- プレデター日記 4冊目
202 :ある家族の風景3[]:2010/12/30(木) 01:56:41 ID:7xnc51Ty - 「いやぁ、すみませんねぇ、騒がしくて。あ、これお土産です。本星の有名な菓子店の焼き菓子ですよ。」
そう言うと、叔父が紙袋を渡してきた。 「まぁ、ご丁寧にありがとうございます。今、お茶をお入れしますわ。」 サオリは紙袋を持って、台所へ向かった。 「あぁ、構わんよサオリさん。すぐ帰らねばならんから、気にせんでいいぞ。 ほうれアヤコちゃん、ひいじじが高い高いしてやろう。」 「お願いですから天井にぶつけないで下さいよ。 しかし叔父上、来られるなら連絡ぐらいいれて下さったら迎えに行きましたのに。」 「いえねぇ、用事で本星に行ってましてね。その帰りの途中で、ここってタケダクランの近くだなぁってうっかり呟いちゃいましてね。 それを聞いた父上逹が、曾孫の顔を見に行くんだと暴れだしたものですから、そんな暇がなくてねぇ。 …あのう、叔父上。そろそろ私にも抱っこさせて下さいよ。」 「やれやれ。相変わらずだな、うちのお祖父様逹は…。しかしそれにしても、なぜお祖父様逹は本星に行かれたんだ?」 「それがさぁ、爺さん逹の古い友人が主催する『年忘れ蟲狩り大会』なんてのに行ってきてさぁ。 それが参加者全員ジジババばっかで大変だったんだぜ? 皆、鬼みたいに強いのに、何人かギックリ腰おこしたり、肉離れおこしたりしてさ。 ちなみに、俺と親父達はそういう年寄りの救助と介護の為に連れてかれたんだ。」 「…大変だったんだな、お前。」 「大変だと思うなら、あの爺さん2人を引き取ってくれ。」 「すまん。無理だ。」 「こりゃ!聞こえておるぞ2人とも!まったく、年寄りの悪口を言うとは、なんという不孝者どもなんじゃ!」 「そうじゃぞ?年寄りを馬鹿にするとバチが当たるぞ! 良かったのうアヤコちゃん。あんな悪い父親に似ずに。 ほれ見てみい?サオリさんの小さい頃にソックリじゃわい。」 「顔が厳ついのは血筋です!それに、人のことを言える顔ですか?」 「貴様、それは若い頃よりモテまくったワシに対する挑戦か?」 「…ワシから見て、2人とも目クソ鼻クソだがの。」 「大叔父上、貴方も人の事が言えたぎりですか?」 「そうじゃ!貴様が言うな!」 このやりとりを聞きながらお茶をいれていたサオリだが、その肩は小刻みに震えていた。
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