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【長編SS】日本鬼子SSスレ3【巨大AA】

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【長編SS】日本鬼子SSスレ3【巨大AA】
20 :少年と女神様 1/4[sage]:2010/12/19(日) 22:56:45 ID:jrkibg8j

鳥の羽ばたく音とともに小日本は目を覚ました。

「ん〜? ヒワイドリ?」

そう呼びかけるも返事はない。
周りを見渡すとそこは、綺羅星のごとき明かりが天井に輝き
床には闇色の絨毯が敷き詰められた壁のない不思議な部屋だった。
ここはどこなのか訝しみながらさらに目をこらすと遠くに少年が見える。
俯いて立ち尽くす少年はなんだか今にも泣き出しそうに見えて、気になった小日本は少年へ声をかけた。

「ねぇ、どうしたの? どこかいたいの?」

小日本の問いかけに驚いて少年は顔を上げた。
どうやら声をかけるまで小日本の存在に気づいていなかったのようで、
慌てて笑顔で挨拶をしてきた。

「こんにちは。 僕は大丈夫だよ、ちょっと失敗しちゃって落ち込んでいただけ」

少年は苦笑いしながら話を続けた。

「僕、とある女神様にアタックするためにここまで来たんだ。
でも、女神様に見とれてたら途中で躓いちゃって、
……気がついたら女神様は遠くに行っちゃってたんだ。
僕の足ではどうしても追いつけなくて。
どうしようと途方に暮れてたらお家から連絡が来て、
6年後にもう一度女神様がここを通るから、まだチャンスはあるよ!っていわれて
僕、もう一回アタックするためにここで待つことにしたんだ。」
「まぁ! 素敵!!」

恋の話に目がない小日本は両手を握りしめて目をきらきら輝かせる。

「でも、出会えなかったらどうしようとか、一人で待ってたらいろいろ考えちゃって……」

少年は再び俯いてしまった。
その様子に胸が痛んだ小日本は、自分に出来ることに気がついて決心をした。
【長編SS】日本鬼子SSスレ3【巨大AA】
21 :少年と女神様 2/4[sage]:2010/12/19(日) 22:58:04 ID:jrkibg8j
「小日本に任せて! 必ず出会えるよ!」
「え?」

驚く少年をよそに、小日本は少年の小指の先の空間を掴む仕草をした。
すると少年の小指が何かに引っ張られる。

「な? なに?」

何が起きてるか理解できない少年をおかしく思いながら
小日本は手に取った見えない糸をたぐった。

「大丈夫、まだ縁は切れていないよ」

そうつぶやいて糸にくちづけ詔を唱えると
小日本の周りに桜の花びらが舞い、少年の小指に結ばれた糸が光りだした。

「いつの間にこんな糸が?」

光り輝く糸は少年の小指から遙か先の遠き闇へと伸びている

「君と女神様の縁を強く結びつけたよ。これで必ずあえるからね! あ、でも、アタックは自力で頑張ってね」

小日本はファイトと少年を応援した。

「この糸が輝いてる限り、僕は必ず女神様にあえるの?」
「うん、必ず出会えるよ! でも、アタックが上手くいくかは君次第だけどね」
「そっか、必ず出会えるんだ。ありがとう! 次こそはアタック成功させるよ!」
「うんうん、その意気よ! 頑張ってね!」

二人が笑顔をかわしていると、再び鳥の羽音が聞こえてきた。
そのとたん世界が輝きだして小日本は目を開けていられなくなる。
【長編SS】日本鬼子SSスレ3【巨大AA】
22 :少年と女神様 3/4[sage]:2010/12/19(日) 22:59:01 ID:jrkibg8j
「そこで目が覚めたの」

洗濯物かごを抱えた鬼子の横で小日本がニコニコしながら今日見た夢を話していた。

「素敵な夢ね、6年後かなうといいわね〜」

リビングのこたつでくつろいでいた日本狗にも二人の話し声が聞こえている。
TVからは金星探査機「あかつき」の金星周回軌道投入失敗のニュースが流れていた。
あぁ、これかと気づいた日本狗は目の前にちょこんと座る黒い小鳥を見つめつつため息をついた。
小鳥は三本の足を使って器用にミカンの皮をむいて実をついばんでいる。

「小日本の夢枕に立ったのはお前だろ、八咫烏」
「ヤタは導くだけなう。 縁を結ぶのはヤタの仕事ではないなう」
「それで小日本を連れて行ったのか。 んで、思惑通りにいったと」
「なんのことかサッパリなう」
「けっ、よく言うぜ。 まぁ、小日本が喜んでるからいいけどよ」

再びため息をついた日本狗の頭の上に八咫烏がぴょんと飛び乗った。

「ヤタはそろそろ帰るなう お外まで送るなう」
「なんだよ、もう少し居てもいいのに」
「サッカーの試合があるなう 加護するなう」
「あ〜。そういやそっちの神様もやってたっけ」

やれやれと愚痴りながら立ち上がった日本狗は八咫烏を頭に乗せたまま玄関へ向かった。

「あら? お客様がいらしてたの? ずいぶん可愛らしい、黒い……すずめ?」

洗濯物を干し終えた鬼子は玄関先で日本狗達に気づいた。

「ヤタはすずめじゃないなう」

鬼子の問いかけにそう答えると八咫烏は日本狗の頭から飛び降りる。
地面に降り立つとその体長は人ほどのサイズになっていた。
【長編SS】日本鬼子SSスレ3【巨大AA】
23 :少年と女神様 4/4[sage]:2010/12/19(日) 23:00:01 ID:jrkibg8j
「わっ でかっ! って、八咫烏様でしたの?」
「すご〜い でっかい烏だぁ。 背中に乗って飛べそうだねー」

鬼子の横で小日本も八咫烏に気づいて小躍りする。

「世話になったなう 上手くいったらハヤブサと一緒にお礼に来るなう そのとき背中に乗せてもいいなう」
「本当? 背中に乗せて飛んでくれるの−?」
「うむ、そのときを楽しみに待つなう」
「わーい で、何が上手くいったらなのー?」
「6年後まで内緒なう」
「えー?」

訝しげな小日本の頭を八咫烏は大きな羽でなでた。

「どういうこと?」
「さぁな」

鬼子が日本狗に問いかけるも日本狗は苦笑いするばかりだ。
そのとき、垣根の茂みから青年が飛び出してきた。

「ヤタちゃ〜ん! 探したよー」

その青年は大和朝廷時代のような髪型と服で、
その上からサムライジャパンの応援用ユニフォームを着ていた。
その素っ頓狂な出で立ちのため折角のイケメンが台無しである。
しかし、その身からは神気が漂い、位の高い神だと鬼子達は感じた。

「ヤタちゃん探してたら、すぽぉつ用品店見つけて〜、安かったから買っちゃったー」
「ジンムー 社で待ってろと言ったなう 無事に出会えたからいいけど、また迷子になったら困るなう」

ばさりと羽ばたいた八咫烏は神武の頭を鷲掴みにすると高々と飛び上がった。

「大丈夫大丈夫、結果往来! さぁ、試合会場行こう! 麦酒買っていい?ほっとどっくも食べたいなー」
「脂肪フラグたちまくりなう プニったら運ぶの大変になるから嫌なう」
「あ、来る途中の駅前におからどぉなっつ屋さんがいたからそれも買っていきたいなー」
「そんな時間ないなう 直行なう」

そんな会話をしつつ八咫烏と神武は遠ざかっていった。

「え? え? まさか神武天皇!?」

狼狽える鬼子をよそに、日本狗も小日本の頭をなでる

「上手くいくといいな」
「んー? なんだろ? でも上手くいくといいなー 背中に乗せてもらいたいもん」

笑顔の小日本につられ日本狗も笑顔になる。
その後ろではサイン貰えば良かったーだとかよく分からないことをつぶやく鬼子の姿があった。


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