- プレデター日記 4冊目
475 :ハロウィン数日前 その12[]:2011/11/17(木) 22:08:35.94 ID:NZ1xk4m0 - マサフミからの突然のこの言葉に、ケンジは思わずピクリと身体を震わせた。
「ウェwやっぱ図星ww」 「!!あっ、テメェ!」 「(ハァ)、…ケンジ。」 マサフミのカマかけに思わず反応してしまったケンジは、ウルフから睨まれ「すみません…」とうなだれた。 「ちょっと前から、なーんか変な感じだよなぁと思ってたんだよねぇwwねぇねぇナニ?オレにもオセーテww」 目新しいオモチャを見つけたみたいに目をキラキラさせて、マサフミは顔を近づけてくる。 (まったく。この様な時だけ勘の良い奴だ。) ウルフはこのまま黙っているのは危険だと判断し、言葉を慎重に選びながら話し始めた。 「他所から流れ着いた『漂流物』をちょっとな。」 「ヒョウリュウブツ?」 「ああ、『漂流物』だ。」 「??それがなんすか?」 「その中にな、もしかしたら危険物が混じっておるやもしれんのだ。しかし、それが確定するまで撤去する訳にもいかんのでな。こうして貴様を見張りながら、漂流物の流れを確認している最中だ。」 最初はなんの事やら分からぬ様子であったが、次第に事情が掴めたらしい。 「ハァン、そゆ事。OK、ハアクww」 と、手を振りながら何度かうなづいた。 「でもよ、それならオレも手伝ったほうがヨクネ?頭数多いほうがいいと思うんだけど。」 珍しくもっともな事を言うマサフミに、ウルフは首を振った。 「それは止めてもらおうか。」 「あ、なんでよ?」 「マサフミよ、お前はな、とても目立つ男なのだ。お前の一挙一動は否が応にも人目につく。 そんな男が何かを捜す素振りを見せれば、内心やましい連中は自分を捜しているのではないかと勘ぐり、下手をすれば暴挙にでるやもしれん。それは絶対に避けねばならん。」
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476 :ハロウィン数日前 その13[]:2011/11/17(木) 22:11:58.16 ID:NZ1xk4m0 - 静かに語るウルフの言葉をじっと聞いていたマサフミは、ケンジに「オレって、そんなに目立つ?」と尋ねた。
「ああ、とてつもなく目立つ。」 と、ケンジはうなづき答えた。 マサフミはしばらく何事か考えていたが、徐々にニタァと笑い始めた。 「なんだよマサフミ、気持ち悪いな。なにが可笑しいんだよ。」 「いやwwだってよwwそれってつまり、オレのスター性っていうか?うちから湧き出るカクシきれないオーラってのがあるっつう事っしょ?ウホwwオレwスッゲwww」 「……、ああ、その隠しきれぬ《オーラ》のお陰で、我々は目立つ事なく捜索ができるのだ。だから次はあちらを掃除しろ。」 「了解wwウハwwオレw責任重大wwwオフタリサンもしっかり捜したまえwww」 ニタニタ笑うマサフミに、ウルフはおもいっきり投げ飛ばしたい衝動にかられた。
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477 :ハロウィン数日前 その14[]:2011/11/17(木) 22:13:50.80 ID:NZ1xk4m0 - 以降、マサフミは張り切って清掃を行い、嬉々として独房へと入った。
「なあオッサン。もし『ヒョウリュウブツ』がキケンになった場合、オレも撤去手伝おうか?」 「…そうだな、色々と手伝ってもらう事もあるだろう。」 「ウェwwそんときはマwカwセwロwww」 鉄格子の向こうで、マサフミはいつもの奇妙な笑い声をあげながら、ヒラヒラと手を振った。 「アレと話すのは、なぜこうも疲れるのか。」 ため息を吐き出したウルフは一口、ドリンクを飲み込む。 「それとケンジ。今回のあの様な事は、次は無しにしろ。」 マサフミのカマかけに反応した事を注意されたケンジは、 「本当にすみませんでした。」 と、頭を下げた。 「注意不足でした。以後、気を付けます。」 「ああ、頼むぞ。」 あらかた飲み干した容器を弄びつつ、ウルフは静かに笑った。 「マサフミはともかく、お前の事は頼りにしているのだからな。」 この言葉にケンジはハッと顔を上げ、「は、はい!頑張ります!」と嬉しそうに姿勢を正した。
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