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創る名無しに見る名無し
時の番人 ◆B1etz7DNhA
【長編SS】鬼子SSスレ5【巨大AA】

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【長編SS】鬼子SSスレ5【巨大AA】
114 :創る名無しに見る名無し[sage]:2011/11/17(木) 14:11:04.73 ID:Ht7ZrWT5
短編小説
『心の鬼とは』〜現状認識と祓った後〜1/2

 鬼子と情報交換をしている刑事さんから聞いた話で、こう言うのがあった。

 「ネット犯罪が増えててね」

ネットと言う言葉を田中さんから聞いていた鬼子だが、良く理解は出来ていない。
だからその刑事さんからも、色々教えてもらっているみたいだ。
刑事さんが言うには、その世界には言葉の暴力と言うものが存在しているらしい。
そして、その世界で人間形成をしてしまう人が沢山いる事も教えてくれた。

言葉を投げつけるだけなら誰でも出来るけど、受け止めるとなると、凄く重く感じてしまう。
重く感じてしまったら、鬱陶しくなり、楽な方を選ぼうとする。
そうなると、言葉を投げつけるだけの作業の中から、自分の存在価値を見出そうとする。

そう・・・。歪んだ存在価値を・・・・・。

しかし、自分自身ではそれに気付く事は無い。
歪んだ存在価値を、自分自身を正義と勘違いしてしまう。
自分が吐く言葉が、全ての人と同じ意見だと思い込み、
別人が吐く言葉には、大きな壁を作って否定している。

 「画面を相手に、言葉を喋っている」

そんな人達が大勢いる世の中になってしまったようだ。
画面相手に理路整然と言葉を打ち込み、勝ち誇って存在価値を高めていく。
例えば、
 「心って、なんなんだろう・・・」

誰かがそうつぶやくと、一斉に見知らぬ相手から無責任な罵倒の嵐が降ってくる。
そんな世界になってしまった今の生活を、誰も止めようとはしなかった。
いや・・止めようとしないのではなく、既に歪んだ存在価値を創り上げている者から
そんな発想が出てくるわけが無いらしいのだ。

 暗闇の中、鬼子の後ろで頭を下げている刑事さんがいる。
刑事さんは、気を失った男の人を車に乗せ走り去って行った。
今回、心の鬼を祓った人物は、その刑事さんから聞いていた人で、
ネットの世界で暴言や罵倒、さらには嘘の情報を大量に流していた人物だったのだ。
心の鬼を祓った行為に対して、虚しい衝動にかられている鬼子がいた。

 「私も、心の鬼に取り付かれる事があるのかしら・・」

鬼子はいつもそう思いながら、心の鬼を祓っているのだ。

 都会のビルとビルの谷間は、人を寄せ付けない異世界のようで、音の無い暗い空間を創っている。
心の鬼を祓った場所を、黒い瞳が寂しそうに見つめていた。
手に持つ薙刀が、泣き止んだかのように淡い光りを失っていく。
肩を落とし、独りたたずむ鬼子の傍らに、白い四本足を持つ小さな動物が近寄って来た。
【長編SS】鬼子SSスレ5【巨大AA】
115 :創る名無しに見る名無し[sage]:2011/11/17(木) 14:12:02.70 ID:Ht7ZrWT5
2/2

 「そんな寂しそうな顔をせんでくれ」

地蔵様が、鬼子の足元で小さく微笑みながらそう言った。

 「地蔵様・・・。心の鬼の正体って・・・」

地蔵様の耳が、小さく動く。

 「残念ながら、鬼子が考えておる通りかもしれんな・・・」

小さな白い足が、二歩、三歩と前へ進む。
鬼子は、地蔵様の背中を見つめながら話を聞いていた。

 「確信は無いが、生きる者の“心”と“心の鬼”とは表裏一体なのかもしれん。
  個人的な利害を求めて他の者を罵倒したり、あらぬ噂を立てて混乱させる。
  思い込みの激しさに、自分をも飲み込んでしまう事がよくあるからな」

鬼子はユックリとうつむきながら、瞳を閉じていく。同じ思いを抱いていたのかもしれない。

 「生きる者の心が、心の鬼を産み育てていく。そして、育ってしまった心の鬼は・・」

 「地蔵様・・それ以上言わないで・・」

鬼子は、言葉を詰まらせながら精一杯そう言った。悲しい、辛い惨状が目に浮かんだからだ。
地蔵様は顔を上げ、何かを思い出したかの様な表情をしている。

 「・・・しかしそんな現状を前に、遙か過去にこう言い放った奴がおるんじゃ」

地蔵様のその言葉に、潤んだ瞳を傾ける鬼子。

 「心と心の鬼は別物だ。俺は、目の前でそれを見た・・・とな」

鬼子の表情が険しくなり、地蔵様の背中を見つめている。

 「地蔵様・・それって、その言葉って・・・」

ユックリと鬼子の方へと振り向く地蔵様。
その目線は鬼子の頭の傍らにそそがれていた。

 「そう、般若面が言った言葉じゃ。・・・まだ面になる前の・・・遙か昔の般若がな。
  今では力を使い果たし、語る事も出来なくなった般若面じゃが、
  誰かを通じて、何かを語ろうとしていた様にも見えるんじゃ」

鬼子は、心の鬼を祓った場所を改めて見つめ、薙刀を握り締めた。

 「誰かを通じてって・・もしかして・・・」

地蔵様は、ビルとビルの隙間から覗く星空を見上げながら言った。

 「そう、鬼子を通じてな」



ヒワイドリから一言。
「乳の・・もとい。創作の話をしようじゃないか!」
ワクワク創作〜
【長編SS】鬼子SSスレ5【巨大AA】
116 :時の番人 ◆B1etz7DNhA [sage]:2011/11/17(木) 14:54:43.58 ID:Ht7ZrWT5
名前入れ忘れ・・
【長編SS】鬼子SSスレ5【巨大AA】
117 :時の番人 ◆B1etz7DNhA [sage]:2011/11/17(木) 14:57:48.96 ID:Ht7ZrWT5
お!今気付いた。
IDのWとTの間にaを入れると今噂の!



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