- 【長編文章】鬼子SSスレ2【巨大AA】
153 :創る名無しに見る名無し[sage]:2010/11/27(土) 23:23:58 ID:OiJ0b4ij - >>150歌麻呂さん
や、むしろ言ってもらえたほうが後々変なこと書かずにすむ指針になると思うので、言って頂けたほうが良いです。 >>152 どんまいです!
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154 :創る名無しに見る名無し[sage]:2010/11/27(土) 23:25:35 ID:OiJ0b4ij - では張らせていただきます。
<本文> (むかしはなし) ___先ず「一つの鬼の唄」を童が唄った。 「鬼の居ない鬼ごっこ」の唄 それを聞いた周りの童部達は皆、その奇妙な唄に引かれ集まりだした。 「紅葉の葉に描かれたるは鬼の顔」 「鬼は紅葉となりて、名を隠す」 そんな戯事の唄は更に人を呼び集め、いつしか気づくと祭のような騒ぎと成り 幾千の童部の唄は、とうとう「八つの鬼」を召び出したのだった。 鬼を鬼で無くする為に、鬼らには「一つの名」が与えられた。 「ひのもとおにこ」と。 童部達は「戯事」に「祭り」に酔いしれる中で、八つの鬼の子らから一番鬼を決めようとした。 選ばれたるは長い黒髪、紅い目と紅葉柄の赤い和服姿、片手には大きな薙刀一振りを持った鬼の子である。 その鬼の子も大いに喜び、辺りを駆け回りそして、くるくると舞い踊りだした。 童部達も皆で踊り、祭りはまだ続くかの様に思われた。 すると何処からとも無く「鬼の子ら」とは明らかに違う声が耳に入ってきた。 「帰り道には気を付けなされ・・・」 それを聞いた童部達はふと我に帰りお互いの顔を見合わせた後、鬼の子の方を振り返る。 辺りの葉を萌やしながら勝手気のままに舞い踊りつづける鬼の子の姿が恐ろしくなり 童部達はその場から逃げ帰ってしまったのだ。 その後に「こひのもと」と名を与えられる禍(か)の子らが召び出されたのは、その話を聞いた また別の童部達によって召び出されたそうな。
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155 :創る名無しに見る名無し[sage]:2010/11/27(土) 23:26:23 ID:OiJ0b4ij - (ゆめうつつ)
「この子らに力添えしてやってほしい」 いつから其処に居たのか、いや、今自分が此処に来たのか。 暗闇・・・漆黒・・・・ とにかく「完全な黒」としか言いようの無い空間の中、突如話が始まる。 其処に「居る」のは、淡い銀色の髪を後ろで結わえ、目が青みがかった色白の「少女」である。 黒い空間の中に溶けることなく影もなく、その少女の紅白の和服姿がはっきり映しだされる。 そして一呼吸置き、涼やかな音で話は続く。 「粗方に式は完成しており、残りは我でも出来る事なのだが・・・其れでは効果が弱いのじゃ」 突如始まった話、そしてその「少女」が何者か解らないままで混乱しそうな ものなのだが、何故か自分の心は妙に穏やかで落ち着いている。 式とは・・・と、問い掛けようとしたが、自分の声の「音」が出ていないことに気付く。 其処に有る「音」は「少女」の話のみである。 「そこもとに来たる邪を迎え討つよう、この式を施し、惹かれ導かれし鬼の子らを置いた」 「式」の意味は解らないが、突如頭の中に図形の様なモノと、人らしきモノが八つ浮かんだ。 この図形が「式」で、そこに置かれた人らしきモノが「鬼の子ら」なのだろう。 咄嗟にそれは予想できたが、やはり意味は解らないままだ。 「各々の持つ力は強いが、その立ち位置に未だ慣れておらんのじゃ」 「そして少々不安ではあるが鬼の子らより後に導かれし、かの子らを鬼の子らに預けた」 続く話に合わせる様に頭に浮かんでいる図形の中の「鬼」の横に「小さな子供」が、 それぞれ「八人」順に映し出される。 「祀り始めじゃが立ち位置さえ確りしてこれば、問題は無かろと思っておる」 「立ち位置を確り指せるために、力添えしてやってほしい」 「如何な形であっても良い、この子らを受け入れ、そして愛でてやってほしい」 「それこそが力添えとなるのです」 「もし、そちにその気があるなら、じんしゃうもんを尋ねなされ」 「少女」の話はそれから続いたのか、終わったのか。おおよそ覚えている記憶は其処までである。
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156 :創る名無しに見る名無し[sage]:2010/11/27(土) 23:27:43 ID:OiJ0b4ij - (まよひが)
抜けるような青い空、少し肌寒いそよ風、大きなため息を一つ吐いた。 腰掛けていた岩から重い腰を上げ、太ももを軽く2,3度叩いて伸びをし、もう一度ため息をついた。 近隣の町人の話や文献から聞き読み拾った昔話を頼りに、赤や黄色の紅葉の葉が降り積もった山道を進んでるのだが、 積もった紅葉は一歩一歩踏み進む度にシューズを丸々包み込むほど深く、中々思うように足が運ばない。 時間ばかりが、だらだらと過ぎてしまっている様に感じていた。 この時期は山の日が落ちるのが早い、昼を回ったばかりだが周りの木も陰を伸ばし始め、うら寂しい色に染まってきていた。 こんな所に人なんて来るのか、いや途中で道でも間違えたか。 夢の中の話が気になって、調べていたら気になる符号点がいくつも見つかり 探さずには居られなくなっていた。反面、馬鹿馬鹿しいことに囚われ続けている 自分に腹が立ち、気のせいだったと言い聞かせる確固たる証拠が欲しかったのだ。 「・・・・あんな夢さえ見なければ」 深く考え込んでしまうぐらい現実味を帯びた夢だったのだ。 疲れや焦りから出る自問自答を考えるのも面倒になってきた、と思い始めた丁度その時。 目の前の視界が開けた。 周りに陰になるものが少ないせいなのか、先ほどより周りの日が淡く明るく差し込んでいる。 そして広場の少し先に、大きな黒みがかり苔むした岩が横たわっていた。 「あぁ、これがそうなのだな」 口から言葉を出したのは、これが違っていたらもう他を探す時間も無いから これにしようと自分に言い聞かせるためだったのか、それとも この「鬼」の顔のように見える「岩」が恐ろしく感じたからなのか。 「・・・特に何も無いな」 奇妙な気配と若干の異臭が気になり、夢はやはり夢だったと早々自分に言い聞かせ、 日暮れに入る前に下山しようと、きびすを返したが。 __当てはハズレていた。いや、むしろ気のせいではなかったから正しかったのか。 後に聞くとそれは「じんしゃうもん(人生門)」では無く、それは「きしゃうもん(鬼生門)」の 方だったのだそうだ。やはり途中で道を間違えてしまっていたらしい。 その鬼生門は、「鬼」が派生する場所らしく、たびたび鬼が現れては人を襲うのだそうだ。 そして、この少女はその「鬼」を退治してまわっているのだと屈託の無い笑顔で言いながら 机を挟んで座り、お茶を一杯もてなしてくれた。 そう、助けられたのだ。この笑顔でこちらをじっと見つめる「角の生えた」少女に。 <本文 結> 3パートに分かれてますが、こんな感じです。 稚拙な点や表現があると思いますが、何卒よろしくお願いいたします。
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