえるだろう。 「ま、アレだ。気に病むな、あとオレに謝ったらキレるぜ、フォルテ。 お前のせい≠ナ最強最悪≠フ俺様がどーにかなる筈ァねェんだからよ。 お前さんはいつも通り変わらず俺様の格好良い所とか歌っときゃいいのさ、おーけー?」 隣に座る吟遊詩人の感情の変化を何となく察しただろう竜人は、そう言って吟遊詩人の頭を乱暴にかき回して。 ふと流れているTVに耳を傾ければ――。 『完全管理都市インペリアにて、大規模な戦闘準備が開始されたことが確認されました。 ここ数百年の間、外部との連絡を断ってきた、完全支配の都市で一体何が起きたのか――。 当番組取材班が、現在インペリアに潜入しております。中継繋ぎます』 TVのニュース番組で流れるのは、完全に区画整理された整いきった都市の映像。 そして、その映像とともに入る解説の後に、中継は――ノイズの混ざる映像に、変わっていった。 そこに有ったのは――、巨大な塔。そして、塔の上に立っていたのは――蒼い髪の男≠ニ寝間着の少女=B 塔の周囲には、斃れる人々、停止する機械軍。そして、映像は――嗤う男の顔を写して、断絶した。 『――えー、映像が乱れているようです。失礼いたしました。 コーナーを変更いたしまして、次はフェネクス悲劇の真相へ――――』 「――ビンゴ」 ハムを塊のまま食いちぎって――。ソファに座り込む竜人は、犬歯をむき出しに全身から瘴気を吹き出した。 その気配は――ドイナカ村に一瞬だけ駆け巡り、異様な力を持つもの。 例えば浄子などに、異変の気配を感じさせたのかもしれない。
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