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創る名無しに見る名無し
ロスト・スペラー

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ロスト・スペラー
62 :創る名無しに見る名無し[sage]:2010/12/14(火) 22:20:18 ID:Mb+pvZd7
『海洋魔法<オーシャン・ミスティック>』

『海洋魔法<オーシャン・ミスティック>』とは、新種の『外道魔法<トート・マジック>』の一つである。
『魔法大戦<スクランブル・オーバー>』後、最近になって確認された外道魔法で、名も無い小島で発生した。
主な内容は、海流支配、一部の天候操作、潜水・遊泳、水中呼吸、海棲生物との会話。
海に関する魔法であり、「人魚の魔法」とも呼ばれている。
使い手は、『唯一大陸』から離れた小島に暮らす、辺境住民の少女。
少女は島民の中でも特異な存在で、海洋魔法は彼女が独自に開発した物だった。
少女が、周辺小島群と交流のある、第六魔法都市カターナに興味を持った事が、
『共通魔法<コモン・スペル>』と海洋魔法の邂逅の切っ掛けになった。
少女に敵意が無かった事、カターナ市民の大多数が拒否反応を示さなかった事、
幾つかの幸運が重なり、海洋魔法は共通魔法と敵対せずに済んだ。
その後、少女の協力で、海洋魔法の一部は、共通魔法に組み込まれた。
これによって、今後、海底探査が進行する物と期待されている。
『海洋魔法使い<オーシャン・ミスティック>』のカターナ来訪は、『共通魔法使い<コモン・スペラー>』達に、
一つの教訓を遺した。
それは、見知らぬ魔法を恐れず、理解する事の重要性である。
もし、カターナが、能天気な市民が暮らす都市ではなく、グラマーの様に『魔導師会』を重視する、
厳格で排他的な都市だったならば、市民は海洋魔法使いの少女を拒んでいた。
『魔導師会』は、海洋魔法を容赦無く取り締まり、封印したに違い無い。
少女は、今も小島で暮らしており、時々、カターナに訪れる。
カターナ市民は、この友好的な海洋魔法使いを、大いに歓迎する。
ロスト・スペラー
63 :創る名無しに見る名無し[sage]:2010/12/14(火) 22:22:16 ID:Mb+pvZd7
『呪詛魔法<カース・シューティング>』

『呪詛魔法<カース・シューティング>』とは、『外道魔法<トート・マジック>』の一つである。
旧暦で勢力を誇っていた、『古の賢者達<オールド・ウィザーズ>』の一。
恨み・憎しみ・妬みで、人を呪う魔法で、旧暦当時から、邪術と呼ばれ、忌み嫌われていた。
それでも『呪詛魔法使い<カース・シューター>』は、人々に必要とされた。
些細な鬱憤晴らしから、復讐・謀略まで……。
最も恐るべきは、人を恨まずにはいられない、人の心だった。
一部の呪詛魔法使いは、王侯貴族に付いて、権力闘争に加担した。
しかし、実力と権威は持っていたが、その性質から、決して王にはなれなかった。
旧暦、呪詛魔法使いは、『共通魔法<コモン・スペル>』が未熟だった頃は、無視していたが、
共通魔法に、呪詛返しの魔法が生まれると、これを滅すべく敵対した。
呪詛魔法使いに呪い殺された『共通魔法使い<コモン・スペラー>』は、数知れない。
現在、呪詛魔法の一部は、共通魔法に組み込まれいてるが、A級禁呪に該当する物が多い。
『魔法大戦<スクランブル・オーバー>』後も、呪詛魔法使いは、しぶとく生き残っており、
時に事件を起こしては、『魔導師会』の指示で、討伐対象になる。
ロスト・スペラー
64 :創る名無しに見る名無し[sage]:2010/12/14(火) 22:24:10 ID:Mb+pvZd7
禁呪の研究者

『魔導師会』には、『共通魔法<コモン・スペル>』の研究者がいる。
『禁断共通魔法<フォビドゥン・コモン・スペル>』に関しても、専門に研究・開発を担当する者がいる。
研究成果は、『禁呪の書』に記録され、それを一般の者が目にする機会は無い。
『禁呪<フォビドゥン・スペル>』の研究者は、孤独である。
自由な移動と、他人との接触を制限され、研究者を辞めた後も、監視が付き纏い、
『執行者<エグゼキューター>』の影に怯える生活を送る。
新しい呪文を発見しても、それが評価される事は、決して無い。
禁呪の研究者を動かす物は、純粋が過ぎて、狂人的な、知的好奇心である。
好奇心が尽きた時、禁呪の研究者は、毎日が苦痛になる。
……と、大袈裟に言ったが、実は、家庭を持って、毎日を平穏に過ごしている研究者もいるので、
規則さえ守っていれば、何も恐れる事は無い。
神経が太ければ、監視の目も気にならないし、収入も並みの『魔導師』の数倍ある。
しかし、事実として、精神を病んでしまった者は存在する。
元から狂人の気がある者が、研究者になる事に加え、機密漏洩を防ぐ為、魔導師会が折を見て、
軽度の脅しを掛けるのも、発狂者が出る一因となっている。
これ等が、不気味な噂となって広まり、憶測が憶測を呼んだ結果、魔導師のみならず、市民の間でも、
禁呪の研究者の評判は、散々な物になった。
禁呪の研究者と云うだけで、狂人・危険人物扱いされる始末。
人々は、巻き込まれる事を恐れ、禁呪の研究者を避ける。
実際、禁呪に関する機密を偶然知ってしまい、処刑を免れる為に、仕方無く研究職に就いた者もいる。


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