- プレデター日記 4冊目
184 :ある家族の風景[]:2010/12/24(金) 00:35:46 ID:1q8bpUGN - 「アヤコ、お散歩に行くぞ。」
父親からの言葉に、幼児はパッと顔を上げた。 「トトと?」 そしてすぐに、 「カータンは?」 と聞き返した。 「お母さんは、まだ御用事があるから、お父さんと二人でお散歩に行ってきてくれるかな?」 そう母親から言われて、幼児は元気よくうなづいた。 「あいっ!アヤちゃん、トトとおしゃんぽいってくゆね!」 お気に入りのリカコちゃん人形を小脇に抱え、幼児は父親に連れられて歩き出した。 「いい天気だなぁ。」 父親が空を見上げて呟くと、幼児も、 「いいてんきねぇ。」と続いた。 父親は、幼い娘の歩調に合わせて、ゆっくりと歩いていく。 それでも、どうしても速足になってしまう我が子に、父親は思わず顔がほころんでしまう。 男は本来、父親と呼ぶには少々若すぎた。 だが、諸事情の為に元いたクランを離れ、ここタケダクランへとたどり着いた。 ー全身に大怪我を負い、同い年の新妻に支えられ、着の身着のままで…。 (あの時の苦難があるからこそ、今、この子がいる。) 何物にも代えがたい、大事な宝物の手をひいて、父親はゆっくりと歩いていった。 本日は快晴である。
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186 :ある家族の風景[]:2010/12/24(金) 02:37:17 ID:1q8bpUGN - 父親と手を繋いだ幼児が、可愛い声で歌を歌いながら歩いていた。
音程の外れた歌声でも、その姿は何とも愛らしく、道行く人も皆、思わずにこやかになる。 異種族から恐れられている狩猟者といえど、子供を可愛いと思う感情は、ちゃんと持ち合わせている。 我が子との散歩を楽しんでいた父親は、次の角を曲がろうとした瞬間、「ウェッwウェッw」という声を聞いた。 (!?マ、マサフミ?) 突然、角からクランいちお騒がせ男が飛び出し、そのまま走り抜けていった。 その後をタカハシ氏が鬼の形相で追いかけていく。 (…また、何をやらかしたんだ?アイツは。) 呆れる父親に、娘は 「あのおにいたんたち、おっかけっこしてうね。」 と無邪気に笑いかけた。そうだねと返事をしながら、心の中でマサフミに悪態をついた。 父親は、気分を変えるため、公園へとやってきた。 遊具を一通り遊び終え、ベンチで休息をとる。子供とジュースを半分づつ飲みながら、空を見上げた。 遥か上空、大きな鳥が旋回している。 (あぁ、平和だなぁ。) 父親は、大きく伸びをした。 すみません、続きは明日(正確には今日か。)ということで。 おやすみなさい。
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189 :ある家族の風景(続き)[]:2010/12/24(金) 23:04:39 ID:1q8bpUGN - 公園からの帰り道、父娘を呼び止める声があった。
「あぁ、やっぱりナガオパパだった。」そこには同僚のカキザキとトモノブが立っていた。 「あっ!かったんと、ともたんだ!」 幼児の歓声に、二人は「アヤコちゃ〜ん」と手をふる。 「なんだ、お前逹か。…どうしたんだ武装して。今から仕事か?」 「急な仕事が入ってさ。すぐに動けるの、俺らだけだったから。」 ニヘラと笑いながらカキザキが言った。 「ノジリはどうした?一緒ではないのか?」ナガオのその問いかけに、トモノブがため息まじりに答えた。 「彼女さんとデートだってさ。1ヶ月も離れてたから、しばらく一緒にいたいんだそうだ。ハハハ、 …シネバイイノニ。」 「おい、娘の前でそんな言葉を使うな。」 顔をしかめるナガオに、カキザキもうなづく。 「そうだぜ。おちびにそんな言葉を聞かせるなよ。それに彼女がいないからって拗ねるなって。 俺らもナガオさん所の奥さんや、ノジリさんの彼女みたいな美人の彼女を見つけりゃいいってだけのことだろ?ハハ…、 ホント、シネバイイノニ。」 「おいっ!!」 思わず突っ込んだナガオに、二人は冗談だって、と笑う。 出発時間がきた為、じき二人は父娘と別れた。 「全く、あの二人は相変わらずだな。」 父の呟きに娘は「う?」と聞き返しす。 何でもないよと娘の手を握りなおし、家路を急いだ。 そろそろ、お昼ごはんの時間だ。
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190 :ナガオ日記[]:2010/12/24(金) 23:05:58 ID:1q8bpUGN - 長々と失礼しました。
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