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「 グレートサラマンダーZ 」
創る名無しに見る名無し
ウーパールーパーで創作するスレ+(・─・)+2匹目

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ウーパールーパーで創作するスレ+(・─・)+2匹目
101 :「 グレートサラマンダーZ 」[sage]:2010/12/21(火) 00:02:43 ID:S5BWt2f3

「じゃあ民ちゃん、外、行こうか?」
「はーい。探検、探検!」
気の焦りからか、うぱ太郎は急かすようにうぱ民子を誘った。
話しが出て5分も経っていないが、気にする者はいない。

「華ちゃんと倫ちゃんにお願いがあるんだけど」
「……何かしら」
「…………」
うぱ華子にはコックピットに残って確認してもらいたことがあった。
うぱ倫子は、はなから誘う気にならなかった。

「僕達が外に出たらナビになんかメッセージが出るか見ててほしいんだ。別に出なければそれで
いいんで戻ってきたら教えてくれるかな?」
「どんなの出る訳?」
「SOS信号受信とかうぱるぱ信号受信とかそんなの。このナビ特別製でウーパールーパーが出してる
微弱な超音波拾えるんだ。壊れてるかもしれないけど、もし反応あったらそこ目指して行けば仲間に
会えるからここがどこなのか聞けると思うし、電話借りて秘密基地に連絡も取ることが出来るんで。
まぁ、こんな田舎にウーパールーパーいるとは思えないけど動くかどうかの確認ってことで」
「……了解」
「…………」
ナビの地図画面は消えているが、うぱるぱ検索機能はいつものように「緊急」の文字が表示されている。
いままで一度も使ったことがないのでどうなるかは判らないが、うぱ太郎はナビのサーチモードを
「通常」に切り替えた。

「それと僕が外に出たら勝手に口閉じるけど気にしないで。僕が近づいたらまた勝手に開くから。
その時ちょっと揺れるんでそれだけ気をつけてくれるかな」
「……了解」
「…………」
「それじゃあ行ってきます。すぐ戻るんで」
「行ってきまーす!」

 うぱ華子と無言のうぱ倫子を残し、うぱ民子を連れてコックピットから降りる。
太陽の高さでおおよその時刻の確認。見える範囲で道路や建造物があるか確認。
探検は程々にしてグレートサラマンダーZに戻り、開けていそうな場所へ移動……
 特別なことは何も思いつかなかった。
もしナビのサーチモードを切り替えて正常に機能したとしても、こんな山奥にウーパールーパーが
住んでいるとは思えなかった。単なる思い付きレベルのことである。
それでもまず出来ることをやろうと思いながら、うぱ太郎は目の前に広がる野原へ踏み出した。

「清々しいなー。マイナスイオンでリフレッシュって感じ」
「コックピットにしばらく居たから余計にそう感じるね」

 時期が来れば「爽やかな高原」と表現できそうな場所だった。
2人揃って大きく身体を伸ばす。狭い空間から解放されたせいか、新鮮な空気が身体の隅々まで
行き渡った感じがする。いい空気だなと思いながらうぱ太郎はぐるりと周囲を見渡す。
 天の高い位置から光を放つ太陽。
高速道路はおろかと獣道と呼べそうな道筋さえ無い土地。緑の混じった枯れ野原の先はいずれも山。

「 …………。」

 近い山、遠い山、彼方の山。
 それだけの違いだった。
うぱ太郎が望んだものは見渡す限り何ひとつなかった。

ウーパールーパーで創作するスレ+(・─・)+2匹目
102 :「 グレートサラマンダーZ 」[sage]:2010/12/21(火) 00:03:51 ID:S5BWt2f3

「天気いいなー」
「……うん」

 日差しに暖かさは感じるものの、凛とする冷たい空気が幅を利かせている。
季節相応の気候と言えなくもない。しかし山肌に残る雪がにわかにそれを否定する。
 うぱ民子は奇妙なステップを踏みながら歩く。
うぱ民子に構わず、上の空でうぱ太郎は隣を歩く。

「やっと自由になれたって感じ」
「うん、コックピットそんなに広くないし」
「あー、違うけど……。まぁ別にいいか」
「うん」

 うぱ民子のステップが止まった。
 うぱ太郎は気づかなかった。
 
「太郎ちゃん、あのロボットの口、閉まっちゃったけどホントに自動で開くの?」
「……えっ? あー、大丈夫だよ。近づけば開くから。……戻る?」
「うん。自動ドア見たい」
「自動ドアって……」

 ほんの数分。うぱ民子が言い出した探検は散歩にも満たない距離で終わる。
体長30センチにも満たないウーパールーパーである。水中ならまだしも、陸上での移動距離は
たかが知れている。グレートサラマンダーZから10メートルほど離れたところで先に進むのをやめ、
うぱ太郎達はコックピットに戻り始めた。

「そろそろ……かな?」
「あ、光った!」

 グレートサラマンダーZのそばでうぱ太郎は立ち止まる。
うぱ太郎の言葉とともにグレートサラマンダーZの眼が一瞬赤く光り、口が大きく開いた。
同じように口をあんぐりと開け、うぱ民子はその様子を眺めていた。

「……冷静になって見るとかなり怖いなー」
「そういう意見が多いんだ。全長3メートルだからかなり大きしいし、自分の胴回りより
大きく口開いちゃうからエイリアンっていうか怪物系に見られるんだよね。
……民ちゃん、コックピット戻っていいかな?」
「うん。早く出発したほうがいいみたいだね」
「……うん、暗くならないうちに何とかしたいから」

 うぱ民子も違和感に気づいたかとうぱ太郎は思う。
しかしまだ心に根付いている責任感からか、それを言葉にして同意を求めたり、意見を聞くのは抵抗があった。
そしてそれっきり会話もせずコックピットに戻る。

ウーパールーパーで創作するスレ+(・─・)+2匹目
103 :「 グレートサラマンダーZ 」[sage]:2010/12/21(火) 00:04:59 ID:S5BWt2f3

「……太郎ちゃん、早速で悪いけどこのロボット動かしてくれないかしら」
コックピットに戻るや否やうぱ太郎はうぱ華子に呼びかけられた。

「え、あ、うん。すぐ出るけど……どうかした?」
操縦席に戻りシートベルトを着けながらうぱ太郎は答える。
「まずさっきの結果はナビに出てるから。それよりも、倫ちゃんがなんか電波拾っちゃったみたいなのよ。
不思議ちゃん炸裂してるけど近くに人がいるみたい。あたしには分らないけど」

 ナビを見た。
うぱ華子の言うようにSOS信号受信のメッセージが点滅していた。
しかし到着予定時間はGPS機能の故障のせいか「?分」となっている。
時間表示は無理だけど検索機能は生きている、ひとつ前進。とうぱ太郎が思ってたところで、席に戻った
うぱ民子がうぱ倫子に問いかけた。

「ねー、倫ちゃん。全然見えないけど人いるの?」
「……うん。もののけ姫みたい」
「マジでー!!!」
「は?」

 突拍子もないうぱ倫子の返事にうぱ太郎は一声出すのが精一杯だった。
うぱ華子は呆れ顔で肩をすくめている。

「やばい、ドキドキしてきた!? ねー、どこどこ?何処にいるの?」
「……あっち」

 テンションの上がるうぱ民子に、うぱ倫子はあさっての方向を見て指を指す。
すぐにうぱ太郎は指差す先にグレートサラマンダーZを向けた。

「わかんないなー」
「倫ちゃん、それっぽいの全然見えないんだけど……」
「……さっき高くなったときに見えた」

 視聴覚モニターにそれらしきものは映っていない。
うぱ倫子の返事を口が開いて視点が高くなったときに見えたと捉え、うぱ太郎はグレートサラマンダーZを
立ち上げた。

――あ。……あれかな?

 モニターの遠くを位置する場所に何かが映る。
人かどうかは判断できないが、風景にそぐわないものがあるのは確かだった。
助け舟になるなら何でもいいと、うぱ太郎はすぐに行動に出る。
 
「よし、倫ちゃんありがとう。じゃあ、あっち行ってみる」
「もののけ、もののけ!」
「…………」
「…………」

 すぐさまグレートサラマンダーZの姿勢を戻し、うぱ太郎は500メートルほど先と思われる
その場所に向けてアクセルを踏みこむ。

ウーパールーパーで創作するスレ+(・─・)+2匹目
105 :創る名無しに見る名無し[sage]:2010/12/21(火) 00:07:49 ID:S5BWt2f3
今日はここまで。




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