- ロワイアル×ロワイアル Part1
112 :◇EASY8BNCiM『鎌鼬の夜』 代理投下[sage]:2010/12/20(月) 00:11:28 ID:e+JvZffr - 「ぬぅ……殺し合いとは」
名簿に視線を落としながら、筑摩小四郎は一人、呟いた。 緑が生い茂るこの空間に、今の所気配は感じられない。 「天膳様に姫様まで……」 名簿には『薬師寺天膳』と『朧』の名が、確かに刻まれている。 両名共に、伊賀鍔隠れの忍であり、彼が絶対の忠誠を誓う者達だ。 小四郎は顔をしかめる。 何故、お二人が『ばとる・ろわいある』などと言う馬鹿げた争いに巻き込まれなくてはならないのか。 天膳様も、姫様も伊賀鍔隠れを支える忍。 伊賀と甲賀、両一族の命運を分ける忍法勝負に勝ち残る為には、無くてはならない存在なのだ。 ――こんな場所で、殺されていい訳がない。 (お守りせねば……) 主君の死。それ即ち、従者の死。 一刻も早く二人を見つけ出し、被害が及ばないように護衛しなくてはならない。 全ては伊賀の為。そして――自らの忠義の証明の為。 (そういえば、『支給品』なる物を見ていなかったな) 一旦地べたに座り、名簿を一旦傍らに置く。 そして、『でいぱっく』に手を伸ばすと、何か武器は無いかと中身を漁り始めた。 布製の袋に手を突っ込み、それらしき物を探す。 「むッ、これは」 最初に『でいぱっく』から取り出されたのは、彼には馴染み深い武器であった。 『鎌』。 湾曲した刃を持ったそれは、紛れもなく鎌であった。 本来小四郎が所持していた物とは大分違いがあれど、扱いなれている種類の武器が入っている事に、 小四郎は一瞬――本当に一瞬だけ――主催者の影のような男に感謝した。 (きゃつの話によれば、『支給品』はまだ入っているらしいな) 影男の話では、『支給品』は二つか三つ入っているらしい。 という事は、まだ最低でも一つは、この袋の中に『支給品』が入っているという事だ。 それも使い勝手の良いものだと助かる――そう思いながら、 小四郎は『支給品』を取り出そうと『でいぱっく』に手を伸ばし――。 「…………ッ!」 『でいぱっく』に伸びていた右手を引っ込め、代わりにその手で鎌を握る。 弾かれた様に立ち上がり、周囲を見回す。 ――『何か』を、感じた。 できれば、今は感じたくないものを感じてしまった。 間違いない。これは――――人間の気配!
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113 :◇EASY8BNCiM『鎌鼬の夜』 代理投下[sage]:2010/12/20(月) 00:12:07 ID:e+JvZffr - 「――――何奴」
気配のする方向に身体を向け、それの持ち主に問いかけた。 鎌を握る力が、自然と強くなる。 「失礼。驚かせてしまったようですね」 丁重な口調で、目の前の存在は言った。 声質からして、男性であるのは間違いないだろう。 「あなたと殺し合うつもりはありません。どうかその鎌をこちらに向けないでもらいたい」 「ぬかせ。姿を見せぬ輩の戯言を聞く耳は持ってはおらぬぞ」 「……分かりました。少し待っていて下さい」 少ししてから、男は影の中から姿を現した。 「姿は見せましたよ。そろそろ警戒を解いてくれませんか?」 「ムッ……」 見た所、男は妙な格好こそしているものの、武器らしき物は持ってはいない。 どうやら、本当に戦うつもりは無さそうだ。 鎌を握る力が、若干だが緩んだ。 「その口ぶり、お主も『ばとる・ろわいある』とやらに乗ってはおらぬようだな」 「当然ですとも。主催者の言いなりになるつもりは、毛頭ありません」 つまりこの男も、自分と同じで『殺し合いには乗らない』という方針をとっているらしい。 無駄な戦闘を行なう必要は無くなったという事だ。 「『お主も』と言う事は、あなたも殺し合いには乗っていない様ですね」 「まあな。おれにはやらねばならぬ事があるのだ。殺し合いなどやっている暇など無い」 「それを聞いて安心しました。……どうでしょう? しばらく私と行動を共にするつもりはありませんか?」 「何?」 いきなり何を言っているのだ。この男は。 彼の言っている事は、見ず知らずの者に背中を見せるという事と同義だ。 それがどれほど危険な事かを、小四郎は良く知っている。 「断る。時は一刻を争うのだ」 男と馴れ合っている暇など無かった。 こうしている間にも、天膳様は『死んでいる』かもしれないのである。 会話の時間すら、彼には惜しい。 「『やらねばならぬ事』の為、ですか」 「そうだ。安心しろ。他人に害を与えるつもりは無い。人を探すだけだ」 「……では、その人探し、私に手伝わせてはくれませんか? 見つけ次第、必ず保護すると約束しましょう」
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114 :◇EASY8BNCiM『鎌鼬の夜』 代理投下[sage]:2010/12/20(月) 00:13:29 ID:e+JvZffr - 予想外の反応に、小四郎はきょとんとした顔を見せた。
それを手伝ったとして、何の得があるのだろうか。 この男の行動、全く理解し難い。 だが、善意で言っているのを無理やり拒否するのも少々気が引ける。 かと言って、外見や性格まで話している程の時間も無い。 ――仕方あるまい。相手には失礼かもしれないが、名前だけ教える事にしよう。 ◆ 「――『朧』と、『薬師寺天膳』だ」 「ふむ、変わったお名前ですね。外見はどのような――」 香川は、小四郎にそう聞こうとしたが――いつの間にか、男は『消えていた』。 驚いて辺りを見回すが、もう何処にもその男はいない。 瞬きをしている間に、去ってしまったのだろうか。 それにしては速過ぎる。人間の出す速度とは到底思えない。 まるで疾風。まるで――――鎌鼬。 【A-3/森林/深夜】 【筑摩小四郎@バジリスク〜甲賀忍法帖〜】 [状態]:健康 [装備]:鎌@バトルロワイアル [道具]:基本支給品、不明支給品1〜2 [思考・状況] 基本行動方針:天膳様と姫様(朧)を守る。その為にも一刻も早く合流したいが……。 1:無駄な戦闘は避ける。 2:他者と行動するつもりは無い。 ※香川英行の名前を知りません 【香川英行@仮面ライダー龍騎】 [状態]:健康 [装備]:オルタナティブ・ゼロのカードデッキ@仮面ライダー龍騎 [道具]:基本支給品、不明支給品0〜1 [思考・状況] 基本行動方針:殺し合いには絶対に乗らない。 0:あの男は……。 1:『朧』と『薬師寺天膳』を探して保護する。 ※筑摩小四郎の名を知りません ※『朧』と『薬師寺天膳』の外見を知りません 32 名前: ◆EASY8BNCiM[sage] 投稿日:2010/12/19(日) 20:54:13 ID:4WKuLtsM [5/5] 投下完了 タイトルは『鎌鼬の夜』で どなたか代理投下をお願いします 代理投下終了
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