- エルドランシリーズSS総合スレ3【雑談・チラ裏OK】
15 :NEO 小ネタ[sage]:2013/07/27(土) 08:31:08.01 ID:oImo47NO - 宇宙から地球を見下ろすように不気味に浮かぶクリスタル、ジャーク要塞。
三次元侵略をもくろむ五次元帝国の者達の根城である。 もっとも、今はわけあって、一人の部外者が混じっているのだが……。 「いつ来てもここは見晴らしがよいなあ〜」 地球を見下ろして悦にいってるその部外者の名はヤミノリウスV世。 「この世界がいずれは全てゴクアーク様のものに!!」 「おい、ヤミノリウス。口をつつしめ!」 五次元帝国の司令官・ベルゼブがその言葉をとがめる。 ベルゼブのかたわらに浮いていた妖精もうなづく。 「ベルゼブの言うとおり。我々はライジンオーをはじめとするエルドランのロボット達を倒すために、一時的に手を組んでいるにすぎない。倒したあかつきには三次元世界ともども大魔界さえ支配してくれよう」 「ふん。ファルゼブよ、そんな大口ばかり叩いて、実際のところは負け戦ばかりではないか」 「なにぃ、貴様が言えたことか!」 妖精が悪鬼の形相となってヤミノリウスに襲い掛かる。 「痛っ! おい、蹴るでない! おい、ベルゼブ、このファルゼブとやらはおまえの分身というではないか! 止めさせろ!」 「先にケンカを売ってきたのはおまえの方だ」 ベルゼブはその言葉だけ投げつけて、あとは打倒ライジンオーの作戦を考える仕事に戻るのであった。 しばし後。 「ときにベルゼブよ。おまえはロボットを持っているが、おまえ自身ができる技はないのか?」 満身創痍のヤミノリウスがほこりを払いながら尋ねる。 「私自身にか? そうだな」 ベルゼブはしばし考える。 「大抵の相手にはそこまでせずとも勝てるが、我がジャークドリームをやぶったものは、これまで一人もおらんな」 「なに? ジャアクドリームだと?」 ヤミノリウスが突然目を輝かせた。 「おい、ベルゼブ! ぜひともその技、私にかけてくれ!」 「なにを言いだす?」 「このごろ、ガンバルガーに敗れてしまうようなろくでもない夢しかみないのだ。たまには幸せにねむりたい!」 「……なにか勘違いしてないか?」 「なに? 私を誰だと心得る? 邪悪なりし、ヤミノリウスV世であるぞ。邪悪な夢はきっと甘美なものに違いあるまい」 「やはりすごく勘違いしているぞ」 「さあ早くかけるのだ! それともなにか? 私に術を破られるのがこわいのか? このヘボ軍人!」 「なんだと!? 貴様、今の侮辱、許すわけにはいかん。覚悟しろ!」 「望むところだワクワク!」 ……サライヤと魔法で布団をだして嬉々としてすべりこむヤミノリウス。 はたして彼に未来はあるのか…… <終わり>
|