- 非リレー型バトルロワイアルを発表するスレ part22
252 : ◆6LQfwU/9.M [sage]:2011/09/10(土) 21:57:28.56 ID:fCAW0pUi - 投下します
タイトル:人生って予測不能 登場人物:布川輝良、◆YcpPY.pZNg、ネタフリ、美樹本洋介
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253 : ◆6LQfwU/9.M [sage]:2011/09/10(土) 21:57:49.45 ID:fCAW0pUi -
人気のない街の中。 どこに、誰がいるのかなんて分からない。分かるはずが無い。その「分からない」恐怖は、どれほどの物だろうか。 どんなに良い方向に考えを持って行こうと、1つのマイナスで、簡単に悪い方向に持って行かれてしまう。 「……どうか、したんですか?凄く、怖い顔してますけど……」 「あ、大丈夫です。少し、考え事をしていて……」 ……そう聞いてきた布川の顔も、少々疲れているように見える。 やはり、いつ襲われるか分からない状況は、とてつもないストレッサーなのだろう。一般人なら、なおさらだ。 普通に生きていれば、これほどの恐怖を感じることも無く、生きていけるのだから。 ――自分も、書き手としてバトルロワイアルを書いてはいるが……現実と創作は、違う。 どんなに上手く書いても――創作は、創作だ。現実ではない。 自分だって、本当は恐ろしい。死ぬのは怖い。だが、恐ろしいからと言って、怖い怖いと叫んだ所で何になる? そんな事をするなら、行動して恐怖の根源――この実験を破壊してしまう方が良いのではないか? そうした方が、自分や布川だけでなく、参加者全員の命を救うことにも繋がるのでは無いか。 (2人でやるには、少々課題が多すぎますね……) この実験を破壊するためにやるべきことは、3つ。 1つめは、この忌わしい首輪を外すこと。 この首輪がある限り、行動も制限されてしまうし、これがある限り、ずっと奴の掌の上で、虚しく踊るだけだ。 2つめは、奴の居場所を掴む事。 首輪を外し、奴の呪縛から逃れても、居場所が分からなければ、倒せない。 (1と2を達成するには……やはり、3を達成しないと、駄目でしょうね) 3つめは、協力者を募ることだ。 できれば、参加者全員に協力を募りたい、だが生憎拡声器のような物は持っていないし、持っていても……。 おそらく、自分は使わないだろう。言い方は悪いが……「拡声器で呼びかけるのは死亡フラグ」だ。 自分の書き手としての経験が、そう告げている。やはり、自分は書き手なのだ。心の中で、苦笑いを浮かべた。 そう考えていると、急に布川が立ち止まった。 「どうしました?疲れたのでしたら、近くの民家にでも……」 「いえ、あそこの民家……電気、付いてますよね?」
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254 : ◆6LQfwU/9.M [sage]:2011/09/10(土) 21:58:10.97 ID:fCAW0pUi - そう言われて見ると、確かに、1つだけ明かりが付いている家がある。何故、こんな時に灯りを付けているのだろうか。
「そうですね。おそらく、誰かいるのでしょう……私が、見てきます」 「えっ、Ycさんだけで大丈夫ですか?」 「……大丈夫です。ですが、もしもの為に、こうしておきましょう。家の中で大きな音がしたりしたら、すぐに逃げて下さい。 いいですか?その時は、絶対に逃げて下さいね。間違っても、中を見に来てはいけません。危険ですからね」 「……分かりました」 その声から、心から自分の事を心配してくれているようだった。 やっぱり、自分の事を心配してくれる人がいると言うのは嬉しい。 (しかし……もし、中に人がいて、その人が乗っていたら……) もし攻撃されたなら、殺害することも――ありえないことではない。 できるだけ、できるだけ人を殺したくはないが……それでも、状況によっては、やらなければならなくなるかもしれない。 やらなければ、やられる。それは分かっている。 それが、頭で理解出来た所で、体がそれに応じてくれるかどうかは、別だ。 (……考えるのは、これまでにしましょう) これ以上深く考えると、心が恐怖に飲まれてしまう。思考を一時中断し、明かりの灯る民家に近づいて行く。 幸いにも、玄関に鍵は掛けられていなかった。できるだけ、音を殺しながら民家内へ侵入する。 明かりが灯っているであろう部屋以外からは、全く光が無い。 「……あーあ、ピザも全部食べちゃったし、この家にマシな食べ物、1つも無いし」 ……声が聞こえてくる。これより推測すると、比較的(何と比較しているのか分からないが)若い男、と言った所だろうか? しかし、声だけでは相手がどんな人なのかは、分からない。こればかりは、自分で見て確認しなければ。 もちろん、相手に近づけば近づく程、リスクは上がる。特に危険と思われるのは、ある程度連射の効いて、装弾数も多い銃。 サブマシンガンやアサルトライフル辺りが当てはまるだろう。 銃の命中率は、使う人間の腕前に大きく左右されるものだ。もちろん、銃の精度の事もあるが。 「……失礼いたします」 「!!だ、誰?」 相手は、反射的にこちらに銃を向けている。 銃に詳しい訳ではないが、これは……ショットガンだろう。だとすると、下手な事は言えない。 下手な発言をして相手を怒らせてしまうのはマズい。この距離で撃たれれば、致命傷を負うことは間違い無い。
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255 : ◆6LQfwU/9.M [sage]:2011/09/10(土) 21:58:49.68 ID:fCAW0pUi - 「怪しい者ではございません。私の名前は……」
「ああ、まあ誰でも良いや。丁度、この家を出ようと思ってたところだから」 そう言って、相手は銃を下ろして自分の横を通り抜けて行く。 あまりにもあっさり流されたので少しの間ポカンとしていたが、すぐに我に返り相手を呼び止めようとした。 だが相手はもういなかった。 (1人で行動するのが、好きな方なのかもしれませんね) こんな状況で1人でうろつくのは危ない。自分の腕に自信があるなら、話は別だが。 しかし、あの人の身を案じようにも、どこに行ったのか分からない以上、追いかけて呼び止めることもできない。 (……とりあえず、布川さんを呼びましょうか) 自分も廊下を通り、玄関から外に出る。 「……入っても大丈夫ですよ」 「無事だったんですね……」 「ええ、何とか。隠れている間、誰かを見かけたりしましたか?」 「Ycさんが出てくる前に、1人民家から出てきたみたいです。姿は見えなかったですけど」 「その人なら、民家の中にいた人ですね。呼び止める前に出ていってしまいました」 「そうだったんですか」 ◇ 布川と一緒に改めて民家に入った後、この民家のいろんな部屋を調べて回った。 1階には、特に気になる物はなかった。あの人の言っていた通り、この家にはマシな食料が無かった。 まあ、支給された食料がまだ残っているので、別に入手出来なくても困らないが。 問題は、2階だった。書斎らしき部屋にあった机の上に、デイパックが1つ、置かれていたのだ。 おそらく、これが放送で言っていたデイパックだろう。一応、開封するのはリビングでやることにした。 「……何が入ってるんでしょうね」 「分かりませんね……開けてみなければ……」 食卓の椅子に腰かけ、デイパックを机の上に乗せる。 (探知機のような物が入っていればいいのですが……) ちょっとした期待をしつつも、デイパックを開けて中の物を掴む。――何だか、固いような物が手に触れる。 何だろう、と思い一気に引きずりだした物は、黄色の小さな箱のような物だった。 これは、どこかで見覚えがある。確か、これは……。
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256 : ◆6LQfwU/9.M [sage]:2011/09/10(土) 21:59:10.05 ID:fCAW0pUi - 「……どう見ても、カロリーメイトですね」
「……ですね」 【一日目・黎明/B-5:民家:リビング】 【布川輝良@クロノス・ジョウンターの伝説】 [状態]:健康 [装備]:S&W M19(6/6)、Heart of the Oasis@S.T.A.L.K.E.R. [所持品]:支給品一式、.357magnum弾×18 [思考・行動] 基本:殺し合いなんてしたくない。帰りたい 1:Ycさんと行動する。 2:カロリーメイト…… 【◆YcpPY.pZNg@非リレー書き手】 [状態]:健康 [装備]:宝石スーツ@絶体絶命都市2、シグザウエルP230(7/7) [所持品]:支給品一式、P230マガジン×3、カロリーメイト×20@その他 [思考・行動] 基本:ゲームには乗らない。 1:布川さんを護衛したい。 2:カロリーメイト…… ◇ フラフラと街の中を彷徨う。冷たい風が、自分の頬を撫でて何処かへふいて行く。 辺りは未だに暗く、誰かがいても気づかないだろう。ただただ歩いていく。あるか分からない、安全地帯を目指して。 自分の命が守れるなら、何でもいい。 例えば、内側から鍵をかけられて、ちょっとやそっとでは壊れない扉のある家。 例えば、誰も来ないような、森の奥。そんな場所があるのかは、分からない。 (……) 何を考えても、結局堂々巡りだ。何の意味も持たないし、自分に何ももたらさない。 「……また、民家にでも籠ろうかな……!?」 その時。何の前触れも無く、自分の体が硬直して、動かなくなってしまった。一体、自分に何が起こっているのか。 ――怖い。とにかく怖い。怖くて堪らない。 今すぐにでも、逃げたい。何もかも捨てて、逃げ出したい。でも、できない。 (何なんだ、何なんだ、何なんだ!) 恐怖が限界を越え、失神しそうになった瞬間。その一瞬の内に、自分の意識は消えていた。 自分が最期に聞いた音は……自分自身の頭が破裂する音だった。 ◇
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257 : ◆6LQfwU/9.M [sage]:2011/09/10(土) 21:59:27.92 ID:fCAW0pUi - 「……ふん」
かつて頭があった場所から、血を噴水のように噴き出しながら倒れる男。 この様子だと即死だろう。むしろ、この状態で生きている事の方が……。まあ、自分の知ったことでは無いが。 気がつくと、自分の足元にまで、血の海が広がっている。今更、この程度の汚れ、気にならない。 ここに来る前にも、自分は人を殺している。今更、殺人を躊躇う理由もない。 (……ついでだ、この銃も貰って行くか) 銃を拾い上げ、構えてみる。 ……問題はないだろう。超能力だけでも、別に問題は無いが、一応武器も入手しておきたかった所だった。 自分の支給品らしき物には、武器になる物は無かった。 自分への支給品は……ノートパソコンとペーパーナイフ。 そして、前に殺した男の支給品は……スキー中に使うような手袋と、バネのような物が沢山ついた物だった。 どれも、武器にするには弱過ぎる。まだマシなのは、ペーパーナイフくらいか。それでも武器としては弱い。 力を込めれば、刺すくらいはできるかもしれないが……。相手に接近するのは危ない。 結局、この男を倒すまでは超能力だけで行こうと思っていた所に、この男が現れた。 「……」 こいつに思う所なんて、1つも無い。 無い、はずなのに。 自分の中の何かが、何かを訴えている。 (……とっとと予備の弾丸奪って立ち去るとしよう) 【一日目・黎明/B-5】 【美樹本洋介@かまいたちの夜2】 [状態]:健康 [装備]:イサカM37(4/4)、スキー手袋@絶体絶命都市2 [所持品]:支給品一式、ペーパーナイフ@かまいたちの夜2、ノートパソコン、極道養成ギプス@龍が如く2、12ゲージ弾×12 [思考・行動] 基本:参加者を全員殺害し、願いを叶える。 1:「矢島透」を殺す。 2:……何だ、これは…… ※B-5にネタフリの遺体とデイパックが落ちています。 【ネタフリ@オカルト(本当に怖い現実の話) 死亡】 死因:頭部破裂 ≪支給品説明≫ 【スキー手袋@絶体絶命都市2】 柘植明に支給。 スキーヤーが身に付ける、厚手の手袋。その名前通り、防寒度は手袋系の中で一番高い。 【極道養成ギプス@龍が如く2】 柘植明に支給。 これを装備すると、バトル中走れなくなってしまうが、その分貰える経験値が増える。 【ペーパーナイフ@かまいたちの夜2】 美樹本洋介に支給。 登場話は「惨殺編」。 ふうのしんに侵された透が、香山さんに対し使用した。 【カロリーメイト×20@その他】 ◆YcpPY.pZNgらが回収したデイパックの中に入っていた。出展は【需要なし、むしろ-の自己満足ロワ2nd】。 スネークがコンビニに立ち寄った際に、デイパックに詰めていた、普通のカロリーメイト。味は全部チョコレート味。 スネークが生還した時に、何故か無くなっていた。
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258 : ◆6LQfwU/9.M [sage]:2011/09/10(土) 21:59:40.57 ID:fCAW0pUi - 投下終了です
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