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朧車 ◆yxYaCUyrzc
ジョジョの奇妙なバトルロワイアル2nd第十部

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ジョジョの奇妙なバトルロワイアル2nd第十部
315 : ◆yxYaCUyrzc [sage]:2010/12/27(月) 11:13:19 ID:758FBHfz
F・Fの本投下開始します。
ジョジョの奇妙なバトルロワイアル2nd第十部
316 : ◆yxYaCUyrzc [sage]:2010/12/27(月) 11:14:29 ID:758FBHfz
突然だが、読者の皆様は『決着をつける』とか『ケジメをつける』とか、そういった事を経験した事はあるだろうか?

延長十二回裏二死三塁での左中間。間違いなく『決着がついた』と言ってよい。
二ヵ月以上音信不通のガールフレンドに電話をかける。これも『ケジメをつける』と言って差し支えないだろう。
つまり、筆者が思うにこれらの『決着』や『ケジメ』とは対人、あるいは対物の場合には日常に起こりうる些細な事柄なのだ。
では、この些細な事がどうしても出来なくなる、そんなことがあるのか?あるとすればどんな時なのか?これは先の考えを逆転させれば容易に答えがわかるだろう。
要するに『対自分』の場合にはこれらの心理的又は肉体的な駆け引きは非常に難しいものになる。
なぜ?なんて質問はここまで来ると愚問に聞こえる。それでも一応答えておくならば、結果を設定できないから困難なのだ。
たとえば上記の二つの例。これは試合の勝敗やガールフレンドとの別れあるいは復縁といった『結果』が明確である。
だが対象を自分に置き換えた時その『結果』、言い換えるならば『勝利の条件』の線引きが曖昧になる。
もちろんこれはその時々の心理状態等々によって変わる場合もあるし、周囲の環境に合わせて随時変化させなければならない場合もあるが、重要であることには変わりない。
まして、このバトル・ロワイアルというゲームにおいては『勝利』とは『生きる事』だと皆に共通する答えが明確である。つまり『如何にして生きたのか』が『条件』となるのだ。
過程や方法などどうでもよい?そんな者は早々にこのゲームを離脱していくだろう……多少の例外を除いては。
もっとも、自分の正義を明確にさえしていれば、この線引きも対人の時となんら変わらないし、それこそ過程や方法を無視しても差し支えないのだが。

さて――前置きが長くなったが、今回はこの『ケジメ』をテーマに話をさせていただこう。
登場人物は……いや、そもそも人物と表現していいのかも曖昧だが……ここでは便宜上『彼女』としよう。
彼女は先の理屈で言えば、自分の正義を見つけられず勝利の条件を曖昧にしたまま周囲を、何よりも自分自身を騙し騙ししながらここまで生きてきた。
結果として生き延びてはいるが、それは決して勝利と呼べるものではなかっただろう。
はたして彼女はこれからのバトル・ロワイアルの中で勝利を掴む事が出来るのか?そんな話――

* * * * *
ジョジョの奇妙なバトルロワイアル2nd第十部
317 :朧車 ◆yxYaCUyrzc [sage]:2010/12/27(月) 11:16:52 ID:758FBHfz
彼女は現在、ティッツァーノの頭部に残ったわずかな水分だけを頼りに生きている。
言うまでもないが死亡した人間の記憶やら知性やらは取り込むことが出来ず、彼女は今の宿がどんな戦いを経てこうなったのかを知らない。
まあ、知ったところで今更彼女の何が変わる訳でもないのだが。
そして、テレンス・T・ダービー(彼女は彼の名前どころか顔さえも知らないけれども)をやり過ごして現在に至る。

……と、ここまではまぎれもない事実である。

さて、ここで恐縮だが少々違う話をしよう。
彼女は攻撃の際に自分の指先を銃身の様に変化させられるのはご存じだろうか。物品の収納のために胸を大きくしたこともあるがそちらは今は置いておこう。
かつては指の先端に切込みを入れてそこから己を射出させるだけだったが、後に彼女が成長したためか指先をオートマチック拳銃の様に変化させて戦っていた。
それにより射撃の精度や威力を向上させていると考えられる。もっとも、真相は彼女の弾丸を受けたものにしか証言できないが。

さて、何が言いたいかというと、彼女は自身の能力を向上あるいは補うために肉体の形状を変える事が出来る訳だ……おっと、十中八九は出来る筈である。出来ると断言すべきではないだろう。
とにかく、知性の素晴らしさを友人達に話すような彼女がそれをこの場で応用しない手はない。誰だってそーする、かどうかは分からないが少なくとも筆者はそーする。
もちろん自動車のような複雑なものになる事は不可能だが車輪が四つ、いや三つあれば十分。自分の肉体だから駆動も旋回も自由に行える。

――そんな訳で現在の彼女は長髪の青年の首から小さな車輪を三つ生やした、マンガだかアニメだかのキャラクターの様になっている。

しかし、先に話した彼女の身体ではそんな状態、いや形態と呼ぶべきか――に変化するだけの肉体が、つまり水分がとてもあるとは言えない。では、なぜ?
この問題を解決させるためには、彼女が決して手ぶらで怪人と戦闘を行っていた訳ではない、という事を思い出していただければ良いだろう。
三度目の放送が空から聞こえてきた時、彼女は反射的に目を泳がせていた。視界に入ったのは先程まで自分の肩にかかっていたデイパック。ここまで話せばその後の展開を予想する事は簡単だろう。
ダービーをやり過ごした後(彼がデイパックを奪わなかったのは本当に幸いだった)必死の思いでボトルを開け、かぶりつくように口から、首からありったけの水を飲んだ。
残っていた三本のボトルを空にし、名簿と地図、そして携帯電話だけを体内に収納して『F・Fカー』が完成したのである。
加湿器はあると便利だろうが持っていけない。サイズが大きすぎるし、自分の弱点である電気を使わねば使用不可能と来ている。他のハズレ支給品と共に置いていくことにした。

さてこの『F・Fカー』、見た目は最悪だが移動の速度はそれまでの這う動きより数倍速い。接地する面も少ないから水分が地面に奪われる心配も格段に減った。
身体への負担は未だにあるが以前の比では無い。むしろ問題なのは精神への負担だろう。
思い人の生存(と宿敵の死)は把握できたが安否までは話してくれない。聞いたところでそれを信用できるかと聞かれれば、もちろんNOであるが。
そして重要なのは禁止エリア。D、F、Gという英単語、10、3、6、5という数字こそ聞こえたものの朦朧とした意識とデイパックを見つけた事による動揺では正確ななエリア、及び時間までは把握できなかったのだ。
首輪がない現状も頭をよぎったが荒木が何もしてこない訳がないと一蹴。
多くの人間を一堂に集める事が出来るようなスタンド使いがその生死を把握できない訳がない。エリアを横切れば容赦なく殺されるだろう――多分。
あるいは彼の気まぐれで生かされる?なんてことも考える事は出来るが、それは時間の無駄。今すべきは考察ではなく移動なのだと彼女自身が良くわかっている。

英単語と数字の組み合わせから目的地である湿地帯は無事だと考えて移動を開始するまでにはそう時間をかけなかった。
移動速度が速くなったとはいえ時速にすればせいぜい2キロから3キロ程度。禁止エリア作動の時間を考えればいくら安全といえど急ぐに越したことはない。

* * * * *
ジョジョの奇妙なバトルロワイアル2nd第十部
318 :朧車 ◆yxYaCUyrzc [sage]:2010/12/27(月) 11:19:06 ID:758FBHfz
さて、ここまでお話ししたが、聡明な読者諸君なら気付くのではなかろうか。
そう――彼女の『ケジメ』に一切触れていないのだ。これではただの奇天烈な車の誕生秘話でしかない。
だが慌てないでもらいたい。問題はここからである。

彼女が湿地帯に辿り着くまでに何も考えていない、なんてことは有り得ないだろう。と言うよりも彼女に限らず多くの参加者はその胸の内に不安や心配事がある筈である。

誰にも会えないまま何事もなく湿地帯に辿り着いてしまうのではないか?下手をしたらそのまま一人ひっそりとゲームを終えるのではなかろうか?
確かにこんな状況になってからはダービーを除いて生きた参加者と遭遇しなかった。
つまり『ケジメ』に対するきっかけを掴めないままでいたのだ。
他者を殺すこと?友人と話をすること?彼女のケジメのつけ方は彼女自身にしか分からないが、いずれにしても一人では考えがループするばかり。
乾いた大地に身を預けて寂しく命を終えようと考えたことも一度や二度ではない。だがその選択にも納得が出来ぬまま結局生きてきた。

……そんな苦悩が終始彼女を支配していたが、それでも湿地帯に行かなければならない。そこに『辿り着くこと』を『ケジメ』だと自分に言い聞かせて必死に走り続けた。

そして――ついに出会った。参加者に。しかも二人。エリア範囲を考えて南西に一直線ではなく迂回するルートを選択した結果である。
しかし、生きた参加者ではなかった。今の宿主の様にこの場に来て死んでいった人間。現在の彼女のような首だけ、という状態ではないがひどい有様だった。
まるで何者かに『食われた』かの様な――あの怪物を連想させる死体だった。
これも何かの因果なのだろうか、などと考えたのはほんの一瞬だった。重要なのはこの二人分の死体をどうするか?である。
彼女ならば二つの『食べ残し』を繋ぎ合わせて一人分の肉体を生み出すことは問題なく行えるだろう。
どうしても足りない部分は仕方がない。本来の肉体が露出されることにはなるが消耗は限りなくゼロに近付く筈であるし、二足歩行というのは移動にせよ戦闘にせよ便利なものである。

ここでも問題となるのは彼女自身の心理面。
車となった現状、このままでも湿地帯に行く事は出来るだろう。
その方が『化け物』らしいし、何よりも最初に考えていたケジメのつけ方に限りなく近い。
その事が彼女に選択を躊躇わせていた。

再び『人間』になって湿地帯を離れて誰かと接触するべきか。
『化け物』として湿地帯にて誰かが来るのを待つべきか。
あるいは『人間として湿地帯に行くべきか』という第三の選択肢もある。
化け物として湿地帯を離れるのは賢い行いではないが、そうせざるを得なくなる可能性も無いとは言えない。

参加者と接触すればケジメをつけるきっかけにもなる。
しかし『湿地帯に行くこと』をケジメとしておきながらその選択は如何なものか。またしても自分に嘘をつくことになるのではなかろうか。
いや、そもそもここでの決断さえも『ケジメ』の一つなのではないか?ここでの選択が後々の人生(今やそんな言葉も信用ならないが)に左右するのではないか。

目の前の死体が巻いている首輪の事もある。自身の能力の制限の事も考えねばならない。彼女の苦悩は増えるばかりである。
しかしのんびりと考え込む時間がある訳でもない。この場には参加者が近付いてくる訳がないなんて断定は出来る訳がないのだ。


路上に落ちる三人分の肉片が再び動き出すのは、はたして何時のことか。
ジョジョの奇妙なバトルロワイアル2nd第十部
319 :朧車 ◆yxYaCUyrzc [sage]:2010/12/27(月) 11:20:42 ID:758FBHfz
【F-3北西部、マイク・Oとスカーレットの死体前/1日目 夜】


【F・F】
[スタンド]:『フー・ファイターズ』
[時間軸]:DアンG抹殺後
[状態]:身体ダメージ大(生首状態)、精神状態不安定(極大→大程度まで落ち着く)、F・Fカー状態
[装備]:なし
[道具]:名簿、地図、携帯電話(全て体内に所持)
[思考・状況]:
基本行動方針: 空条徐倫を生存させるために彼女を優勝させる
0.目の前の死体に対しどう行動するか?あと水が(もっと)欲しい
1.湿地帯へ向かい、ケジメをつける
2.ブチャラティチームとプッチの一味は敵と判断
3.ブチャラティ一行を始末できなかった事を後悔
4.余裕が出来たら自分の能力(制限)を把握しておきたい
5. もしも荒木が倒せるならば対主催に益がある方法で死ぬ
6.無力感と虚無感で打ちひしがれている(時間経過により少し和らいだ)
[備考]
※リゾットの能力を物質の透明化だと思いこんでいます。
※リゾットの知るブチャラティチームの情報を聞きましたが、暗殺チームの仲間の話は聞いていません。
※リゾットから聞いたブチャラティチームのスタンド能力についての情報は事実だと確信しました(ジョルノの情報はアレッシーの記憶よりこちらを優先)
※ジョルノに対してはある程度の信頼を寄せるようになりました。出会ったら……?
※ダービーとアレッシーの生前の記憶を見たので三部勢(少なくとも承太郎一派、九栄神、DIO、ヴァニラ、ケニーG)の情報は把握しました。
※エシディシは血液の温度を上昇させることができ、若返らず、太陽光に弱く、スタンドを使えると認識しました。 (太陽光が致命傷になることも把握)
※自分の能力について制限がある事に気がつきましたが詳細は把握していません。
※ディアボロの能力を『瞬間移動』と認識しています。
※参加者の時間のズレを何となく理解しました。
※アナスイが、脱出は不可能だと知ったときに殺し合いに乗りうるという事を把握しました。
※ティッツアーノとダービーのものであった肉片がF-3に散らばっています。
※ダービーの肉体は大半が焼失しました。
※FFが捨てた支給品(デイパック×2、壊れた懐中電灯、加湿器、メローネのマスク、カップラーメン)がF−3南部に落ちています。
※テレンスの顔は見ていません。
※ティッツアーノの生首の中で生存しています。首の付け根から車輪を生成して移動しています。
※第三回放送を聞きましたが、意識が朦朧としているので内容を把握しているかは微妙です。
 徐倫、アナスイの名前が呼ばれていないこと、プッチの名前が呼ばれたことだけは確認しています。
 →禁止エリア及び作動時間を正確に把握できませんでした。
※スカーレット、マイク・Oの死体の前にいます。二人ともほとんどラバーソールに食われた状態ですが二人の身体をくっつけて新たな一人として誕生することが出来そうです。
 また、首輪は二人の死亡により停止していますが首に巻かれたまま存在しています。また、彼らの支給品はラバーソールが持っていったため存在しません。
ジョジョの奇妙なバトルロワイアル2nd第十部
320 :朧車 ◆yxYaCUyrzc [sage]:2010/12/27(月) 11:23:12 ID:758FBHfz
以上で投下終了です。
空気化の回避と新しい身体の提供、というだけで内容のない話になってしまったorz
没ネタスレでFFに誰の肉体を与えるか議論していたようだが……意外!それは残飯(ラバソの)!
タイトルは仮投下時にスレ>>153氏が書いてくださった「朧車」を採用させていただきました。というかいつも他力本願で申し訳ないorzそして1レス目にタイトル忘れたorz
仮投下時にはFFカーという独自の設定等余り否定的な意見はありませんでしたが、問題あるようでしたらどんどん書いてやってください。
その他、ご意見もお待ちしております。それでは、少し早いですがよいお年をッ!


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