- 【引越し】スクールランブルバトルロワイヤルII
112 : ◆rJXTlJ7j/U [sage]:2010/12/26(日) 21:31:02 ID:TwNgPLZg -
「おキヌ……後でゆっくり話そうぜ。とりあえず邪魔な奴らを片付けるからよ」 「そうはさせない。鬼怒川さん、塚本さんを頼むよ」 「もちろん。でも烏丸君……大丈夫?」 「……」 鬼怒川は珍しく不安が露の表情で烏丸を見た。 それは戦いとは別のことを案じる意味があったのだが――斉藤が嫉妬に燃える瞳で見てもそれを察することはできない。 「おもしれえ……おキヌ見ておけ、俺がどう変わったかな!」 忌々しさを撒き散らし、吠える斉藤。彼は烏丸大路を自身をアピールするための踏み台とみなした。 そこで転がっている女のように、首に斧を叩き込んで血祭りにすればきっと自分の印象も変わる。 そう無根拠に信じて殺気に昂ぶっていく。 「か、烏丸君……」 「……下がってて」 天満の言葉に拘束力はない。烏丸は天満を一瞥だけすると斜め方向に歩いて距離をとった。 斉藤は合わせて体を動かし相対し、握り締めた手斧を肩より上にこれみよがしに掲げる。 そこからすり足でじわりじわりと間合いをつめていく――などの真似はせずに一直線。 突撃の際の叫びが二人の戦いの合図となった。 ■■■ 「おらぁっ!」 両腕に支えられ、手斧の刃先が風を切る。その少し先に烏丸大路の体はあった。 「うらぁ!」 勇ましい掛け声と共に、容赦なく右から左へ殺意が奔る。 「だあぁっ!」 奥行きを無視して直線で見れば、それは確かに烏丸大路の胴を真横に断つ軌道を描いていた。 「あ、あぁぁ……」 重たいものが空気を切り裂いていく音。それを聞きながら消え逝きそうな声を漏らす。 目の前で始まってしまったのは喧嘩ではなくて命の取り合い。 人間同士の相手を否定するための式典。クラスメイトと最愛の人との間での、2-Cというものを破壊する儀式。 「烏丸君、反撃しないね」 真後ろにいる鬼怒川が呟くとそっと肩に両手を添えてきた。膝の上に重いものが載る感覚。半端に口の空いたそれは自分の荷物だった。 持って逃げろということだろうか。彼女は、彼からの頼みを実行しようというのだろうか。 しかし肩を掴む行為は護るというよりはむしろ逆。ここから逃がさないという意思表示に思えてしまう。 「さっきから避けてばっかり。でも逃げ出すわけでもなく距離は一定。ね、塚本さんは何でだと思う?」 「そ、そんなこと……あっ!」 鬼怒川の質問を無視して叫ぶ。空振りを続けていた斉藤が戦い方を変えたのだ。 まず足元を蹴り上げて土の散弾を烏丸の顔に浴びせた。そして一瞬動きを止めた彼に対してその足元へ蹴りを滑り込ませる。 これまで胴や首ばかり狙われていたせいか、足腰への襲撃へ大事な人の反応が遅れた。 転ぶように後ろへ下がった体へ真上から斧が振り下ろされる。 次の光景を想像した瞬間、全身を流れる血の熱が消えて――
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113 : ◆rJXTlJ7j/U [sage]:2010/12/26(日) 21:33:50 ID:TwNgPLZg -
「――やめ」 かろうじて惨劇が回避される。叫び終わるより疾く彼が横へ転がってくれたのだ。 斉藤が大振りを外した隙のおかげで彼も立ち上がることもできていた。 危機が遠ざかり、ようやく遅れてやってくる心臓の激しい鼓動。 痛みさえ伴う衝動に突き動かされるようにして叫んだ。 「やめて……やめてよ! 斉藤君、やめて! どうして、同じ2-Cなのに! 全部私が悪いの、烏丸君のせいじゃないからやめて!」 「うるせえ! お前になんざ聞いちゃいねえよ!」 呼びかけはあっさりと断ち切られる。自分のせいだ、という最初の決意はそよ風ほども影響を与えない。 そして再開される殺し合い。斉藤が叩き殺しにかかりそれを烏丸が回避するの繰り返し。 「なん、で……」 「前はもっと反応早かったのに。あれじゃいつかやられちゃうよ」 「やめて……やめて、よぅ……」 「さっきの続きだけど、どうして烏丸君は反撃しないと思う? どうして動きが悪いと思う? 別に怪我してるわけでもないのにね」 不気味なほどに冷静な鬼怒川が要領を得ない質問を投げかけてくる。 だが彼女のように落ち着いて考える余裕などあるはずない。 「塚本さんを助けるために他の皆を殺すって言ってたのに、あれじゃとても無理。ね、どうしてだと思う?」 だが少し前の恐ろしい宣言と結び付けられては思考が捕まってしまう。 答えと希望と求めて意識が楽なほうへと転がっていく。 「……か、烏丸君は優しいもん。誰かを傷つけるなんて、できっこないから……」 「それは避けるのも苦労してる答えにはならないんじゃない? それに殺さなくても押さえつけて武器を奪えばいいし」 視線を合わせず同じ方向を向いたままの会話。 耳のすぐ傍に鬼怒川の息吹を感じる。人でない何かに囁かれているようだった。 通った声は絡みつく糸と化して鼓膜にいつまでも残り続けている。 肩にかかる手の力は食い込みそうなくらい強く、感じる体温は恐ろしく冷たい。 「……キヌちゃんは、どうしてだと、思うの?」 「あれ、本当に分からない? まあ……案外そういうものなのかな」 「え……?」 戦いは膠着状態に陥っていた。 斉藤は斧を振り上げたまま肩を上下させ呼吸を整えている。 烏丸は視線を彼の体から離さず注視して、必要以上の距離を取ろうとしない。 そのまま斉藤が疲れて動けなくなってくれればどれだけ嬉しいことだろう。 「塚本さんが烏丸君のことを嫌いと言った時のこと覚えてる? あの時、烏丸君の体からすっと何かが抜けていった」 「――っ!?」 「私にはそれが分かった……というか、見覚えがあったの。 病気でもない、そう年配でもないのに活力のないお客さんがたまにいてね。それに烏丸君はそっくりだった。 体が悪いわけでもないのに動きはひどく緩慢で、大切な何かが抜けてしまっている状態よ」 呆然としながら烏丸の背を見つめる。 あの時はずっと泣いているばかりでもう何を言ったのかも覚えていない。 当然――出てきた言葉で彼が何を思ったかなど露ほどにも考え付かなかった。 「私と出会った時、烏丸君は覚悟してたわ。守りたい子に嫌われることも、苦しめてしまうことも。 でもそんな想像よりずっと、見つけたときの塚本さんは酷かった。血まみれで、絶望しきっていて……だから烏丸君は抱きしめた。 本当はそんな情を寄せる真似なんて、予定になかったんだと思う。だって……その後にもう一度、突き放さないといけないもんね」
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114 : ◆rJXTlJ7j/U [sage]:2010/12/26(日) 21:35:51 ID:TwNgPLZg -
鬼怒川が言う彼の心境など、半分以上が想像に過ぎない。 先程の逢瀬を見ていたとしても遠くからに過ぎない。けれど、否定できない説得力があった。 自分とて、きっと鬼怒川の立場だったら――彼の心境を客観的に見てしまえば――そう考えていたかもしれないから。 「歩行祭の参加者を皆殺し……それがどれだけ塚本さんを絶望させるかなんて考えるまでもないこと。 烏丸君は最初、元の塚本さんを少しでも取り戻せたのが嬉しかった。だから報われのあった分、矛盾は耐え切れない程になってしまった。 どんなスポーツもそうだけど、メンタルが鈍れば記録は落ちる。病気で死期が迫った人なら尚更、精神状態の影響は強い」 正しすぎる推論は殴られるより強烈だった。 烏丸大路には心がある。素晴らしいものを目にして、或いは見るに耐えないものを見て、 笑ったり困ったり喜んだりする感情が、少し分かりづらいだけでちゃんと持っている。 それを自分はなんとなくでも理解できる――そんな風に思っていたくせに。嫌いだと拒絶するばかりで全く察知することができないでいた。 彼が追い詰められているのは心の問題。一人になっても助けたいという想いと、これ以上悲しませたくないという想いの衝突。それはつまり―― 「私の、せい……?」 自分が、塚本天満が弱くて弱くて仕方なかったせい。 それに到達したとたん、睫毛が激しく痙攣し目じりからぼろぼろと熱い雫が降ってくる。 唇はきっと青ざめていてげっそりと頬が細っているに違いなかった。 「そ。歩行祭の責任なんて私はどうだっていいけど、烏丸君が殺されたら塚本さんのせいだと思う。さあ――どうするの?」 粘着性の糸のような声が離れていく。肩の圧力も同時に消えた。 今の自分は自由だった。前へ走ることも後ろへ逃げることも烏丸大路に声をかけることだって可能だった。 「! 殺、され…………嫌、嫌だよ烏丸君。美樹ちゃんみたいにそんな……私は」 「いくぜおらぁぁっ!!」 何かが実を結びそうになる寸前で斉藤が動く。 絶叫し突撃するその姿は間違いなく烏丸大路の命しか見えていなかった。 「死ねえぇぇ――――ってな」 「っ!?」 だが全体重の乗った刃が彼を射程距離に捉える寸前、急遽その勢いが萎む。 自分のみならず構えていた烏丸も虚を突かれたようだった。 思いとどまってくれたのだと思考がまた楽な方向へ傾く。 その代償に、斧の胴が彼の顔を薙いだ音を聞いてしまった。 ――ガスッ 「え」 「しゃあっ!」 歓喜の雄たけびが風を裂いて届く。全ての血管が強く脈動しそして凍てつく。 もし――彼の足が地面を踏ん張ることなく柳のように倒れていたら、狂っていたかもしれなかった。 だが飛びのく姿が見れたのが理解よりも早かったので、かろうじて発狂せずに済む。 「ち、腹かよ。まあいい……今のは結構効いただろ?」 当たったのは刃の部分でなくて腹。フェイントは確かに効果があったが勢いを殺し汗で濡れてるだろう手元を乱すことになったのだ。 致命的とはとても言えない一撃と理解した斉藤がすぐさま追撃も振るうも、既に対象は届く位置にいない。 「はあっ、はあっ……逃げるばっかかよ、つまんねえなお前。ちっとはやり返してくるかと思ったが……ふう」
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115 : ◆rJXTlJ7j/U [sage]:2010/12/26(日) 21:38:30 ID:TwNgPLZg -
二人は再度、自分を含めて正三角形を描く位置で対峙する。 「あ……あっ……あぁっ……」 あまりのことに言葉が出ない。今の激突は先程よりも危うかった。 次に両者が重なって彼が無事でいられる保障などどこにもない。 斉藤は早くも息を整えだしているというのに――烏丸は未だ棒立ちで、構えさえとっていなかった。 自分が、拒絶してしまったから。病の渦中にある彼の気力を殺いでしまったから。 「ねえ。さっき烏丸君のこと嫌いだって言ってたけど、それでいいの? 眼前に展開される状況に流されきってから事態を理解しても――遅いよ?」 「……私は、私は……でも」 金属的な声が再び囁いてくる。甘い手招きのようにも感じた。 理由はともかく、鬼怒川は甘ったれた愚物である自分へ『あること』を求めている。それは分かる。 だが、それは――。ギュウウと腕に力が篭る。リュックが圧迫するその堅ささえも恐ろしい。 心が凍る。魂が枯れ果てる。今ではない場所と時間へ精神が全力で逃げ出そうとする。 「塚本さん」 「っ、烏丸君!」 混線しかけた意識はその一言で覚醒した。 名を呼んでくれたのは背後の鬼怒川ではない。 拒絶されたにも関わらず、本来は泣いて縋ってもおかしくないにも関わらず、 死という終わりに最も近い位置にいながらにしてなお、自分を護ろうとしてくれている男の子――烏丸大路。 「こんなことになってごめん。もっと僕が強ければ……君の涙を減らすことができるはずだった」 「おいてめえ。どこ向いてやがる」 戦いにおいても呻き声一つなかったのに、突然どうして。 今までは斉藤へ向けられていたはずの視線もこちらに角度を変えている。 「烏丸君……私……私っ……」 「どうかお願いだ。そのまま、僕に構わず逃げて欲しい」 「! だったら烏丸君も――」 「そうすると君が逃げ遅れるかもしれないからだめだ。それに……一度くらい、播磨君のように格好をつけさせて欲しい」 ズキン、と心臓が激しく痛む。高鳴るのではなく痛んだ。 頭の中はぐるぐる回るのではなくてキリキリと圧迫されたように痛い。 何の脈絡も無い突然の痛みは、まるで何かの始まりを告げる合図のようだった。 「『行かないでください お願いします。』だったよね。手紙……凄く、嬉しかった」 鼻がツンと酸っぱいもので包まれる。 驚きに、麻酔をかけられたように体の感覚がなくなっていく。 「前の席にいた君の背中を見つめるのも恥ずかしかった。図書館では驚いたよ。けれど、さん付けでも君のことを呼べて嬉しかった」 夜風に乗る通った声は彼以外の全てを意識から切り離してしまう効果があった。 真っ先に、視界の左右の背景が一本の線と化す。 たった一日で多くの真剣に考えなくてはいけない問題があったはずなのに、彼の言葉はそれらを白く透明に薄めていく。 「たまに一緒に帰るようになったよね。河童が好きなことを伝えたのは君が初めてだ」 思い出を重ねる姿には覚えがあった。 一年前の自分、一年前の彼、少し前の自分、たった今の彼――回想と現実の時間軸が 描点と化しては大きくなって、交互に何度も入れ替わっていく。
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116 : ◆rJXTlJ7j/U [sage]:2010/12/26(日) 21:40:36 ID:TwNgPLZg -
「でも僕はこんな人間だから、きっと全てには気付けなくて迷惑をかけてしまったと思う」 心が芽吹く。水も日も空気もいらない、彼という存在がなければ咲くことのない花が狂い咲く。 「病気のことを隠す言い訳に、酷い言葉をぶつけてしまったかもしれない」 違う。それは違う。辛いことが百万回あろうとも、たった一回報われればそれで自分は嬉しかった。 「バンドの練習をいつも見に来てくれた。誕生日を祝ってくれた。お礼にと君の誕生日に家に行っても、突然なのに受け入れてくれた。 大皿の欠片でカレーを食べたクリスマス。二人で練り歩いたお正月に……修学旅行。 多くの思い出を貰えて嬉しかったよ。なのに色々と困らせてごめん」 思い出を貰ったのはこちらのほう。だけど唇は夜気でぴったり張り付いてなかなか開こうとはしない。 顎は上下させるのが困難で、とても重たい岩を動かしている気分だった。 「歩行祭には出ないほうがいい……僕、最初はそう思っていた。けれど今は違う。忘れる前に間に合って、本当によかったと思ってる」 体の至る所がおかしくなったような反応を見せる中、泣き虫の両眼だけは涙を流すことなく彼を捉えていた。 瞳の中に彼の姿が映る。耳の中に音像ができあがる。肌の表面が彼の存在を感じ取ろうと敏感になる。 今なら烏丸大路についてのパズルであれば、目隠ししてもいくらでも完成させられる自信があった。 しかし――彼はどうして土壇場でこんなことを言うのだろう。まるで 「塚本さん」 名を呼ぶ彼の表情は笑っていた。自分の知るどんな微笑みにも勝る笑顔。それが自分のために存在していることが分かる。 もう言葉はいらなかった。顔のほんの少しの動きだけで知りたいこと全てを教えてくれるから。 烏丸大路にとって、塚本天満との思い出は本当に価値ある大切なものだったということを。 自分が嬉しかった時、彼もまた嬉しかったのだということを。 ぐるぐる回っていると思っていた関係は――その実、向き合っていたということを。 (そうだったんだ……烏丸君は) 「……好きだよ」 (一年前――もしかするとそれより前から、私のことを知っていて) 「君のおかげで幸せだった」 (でもそれを伝えられない理由があって――) 「うるせえ! 続きはあの世でやりな!」 (――あ)
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117 : ◆rJXTlJ7j/U [sage]:2010/12/26(日) 21:42:08 ID:TwNgPLZg -
非常に耳障りな声が鳴り響き、主の足が弾け距離が詰まる。だが何故かとても緩慢極まりない動きに見えた。 紙芝居の絵が一枚ずつめくられるが如く。足運びの一つ一つが判別できる速さで二人の空間が閉ざしていく。 時の流れがとても遅い。殺意の漲るはずの絶叫は間延びして、欠伸か何かにも聞こえる。なのに動かない彼。 「烏丸君」 鈍い。狂気を宿し迫る人の形をした肉に対しいくらでも対処を巡らせる余裕さえあった。なのに動かない彼。 「烏丸君……」 動かない、否。動けない、烏丸大路。 「烏丸、君……」 なら代わりに――動け。 「烏丸君……!」 動け。動いて。動け動け動け動け動け動け――この体! 「烏丸君!!」 二人の男が引き合う一本限りの命の糸。その間に別の線が飛び込んでくる。 轟音と白光。空の下――満天の星々の中に――赤い飛沫が、ぶわっと混ざった。 ■ ■ ■ まさかこういう決着になるとは。 今になって振り返ると間抜けなことに、その可能性を考慮していなかった。 荷物が少し重かったとか硬い音がしたとか、気付けた要素はあったのに。 だが理解は一足遅れ、彼女は一歩先を行っていた。
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118 : ◆rJXTlJ7j/U [sage]:2010/12/26(日) 21:44:28 ID:TwNgPLZg -
烏丸のため、塚本天満を追い詰めるようなことを言ったのは自分。毒の言葉で襲い掛かったのは自分。 その目的は彼女に『烏丸君死なないで』とか『負けないで』とか肯定的な言葉を捻り出させる事だった。 (それで烏丸君は覇気を取り戻すと思ってた……ううん、実際そのはず――だった) あらゆる世界の残酷さから守ってあげたかったに違いない。 見たこともないほど傷つき泣いて、悶え続ける好きな人を前にして迷いの生まれた烏丸大路。 救ってあげたかったのに――追い討ちをかけ、底の底に突き落とす矛盾の重さに彼は気付いてしまった。 冷徹に徹しきれず、体の調子にまで影響を受けたことを情けないとは思わない。むしろ鉄仮面の裏側が見えたようで好感だった。 しかし、それで戦えなくなってしまうのは困る。 稲葉のようにまたあっさり死なれては、まるで自分が死神か疫病神だ。彼のトラックは天満との合流がスタートラインだというのに。 なので彼をコンディション最悪にした責任を取らせるつもりで天満を追い詰めた。 縒りが戻れば彼にも気概が戻り、自分の不意打ちを退けたあの身体能力で斉藤など瞬時に撃退すると読んでいたのだ。 (それがまさか、ね) 石像のように動かなかった塚本天満がその身を呈し―― (斉藤君を殺すなんて) 命を奪うことで救う道を選ぶとは。 その瞬間を確かにこの目で見たはずなのに、倒れる斉藤のくぐもった声は耳の奥で反響してるのに、非現実感が未だ抜けきらない。 例のパソコンのおかげで彼女の姿がよく見える。移動はしておらず座ったまま硬直していた。 両腕はやや弛みを残しながら前へと伸びて、倒れた斉藤とは直線状。 手にしているのは記憶のそれより細長く色も白系だが明らかに拳銃だった。 鼻を突く硝煙は空気の中に、発射時の閃光は瞳の中に、余韻としてまだ残っている。 「塚本さん……?」 最初に動いたのは烏丸だった。語尾は上向き。 彼であっても彼女の行動はひどく疑問に思ったらしかった。 棒立ちのまま、ぎこちない動きで顔だけがこちらを向いている。 「君は、一体どうして」 本心を確認したいのだろう。 これは、果たして本意だったのか。 威嚇のつもりに過ぎず射抜くなどなかったのでは。 いや、そもそも狙いは本当に斉藤だったのか。目的の危険性は烏丸とて引けを取らない。 いっそ自分の手でという救いのない狙いがなかったとは言えない。 もしそうであれば彼はこの場で死を選 「ガァッ!!」 獣じみた叫びと同時に一部の地面が飛び起きる。思考が断ち切られ背が震えた。 (まだ死んでな――) 自分が状況を理解しきるより先に。 またも彼女は一手先を行っていた。 二度目、空気が激しく轟き鼓膜を激しく貫いていく。
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119 : ◆rJXTlJ7j/U [sage]:2010/12/26(日) 21:47:34 ID:TwNgPLZg -
■ ■ ■ かつて、海で溺れたときがある。塩っ辛い水をガブリと飲んで肺の奥まで異物感で満たされた。 陸に上がり戻した中身は泡を吹いていて、溺れるとはこういうことを言うのだと実感した。 だが今は陸の上のはず。同じ経験などするはずない――はずだった。 ガブリ、ガブリと肺の奥から液体が出てくる。いくら吐いても収まらない。このままでは息ができない、陸の上で溺れてしまう。 「あ゛……あ゛、ぁ」 指先から徐々に硬くなっていく。神経が通わなくなっていく。 苦しかった。誰かに助けて欲しかった。なので自分は助かると思った。 周りにはそういった情に厚い人間が大勢いるはずだから。 (ああ……そういえば) 自らその可能性を断ってしまった事を思い出し、体を支えていた足からも力が抜ける。 どうっと倒れ伏し、残されたのは漆黒の空と未だ口と鼻から出続ける赤黒い泡。 混じって少し煙臭い気が、胸の奥からの鼓動が小さく細っていきそれどころではない。 体を動かそうにもどうしようもないことを理解してしまい、諦観とともに目を瞑る。 「斉藤、君……」 最期に聞いた自分の名。結局自分はどう変わっても自分のまま……斉藤末男でしかない。 だがそれは不愉快ではなかった。何一つ変わったところを見せられなかったのに悔しくなかった。 名を呼ばれただけで生の実感を上回る満足があった。 幸せは、誰かの命を奪うのではなく、認めてもらうことでしか得られない。 それに気付くのに、ずいぶんと変なことをしてしまったと思った。 「……」 申し訳ないことをした彼らに――あちらで会えるのだろうかと考える。 それを最後に斉藤は、彼自身は誰一人殺していないことに気付かないまま、永遠に息を引き取った。 ■ ■ ■ 「烏丸君……怪我は、ない?」 「うん」 「無事なんだね?」 「少し斧が当たったけど、刃先じゃないから大丈夫」 「そう………………」 深く吸い大きく吐き、それでいて素早い深呼吸。 それが収まり今度は長い沈黙が続く。星々や神々さえ静止しそうな力のある沈黙。破られた時には世界が一変しそうな予感さえ―― 「…………よかった、よぅ」 声は確かに心からの安心と明るい喜びに溢れていた。 新たな命を産み落としたような果てしない慈愛で確かに満ちている。 『確かに』と拘るのには理由があった。あまりにも――表情が不釣合いだったから。 「塚本さん……?」 何も見ていない瞳。連想したのは今まさに蛇に飲まれようとする小動物。 丸く愛らしかった頬が極地の氷壁のように硬く閉ざしていた。 食い縛られた口は沈み行く石をイメージさせる。 塚本天満を今知った人間がいるとすれば彼女の顔に笑いなどありえないと考えるに違いない。
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120 : ◆rJXTlJ7j/U [sage]:2010/12/26(日) 21:51:05 ID:TwNgPLZg -
「じゃあ……バイバイ」 初めて手が動く。彼女は持っていた銀色の拳銃を迷うことなく自身のこめかみに突きつけた。 「塚本さん」 「塚本さん、何を」 彼と発声が重なる。思うことは一緒だった。一体何を考えているというのか。 もし超能力があったならその手を止めるよう念じていることだろう。 「私ね。斉藤君が倒れたとき……嬉しいって思ったの。そして立ち上がったときは……『何で?』って思った……」 「っ」 この時点で斉藤を殺したのは本人の意思だと確定する。 自己防衛で既に冴子を殺した自分だが、それでも驚嘆に値する出来事だった。 何事も受身がちだった塚本天満が生んだ空気は、今や上から押さえつけられているように重い。 判決時より圧迫感のある空間――それを支配する権利が彼女一人に集まっている。 「皆に謝らなきゃって思ってたくせに……斉藤君もその一人なのに……烏丸君が助かって嬉しいって思った。 斉藤君を殺しておいて……それで、嬉しいって思ったの。はは……あはは……!」 空が粉々に砕けなだれ落ちてくるように、詰まっていた言葉は一気には地面へ降り注がれた。 「美樹ちゃんみたいにまた大事な人が死ぬのが怖かった……でもそれは言い訳。本当はね、烏丸君の告白が……嬉しかった」 充血した瞳の縁だけがふるふると揺れる。しかし涙は枯渇したように流れていない。 無邪気すぎる歓喜と破滅を理解した絶望。二つの感情が一つの顔を支配していた。 「もう何もできないはずだったのに、烏丸君だと違ったの。引き金は凄く軽かった。 銃なんて最初に島で見たときは怖くて怖くて、絶対に使うもんかってリュックの奥にしまったのに」 声は冷気さえ感じさせるほどに零下。それでいて獲物に喰いついた動物さながらに興奮している。 今の塚本天満は異数の、異世界の、異常な存在だった。かつての彼女とはまるで違う――まるで何かの狂信者。 「安全装置だって外せたよ。忘れっぽいくせにサバイバルゲームで聞いたことをちゃんと思い出したんだもん。 いつもドジばっかりするくせに……それで美樹ちゃんを殺したくせに……烏丸君になったら、しっかりと斉藤君を撃てた」 隙はないと、どこか自信ありげにそして空しそうに塚本天満は教えてくれた。 その姿は風に吹き流される帆。幽鬼と化した表情がここでない遠くを見るものに変質していく。 「やらなきゃいけないことは多くあったのに、それを否定してでも烏丸君のほうがずっと大事だった。 烏丸君が凄く怖いことを考えているのは知ってる。このままじゃ皆が危ないんだって分かる。 なのに、助けたいと思っちゃった……他の人を殺すことが、できちゃった……」 正直者の言葉は迷いがない。嘘や真実の概念も色分けもなく、事実だけを告げてくれる。 即ち、塚本天満にとって本当に大切で夢であり心寄せるのは――烏丸大路ただ一人なのだと。 「今も、後悔してないの。それどころか、嬉しいの。あは、あはは……変、だよね」 彼女の心は既に、どこからは生まれた――おそらく自分が植え付けた部分もある――黒いものに飲み込まれていた。 瞳には黒い霧がかかっていてきっと本来の世界が見えていない。それがきっと涙を止めている理由。 「皆を不幸にしておいて、それでも好きな人が一番大事なんて…………私は、最低の女の子だった。それがわかっちゃったから……バイバイ」 救われた烏丸。救われなかった稲葉と斉藤。選ばれた命と、選ばれなかった命。 その不公平を是正し彼の生を正当化するためと言わんばかりに――塚本天満の指先がトリガーガードの内側に添えられる。 「烏丸君は……諦めないでね。私みたいにちっぽけな人間のことだけを忘れて。助かる方法だってきっと見つかるよ」 「塚本さんっ! それでいいの? あの子は、稲葉さんはじゃあ何のために――」
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121 : ◆rJXTlJ7j/U [sage]:2010/12/26(日) 21:53:58 ID:TwNgPLZg -
第三の死体が出来上がる寸前の状況に珍しく声を荒げてしまった。 内容を加味するとどうやら稲葉の死は自分の知らない部分に影響を与えていたらしい。 名前を聞いて、思い出したようにその首が傾けられる。 「美樹ちゃんを殺してしまった時点でもう、私はだめだって思ったよ。烏丸君に逢えて、それが少し伸びていただけ」 失望、落胆、諦め。彼女の中で混じってはいけない感情が混じり、自分の中にまで感染してくる。 言葉をなくす。こんなことは望んではいなかった。 「私に生きてる価値なんてないんだよ。三度目だけど……バイバイ」 その刹那、とてつもなく広く真っ白な空間を知覚した。 精神力と集中力が極限にまで高められると人の感覚は手の届かない範囲にまで広がるという、どこかで聞いた話を思い出す。 そこでは時間は永遠であり一瞬。時間感覚の超圧縮、矛盾さえも許容としてしまうスプリンターの境地。 「塚本さん」 その領域で行動することができたのは、自分ではなく烏丸だった。 だが期待感はない。何を言おうとも無駄だと諦めが強すぎる。 彼が動き二人が重なり、同時に今日で三度目となる死を確定付ける音。斉藤の時と、全く同じ。そして―― 「――僕のために、生きて欲しい」 すぐ近くで、烏丸大路の声がした。 「――ずるいよ。困るよ。そんなこと言われたら」 すぐ近くで、塚本天満の声がした。 □ □ □ 真横を怒涛が駆け抜けた。髪が後ろに大きくひかれる。 蛋白質が焦げる臭い。頭の側面で何かが切れ落ち、細かいものが風に流されていく。 目は動き世界の姿をはっきり見せて、口は滑らかに開閉して息をたっぷり吸うことができた。 引き金の感触は指先に残っている。大きな音がすぐ近くを通過していった。なのに、私は体に痛みが全くない。 あるとすれば手首の痛みに耳鳴りくらいだろうか――しかし方向感覚が麻痺していてもなお、私は確かなものを感じていた。 冷たい銃を握った手の上からの、烏丸君の大きな手。 生きた温もりを持つそれに、弾丸はぎりぎりで軌道を逸らされたようだった。 僕のために生きて欲しい。だから私に死んで欲しくない。 烏丸君は卑怯だと思った。けれどそれは私も同じ。 もう生きている価値も望みもないと言いながら、未だ烏丸君を好きで好きで仕方ない卑怯者だから。 なのでそんなことを言われれば。新たな生き甲斐を与えられてしまったら――。 「烏丸君のことしか……考えられなくなっちゃうよぅ……」 「それでいいよ。僕は君を救うために皆を殺すから」 「だから……それはやめてって、言ってるよ……っ」 歩行祭と同じ。ただ一緒であればそれでいい。 なのに烏丸君は私をどうあっても助けようとする。 病気という目に見えない鎖に皆も繋ぎ、一緒に果てまで堕ちようとしている。 息がかかる、睫の数も数えられる、今までは考えられなかった距離で見る烏丸君の顔が、そう言っていた。
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- 【引越し】スクールランブルバトルロワイヤルII
122 : ◆rJXTlJ7j/U [sage]:2010/12/26(日) 22:04:55 ID:TwNgPLZg -
「やめてよ……お願い。諦めるなんて、言わないから」 私はどこかに残っているはずの大事な気持ちをかき集め言葉にした。 好きな人が大切な人を殺す姿を見るくらいなら頑張れるはず。 思い出同士がぶつかりあって両方粉々になるくらいなら、何だってできるはず。 そう――少なくとも諦めたりなんて、しないはず。 「止めてくれたら私……歩行祭も、皆のことも、病気のことだって…………これからもっともっと頑張――ぁ」 それを言おうとした瞬間、私は見てはいけないものを見てしまった。 もう動かない美樹ちゃんの体。真っ赤だったのに黒ずんできているその体。 それでもう、『頑張れない理由』を思い出してしまった。 一瞬で心に嵐が吹き荒れて、かき集めたものが散っていく。 「…………ごめん。僕はどうしても、塚本さんに生きていて欲しい」 何度目かになる『もうだめだ』だった。 もう烏丸君を止める言葉はない。話し合いがだめなら残るは一つ。 糸が切れたように首が折れ曲がって下を向いた。 「でも……もしも塚本さんが」 銃を握ったままの私の手がどこかへ誘導されていく。 力なく任せていると――銃口は烏丸君の黒い制服の上、左の襟首より少し下の部分で止められた。 それにより、私にとても簡単に止める手段が与えられる。 「僕を許せないと感じたなら……君の手で終わらせて欲しい」 私は驚くことなく――ああやっぱり――とどこかで私はそう思う。考えなかったわけではなかったから。 烏丸君の短い命を更に短くしてしまえば悩みの全てを消すことができるから。 犠牲者は減る。間違いなく誰かのためになり、自らへの罰ともなる行為。 (このままだと烏丸君が皆を……それは私のせい……全部、私の責任……だから、止めなきゃ……) 『皆のために』という焦がれた想いを成就させることが出来る。 大勢の幸せを壊した責任の一旦を負うことが出来る。 指先を少し動かせば、きっと私は『頑張れた』という達成感が与えられるに違いない。 それを八雲とは別の新しい私の支えにして、二歩目三歩目を歩んでいけばいい。 「いつでもいいよ。君になら殺されてもいい。病気で死ぬよりずっとずっと幸せだ。 食事の時でも寝ている時でも、人を殺す時でも病気の後も――君が願うならいつだって。もちろん、今でも」 神様の前での結婚式――神父様のそれよりもずっと揺るがぬ誓いに感じられた。 おかしな話。状況はまるで逆だというのに。神様の前で愛しい人を殺す人間のどこに祝福される要素があるのだろう。 そう、私はここでもう一度人の命を奪わなくてはいけない。そうでなくては許されない。 (愛理ちゃん――ミコちゃん――晶ちゃん――私――) 烏丸君の手が離れていく。私はもう自由だった。 これが最後通牒。二人を殺した時と同じことができればそれで解決。誰かが殺されることはなくなるのだ。 (八雲――播磨、君……?) 私は。大勢の大切な人達のことを考えながら。 (誰か……助けて……お父さん……) 迷わず、銃を握る手を重力に任せて垂れ下げた。
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123 : ◆rJXTlJ7j/U [sage]:2010/12/26(日) 22:06:35 ID:TwNgPLZg -
「……できるはずないよ。だって」 私が一番嫌なことは何なのか。最も願うことは何なのか。斉藤君を殺したときに理解してしまった。 壊れてしまった歩行祭より、誰の力にもなれないことより、もう頑張れないことより、人を殺してしまったことよりも――大切なこと。 “好き”――なんて不思議な言葉だろう。希望も幸福も悲願も何もかも、素敵な全てがそこにある。 「私も、烏丸君のことが好きだもん。両想いだったなんて……夢みたい。凄く、凄く嬉しいよ。ずっと傍にいたい……手放したくない」 「…………時間を置いて考え直してくれても」 「ううん」 「……辛い選択をさせてごめん。でも……ありがとう」 醜悪な感情を優先させた私に、烏丸君はそっと微笑んでくれた気がした。 □□□ 間があったのは逡巡していたのかもしれないし、単に深呼吸したかっただけかもしれない。 だが意思は示された。決して正常な状態での判断とは言えないが、それでも本心を知るは本人のみ、だ。 一度出してしまった言葉は取り消すことができない。 三十人以上の死刑執行書。全てが知った名、家族のものさえあるというのに、目の前で印が記されていくそれを彼女は止めなかった。 二人も殺せば普通ならきっと良心の呵責で失意の底に沈む。 それでもなお求める価値のある人間が烏丸大路――ということなのだろう。 (……まあ、塚本さんだしまだまだ悩み続けるんだろうけど。でもそれじゃ烏丸君は止められない) これから彼は大勢を殺す。優しく愚かな愛を受けた今、腑抜けになることは二度とないだろう。 一度折れかけた部位が再び繋がり、心はきっとかつてないほどに硬い。誰の友人や家族であっても確実に殺す。 その過程で愛しい人に協力させる真似はしないだろうが、彼に危機があれば今度は彼女が武器を取るのは斉藤の件で証明済みだ。 自分も友人から攻撃を受け反射的に殺してしまった経験があるせいか、そうだろうという確信がある。 そしてあらゆる他者の都合を踏み躙り、死を積み重ねた先の幸福の道を恋人達は歩む。 (さしあたって私は……協力するって約束したし、三番目くらいには生きていられるのかな。あ、そうそう――) 二人は見つめ合い――ゆっくりと、何かに誓うように顔を近づけていく。 見ていいものではないと目を逸らし視界が途切れる一瞬、二人の顔の一部が重なるのが映ってしまった。 (稲葉さん……これ、あなたの成果なのかもしれないわね) もう体温の抜けきった彼女への言葉を、私は心で響かせた。
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124 : ◆rJXTlJ7j/U [sage]:2010/12/26(日) 22:15:36 ID:TwNgPLZg -
【午前2〜3時】 【塚本 天満】 〔現在位置〕E-07 〔状態〕返り血まみれ。前向きな気力ほぼ0。山越えで擦り傷などの怪我はあるものの即治療が必要なものはなし。 〔道具〕支給品一式(水なし、パン2個)、スタームルガーMkIII(7+1) 〔行動方針〕烏丸と離れたくない。誰にも死んで欲しくない(烏丸の危機に対する反射的な行動除く) 〔備考〕 止められないよ 〔補足〕放送内容は記録していません 【烏丸 大路】 〔現在位置〕E-07 〔状態〕体力消耗、病気がちょっとだけ進行中 〔道具〕支給品一式、参加者の位置情報が表示できるPDA 〔行動方針〕天満を生き残らせる。そのための障害は全力(ただし天満を危険に晒したり直接手を汚させたりはしない)で排除 〔補足〕鬼怒川からミニノートPCについて説明を受けましたが、稲葉のペナルティ・死因については知りません 【鬼怒川 綾乃】 〔現在位置〕E-07 〔状態〕やや疲労、多少貧血気味。 肩の傷は治療済 〔道具〕支給品一式(水:PET1本分、食糧:パン1個)、伸縮式トンファ二本、クナイ一本 ※制服は稲葉の毛布代わりに使いました 〔行動方針〕生き死にに関してはさほど執着心なし(反射的な行動除く)。 烏丸・天満と敵対しない限りは協力(優先順位は烏丸>天満)。 【斉藤 末男】:死亡 ※支給品一式(食料消費なし)と手斧は死体すぐ傍に転がっています 稲葉の支給品一式(水:1/2、食糧:パン2個半)、ミニノートPC(残り駆動時間:4時間強)はすぐ近くにあります ――残り31名
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125 : ◆rJXTlJ7j/U [sage]:2010/12/26(日) 22:18:26 ID:TwNgPLZg -
以上になります。大小微妙な点が多々あるかと思いますが、 ・いくら追い詰められても天満が任意で人殺しするなんてことあるのか? これが一番悩んだ要素で修正や破棄になるかもしれないと考えています。 なのでご意見・ご感想の中で触れていただくと特に参考になります。 それではよいお年を。
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