- プレデター日記 4冊目
191 :掃除屋見習い留守番録 ◆AvP.enmOzE [sage]:2010/12/27(月) 05:16:19 ID:u2HsSvVX - ★月±日
師匠に先日のスカーフェイス氏の伝言を伝えたら、珍しく興奮した様子で、 「余計な御世話だてめーこそまた変な女に騙されんように気をつけろバーロー、と言っとけ。」 と言われた。また会うかどうかわからない氏を相手に、伝言で喧嘩しないで欲しい。 明日から数日、ミユキさんがいなくなるらしい。 問わず語りに話してくれたところによると、素材の仕入れに行くのだとか。 ミユキさんは「くりすます」がどうの、と言っていたが、何の事なのかわからない。 怪獣か何かの名前のように思えるが、そのような生き物は私は聞いた事もない。 勉強が足りない、何か本でも持って行くべきだろうか。 とにかく、随分と嬉しそうだったので単なる仕入れではないようだったけれど、詮索するのは野暮というもの。 私とて、それぐらいの気遣いは心得ているつもりである。 是非楽しんできて欲しいものだ。 ……という事は、カネダやら庭師のサカザキ(仮)相手に、独りで接客しなければならないのか。 それは困った。
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192 :掃除屋見習い留守番録 ◆AvP.enmOzE [sage]:2010/12/27(月) 05:19:57 ID:u2HsSvVX -
★月×日 「それじゃ後はよろしくね、スゥちゃん。」 そうして、ミユキさんは店を後にした。既に細々とした指示は受けている。 何かアクシデントがない(サカザキ(仮)が来てごねる、例の暴れた××××が現れるなど)限り、ミユキさんがいるのと然程変わりないはずだ。 ミユキさんは「その手のごたごたは粗方始末しておいたから心配ないから」とも言っていた。 ふむ、こうしていると私もなかなかサマになっているのではないだろうか。 自惚れてみたりもする。 それまでは師匠のところから直接通っていたが、これからは朝が早いので、そのまま控室を借りて泊まる事にした。 オカザキの馬鹿には言っていない。からかわれるのが不愉快だ。 くりすますについてだが、地球のある行事が行なわれる時期の事だとわかった。 赤い服を着た男が獣にソリを引かせて闇夜を飛び、煙突に侵入、目標の靴下へ物を忍ばせて引き上げる。 という、マコトシヤカな嘘を子供に吹き込む行事らしい。 地球には妙な風習があるものだ。というか、ひどい。 子供が騙されるのは仕方ないにせよ、何故そんな嘘を吹き込もうとするのだ。 ミユキさんとそれの間に一体どんな関連があるというのだろう。 謎は深まる。
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193 :掃除屋見習い留守番録 ◆AvP.enmOzE [sage]:2010/12/27(月) 05:20:45 ID:u2HsSvVX -
★月≒日 ミユキさんがいなくなってから一日過ぎた。昨日は全くと言っていいほど客がいなかった。 今日、カネダが現れた。 また例によって、何も買わずに帰ろうとするのでついに話しかけてみると、意外な事実が発覚したのであった。 「何か御用ですか?毎日来てますけど。」 「き、昨日は来なかったよ?」 「からかってるなら怒りますよ?」 「い、いやあ、き、君の事が気になってさ‥…。」 「……私?私ですか?」 「ここ数日ずっと店の手伝いしてるみたいだけど、このクランに入るのかなぁーって。」 「いえ、ミユキさんに頼まれて、他所から手伝いに来ているだけですよ?」 「い、いつもはタカハシさん通して皆に教えてもらえるんだけど、タカハシさんも知らないって言ってたし。」 「あー、なるほど。」 こんなやりとりだった。 つまり、私が外部から来たので何者なのか訝しんでいただけのようだ。 言われてみれば、きちんと挨拶をしていなかったような気もする。 「へ、へぇ、スゥちゃんっていうんだ。俺、カネダ。よろしく。」 話してみると、カネダが思っていたより悪い奴ではないらしい事がわかってきた。 いや、不審なだけであって、別に悪い男ではないとは思っていたが。 ワタナベもそうだったが、やはり内面は見かけには寄らない。 こちらに泊まり込むと言ったら、 「君みたいな子が独りじゃ危ないだろうから俺が護衛でも。」 と持ち掛けられた。やはりカネダも私を実年齢より幼いと思っていたらしい。 師匠から手解きは受けていると言ってもしつこく食い下がるので、「いざという時に呼びますから。」と、遠回しに断っておいた。 無論呼ぶつもりは、一切、ない。
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- 【後書き】自作品の裏話を語るスレ【裏設定】
21 :創る名無しに見る名無し[sage]:2010/12/27(月) 05:36:54 ID:u2HsSvVX - 年相応に見られないのが悩みだが、見た目だけでなく内面もかなり子供っぽい。
背伸びはするが、なんだかんだでガキ。でも生真面目。加えてヒネててちょっと嫌な奴。 彼女はそんなキャラです。 ツンデレって背景には「自分からは伝えないけど伝わって欲しい」みたいな、そういう子供っぽい甘さみたいなものがあるじゃない? かなり子供っぽいくせに小難しく勿体ぶるところが、自分にすっげぇよく似ている事に気付いたので、気付いた以降はわざとそういう面を強調して書いている。 名前の由来は横溝正史の「本陣殺人事件」に登場する女の子の名前に、スー族のスーをこじつけたもの。 意味はチビとかそういうニュアンスらしい。スネークとか、スザクとかにしようかとも考えたけど、スネークさんは他にもいるらしいし、スザクは大仰過ぎるので却下。 なんだかんだで最後まで本名出さないってのもいいんでないかと思っている。 あまり関係ないけど、エブリスタとかいうところに投稿中の改稿版の設定にしてゆくので、前読んだ時とはだいぶ変わるかもしれない。 作者的には他の描き手さんにももっと絡んできて欲しいのだが、なかなかうまくいかない。
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