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創る名無しに見る名無し
時の番人
【心の鬼】萌キャラ『日本鬼子』製作21【募集中】
【長編SS】日本鬼子SSスレ3【巨大AA】

書き込みレス一覧

【心の鬼】萌キャラ『日本鬼子』製作21【募集中】
505 :創る名無しに見る名無し[sage]:2010/12/21(火) 14:46:11 ID:GCCt4K/P
あぁ〜音麻呂さん発見!
369です。
>>369
SSに音麻呂さんの名前を使わせてもらいたいのですが、
いいでしょうか?今の所、男として登場予定です。

歌麻呂さ〜ん。SSに歌麻呂さんの名前を使わせてもらいたいんですが
いいでしょうか?今の所、男として登場予定です。

詠麻呂さん有難う御座います。(女としての登場です。)
田中さん有難う御座います。
*田中さんは下の名前を付させてもらいました。
今後投下するSSの名前変更は簡単に出来ますので駄目な場合は
一言お願いします。

【心の鬼】萌キャラ『日本鬼子』製作21【募集中】
515 :創る名無しに見る名無し[sage]:2010/12/21(火) 19:39:08 ID:GCCt4K/P
505です。
音麻呂さん有難う御座います。

【長編SS】日本鬼子SSスレ3【巨大AA】
27 :時の番人[sage]:2010/12/21(火) 19:51:46 ID:GCCt4K/P
今、ここ誰も使ってませんね〜!?
使ってないようなので今から
「日本鬼子・ひのもとおにこ」〜第四章〜【初めての友達】
を投下します。
俺設定です。それと挿絵、最近手抜きです。絵は難しい・・・。
「田中さん」名前使わせてくれて有難う。

【長編SS】日本鬼子SSスレ3【巨大AA】
28 :時の番人[sage]:2010/12/21(火) 19:52:47 ID:GCCt4K/P
●「日本鬼子・ひのもとおにこ」〜第四章〜【初めての友達】

黒い雲が立ち込めるある日の昼、舞子が鬼子の所に【ドタドタ】と飛んで来た。
「鬼子ちゃん。で、出たかもしれない・・。」舞子は少し焦りながら鬼子にそう言った。
鬼子は口に魚をくわえ美味しそうな顔をしながら振り向いた。きび爺、きび婆と昼食の様だ。
「便秘治ったんだ!よかったね。」
舞子はずっこけてる。「ち、違うわよ。輩よ、悪しき輩。」と恥ずかしそうに顔を赤くしながら言った。
「さっきお参りに来た人から聞いたんだけど、二日前の晩に子供たちが近くの沼に遊びに言った時、
そこに青い服を着た一人の少年らしき子が居たんだって。子供たちはその場をすぐ離れたみたいだけど、
次の日、またその沼に遊びに行ったらまたその少年が居たらしいの。でも、雰囲気が何か違ってたんだって。
何かその・・人じゃ無い見たいだったって・・・。」一瞬にして、空気が張り詰める。
それを聞いたきび爺、きび婆は少し険しい表情をしていた。
鬼子は魚を口の中に全部押し入れて、【スクッ】と立ち上がった。厳しい目をしている。
「ばもぐもぐhぐうdjdsdもぐる。」・・・何を言ってるか解らない・・・。
鬼子は魚を飲み込んでもう一度言った。「場所どこ?今から行ってくる。」
きび婆が鬼子に言った。「鬼神様の角の繊維で編んだ物を付けとるかぃ?」
「うん。大丈夫。いつも付けてるから。」
舞子から場所を聞いた鬼子はすぐさまその沼めがけて走って行った。走ると言うより飛び跳ねながら。
すごい速さだ。木々の間をすり抜けながら鬼子は飛んで言った。その背中にはヒワイドリがくっ付いている。
【スタッ】鬼子はその沼近くに着いた。人間の民の足なら走っても20分ほどかかる距離だが、
鬼子は2、3分くらいでそこに着いた。鬱蒼と生い茂る木々、雑草。その向こう側に沼が見えた。そして・・・
はっきり見える。沼のほとりに立っている子供が。服は着ていない。青い服がその足元に散らばっている。
そして肌が黒ずんでいるようだ。その子供は【ボ〜】っと沼を見ている様だった。
http://loda.jp/hinomotooniko2/?id=411 ●画像挿入一コマ目
「典型的な輩だな。初期段階か。ああなっては元に戻れない・・・」と般若面が言った。
「・・・うん。解ってる。話では聞いてたから。」鬼子は落ち着いている。人間の民の前とは大違いだ。
鬼子は、本当は初めてなのである。自ら散らそうとする事は。その為の修行を闇世でしていたのである。
「気をつけるんじゃぞ。」般若面はそう言った。
「うん。」
鬼子は少しづつその輩に近づいて行った。輩は動かない。ジッと沼を見つめている様だった。
ヒワイドリは木の陰に隠れている。
鬼子は声を掛けた。「君の名前は?」
「・・・腹へった」ボソッとその輩は言った。
【・・・・・、あの時と・・似ている・・・。】鬼子はそう思い、悔しそうな、そして切ない表情になっていた。
鬼子はそっと手を差しのべた。すると、その輩が突然大きな口を空け襲い掛かってきた。【バクゥッ】
鬼子はとっさに後ろへ逃げ、目が赤くなる。スクッと立ち上がり、もう一度鬼子は聞いた。
「お願い・・・答えて。君の名前は?」と。
「腹減った。お前を食う」その輩はニヤッと笑った様に見えた。
「鬼子、ためらうな。」と般若面が言う。
「でもあの子・・・背丈からして、どう見ても10歳くらいにしか見えない。それに・・・言葉を話してる・・・。」
鬼子の心は、どうにか助けてあげたいと思う気持ちになっていた。
ゆらり・・ゆらりとその輩は鬼子の方に近づいて来ている。鬼子はユックリとその距離をとる。
「鬼子・・・皆最初は初期段階の輩を見ると悩むんじゃ。
しかし悩んでるうちに反応が遅れ、食い殺された者を何人も見てきている。」
般若面は幾度となく経験があるみたいだ。
「・・・本当にあの子・・・もう駄目なの・・・?」鬼子の目は、強い悲しみを背負っていた。
「皮膚が黒ずみ、さらに変化している・・・。初期段階と言っても、輩としての初期段階じゃ。
このまま放っておくと力をつけ、いずれ街に出て人間の民を襲うじゃろ。可愛そうじゃが散らすしか・・ないのう。」
鬼子は般若面の言葉を聞いてから、ジッとその輩を見つめている。【ゆらり・・ゆらり】輩は鬼子に少しづつ近づく。
鬼子はまた少しづつ距離をとりながら後ろへ下がっていく。鬼子は闇世での出来事を思い出していた・・・。
【長編SS】日本鬼子SSスレ3【巨大AA】
29 :時の番人[sage]:2010/12/21(火) 19:54:11 ID:GCCt4K/P
夕暮れ時、鬼子がまだ11歳くらいの頃、近所の二つ上のお兄ちゃん2人と計3人で山間で遊んでいた時だ。
何処からか悪しき輩が現れた。まだ初期段階の輩・・・。
二つ上のお兄ちゃん達は、輩退治の修行をしているが、まだ見習い中だった。
その輩は、彼らが修行中教えられていた通りの初期段階の輩だったが、裸で居る事、皮膚が黒ずんでいる事を除けば
普通の人に見える。見た目はそのお兄ちゃん達と同じくらいの年齢か。それに女の子っだった。
近所のお兄ちゃんの一人がその輩に用心しながらそっと近づいていく。
「お水・・・ちょうだい」その輩が言葉を発する。
その言葉を聞いたお兄ちゃんは、目を見開いて、こう思った。
【この輩はまだ助ける事が出来る・・・】と思ってしまったのだ。
もう一人のお兄ちゃんも、そして鬼子もそう思った。
しかし・・・近づいていったお兄ちゃんが「こっちへおいで。」と手を差しのべたその瞬間・・・。
頭から腰にかけて、一瞬にして食べられてしまった。もう一人のお兄ちゃんと、鬼子の目の前で・・・。
ゆらり・・・ゆらりとその輩はもう一人のお兄ちゃんと、鬼子に近づいてくる。
彼等は、受け入れられない状況を目の当たりにし、ショックのあまり腰が抜けて立ち上がれず、
身動き出来ない状況にあった。
ユックリと輩が近づいてくる。鬼子の方に・・・。一歩、また一歩と。
その状況を見ていたもう一人のお兄ちゃんが、やっとのおもいで腰を上げ、鬼子に向かって叫んだ。
「ひのー!(鬼子の事)に、逃げるんだ。逃げるんだー。」
しかし鬼子は立ち上がる事が出来ない。その輩は鬼子の前に立ちふさがった。
ユックリと大きな口を開いて・・・鬼子に覆いかぶさってきた。【キャアアー】
【ガツン】・・・・・。お兄ちゃんが鬼子の前に立ちふさがり、輩を一生懸命抑えている。
「ひの・・・立て。立って逃げるんだ。」お兄ちゃんは必死に鬼子をかばう。
鬼子は立ち上がる事は出来なかったが、足で地面を蹴り一生懸命泣きながら後ろへ、後ろへと下がっていった。
その時、【ズンッ】と少し鈍い音がした。
鬼子がお兄ちゃんの方に目をやると、お兄ちゃんの背中から大きな何かが突き出ていた。
お兄ちゃんの口から血が流れる・・・。それでも必死に輩を抑えていた。
「ひの・・・はやく・・にげて・・・。」お兄ちゃんのかすれた声。目から涙を流しながら・・・。
鬼子は震えた声で「お・・・お兄ちゃん・・・。お兄ちゃん・・・。」それが精一杯だった。
【ドカッ】お兄ちゃんは輩に蹴り飛ばされ、鬼子の前に倒れた。
また輩がゆらり、ゆらりとユックリ迫ってくる。
「お兄ちゃん・・お兄ちゃん・・。」鬼子はお兄ちゃんの顔に手を触れながらそう言うしかなかった。
「ひの・・・」お兄ちゃんが震える手で鬼子の方に何かを差し出している。
「これで・・・これで皆を呼ぶんだ・・。この・・・笛を・・力一杯吹け・・・。」
「ひの・・・早く・・・。」その差し出された笛は、悪しき輩が出たと言う合図を送る笛。
鬼子は震えるお兄ちゃんの手を持ち、そのまま笛を吹いた。
【ピーーーーーーーーーーーーーー】

光の世での今の目の前の現状と、その出来事がダブって見えた。
鬼子は唇をキュッと噛んで、心を決め、般若面から薙刀を取り出し身構えた。

鬼子は左腕を前に伸ばし、人差し指と中指を立て、悲しそうな表情で涙を流しながら唱えた。

「神代に属するは闇、授けるは虚無・・・。」
http://loda.jp/hinomotooniko2/?id=412 ●画像挿入二コマ目

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【長編SS】日本鬼子SSスレ3【巨大AA】
30 :時の番人[sage]:2010/12/21(火) 19:55:26 ID:GCCt4K/P
輩の周りに光り輝く神代呪文の文字が舞う。
「ごめんね。助けられなくて・・・。」
鬼子は薙刀を使わず・・・・・「萌え散れ!」小さく、優しい心でそう言った。
神代呪文の文字が輩をそっと包む。【シュッ】・・・・・・・・・・輩は簡単に散って行った。

その瞬間、「あぁ・・・。」鬼子が声を漏らす。
そして、その場に膝を着き震えていた。「ああ・・・あああぁ・・・」
「どうした鬼子!?」木の陰に隠れていたヒワイドリが飛んできて、心配そうに聞いている。
「あぁ・・・伝わってくる・・・。苦しい悲鳴が伝わってくる・・・。」鬼子は自分の身体を抱きしめ震えていた。
「大丈夫か?鬼子?」あのヒワイドリが真剣に鬼子の事を心配している。
「初期段階の悪しき輩を散らすと、その散らされた輩の心が伝わってくるんじゃ。輩になるまでの心の叫びや辛かった事が
全て入り込んで来る。散らすとは・・・その者が光を失うまでの辛かった事を、全てを背負うって言う事なんじゃよ・・・。
今はまだ・・・鬼子はそれに耐える事が出来ないんじゃな・・・。」般若面は悲しそうな表情でそう言った。
鬼子は地面に座り込み、自分の身体を抱きかかえ、下を向き、泣きながら震えていた。
散らした輩の心の悲痛な叫びが・・・鬼子の心を締め付けている・・・。
般若面とヒワイドリは鬼子が自ら立ち上がるまで、その場を動かず、何も話さず、見守っていた。
散らされた輩の足元には・・・小さな赤い色のお守りが落ちていた。

小雪がちらつく山間。鬼子達はユックリと無言で歩いている。
彼らの足は、神社ではなく大きな湖のある方角だ。ヒワイドリが教えてくれた。
湖のほとりには大きな公園があり、綺麗な風景を見て心を落ち着かせる事が出来ると。
たまには気の利いた事を言う。彼等はユックリと湖に出た。
人影は無い。もちろんそうだろう。この寒い、小雪の舞う山間の湖に誰が好んで来るのか。
近くにあった石でできた椅子に腰掛けた。椅子はひんやりと冷たい。
「鬼子・・・。」般若面が声をかける。
「確かに悪しき輩がこの光の世に存在している事は解ったのう。その出所をどうやって調べるかが問題じゃ。
出来るだけ早い段階で輩を見つける事が出来れば、何かが解るかもしれん。」
「先ほど、鬼子が輩に話しかけたように、散らす前に輩本人に聞くのはいい手かもしれんのう。」
「ただ・・・輩事態にまだ人間の民の心が残っている段階でないと駄目じゃがな。辛いが・・・やれるか?。」
鬼子は無言でうなずいた。そして自分の手を見つめている。その手には、さっきの輩が持っていたお守りがあった。
鬼子がポツリと言う。「ねぇ般若。」
「んん?」般若が鬼子の頭の上でそう返事する。
「さっき、食い殺された者を何人も見てきているって言ってたわよね。」
「あぁ・・・、言った。」
「般若は私が生まれた時からずっと一緒にいたから、お父さんやお母さんがどこかでその時に
祈祷してもらったものとばかり思ってたけど・・・。違うみたいね・・。」
鬼子は般若への疑いではなく、輩をどうにかしたいと思う一身で聞いているのだ。
「・・・・・あぁ、ワシは鬼子が生まれるよりもずっと前から闇世で生きているらしい・・・。
ただ・・・記憶が無いんじゃ。断片的には覚えてるんじゃが、ほとんどの記憶がどこかに飛んでしまっとる。」
と般若は鬼子に告げた。
「・・・そっか。」鬼子はそれ以上話さなかった。鬼子はただ、本心から輩を出さないためにはと言う事を考えていた。
「鬼子。」ヒワイドリが言葉を発した。
「ん?な〜に?」鬼子は優しい口調で聞いた。
【長編SS】日本鬼子SSスレ3【巨大AA】
31 :時の番人[sage]:2010/12/21(火) 19:56:35 ID:GCCt4K/P
「乳の話しでもしようじゃないか。」

【プッス】鬼子の薙刀がヒワイドリのお尻を刺している。
「いてて〜。」ヒワイドリはお尻を押さえながら辺りを飛び跳ねている。
「真面目な話をしてる時になんて事を言い出すのよ!」鬼子は立ち上がり、怒り口調で言った。
「だ、だってオイラ、こんな超〜重い空気は嫌いだからよ。それに、鬼子に乳が無いのは本当だろ!?」
「な・・・なにぃ〜。」鬼子は胸を押さえながら、目の色が変わる。
ヒワイドリは鬼子の前に立った。
「その年齢になって、乳が無いのはそれだけで罪だぞ!」ヒワイドリは指差しながら仁王立ちしている。
「う・・うるさい!」
鬼子はブンブン薙刀を振り回しながらヒワイドリを追いかけていた。

【ピタッ】とヒワイドリが止まる。【プッス】と薙刀が刺さる。
「いてててて〜。」ヒワイドリはまた飛び跳ねながらお尻を撫でている。
「な、何で刺すんだよ。」ヒワイドリは、何処から出してきたのか解らないが、バンソウコウをお尻に貼り付けていた。
「何でって、あんたが急に止まるから刺さったのよ!」確かに鬼子の言う通りだ。
「あれ!」ヒワイドリが何かを指さしている。
「ん?何?」と鬼子はヒワイドリの指差す方を見た。
少し離れた場所で、誰かが椅子に腰かけているようだ。
「あれ、おかしくないか?一人でこんな寒い中。」ヒワイドリが、そう真面目に言った。
「た、確かに変ね。でもあんたも変よ。真面目な事言うなんて。」
鬼子は細目でヒワイドリを見ている。そして、その座っている人の方へ目をやった。
学生服姿の女の子。青い髪をした女の子が座っている。歳は鬼子と同じくらいか。
鬼子の脳裏にまた、悲しい思い出が渦を巻き甦ってくる。
鬼子は、さっきの輩を思い出しながらそっとその女の子の方に近づいていった。
目を赤くし、角は尖がり、薙刀を持ったままそっと、そっと近づいた。
「何してるの?」鬼子はその女の子に聞いた。
声をかけられ振り向いた女の子は、鬼子を見て「キャアアア〜」と叫んだ。
その子は持っていた物を放り投げ、悲鳴を上げてビックリした表情で鬼子の方を見ている。
鬼子もたじろいでいる。
「わ、私・・・お金持ってないわよ・・・。何も持ってないわよ・・・。」その女の子は少し怯えた表情だ。
「い、いや・・・私物取りじゃなくて、ここで何してるのかな〜って思って・・・。」
鬼子は首を振り、焦りながらそう言った。
「な、何してるって・・・え、絵を描いてるの・・・。だからお金なんて持ってないよ・・・。」
女の子はかなり動揺しているようだ。
「そ、そうだったの・・。ごめんなさい。こんな寒い中・・・一人でここに居るのは何か妖しいと思ってしまって・・・。」
鬼子の素直な言葉だった。
「あ・・妖しいって・・・。そっちの方がとても妖しいわよ・・。着物姿だし、目が赤いし。角みたいな物を頭に付けてるし、
お面もつけて、手に・・・すごいもの持ってるし・・・それに鶏と一緒なんて・・・。」
確かに鬼子の方がとっても妖しい。物取りか、頭のおかしい人に見えてもおかしくない格好だ。
鬼子は焦りながらサッと隠せる物は後ろへ隠した。どちらが妖しいか、鬼子も解ったのだろう。
「ご、ごめんなさい。本当にごめんなさい。ビックリさせちゃって。」申し訳なさそうに鬼子はそう言った。
「さ、寒いのに大丈夫?動かず、ジッとしてたみたいだから。」と鬼子は言った。
「大丈夫よ。今、学校の冬休みの絵画の宿題やってたの。冬の風景画の宿題があってね。」女の子は顔を傾けながら
可愛らしくそう言った。
鬼子はそっと胸を撫で下ろす。「そ、そうだったの。本当にごめんなさいね。驚かせてしまって。」
「ううん。いいよもう。そう何度も謝らなくても。」そう女の子は鬼子のほうを見て言った。とても優しい表情だった。
「うぅ・・・優しい方ですね。許してくれるなんて。」鬼子は女の子の優しい表情をみてつい涙目になってしまった。
女の子はその鬼子の姿を見て、呆然としている。
【長編SS】日本鬼子SSスレ3【巨大AA】
32 :時の番人[sage]:2010/12/21(火) 19:57:46 ID:GCCt4K/P
「うわぁ〜綺麗ね、この絵。」鬼子はチョコンと女の子の横へ座り、その絵を眺めた。
「すごいなぁ〜。こんな綺麗な絵、描けるなんて。」鬼子の目がキラキラしている。
女の子は少しためらいながら言った。「そ、そう?。有難う。」
鬼子はニコッとしている。
「私、ひのもとおにこって言います。宜しくね!」満面の笑顔だ。
「あっ。わ、私、田中みこと。宜しく。」その女の子は恥ずかしそうにそう言った。
「本当はね・・・」その田中さんが続けて言う。
「今日約束してた友達が、みんな駄目になっちゃって。・・と、友達少ないから他に誰も呼べなくて・・・。」
少し寂しい表情をしていた。
すると鬼子は目をキラキラさせながら自分を指差している。
「え?」田中さんは最初意味が解らなかった。
鬼子は目をキラキラさせたまま、まだ自分を指差している。
「え?友達になってくれるの?鬼子ちゃんが?」
その言葉を聞いた鬼子はブンブンと顔を縦にゆらす。
「あ・・・有難う。嬉しいなぁ。」田中さんは強引な鬼子のその提案を、理解しがたかったが、
嬉しさもあって受け入れてくれた。
「みことチャンかぁ。家には巫女さんがいるなぁ。みことチャンにみこさんかぁ。何か似てる。」とボソッと言った。
「え?何?」と田中さんが言う。
「ううん。何も無い。こっちの話し。」と鬼子は手を振り、苦笑いしながらそう答えた。
ヒワイドリは、後ろを向いて口に手を当て肩を揺らしながら笑っていた。俺に似てきたと思ってるのだろう。
「鬼子ちゃん。暖かいお茶でも飲む?寒いでしょ。」と田中さんが言ってくれた。
その言葉を聞いた鬼子は目から大洪水がおきている。鬼子は人間の民の優しい言葉に弱いみたいだ。
「鬼子ちゃんは何処に住んでるの?」と田中さんが聞いてきた。
「鬼狐神社です!」と鬼子は元気良く答えた。
【長編SS】日本鬼子SSスレ3【巨大AA】
33 :時の番人[sage]:2010/12/21(火) 19:59:07 ID:GCCt4K/P
「え・・・鬼子ちゃんは神社の子だったんだ。めずらしいね。」田中さんは街中の子と思い込んでいたみたいだ。
「そ、そうですか?めずらしいですか?変ですか??」鬼子は田中さんの目をじっと見つめながらそう言った。
田中さんはたじろぎながら、「い、いや。私、街中に住んでるんで、まわりにそういう子居ないから・・・。」
「そうなんですか。じゃぁ私が神社の子第一号って訳ですね!」何故か喜んでいる鬼子。
「ハ、ハハハ・・。第一号って・・。」田中さんは反応に困っている。
「私最近こっちに引っ越してきたばかりで、知り合いも少ないし、友達全然いないんですよ〜。」と鬼子が言う。
この言葉はきび婆から教えてもらった言葉だが。
「街中も一度だけ出た事あるんですけど、もう迷っちゃって迷っちゃって。」と鬼子は照れ笑いしている。
迷ってはいないが、心が無く、色々あって記憶が飛んでいたのは確かだ。
「そう、引っ越してきた時って解らない事だらけだもんね!」田中さんは優しくそう言ってくれた。
「解ってもらえます?この寂しい気持ち!?」と鬼子はまた涙目になりながらそう言った。
田中さんは、やはり又たじろぎながら「解る、解る・・。最初は寂しいもんね。友達もいないから。」と言った。
鬼子は田中さんの方を見て、またまた目から大洪水をおこしている。
そんな鬼子を見ていた田中さんは、鬼子の事を可哀想な子だな〜っと思い始めた。
「あっそうだ。鬼子ちゃん明日は暇?」と田中さんが聞いてきた。
唐突な言葉だったが鬼子は「うん」と答えた。
「私いつも暇なんです・・。友達いないから・・・。」また、自虐的な鬼子の言葉・・・。
「そ、そう。よかったら私と一緒に街中へ出てみる?明日の午後から街がクリスマス用にライトアップされて綺麗なの。
それを見ながらショッピングでもしない?友達になった証として。」
田中さんもライトアップされた街中をワイワイと話をしながら友達と歩きたかったみたいだった。
【ダー】っと鬼子の目から涙が流れる。涙で体が流されていく勢いだ。
「い・・いいんですか?こんな私と一緒で・・いいんですかぁ・・?」
「い、いいよ。私も街中へ出たかったし、お喋りするの楽しいもんね。」そう言ってくれた田中さんの笑顔が
鬼子にはキラキラ輝いてるように見えた。
「た、田中さんって、優しい人ですね〜。本当に優しい人です〜。」
鬼子は涙を流し、鼻水を流し・・本当にグダグダだった。

田中さんと別れ、神社へ戻った鬼子。
友達が出来た事をきび爺、きび婆、その他の人達に楽しそうに話をしている。
鬼子の部屋には、そっと小さな赤い色のお守りが飾られていた。


「日本鬼子・ひのもとおにこ」〜第五章〜【鬼子はお洒落通!?】に続く。投下終り。

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【心の鬼】萌キャラ『日本鬼子』製作21【募集中】
517 :創る名無しに見る名無し[sage]:2010/12/21(火) 20:31:42 ID:GCCt4K/P
>>369です。
>>516詠麻呂さん。その歌、第六章で使わせてもらっていいでしょうか?
ここ、ネタ多いなぁ〜!



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