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創る名無しに見る名無し
グラウンド・ゼロ ◆tH6WzPVkAc
◆tH6WzPVkAc
ロボット物SS総合スレ 45号機

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ロボット物SS総合スレ 45号機
772 :創る名無しに見る名無し[sage]:2010/12/06(月) 09:16:45 ID:cqpQOCEF
ちょっと目を離したら動画とかいう凄まじいものや歯車さんの二次とかいうとんでもない状況になってて、ポルナレフの気持ちが少しわかったでござる。


そしてちょっと投下しますよ・・・・・
ロボット物SS総合スレ 45号機
773 :グラウンド・ゼロ ◆tH6WzPVkAc [sage]:2010/12/06(月) 09:18:20 ID:cqpQOCEF
 開戦してから半月も経たないうちに勝負は見えてきてしまっていた。
 連合がわにつく国は少しずつ減っていき、その数は初期の3分の2にまでにな
った。これでは最初に計画していた作戦の進行に支障が出てくる。
 各国首脳は悩んでいた。
 歩行要塞を落とすにはどうすればよいのか。
 敵の補給ルートを断つという作戦は初期の作戦と平行して行っていたが、すで
にこの半月の間に成功の見込みがどんどん薄くなってきている。
 全戦力を一気に投入すれば倒せる可能性も、ゼロではないかもしれないという
程度だが、ある。だがもしそうなって敗北したら、本当に取り返しがつかなくな
る。しかも短期決戦は向こうも望むところなのだ。
 遠距離からありったけのミサイルを叩き込むのは、歩行要塞のミサイル迎撃装
置の性能を知っていたら考えもしないだろうし、AACVまでも加わったらミサ
イルが命中する確率はいよいよ絶望的になる。
 爆撃?出来たらとっくにやってる。
 地雷?今までに何人同じことを考えたと思う?
 細菌兵器?ジュネーブが邪魔だ。
 クラッキングをしてコンピューターを狂わせるか?そんなことができる才能の
持ち主なんてエスパーよりも希少だ!居るわけがない!
 一番可能性が高いのはやはり、全滅した第一陣が行った、チャフでレーダーを
妨害した上でのAACVによる近接戦闘だった。だがそれもあのゴールデンアイ
ズたちのおかげで成功の見込みが薄くなってしまった。
 打つ手無しだ。


 「――っつー状況になってるだろうな、恐らくは」
 彼はベッドにうつ伏せに寝転がり、ノートパソコンを目の前において何か作業
をしながら言った。
 リョウゴは少し離れたところで椅子に座り、彼を見ていた。
 馬鹿でありながら頭脳明晰の、AACV操縦の天才、ハヤタ・ツカサキは足を
ぱたぱたさせている。
「ツカサキさんは――」
 リョウゴは訊く。
「――これからどうなると」
「そーだなー……」
 彼はリョウゴへの回答を頭の中でこしらえつつも、指は止めない。
「もう3回だっけか、連合を返り討ちにしたのって。」
「はい。」
「じゃあ、もうそろそろ連合は降参するよ。向こうに戦いたがる人間はもう居な
いさ。国家への忠誠心とかいう訳のわかんねーもんに気を狂わされた奴以外はな
。」
「それは、やっぱり」
「生還率0%の作戦なんて参加したがる奴が出るわけねーからな。」
「だから、ツカサキさんはあんなことを?」
「『あんなこと』?」
 彼には本当に心当たりが無いらしかった。
 リョウゴはわずかに戦慄する。
「……虐殺です。」
ロボット物SS総合スレ 45号機
774 :グラウンド・ゼロ ◆tH6WzPVkAc [sage]:2010/12/06(月) 09:19:04 ID:cqpQOCEF
「んーまぁ、それもあるな。」
 精一杯に重みをつけて言ったつもりだったが、彼には意味が無かったようだっ
た。
「それ『も』?」
「何だ、嫌だったのか?」
 それでもツカサキはこちらを向かない。
 リョウゴは一瞬己の手のひらを見て、首を鳴らした。
「いいえ」
「無理しなくていいぜ。」
「いや、本当に」
「そっか。」
 ツカサキはエンターキーを押し、体を起こしあぐらをかいて、パソコンをその
膝の上にのせた。
「ところでさ」
 リョウゴは下がっていた視線を上げる。
「お前、新しいAACV欲しくね?」
「え?」
 唐突な話題だった。
「今の重装型じゃさ、正直ついてけてないっしょ?今までは俺らが守ってやって
たから大丈夫だったけどさー、この先はわかんないぜ?」
 その通りだった。
 リョウゴと周りのゴールデンアイズとは操縦テクニックに大きな差がある。攻
撃をしてくる連合のパイロットたちも手練れが多く、リョウゴ1人では勝てる気
がしない相手もザラにいた。
 それでも彼が生き残ってこれたのは常にツカサキや他のゴールデンアイズがそ
ばに居てくれたからだ。リョウゴには自分が足手まといになっている自覚があっ
た。
 リョウゴは肯定する。
「そっか。」
「新しいAACVって……」
「いや、今ちょっとこの歩行要塞の機密データバンクに不正侵入してたんだけど」
 休憩時間中に何トンでもないことやってんだアンタ。
「そこでちょいと面白いもんを見つけたからさ。」
「何を見つけたんですか?」
 ツカサキは頭の後ろに両手をやる。
「どうやら北米生存同盟は過去に無人AACVの開発をやってたみたいだな。結
局途中で行き詰まったみたいだけど。んで、俺が見つけたのはその人工知能プロ
グラム……の失敗作。」
「失敗作じゃあ、意味が無いんじゃ?」
 リョウゴの言葉に、ツカサキはケケケ、と笑った。
「時代はエコだぜリョウゴくん?分別&リサイクル。使えそうな部分だけパクっ
てきたよ。」
 なんだコイツ。
「後はこのプログラムをちょちょいと改造して、補給物質の発注リストを改竄し
て――……ヤバい、テンションあがってきた」
 そうして分身しかけるツカサキを見て、リョウゴはため息をついた。
 ――駄目だこいつ、はやくなんとかしないと……
ロボット物SS総合スレ 45号機
775 :グラウンド・ゼロ ◆tH6WzPVkAc [sage]:2010/12/06(月) 09:20:37 ID:cqpQOCEF
 薬品臭が鼻をついた。
 医務室にやってきたシンヤ・クロミネは近くの医師に許可をもらい、目的のベ
ッドへと歩いていく。
 ベッドのカーテンは開いていた。
 足音を聞き付けて顔を上げた、そのベッドでなにか点字で書かれた書類を読ん
でいた彼女は、こちらの名前を尋ねてきた。
 シンヤは名乗る。ユイ・オカモトは書類を封筒にしまった。
「こんにちは」
 彼女の方が先に言った。
 シンヤも返し、適当な椅子を引き寄せてベッドの横で腰かける。
「具合、良さそうだね。」
 そう言うと、オカモトは小さく頷いた。
「そうですね。今日はいつもより気分がいいです」
「よかった。すぐに全快するよ」
 “きっと”という言葉は飲み込んだ。
 シンヤは持ってきていた紙袋を膝に乗せ、中のものを取り出した。
「これ、差し入れ。」
 それをオカモトがさっきまで本を読んでいたテーブルに置く。
「芋羊羮だけど、食べやすいように一口サイズのやつを一箱分持ってきた。」
 オカモトはそれを聞いて、少し明るい表情になった。
「ありがとうございます、和菓子は大好物です。だけど……」
 彼女はシンヤを見て、そして微笑む。
「食べきれるか心配です。」
「いや大丈夫、オカモトさんならイケる。」
 握りこぶしを作ってシンヤは自信満々に言い放つ。
 オカモトは困ったように笑った。
「元気なときならできますけどね」
 妙な空気が流れた。彼女はあわてて付け足す。
「い、いえ、もちろん嬉しいんですが……その……」
「いや、ごめん……空気読めない冗談言って。」
 シンヤは頭を下げようとしたが、止めた。さすがに学習した。
「そういえばさ」
 気をとりなおして新たな話題を提供する。
「連合対同盟の戦い……同盟がわが有利らしいね。」
「そうらしいですね。」
「その、俺たちって一応連合がわってことになってるじゃん。」
 彼女は頷く。
「これからどうなるのかなー、て。」
「もし仮に――」
 オカモトが言った。
「――このまま歩行要塞がグラウンド・ゼロに到達し、コアを手に入れても、コ
ロニー・ジャパンはその恩恵を受けられないでしょうね」
 彼女は続ける。
「この国は莫大な賠償金と明らかに不利な国際条約を結ばされるでしょう。そう
なったら近い将来、財政が破綻して最悪、国家解体となるかもしれません。その
ための情報も、向こうは持っているみたいですし……」
 シンヤは頷いた。
「回避するにはどうすればいいのかは……」
「コンドウさん頼み、です。」
 そうオカモトは言いきった。
 この状況を打破するには、歩行要塞を潰すしかなく、そしてそれは――そのた
めの策をひねり出せるこの国で唯一の人間であろう――アヤカ・コンドウにかか
っているのだ。

ロボット物SS総合スレ 45号機
776 :グラウンド・ゼロ ◆tH6WzPVkAc [sage]:2010/12/06(月) 09:23:49 ID:cqpQOCEF
「無理ね」
 アヤカ・コンドウは力強く言い放った。
 彼女と向かい合うタケル・ヤマモトは改めて確認する。
「歩行要塞を倒すことが、ですか?」
 女は肯定した。顔にかかった黒の長髪を指で退ける。
「では我々は最早白旗を上げるしか手が無い?」
 ヤマモトが訊くと、しかし彼女は首を振る。
「正攻法では、の話よ。」
 アヤカはそっぽを向き、腕を組んだ。
「可能性はあるわ。しかし……」
「問題があるのですね」
「ええ。」
 アヤカ・コンドウは再びヤマモトに顔を向け、鋭い視線で射抜く。
「極めて勝ち目の薄いギャンブルになる。」
 ヤマモトは彼女を見つめ返し、そして訊く。
「今はまだ、その時ではないのですか?」
「実行すべきタイミングは、歩行要塞がコアを手にいれてから……」
「決着はグラウンド・ゼロで?」
「ええ」
 アヤカは笑っていた。うすら寒くなるような笑顔だった。


 歩行要塞は歩み続けている。
 そして、その時はやってきた。


 そこは平原だった。かつてその場所にあった小国たちは地下都市建設の予算が
確保できず、崩壊したと信じられていた。
 P物質が含まれる小惑星の欠片もほとんど見つからず、その地域はこの混沌と
した世界において真に見棄てられた場所となっていた。
 だが今、歩行要塞はそこに居る。
 彼らはついに見つけたのだ。世界を手に入れる権利を。光溢れる地上を灰と暗
闇の荒野へと変えた、小惑星の核を。
 それは灰の大地の奥深くに埋もれていた。果たして何人の人間がこの上を気づ
かないままに通りすぎたか――
 歩行要塞、グラウンド・ゼロ到達。


「ついにこの時が来ました。」
 歩行要塞司令官は、集まった一同に向かって言った。
「我々は今、歴史の節目にいます。」
 フミオ・キタザワはテーブルの上で指を組み、彼の話を聞いている。その椅子
のすぐ後ろにはスーツ姿のハヤタ・ツカサキが面倒くさそうに立っていた。
「ここから世界史の新たな物語が紡がれます。しかも素晴らしいことに、その筋
書きは我々にとって喜ばしいものとなるでしょう」
 司令官は椅子から立ち上がり、頭を深々と下げる。
「この偉業は皆様の御力無しには達成できませんでした。本当に、ありがとうご
ざいます。」
 彼は顔を上げる。近くの資料を手にとった。
「さて、今後の方針ですが――」
ロボット物SS総合スレ 45号機
777 : ◆tH6WzPVkAc [sage]:2010/12/06(月) 10:10:27 ID:cqpQOCEF
途中でさるってしまったので、この続きは避難所においておきました
ご迷惑おかけしました


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