- クロスオーバー創作スレ5
99 : ◆9ww4lHcaLU [sage]:2010/12/13(月) 00:05:03 ID:1d1Zy2Ns - 続きです。
ここから先は自己見解多めになると思います。 度が過ぎるほどではないかと思いますが、苦手な方はご留意ください。 ◇ 「……」 赤い液体に満たされた容器の中に、人間といえるかどうかすらわからぬ、ヒトガタが浮かんでいる。 ―――生命維持は機械に頼り。 ―――知能さえも機械に預け。 世界最高峰の魔術師と言われたものは、今や科学技術の塊と化している。 そんな、男にも女にも、老人にも成人にも囚人にも聖人にも見えるものは、一言、 「この野郎…………………………………!!!!」 怒りを込めて呟く。 目の前に、一つの天使【エイワス】が現出する。 「おや、ここしばらくで見ない感情の現れだね」 器の小ささが知れるぞ、と呟く。 「別に望んで感情を排しているわけではないのでね。必要とあらば、排出する他ない」 と、アレイスター。続けざまに、 「……見逃せない誤差だ。一方通行【アクセラレータ】は魔術を会得。浜面仕上は『素養格付【パラメータリスト】』を手に入れる。何より『幻想殺し【イマジンブレイカー】』が―――」 普段にはない饒舌ぶりが、彼の怒りを露わにしている。
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100 : ◆9ww4lHcaLU []:2010/12/13(月) 00:05:53 ID:1d1Zy2Ns - ―――。
かっ、かっ、かっ。 足音。 窓もドアもないビルの、中。 空間移動能力者【テレポーター】でもなければ入れないビルの、中。 ...... ただの魔術師は、アレイスターの前へと歩む。 「……、ッ!」 驚いたのは、エイワス。 青ざめたプラチナのような翼をはためかせ、散る。 「残念だが失礼する。その男は何かと”苦手”でね」 ゴガァア!!と、炸裂音が響く。 「不倶、」 エイワスの去り際に放った一撃も、一言の結界に静止(とど)められる。 「君の作品は不出来だな」 「『相克スル螺旋』程ではないがな」 見えない緊張の糸。 互いが互いを、”敵”としている。 「……何の用事だ」 「言うまでもあるまい」 「上条当麻の失踪は君の仕業か」 ............ 「わかってると思うが、個人としてやったことではない。興味ある対象が望んだから、そうしたまでだ」
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101 : ◆9ww4lHcaLU []:2010/12/13(月) 00:07:30 ID:1d1Zy2Ns - ―――トン
魔術師【侵入者】の肩に、手が置かれる。 ビーカーに浮かぶ者の、ではない。 ―――歴代最高峰の魔術師、アレイスター=クロウリ―の手だ。 「次元をすでに凌駕するか」 思わずつぶやく侵入者―――荒耶。 二人いるとか、そういう次元ではないのだ。 そこにも、居る。 容器の中にも、目の前にも。 どこにもかしこにも見渡しても――――ッ! 「―――邪魔をするな」 男にも女にも、囚人にも、聖人にも子供にも大人にも聞こえる声で―――!! 「金剛、」 バキィン! 金属がぶつかり合う音とともに、戦闘が開始される。 「準備運動は必要ないのか?」 「君程度の相手なら必要ないさ」 衝撃の杖は、動きを止められていた。 「蛇蝎、」 上方から覆い被さるように、杖を突きだして襲いかかったアレイスターだったが、魔術師は動きもせず、言葉を紡ぐだけでそれを受け止める。 魔術師の右手が、アレイスターの眼前へと迫る。 しかし、当たらない。 『静止』していたアレイスターは、もう居ない。 次に魔術師を襲うのは、後方、死角からの一撃―――ッ! 「戴天、」 左手で杖は握りとられる。 アレイスターは焦りもせず、呟く。 「消飛べ」 ドン! 短い炸裂音とともに、杖を握られていた位置が爆散する。 しかし、爆風や、熱、音までもが大気の流動と同じく『静止』していた。 この程度の攻撃では、魔術師に届きすらしない。 判断したのか、アレイスターは 「―――神よ、なぜ私を見捨てたのですか」 紅い光線が迸り、魔術師の背後を狙う。 やはり、アレイスターは『空間』や『存在』という次元、概念を凌駕しているようだ。 「ぐっ……」 左手を突き出して、魔術師は応戦し、 「、頂経」 死なない左手は、かつて炎の魔術師を苦しめた一撃をものともしない。 しかし、魔術師は攻撃に転じることができない。 そもそも、視認しているアレイスターに攻撃を当てたところでダメージが入るかどうかもわからない。 「……なぜ魔術を使う」 魔術師は、素直に疑問に思ったことを口にする。 アレイスターは、魔術を捨てた者。そして世界の敵となったもの。 その男がいまだ魔術に頼るというのは、いささか疑問である。 ........ 「私の作品の術式だ。お披露目しておこうと思ってね」
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102 : ◆9ww4lHcaLU []:2010/12/13(月) 00:11:19 ID:1d1Zy2Ns - 「―――ッ!」
第一の結界が破られる。 「(竜王の殺息【ドラゴンブレス】…!?)」 あらゆるものを『静止』させる結界だが、質・破壊力がケタ違いの竜王の殺息の前ではどんどんジリ貧になる。 「私こそ疑問だ。『抑止力』を相手取る君が、なぜ私に立ち向かう?それでは君が『集合的無意識』に従っているようなものだ」 ............... 「逆だ。今後の展開次第では、お前こそが私の抑止力になりうる。アレイスター」 「―――『ペクスヂャルヴァの深紅石』」 会話こそ交わしているものの、戦闘中である。 なにかが来るとすぐに察知した魔術師は、後方へ飛び退こうと足を前に突き出して地面を蹴り―――。 「ぐっ……ぐがぁッ!」 直後、魔術師の足先から足首、脛、膝、へと、強烈な痛みが這い上がる。 まるで関節を強引にずらすような痛み。 思わず膝をつく。 「―――終わりだ」 アレイスターの一言。 そして、魔術師の全身の骨は砕け散――― ..... るはずだった。 「……右手……だと……!」 魔術師は右手で足を叩きつけていた。 這い上がる痛みが全身へ渡る前に―――ッ! .... 「あの妖怪とは事前に密約を交わしている」 例えばこの右手のように―――と、魔術師。 次の瞬間、爆発的な脚力でアレイスターの眼前へと迫るッ! 「フィアンマと同じ手か。右手を取り込んだ程度でいい気になるな」 迎え撃つアレイスターはねじれた杖を魔術師へ向け、 「 」 聞こえぬ声でなにかを言う。 そして、 ―――トン あまりにも軽い音。 「取り込んだだけでは、大した力にはならぬか。やはり、あの少年が身に付けてこその右手【イマジンブレイカー】」 魔術師の右腕は、肩口から綺麗さっぱり切断されていた。 流血はなく、切断面は空洞であるかのように真黒だ。 「……やはり、お前の領域内【テリトリー】では分が悪いか」 ここは素直にひかせてもらう、と魔術師。 アレイスターは止めない。まるで、いつでも相手にできるとでも言うかのように。 「君よりも優先して相手取るべきなのは――――――」 ―――あの妖怪だからな―――。
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103 : ◆9ww4lHcaLU []:2010/12/13(月) 00:12:14 ID:1d1Zy2Ns - 今の所ここまでです。
では、問題点などをばしばし指摘お願いします。
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