トップページ > 創作発表 > 2010年12月26日 > OuQ+mvKt

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創る名無しに見る名無し
【2】リレー小説【何でもアリ】

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【2】リレー小説【何でもアリ】
519 :創る名無しに見る名無し[]:2010/12/26(日) 04:34:14 ID:OuQ+mvKt
「もうその手には乗りませんよ」
猪田は言い放ち、一人細いわき道へと逸れていった。
「ちよっ…まってくださいよ。」
慌てて後を追う丹波。
「丹波さん…。あなたは私について来ちゃダメだ。
少なくとも我々よりもこの空間の事を熟知しているエキセントリック卓郎について行く事だけが唯一の脱出への糸口なのだから」
「では、寛さんはなぜ?」
「私は賭けてみたい。まだほんの子供の頃から一緒に戦い、生きてきた馬場さんの作り出したこの世界が、果たして奴の言うような無限地獄であるのかどうかをね」
【2】リレー小説【何でもアリ】
522 :創る名無しに見る名無し[]:2010/12/26(日) 19:18:06 ID:OuQ+mvKt
モール街にはまだ方付けてないクリスマス飾りと、新年向けの祝い品を扱う店が並びたち、すっかり師走の風情である。
丹波はとある花屋の隣の店【江戸前海鮮・海老蔵】の前で立ち止まった。
「そういや昼にサンドイッチを食べたきり歩き通しだから腹ぺこだな…。
ボーナスも少なかったけど今夜は思い切って、寿司いっちゃいますかな。」
丹波は財布の中身を確認すると、足取りも軽く細い階段を登り始めた。
【2】リレー小説【何でもアリ】
524 :創る名無しに見る名無し[]:2010/12/26(日) 21:14:03 ID:OuQ+mvKt
「…その通りだよ…」
今度は確かに姿なき声が聞こえた。
「疲れてるんだよ。疲弊してるの。せっかく話を広げようと寿司だの海老蔵だのを振ってるんだからさ、そういう小さな伏線を拾おうよ」
聞き覚えのあるこの声は馬場の声だ。
「まあなんでもありとスレタイで謳ってる以上、こういう指摘は不粋なんだけどね。おっと、もう三分経ったから伸びないうちに召し上がれ。じゃあね」


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