- 【なりきりリレー小説】ローファンタジー世界で冒険!2
67 :アサキム ◇JryQG.Os1Y[sage]:2013/01/08(火) 01:19:43.70 ID:dNYy+Pxl - 「よし、天魔震撼、転身」
アサキムが、新たな、姿へ それは、白き衣に、羽を左右4つ、ついた。 「これが、毘沙門天たる、証だ。」 準備運動程度に、武器の七支霊刀を軽く振る。 すると、山の山の先までまっふたつに割れた。 「七支霊刀、最破」 最大まで、力をためる 「消え失せろ!」 勢いよく、刀を振る。 すると、 半径500mの全ての町が、消えた。 物理的に、 しかも、この技、近ければ近いほど、威力が増す。 近かった、あの魔竜は、相当のダメージを食らっているはず。 巻き添え、いや、そんなの知らんし。
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68 :フォルテ ◆jIx.3BH8KE [sage]:2013/01/08(火) 01:23:57.88 ID:dNYy+Pxl - >「――てめェ、ちぃとアイツに似てやがる。癪だが、本気で癪だが――竜ってのァ気まぐれだ。
お前の問答にちょっとだけ付き合ってやるよ。我の機嫌を損ねたらお前はそこで踊り食いだけどヨ。」 万が一音を外しでもしたらパクッと食べられかねないと思うと緊張半端ないわけで。 額から汗が流れてくるのはきっと熱さのためだけではない。 あーあ、必死の形相で戦うなんてガラじゃないんだよなあ。 V系吟遊詩人は一歩引いた位置で澄ました顔で妄言を垂れ流しておくのが丁度いい。 何はともあれオレの演奏は読み通り、暴虐の竜を鎮める方向に作用した。 一見何も起こっているようには見えないが、会話に乗ってくれているのがその何よりの証拠だ。 >「我の役割≠ヘ、壊すことだ。壊される奴からしたら溜まったもんでもねぇだろォからよ、そいつらから見れば我は悪だろう。 壊す為の力で、壊した後がどうなるかは知らねぇ。そこから先は、他のアイン・ソフ・オウル≠フ役割だしな。 ……色々壊してきたぜ? 暴走した歴代のアイン・ソフ・オウルも、他の次元からやってきた敵とかもよォ。 間引きで人を数万焼いたこともあったし、大陸の一角を削ったこともある。……なぜかは、自分で考えなァ」 「凄い……凄い凄い凄いよ!! あなたって本当の本当に神様なんだ!」 この震えは何だろう。まかり間違えて次元が違う存在と逢い見えてしまった事への恐怖? 圧倒的なスケールの存在と対峙出来た事への歓喜? 人間の尺度を超越した神の論理。世界の理のようなものと相対しているかのような感覚。 竜人達が破壊の悪竜を神として崇めている事をなんとなく受け入れられた。 そして話は核心へ。祖人ゲオルギウスとの関係やいかに。 宿命のライバルとか強敵と書いてともと読むとか言ってくれればいいなぁ、と思ってたのだが……。 ご先祖様は期待の遥か上を行ってくれた。 >「我を止めてくれる奴で、我の最愛の――嫁だ。」 「――よ、よ…め!?」 ああ、竜退治にいったはずの英雄がうっかり…ってギャグ漫画じゃないんだから! ってか祖人ゲオルギウスって女の人だったの!? 一瞬、耳を疑った。いや、念話なのでついに発狂して頭がおかしくなったのではないかと思った。 が、それを聞いたのはオレだけではなかったようで、周囲の仙人達も微妙に「マジで!?」な雰囲気を醸し出している。 >「我もよ、誇りも無い奴を潰し続けるのにうんざりしててよ。 そこで俺を潰しに来てくれたのがあの輩だ。悪い竜を倒すのは何時だって勇者だろ? 半年くらいだっけか――――アイツと切り結んだのは超楽しかった、んで持って俺を殺しておきながら、アイツ泣いてんだよ。 もう、貴方はその力を貴方の誇りの為に使ってもいい、ってよ。世界の奴隷にならなくてもいいって。 ……んで持って、俺はアイツの魂と一緒に封印されてたわけだが……ま、惚気話はここらにしようぜ」 無敵のドラゴンスレイヤーが実は慈愛の聖女で。 破壊しか知らなかった孤高の竜が、聖女に出会い愛を知った――か。悪くない、というかすごくいいんじゃない!? 愛が古今東西数えきれない程の歌の題材になってきて未だにネタ切れしないのは、愛に決まった形なんて無いからだと思う。 彼等は殺し合う事で愛し合い命を刈り取る事で結ばれたのだ。この上なく倒錯していて、同時に何よりも純粋な愛の形。
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69 :フォルテ ◆jIx.3BH8KE [sage]:2013/01/08(火) 01:27:53.96 ID:dNYy+Pxl - 「碌でもないオチばっかの邪神にしてはすげー幸せ者だな。最後の最後に死ぬ程人を愛せたんだから」
自分はきっと死ぬ程人を好きになる事なんて出来ない、むしろなってたまるか。オレは何者にも縛られたくない。 好きにならなければ、置いて行かれた時に嘆いたり恨んだりせずにすむから。 でも少しだけ羨ましいような気分になるのは何故だろう。 >「――ここに居るのは破壊の悪竜だ。 ……偶にはよ、吟遊詩人とか、そういう輩が英雄になってみてもいいんじゃねぇか。 引き立て役だってのも、中々辛いもんだろ。派手に来な、潰してやる」 凝縮されたブレスが放たれる。 流星のごとく飛んできた安心院さんにはたかれ、ぐるぐる回りながら吹っ飛ぶ。 「潰されてやるもんか! お前の惚気話を新説として世界中の人に知らしめてやるから覚悟するこったな!」 >「よし、天魔震撼、転身」 >「これが、毘沙門天たる、証だ。」 アサキム導師が山をも切断する斬撃を放つ。 それを見ながら、安心院がしれっとレクチャーを始めた。 「よし、今のうちに授業だ。”共振”は分かるか?」 もちろん知っている。音とは微細な振動。 あらゆる物体は固有の音――つまり振動数を持ち、通常はそれが外部から来た振動と打ち消し合っている。 しかし、固有振動数と全く同じ振動数の音を当てるとその物体は震えはじめ、ついには破壊する事ができる。 この原理を利用すると、声だけでグラスを割る手品が出来る。だからどうしたという話だが。 「知ってるけど今そんな事言ってる場合かよ!?」 「屈辱的だが僕達の力をもってしてもあいつに敵わない。 でも霊的な超絶聴力を持つお前なら……あの竜の振動数にモナーをチューニングすれば装甲を突破する事が可能だ。 ――やれるな?」 言われてみれば理論的には可能だ。 音を共振破壊が出来る程寸分の狂いも無く合わせるのは至難の技だが、オレの霊的な聴力とモナーをもってすれば不可能ではない。 一番の問題は、振動数を合わせるには多少の間あの魔竜と切り結ぶ形を作らないといけないという事! 「――いいよ、やってやるよ! モナー、フォーム《キーブレイド》!」 モナーが、刃の部分が鍵盤を象ったような不思議な形の剣の姿と化す。選ぶ余地がないのに聞くとは人が悪い。 やらなければその時点で世界終了のお知らせになるのは目に見えている。 だって、この超絶な力を持つ人達が力では敵わないと言って戦力外お荷物キャラを担ぎ出すぐらいだから 本当に正攻法のゴリ押しではどうしようもない相手なのだ。 もちろん、あんなのにマジで一人で挑むほど無謀ではない。
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70 :フォルテ ◆jIx.3BH8KE [sage]:2013/01/08(火) 01:30:13.99 ID:dNYy+Pxl - 「さくせん――“オレに任せろ”!」
この作戦、威勢のいい字面に騙されてはいけない。 言葉通りとはある意味真逆の、どうか力を貸してください、死なせないように全力でサポートしてくださいという懇願だ。 でも超人連中が寄ってたかってお荷物を引き立ててくれる状況ってよく考えると凄くね!? >「消え失せろ!」 アサキム導師が超絶爆発を放つ。恰好のタイミングだ。 今だと言われるまでもなく、剣を掲げて滑空するように一気に距離を詰め、斬りかかる。 「さあ君の音を……声を聞かせて――。いざ――勝負ッ!」 戦いの舞に選んだ歌は、ゲッツと切り結んだあの時と同じ歌。 何故かは分からないが、気が付いたらそうしていた。 「月陰る闇に咲く華 底知れぬ深淵を見つめた 時を漂い続けた君は 星屑の掃き溜めにて目覚めた 水を蹴って翅広げ 青年の日に別れを告げて今飛び立とう 黄金の粒散らして」 無駄のない洗練された動作なんてどうせ不可能だ。 戦いのセオリーとは逆であろう、わざと自分の存在を顕示するかのような派手な動作で剣を振るう。 オレはここにいるよ。君の声が聴きたい――!
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