トップページ > 創作発表 > 2010年11月23日 > 5qTGpUYV

書き込み順位&時間帯一覧

1 位/173 ID中時間01234567891011121314151617181920212223Total
書き込み数020300000000000000000000023



使用した名前一覧書き込んだスレッド一覧
代理投下 ◇X5fSBupbmM
代理投下 そして少女は死んだ -The Elfin Knight- ◇X5fSBupbmM
創る名無しに見る名無し
ロボットアニメバトルロワイアル

書き込みレス一覧

ロボットアニメバトルロワイアル
28 :代理投下 ◇X5fSBupbmM[sage]:2010/11/23(火) 01:36:44 ID:5qTGpUYV
「戦闘があったことは確かなようだが……、誰もいないな」
『あちー』

 放送後のF-4の一画。溶けた道路を中心に、未だ炎が上がっている。
 炭化した街路樹を踏み砕き、そこに立つのは相羽シンヤ。
 漂う熱気に眉一つ動かさないまま、目の前に横たわる白と赤の異形を見下ろす。

(こいつが燃えていないところをみると……、火を使った戦闘に巻き込まれた訳じゃあなさそうだな)
『あっちーー』

 銃器が近くに転がっていたので確認したが、弾は入っていない。
 これによる火災だろうか。銃器をデイパックにしまう。
 役立ちそうにないが、最悪鈍器として使えばいい。

(武器か能力か……、道路を溶かすほどの炎を使う奴がいるのか。一応、警戒はしておいたほうがいいだろう)
『あっちーよーーー』

 ジャケットのポケットから聞こえる、夏奈の声は無視する。
 と、いうかお前ただの紙だろ。暑いとか寒いとか関係ないだろ。

『視覚嗅覚味覚触覚姉妹センサー、と完全装備ですがなにか? 今は真っ暗でなにも見えないけどな!
つーか、お前さっきから何やってんだー? 蒸し暑くてたまらないぞ』
「黙ってろ」

 なんで人の考えが分かる、とか、姉妹センサーってなんだ、とか五感一個足りてねえよ、とかとツッコむのは止めた。
 こいつのおしゃべりに付き合っていてはきりが無い。
 シンヤは足元の死体に目当てのものを見つけると、その場に屈んだ。
 白い異形はやる夫、その傍に横たわっているのは、"お姉ちゃん人形"こと6/。

281 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:16:09 ID:R31TZLSA0 [3/27]
 死体の格好から見て、柊つかさの話にあった涼宮ハルヒ主催のパーティ会場は、ここで間違いない。
 名も知らない男の亡骸があることと、炎が上がっている理由は掴めないが……。

(そんなことはどうでもいい)

 シンヤはそこまで理解した上で、なんの感慨も抱かずやる夫の頭部に手をかける。
 潰れて中身を露出させたイチゴ饅頭のようなそれを、胴体からねじ切った。
 銀色の輪を残して、邪魔になった饅頭は炎の中に投げ入れる。
 女の頸椎を力任せに折り、首と胴が泣き別れしている男からは、そのまま首輪を抜き取った。

「……制限ってやつにうんざりしててね。これは貰っていくよ」

 シンヤがつかさから聞いたこの場所に来た理由は、"一度目"の行動と同じ。
 強いられた制限の解除、即ち首輪の解体のためだ。

「……おい。お前の姉妹や知り合いに、機械に強い奴はいるか?」
『ん? んー、海馬なら……ダメだ、この会場にはいない。……もしかして、首輪持っているのか?』
「ほう。それくらいは気付くか」

 胸ポケットからカードを覗かせ、首輪の一つをかざす。
 夏奈はここで初めて周囲の風景を視野に入れたらしく、急に騒ぎ出した。

『うっわー……って、かがみぃ? つーかなんだこの惨状!?
シンヤ、このヤロっ! お前この短時間になんちゅーことを……!』
「死体の首を切っただけだ。殺しも火も俺じゃない。それに、柊かがみの名前は放送で呼ばれていないだろう」
『あ、6/って彫ってある。そーか、お前ここで……つかさが言ってたこと、本当だったんだなぁ。
十代とアカギの奴も死んじまったし……、アカギってなんで二人いるんだろう……?』

 話聞けよ。……しかも、独り言が脱線しっぱなしだ。
 夏奈は一旦放っておいて、手に入れた三つの首輪に目を移した。
ロボットアニメバトルロワイアル
29 :代理投下 ◇X5fSBupbmM[sage]:2010/11/23(火) 01:37:55 ID:5qTGpUYV
284 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:18:18 ID:R31TZLSA0 [6/27]

 死んだと思っていた園崎魅音は、放送で呼ばれなかった。
 柊つかさの話通りならば、ゲームに乗った涼宮ハルヒと共にいるらしいが、何を考えての行動だろうか。
 混乱していたつかさからの情報である為にその真意は測れないが、市民プールで合流という約束はやはり無効だろうと判断する。
 その時、ラダムによって強化された聴覚がパンッ、という音を捉えた。続いて、ガラガラという音。どちらも小さい。
 多少の距離があるようだが、近くに他の参加者がいるのだろう。
 この場に留まるのも時間の無駄だと結論付けたシンヤは、そちらの方へ駆け出す。
 兄や首輪について、他の参加者から聞き出したい情報はいくらでもあった。

『どーした?』
「銃声と崩壊音が聞こえた。誰かが争っている」
『あたしには聞こえなかったぞ?』
「お前と違って、僕の聴覚は鋭敏でね」

 まあ、とにかく。首輪解除の手がかりは余力のある時でいいだろう。
 最優先目的は、Dボゥイと決着をつけることなのだから。
 価値のある情報持っている相手ならばいいのだが、と銃声と轟音の元へ足を速めた。

(しかし……)

 先ほどの夏奈の間抜けな呼びかけ。あれで、冷静さをやや取り戻せた。
 もしあれがなければ、苛立ちの為に銃声にも気付かなかっただろうな、とシンヤは少しだけ反省した。



「……そういえばお前、柊かがみを知っているのか?」
『おう、前のゲームの時の仲間だよ。変態だったけど』
「…………へんたい?」
『ガチレズでこなたにベッタリでなー。聞いた話じゃ、6/をおk』「いい、黙れ」
ロボットアニメバトルロワイアル
30 :代理投下 ◇X5fSBupbmM[sage]:2010/11/23(火) 01:40:03 ID:5qTGpUYV
 意味がわからない単語は無視し、セリフ遮りの仕返しも兼ねてカードをポケットにねじ込んだ。
 遮る直前に、もっとおかしな単語が聞こえた気がしたが、「OK」と言ったということにしておこう。


☆☆☆


 E-3、映画館。今日、映画館といえば商業施設に付属した複合型映画館を連想しやすいだろう。
 だが、会場に設置されたここはミニシアター。スクリーンが一つだけの小さな施設である。
 その2階、従業員休憩室前の廊下。

「もういいかーい?」
「ま、まーだだよー♪」

 するする、もぞもぞ。
 コリコリ、パカッ。

「もういいかーい?」
「ま、まままだだよーっ♪」

 コト、カチカチ。
 もがもが、ごそごそ。……どてっ。

「もういいかーい?」
「痛たた……あっ。ま、まままだ! ちょっと待ってーっ」

 調達したパイプ椅子に座ったパピヨンは、マイクロドライバーを手に龍騎のカードデッキの解体に勤しんでいた。
 とはいえ工具の関係上、外装を外して内部を見る程度しかできないのだが。
 この映画館、チケット売り場や事務室にコンピュータがなかったばかりか、工具類も古いドライバーしか見つからなかったのだ。
 ミニシアターといえど受付や事務処理にパソコンが、映写機材の整備に工具が必須だろうに。

 地図に記された場所に役立つ道具をたっぷり置いてやる程、主催は気が利いていないということだろうか。
 パピヨンが支給品を確認している間、つかさは半日の間にズタボロになった服を着替えていた。
 というより、彼らが未だ映画館に残っている理由がこれである。
 鞭を打たれ、バルサミコ酢をぶっ掛けられて、裂け目と染みが散乱した制服の惨状に、つかさは気づかなかったのだ。
 パピヨンがそのことを気にもせず、自然体で彼女に接していたのも一因である。
 一旦劇場の外に出て第二回放送を確認した後にようやく、下着まで酢で赤黒く湿っていたことに彼女は気づいた。
 そして顔を赤青紫色と変化させながら、ここに駆け込んだのだった。

 ちなみに、パピヨンはつかさの承認を得て作業に着手している。
 細工などされないと思っているのだろう。つくづく、甘い奴だ。
 小細工なんてする気は毛頭ないけど。

(しかしこれは……外部からエネルギー源を取り入れているのか? そうなると、このカード自体が生物……まさかな)

 一般人でも仮面ライダーに変身できるアイテム、龍騎のカードデッキ。
 だがこれには変身により発せられる莫大な力、それに見合うエネルギー源らしきものが見当たらなかった。
 あと強いているなら、後付されたような装置が気になった。
 ピンク色の小さなボックス。これだけ、他の部品とは質が異なっている。

 BADAN主催のゲームで、支給品となっていた核鉄のことをパピヨンは思い返す。
 核鉄により形成される武装錬金というものは、使用者の潜在能力と闘争本能によって形成される唯一無二の武器である。
 核鉄のシリアルナンバーが異なっても、使用者が同じならば武装錬金アナザータイプとしての具現が可能だ。逆に言えば、特定の武装錬金は本人にしか扱えない。
 だがバトル・ロワイアルという環境において、これは通じなかった。
 BADAN主催のゲームでは、複数の人間が早坂桜花のエンゼル御前を展開し、今回もでっていうという女がパピヨンのニアデスハピネスを発動さている。
 前回の現象に関してはシリアルナンバーごとに核鉄を察知、変化させる『闘争心誤読装置』が首輪に設置されていた。
 カードデッキのこのボックス、同じ類のものだろうか?

(首輪の確認していない以上、断言はできない、か。
自分の首輪を解体するにせよ、支給品の解析をするにせよ、サンプルは必要だな)
ロボットアニメバトルロワイアル
31 :代理投下 ◇X5fSBupbmM[sage]:2010/11/23(火) 01:40:54 ID:5qTGpUYV
287 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:20:41 ID:R31TZLSA0 [9/28]
 パピヨンはBADAN製の首輪の構造を知っている。『闘争心誤読装置』はその一つだ。
 もろもろの事情で、監視装置が盗聴機能とGPSを用いた位置確認しかなかったことも、分かっている。
 こうして首輪に関する知識を持つ者を参戦させている点と、第一回定時放送の"映像"流出を考えると、今回はBADAN製の首輪を用いている訳ではないだろう。
 前回の核鉄のことを考えると、龍騎のベルトの解析には首輪の解析も必要になってくる。

(BADANの技術の応用か、新規のものかまだ分からないが……いずれその力、俺の手に収める。
……ま、貴様ら組織の人材は要らないがな)

 パピヨンは二回目の定時放送を見て確信した。あの赤いナメクジはいらない。
 それを御し切れていない道化も同様だ。
 ふと、放送を聞いた直後に聞き出した、柊つかさの持つ情報を思い出す。
 6/とやる夫の名前が呼ばれた時には目を伏せたが、彼女の友人が呼ばれなかったことに安堵していた。
 尋ねれば、説明を共に聞いた友人もいたと言っていた。みんなこんなゲーム、知らないようだった、とも。
 即ちそれは、"彼女"がやはりどこにも存在しないと証明になる訳で。

(……まあ、分かりきっていたことだ)

 首を振って思考を半ば無理やり打ち止め、カードデッキを組み立て直す。
 ドライバーを持った指の隙間から、掌のホムンクルスの口が見えた。

 最後のネジを回し終えた時、「お待たせー」と篭もったつかさの声と共に扉が開いた。
 そこから現れた彼女の姿は――。

「ごめんね、待たせちゃって。この服、動きづらくって……」

 黒かった。
 外套、靴、ズボン。その他全て、真っ黒だった。
 動きづらいのは当たり前だろう。その衣装は成人男性用だ。
 パピヨンは知らないが、彼女が着ているのはダースベイダーの衣装。
 体格の良い男が着れば栄えるだろうが、華奢な女子高生が装備したことで、衣装本来の貫禄やら威圧感やらが見事にぶち壊れていた。
ロボットアニメバトルロワイアル
32 :代理投下 ◇X5fSBupbmM[sage]:2010/11/23(火) 01:41:59 ID:5qTGpUYV
288 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:21:11 ID:R31TZLSA0 [10/28]
 マントの裾はずるずると引きずられ、足元は覚束なく、今にも裾を踏んでひっくり返りそうだ。
 篭もった声を発する顔も、少女の面影はない。これまた黒く、厳つい兜のような装飾品で覆われている。

 あんまりだ、という感想がパピヨンの脳を支配した。
 なんて、なんて華がない。
 だというのに柊つかさは小さく頭を傾げ、こうのたまうのだ。

「えへへ、似合うかな……?」

 普段の姿ならその仕草を可愛いと思う者もいるだろう。思い出したくもないが、川田章吾とか。
 だが呼吸の度に兜のどこからか空気が漏れているのか、シュコー、シュコー、と音を響かせている。
 そこを女子らしく傾けても、異様なだけだった。
 パピヨンは馴染みの収納場所から、自らのマスクのスペアを取り出す。
 なぜかつかさが小さな悲鳴を上げたが、無視して蝶マスクを兜に装着させた。
 二歩ほど引いて、その姿をしばし眺める。
 そして、一言。

「全く似合わん」
「え、えぇー……」

 蝶でも矯正できないとは、なんて絶望的な姿だ。


☆☆☆


「岩崎みなみさん、無理にとは言わないわ。
だけど……もしできるのなら、そのナイフで私の心臓を貫いて」

 E-3、地図に載っている公道ではなく、小さな店が並ぶ通り。その路上。
ロボットアニメバトルロワイアル
33 :代理投下 ◇X5fSBupbmM[sage]:2010/11/23(火) 01:42:56 ID:5qTGpUYV
289 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:22:09 ID:R31TZLSA0 [11/28]
 岩崎みなみは"柊かがみ"を前に、言葉を失って立ち尽くしていた。
 普通の女の子である彼女が、人間と思えない程の力を振るった為に。
 かがみは涙ぐむ。彼女を、妹を、親友を魔女と罵る放送を耳にしながら。
 音声の出所は、道路沿いの電柱上部にあるスピーカーからだ。
 みなみもその内容を理解する。

『柊かがみとその妹のつかさ、そしてこの二人と同じ赤い制服を着た連中…、こいつらは全員、この殺し合いに乗った魔女なんだ!』
(……嘘)

 でも、納得はできない。だって彼女達は、ただの女子高生ではないか。
 そこで違和感を覚えたみなみは、かがみをもう一度見つめた。

(コンクリートを踏み砕くような力を持つ人が、ただの女子高生……?)

 スピーカーを通して、さっきとは違う甲高い声が喚いている。"かがみ"へ意識が集中したみなみは、その話を理解できない。

「せ、んぱい、どうしてそんなことを言うんですか……?」
「……私、もう疲れちゃったの。誤解されて巻き込まれてばっかりで。
何をやっても裏目に出ちゃって……無力だったの。この放送がいい証拠。
それにね……。あいつがいない世界なんて、考えられない。
生きていく、自信がない……。ううん、生きる意味がないのよ」

 自嘲気味に笑む、かがみの青い瞳には光がない。
 かがみは誰かの死に悲しんでいるのだろう。でも、誰のこと?
 陵桜学園の人間の名は、二回目の放送で呼ばれていなかった。
 みゆきの死に反応しているとしたら、遅すぎる。
 それに彼女の言い分は、まるで恋人が死んだようではないか。そうなると、いよいよ誰のことか分からなくなってくる。

「あいつって、誰ですか……?」
「こなた」
ロボットアニメバトルロワイアル
34 :代理投下 ◇X5fSBupbmM[sage]:2010/11/23(火) 01:43:50 ID:5qTGpUYV
290 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:22:46 ID:R31TZLSA0 [12/28]
「え?」
「私にとってのこなた……爆弾よ」
「……え?」

 かがみが、こなたのことを好き? 爆弾ってなんだろう?
 そんな名前が、名簿にあったような気がする。支給品の説明書にもあったような気がする。
 ……分からない。
 みなみは混乱していく。目の前の"柊かがみ"が、得体の知れない何かに感じ始める。

――『柊かがみは魔女だ』――

 もう途切れた放送の内容が、さらにみなみを追い詰める。
 違う、違う。この先輩はそんな人じゃない。
 混乱していくみなみを見て、かがみは笑みを深めた。

「ごめん……無理だよね。私、あなたの格好を見て、早まっちゃったみたい」
「ッ!?」

 自分が血を浴びた状態であることを失念していたみなみは、その言葉に動揺する。
 だから、みなみは自分より後方を見据えたかがみの言葉を受けても、俊敏に反応できない。

「……ねえ。あんたは、私を殺してくれる?」

 誰かのため息を聞いてようやく、みなみは自分の後方に他の人物が立っていたことに気付いた。
 ビクリ、と体を震わせて……みなみはすぐにポケットのナイフを握った。
 誰だろう、誰が先輩を殺すというのだろう。
 誰が、自分達に……ゆたかに、危害を加えようとするのだろう?
 恐れを抱きながらも、後ろへ振り向こうとするみなみ。しかしその動作は、後ろにいた彼を見た瞬間に停止してしまった。

(Dボゥイ、さん……?)

ロボットアニメバトルロワイアル
35 :代理投下 ◇X5fSBupbmM[sage]:2010/11/23(火) 01:45:40 ID:5qTGpUYV
291 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:23:46 ID:R31TZLSA0 [13/28]


☆☆☆


「……くそッ!」

 E-3、インターネットカフェの個室スペース。
 コンピュータのモーター音の中に悔しげな声とガツッ、と壁を叩く音が混ざった。

 ここへ向かう途中、定時放送で朝倉の名前を聞いたDボゥイは愕然とした。
 自分は人間ではない、と自信を込めた笑顔で別れた彼女が、別れた数時間後に死んで……いや、直後に死んだのだろうか。
 安易な考えだったのか?
 朝倉と別れたのは、よかれと思って彼女達と離れたのは、軽率な行動だったのか?
 自責の念に雁字搦めになる寸前に、Dボゥイは疑念という網に掬われる。

(みなみは、どうなった?)

 彼女の名前は呼ばれていない。だが、朝倉が死んだことから何かあったことは明白だ。
 彼女達と別れたここへ戻ってみると、そこにいたのは事切れた遺体のみ。
 念のためカフェ中を捜してみたが、誰も見つからなかった。
 みなみを捜しに行かなくてはと考えたが、かといって、朝倉をこのまま放置するのはあまりにも……。

 せめて寝かせてやろうと、Dボゥイは朝倉をPC前の椅子から抱え上げる。血が抜けたせいだろう、彼女は驚くほど軽かった。
 触れた温度はスパイダーマンのスーツに遮られて、伝わらなかった。
 だが、関節の柔らかさからまだ死後硬直が始まって間もないのは理解できた。
 個室のベッドに仰向けに横たわらせる。
 驚いたように見開かれた目の瞼を、そっと下ろす。それでも驚愕に凍りついた表情が和らぐことはなかった。

 左頬、唇の上から鼻梁まで付着していた血液をシーツで拭ってやる。
ロボットアニメバトルロワイアル
36 :代理投下 ◇X5fSBupbmM[sage]:2010/11/23(火) 01:46:59 ID:5qTGpUYV
292 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:24:24 ID:R31TZLSA0 [14/28]
 出会った時も彼女は血だらけだった。
 だが鼻血に塗れ頬を赤らめた彼女は、どこか幸せそうだった気がする。
 そこで、みなみと良く似た声の少女を思い出した。彼女と朝倉との関係も。

「……」

 Dボゥイは携えていた日本刀を抜く。
 朝倉の首輪に反射した照明が、白銀の刃にも映りより鋭さを増した。

(朝倉、すまない。無茶な頼みをしてしまった。だが……)

 軽く力を入れて、Dボゥイは日本刀を振った。この作業、ほんの小さな力でも十分な。
 ザクリ。
 葉物を刻んだような音が、響いた。


☆☆☆


「本物のお前が、自殺志願者だとはね……柊かがみ。妹のことはどうでもいいのか?」

 一瞬だけDボゥイに見えた人物は、顔は良く似てはいたけど別人だった。
 驚きの次にみなみが感じたのは、安堵。
 いまDボゥイに会っても何を言えばいいのか、分からなかったから。
 男の人の言葉を聞いたかがみが、苦々しげに笑う。

「あんたも……うん、まあいいか。最初に言っておくけど、私に妹なんていないわ」
「……どういうことだ?」
「そのままの意味よ……たぶん、だけどね。
私は、自分の家族も友だちも、覚えていないから。
ロボットアニメバトルロワイアル
37 :代理投下 ◇X5fSBupbmM[sage]:2010/11/23(火) 01:48:45 ID:5qTGpUYV
293 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:24:56 ID:R31TZLSA0 [15/28]
ただ、これだけは言える。私はこれまでの人生で一度も、"柊つかさ"と会ったことも、口をきいたこともないわ」
(先輩……?)

みなみの世界が壊れていく気がした。
みゆきが殺され、その犯人を自分の手で殺し、出逢えた知り合いは、自分の半身をどうでもいいと吐き棄てている。
 堪えかねて、みなみは彼女に尋ねた。

「……あなたは、だれですか?
柊先輩じゃないのなら、一体何なんですか……?」

 みなみはもう、彼女を柊かがみと認識することができなかった。
 "かがみに似た人物"は目を細める。

「……どうでもいいじゃない、そんなこと」
「俺も聞きたいね、貴様はなんだ? 柊かがみじゃないのか?」
「このッ、どうでもいいって言っているじゃないッなに、あんたもかがみに恨みでもあるの!?」
「フン、馬鹿かお前は。
さっきの放送を聞いて、柊かがみに関心がない方が変だろう?
おまけにこっちは半日の間に、何度もお前の名前と顔を見聞きしたんだ。
気にするなという方が無理な話さ」
「……そう。あんた、私が"魔女"だったらどうする?」
「殺す」

 間髪なく、なんの躊躇いもなくそう言った彼の赤い瞳は、嫌な光を湛えていた。
 見覚えのある光だと感じたみなみは、やがてその正体に気付いてしまう。
 血に濡れたネットカフェの床、とろりとした水面に映ったみなみの目と、同じ光だった。
 紛れもない、殺意だった。

「"弱者を装って取り入る"なんて、いかにも兄さんが引っかかりそうな相手なんでね。
俺と兄さんの戦いの邪魔になるものは、全て排除させてもらうよ」
ロボットアニメバトルロワイアル
38 :代理投下 ◇X5fSBupbmM[sage]:2010/11/23(火) 01:49:36 ID:5qTGpUYV
294 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:25:56 ID:R31TZLSA0 [16/28]
「……へえ」

 かがみに似た人は虚ろにほほ笑んだ。
 みなみは分かった。この人は魔女と名乗って殺される気だ、と。

「あのっ……」

 それを制止するために、みなみは声を上げた。

 彼女が"魔女・かがみ"として殺されてしまったら、この男の人はどう思うだろう。
 さっきの放送を鵜呑みにしてしまうんじゃないだろうか。
 彼女は"柊かがみ"であることを一度は否定したけれど、彼がそれを信じるとは限らない。
 信用できない。彼の態度と目からは、危険なことしか感じられない。
 彼はかがみ先輩に妹がいることを知っていた。
 なら、陵桜学園の制服を知っているんじゃないだろうか。やがて、ゆたかを殺しにかかるのではないだろうか。


 ぐるぐるとぐるぐるとみなみの思考は迷走していく。
 本人に自覚はない。
 信用した人物が自分の姉のような存在を殺していたという裏切りを受けて、みなみは人を信じられなくなっていた。
 そんな状態で錯乱した柊かがみとそっくりな人物と、異様な雰囲気を漂わせるDボゥイに酷似した人物と遭遇したのだ。
 まともな判断力は、彼らの話を聞くのに比例して失われていった。


「……何だい? 随分とおかしな格好をしているね」

 不機嫌そうに男の人が振り向いた。みなみの姿を見て、尚更目つきを鋭くする。
 彼に声をかけたのは、もう一つ理由があった。彼に確かめなくてはならないことがあった。

――((Dボゥイさんは、ゆたかを保護するために探しているんですよね……。
    決して『殺すために探している』わけではないんですよね……))――

 みなみは自分が抱いた疑念を思い出して、ごくり、と喉を鳴らした。
 まだあの人が、ゆたかにとって安全な存在か判明していない。
 はっきりしているのは、"ゆたかを捜している"ということだけ。
 Dボゥイは、信用できる……はずだ。だってあんなにゆたかを心配してくれていたんだもの。
 それでも、この男の目に見た殺意にその期待が邪魔される。
 ある人物を捜していると言ったDボゥイが見せた目の鋭さが、先ほどの彼と良く似ていたから。
 それを、確かめられるかもしれない。
ロボットアニメバトルロワイアル
39 :代理投下 ◇X5fSBupbmM[sage]:2010/11/23(火) 01:50:26 ID:5qTGpUYV
295 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:26:29 ID:R31TZLSA0 [17/28]

 Dボゥイと似た顔。男の人が言った「兄さん」という言葉。そして、みなみの未知のDボゥイの知り合い。
 そこから導き出された名前を言った。

「あなたは、相羽シンヤさんですよね……?」
「…………そうだが」
「私は……岩崎みなみといいます。……ゆたかの友人です」
「ッ!」

 ゆたかの名前を聞いた、彼の表情が歪む。ああ、この人も知っていたんだ。
 こんな危なそうな人まで、ゆたかのことを知っていたのか。

「桃色の髪の背の低い女の子です……知っていますよね」
「お前……、誰から聞いた」
「Dボゥイさんです」

 そう答えた時、彼が少しだけ安心したように見えたのは気のせいだろうか。
 みなみは言葉を続ける。あまり長く話すのは得意ではないのだけれども。

「前に、同じようなゲームに巻き込まれたと聞きました。
その時に、彼がゆたかと知り合ったことも……今、彼がどこにいるのかも、知っています」

 たぶん、あのインターネットカフェの近くにいるのだろう。交渉材料はある。

「取引するつもりか? お前を痛めつけて吐かせるという手も……」
「……早く行かないと、あの人はどこかに移動してしまうと思います」
「……」

 二、三秒して、男の人が舌打ちして肯いた。
 かがみに似た人が、みなみをまじまじと眺めながら口を挟む。

「シンヤ、だっけ。あんたこの子の血を見て、何も疑わないの?
お兄さんがこの子に殺された、とか」
「こんな虫けらが兄さんを殺す? ありえないね」

 どうしてこの人は、こんなどす黒く人を見下す目をしているのだろう。
 みなみは疑問に思った。同時に、彼と知り合いであるDボゥイへの不信感が募る。

「話を戻す……お前は、何が知りたいんだ?」

 同時にゆたかを守るためには、彼らのことを知らないままではいけないという思いが、強くなった。

「教えて下さい……あなた達はどうして、ゆたかを捜しているんですか?
あなた達は……何者なんですか?」


☆☆☆


 現在位置は……さて、どこだろう。判断つかない。
 分からないのは、地図も周りの風景も自分からは見られないからだ。決して、オツムが足りないからじゃない。
 支給品・レッドアイズブラックドラゴンのカードこと南夏奈は、高らかに笑うシンヤのジャケットのポケットの中で、彼らの会話を聞いていた。

ロボットアニメバトルロワイアル
40 :代理投下 ◇X5fSBupbmM[sage]:2010/11/23(火) 01:51:29 ID:5qTGpUYV
296 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:28:00 ID:R31TZLSA0 [18/28]
「っ、ハハ、ハハハッ! なんだ、"また"知らせてなかったのか、兄さん。
でも安心したよ。ゆたかのことを知っているなら、ここにいるのは俺の知っている兄さんだ。
……感謝するよ、人間。
御礼に教えてやろうじゃないか。俺とタカヤ兄さん……Dボゥイの正体を」
「タカヤ……さん?」

 静かな口調で話す、みなみという女の子。
 彼女の声を聞いた時は、チアキが見つかった! と思ったが、喜びはすぐに収束した。
 喋り方が千秋にしては大人びすぎているし、大人しすぎていたのだ。
 なにより、姉妹センサーが作動していな……ん? あれは冗談だったっけ?

 さっきまで騒いでいたかがみは、黙ったままだ。シンヤの話にまるで興味ないらしい。
 かがみの「つかさは妹じゃない」という言動が少し気になったが、夏奈は気にしないでおいた。
 どうせこいつのことだ、「こなたも6/もつかさも私の嫁!」というつもりで言ったんだろう。肉欲的な意味で。

(それとも、悪口言われて拗ねてんのか?)

 さっきの流れた誰かの言い争いの内容が、ショックだったんだろうか。
 いや、あれ以上にもっとひどいことを前のロワで言われていたし、それはないか。
 シンヤは、嬉しそうに楽しそうに語っている。
 そういえば、自分が話すばっかりでこいつのことはあまり知らなかったなあ、と夏奈は思った。

「そう、君がDボゥイと呼ぶあの人の本名は、相羽タカヤ。俺とは正真正銘血を分けた兄弟さ。
Dは……兄さんの気質を考えるとやっぱり、デンジャラスの略だろうね」

 シンヤは語り続ける。
 ラダムという宇宙生命体が、第二の故郷を求めていること。その場所を地球に定めたこと。
 自分がラダムによって造り出された、地球を侵攻するための化け物、テッカマンであること。

「そうだ、兄さんはある支給品を探していなかったか? ……宝石のような奇妙な結晶とか」
「あ……」
「覚えがあるんだな。どうして、それを求めているか考えたかい?
……殺し合いの中で、金目のものに手を出すとは思わないだろう?」
(あたしなら出すなあ……)
「兄さんがその結晶――テッククリスタルを求めているのはね、"変身"に必要なものだからだ」

 「黙ってろ」と言われた手前、沈黙している夏奈だったが、次第に落ち着かなくなってきた。
 そんな夏奈をよそに、シンヤはみなみに告げた。

 Dボゥイも同じラダムのテッカマン……化け物ということを。

 ショックだったのか、みなみが息を飲む音が聞こえた。
 ビーム打ち放題だったり遊戯王カードが実体化したりカード化されたりと、チートや変なもんが蔓延しているバトロワで、一体なにがショックだったのだろうか。
 かがみのことといい、何かおかしい。
 みなみの反応に気を良くしたのか、シンヤはより饒舌になる。
 というか、首輪を回収した時のイライラを発散させているんじゃないだろうか、こいつ。
 なーんか不機嫌みたいだったし。

「信じるか?
前のゲームじゃ、ある馬鹿が参加者の前で派手に変身してみせたから、ゆたかにも説明しやすかったんだが」
「あなたが、教えた……? Dボゥイさんは、ゆたかにそのことを言ってなかったんですか?」
ロボットアニメバトルロワイアル
41 :代理投下 ◇X5fSBupbmM[sage]:2010/11/23(火) 01:53:14 ID:5qTGpUYV
297 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:28:46 ID:R31TZLSA0 [19/28]
「人間――お前ら虫けらに、兄さんは知られたくたんだろうね。
地球で保護された時も、記憶喪失を装っていたくらいだ。ゆたかは、俺と兄さんが殺し合いを始めた時は驚いていたよ」
「…………っ」
「あの時はクリスタルがなくて、勝負は保留にしたんだ。
ゆたかは……その時、兄さんが連れていたのを俺が預かった。それだけの関係さ。
そう、まだだ……。まだ俺は兄さんに勝っていない……、俺も兄さんも死んでいない……!」

 こいつは、変なヤツだ。夏奈はない首を傾げた。
 シンヤはDボゥイと戦って勝ちたいと言っていた。殺し合いが前提のゲームで、だ
 いま話していることを聞くと、バトロワに巻き込まれる前も、しつこく兄を狙っていたという。
 こいつは兄弟――家族との殺し合いを望んでいる。それが理解できない。

(そりゃあ、あたしだってロワ中に千秋に襲い掛かったことはあったけれど……う、ごめんなさい忘れてくださいッ。
あの時はバイトをクビになって、むしゃくしゃしてたんだよぉ…………)

 なんにしろ、全てはバトルロワイアル法という馬鹿な法案が可決したことが原因だ。
 あれはバトル・ロワイアルという、狂った環境が前提の事態だった。

 家族っていうものは、好んで殺し合いをする相手じゃないと、夏奈は思う。
 そりゃあ楽しみにしていたプリンを食べられたり、朝、強引に起こされたりといった些細なきっかけでの喧嘩くらいあるだろう。
 養子に出された子どもがそれを決めた親と、親と共に安穏と暮らせる兄弟も憎む、なんて話もあるだろう。
 けど、根底にある家族への愛情は変わらないはずだ。
 仕返しや喧嘩にしても、梅雨に相手の傘を隠す程度だろう、常識的に考えて。
 馬鹿な理由で妹に襲い掛かって、怒られて、許してもらって、嬉しくて泣きはらした夏奈は心底そう思う。
 マムクートの一族とか、ラダムとか、平行世界の違いとか、そんなことは関係ないだろうに。
 しかも双子だ。本気で嫌いあうはずなんてないだろう。
 夏奈は次第に、そう言いたくなってきた。

「ゆたかは……ゆたかはどうなったんですか?」
「……、……さあね。
俺はあいつを連れている途中で、このゲームに参加させられたんだ。ゆたかが最終的にどうなったのかは知らない。
もしかしたら、僕らの知っているあいつがここに呼ばれているのかもしれないね。
……今度こそ目の前でテッカマン同士の殺し合いを見れば、ゆたかの甘い考えも……」

 ああ、もの凄くまどろっこしい。声だけしか聞こえないのが、またこそばゆい。
 「……ラグ」と、かがみの小さな独り言が聞こえる。
 こっちも口挟もうかな。「このブラコン野郎め」と、言ってやろうかな。
 そう夏奈が思った時だった。

 聞きなれないフレーズを唱える、妹と似た声が聞こえたのは。


☆☆☆

 E-3、ネットカフェ内。
 スパイダープロテクターを着用した男の手には、朝倉のスカーフの切れ端で束ねた彼女の髪があった。
 先ほど、日本刀で切り取ったものだ。

(すまない……あんたに、俺はこう言うことしかできない。
だが……せめて、せめてこの髪は長門に届けようと思う)
ロボットアニメバトルロワイアル
42 :代理投下 ◇X5fSBupbmM[sage]:2010/11/23(火) 01:54:07 ID:5qTGpUYV
298 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:29:39 ID:R31TZLSA0 [20/28]

 慰めにもならないだろうと、分かっている。偽善ですらない、それも分かっている。
 だが、もう彼女とその伴侶にしてやれることはこれくらいしか思いつかなかった。

 カリカリ、とパソコンがHDを読む音につかれて、Dボゥイはディスプレイを見た。
 何かが画面に映っている。
 乾いた血で画面の大部分は汚れていたが、それが無数のフォルダの群れであることは分かった。時々圧縮ファイルや、ワードデータのアイコンある。

「なん――ッ!?」

 中身を確認しようとした時、ズン、と軽い振動が伝わってきた。
 ネットカフェ自体が防音されているのか、音はBGMに遮られ聞こえなかった。
 だが、ネットカフェの外、しかも近くで戦闘が行われていると悟った。
 朝倉を殺した犯人によるものか。違うとしても、みなみが巻き込まれていないとも限らない。
 どちらにしろ、ここに滞在する暇はなかった。
 Dボゥイは、画面に映ったフォルダの群れをドライブに入れっぱなしだったCDに記録する。
 容量が足りなかった分は、元からCDに記録されていたフォルダの内、容量の多い方を削除して補った
 受付にあったノートパソコンとバッテリーを再生用に頂戴する。
 なぜかノートパソコンは電源が入っていた。デスクトップではステンドグラスのような色彩の羽根をもった少女が得意げに笑っている。
 スリープモードに移行させてデイパックに突っ込むと、Dボゥイはネットカフェを後にした。

 外を見渡すと、市街の向こう、公道のあたりで黒煙をもくもくと昇らせている場所がある。
 その反対側にも、煙が上がっている場所があった。
 双方の距離は大差ない。
 みなみと、朝倉殺害の犯人はどこにいるのだろうか。

(クソッ。……どうする?)

 Dボゥイはどこへ向かうか決めかね、心の中で悪態を吐いた。


☆☆☆


「禁止エリアになっちゃうけど、やっぱり放送局の方に行きたいな」

 今、柊つかさはオレンジ色の柔らかなフリルとギャザーが施された服を着ている。
 なぜ初めからこの服を着なかったとパピヨンが尋ねれば、スカートが短くて恥ずかしかったという。下着の替えは更衣室に置いてなかったそうだ。
 ぶっちゃけると、パピヨンは彼女の羞恥心などどうでもよかった。
 次の行き先を決めさせることが、あえて柊つかさを一人にした理由。
 目的地だった放送局が、禁止エリアに指定されたためだ。
 これからの行動について、パピヨン自身の考えもいくつかある。だが、彼女の思うようにさせてみたかった。
 彼女がみせた決意と甘え、そのどちらが真実か見極めるために。

「ホウ、理由は?」
「放送局の近くには病院があるんだよね? ケガした人や道具が欲しい人が、たくさん集まると思うんだ」

 彼女の言葉は正しいだろう。
 そもそも、ただでさえ他者との接触が欲しい参加者が集まりやすい中心部に、
物資調達に便利な百貨店やホテルといった施設を集中させるこの配置が釣り餌だったのだ。
ロボットアニメバトルロワイアル
43 :代理投下 ◇X5fSBupbmM[sage]:2010/11/23(火) 01:55:02 ID:5qTGpUYV
299 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:30:26 ID:R31TZLSA0 [21/28]
 定時放送で禁止エリアにすることで集まった参加者を散らせ、接触する機会を増やす一方、橋を塞いで逃げ道を減らす。
 たった二回の放送で塞がった橋は3/5。
 こうもあからさまに土地が分割されては、この辺か北東に人数が密集していると考えた方がいい。
 地下鉄のような交通手段がないここでは、徒歩で動くしかない参加者も多い。スピードがない参加者の動きは、さぞ予測しやすいだろう。
 ああまったく、参加者の移動を促すこのルールはよくできている。

「ゲームに乗った奴も、同じ考えで大勢来る可能性は考えたのか?」
「でも、人がたくさんくるのは同じだよね? だったら、お姉ちゃん達が近くにいるかもしれない、行こうっ」

 パピヨンを見るつかさの眼差しは強い。手は僅かに震え、目も潤んでいるが。
 だが、その手に仮面ライダーのカードデッキを握っていたことが、つかさの思いを明示していた。

 そこまで決めて映画館を出たところで、柊つかさは慌て始めた。
 人数の密集が何を意味するのかに気付いて、居てもたってもいられなくなったのだろうか。

「急ごう、遠いけど早くいかないと!」
「あ、そうそう。そのことについてだが……柊、車かバイクの運転免許は取ったか?」

 彼女は、きょとんとした。
 数秒後、ようやくパピヨンが何をいったのか理解して、慌てて首を振る。

「え、う、ううん……いつか取りたいなあとは思っているんだけど」
「そうか。まあ運転くらいぶっつけ本番でもなんとかなるだろう。問題は調達できるかどうかだな」
「えぇッ?」

 西の公道から島を回って行くにしても、G-6を避けてF-6の橋を渡るにしても、放送局まで距離がある。
 幸いデイパックの容量に制限はないため、車の類が通れない道になっても一旦デイパックにしまって持ち歩くことができる。
 まあ都合のいい足が見つかったらの話だが。

「バイクはそれで大丈夫だった。足が見つかったなら、癪だが俺が運転してやろう」
「ふ、不安だよぉ……」
「経験もない、お前よりマシだ」
「どんだけー……。でも、やっぱり急いだほうがいいよね。
もしかしたら放送できるかもしれないし……ゆたかちゃんも、いるかもしれないし」

 オプーナ女の正体も、柊つかさとの接触で判明した。
 小早川ゆたか。元はただの人間だったという。
 柊つかさが"オプーナ"という単語は聞いたことはないという点も踏まえると、やはりこれが小早川の力の源か。
 彼女らの世界に錬金術は浸透していない。
 やはり別世界の異能の類に浸食されたのだろう。それとも小早川自身が異世界の住人か。
 何にせよ、"オプーナ"に関する情報はパピヨンも柊つかさも欲していた。

「俺がそいつと会ったのは一回目放送の前だ。今どこにいるのか、見当もつかんぞ」
「き、期待しちゃだめなのかな……」
「お前がどう思おうが構わんが、望みは薄いだろうな」

 同じ理由で、ニアデスハピネスを所持する、でっていうも放置することにした。
 一度目の放送で名前が呼ばれた奴の所持品の手がかりなど、簡単に見つかりそうにない。
 歩きながら、つかさがおずおずと話しかけてきた。
ロボットアニメバトルロワイアル
44 :代理投下 ◇X5fSBupbmM[sage]:2010/11/23(火) 01:56:00 ID:5qTGpUYV
300 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:31:18 ID:R31TZLSA0 [22/28]
「……あのさ、パピヨン。パピヨンって車の免許とか知っていたんだね」
「俺は日本にいたんでな。地球の常識や生物の強さの尺度の知識はある」
「そうなんだー。ゲームや映画の世界の人と思ってたよ」

 頭をかきながら、彼女は恥じた。なぜかパピヨンの格好をまじまじと見ている。
 確かに、パピヨンは日本にいた。
 だが彼女と話す際に念頭においている知識は、錬金戦団、L・X・E、ヴィクターらが存在する世界のものではない。
 柊つかさがまだ語っていない、彼女が住むのほほんとした世界についての知識だった。

 時刻は日中。
 映画館にいた彼らは知らないが、放送局からの"放送事故"から十数分後にそれは起こった。
 突然、ゴオン、と地震のようなものが伝わった。
 次いで、爆音。パピヨンは柊つかさの頭を掴んで、伏せさせる。

「きゃっ!」
「チッ、……近いな」

 震動が止み近くの物陰に二人は入った。
 公道の先、映画館より北側でなにか"爆発"したようだ。もくもくと黒煙が立ち上っている。
 パピヨンにとって、馴染んだ火薬の臭いがした。

(……まさか、ニアデスハピネスか?)

 路地から路地へ走りぬける人影が、視界を掠めた。
 一瞬捉えたそいつは葡萄酒を頭から被ったかのように、全身は赤黒い。そして、先ほどの火薬の臭いも漂わせている。
 人影に気付いていない柊つかさは、きょろきょろと辺りを見回している。
 そして急に、ベルトを握り締めて煙の元へ駆けだした。

「おい、柊っ。……?」

 去った人物のスピードがぐん、と上がるのが、臭いが遠ざかる速さから分かった。
 どちらを追うか少しだけ迷って……パピヨンは軽く舌打ちして、柊つかさを追った。
 今からあのスピードの相手を追いかけるのは悪手だ。

 道路の先、もくもくと煙が昇っている場所に赤いリボンを結んだ柊つかさの後姿があった。
 狙撃するなら絶好の機会だ、と彼女の全身が主張しているような気の抜けた立ち方だ。
 彼女の向こうの景色は、煙の黒が邪魔でよく見えない。

「柊、なにを勝手に……ッ、」

 彼女の下に向かって話しかける途中、火薬とは違う、覚えのある異臭が鼻についた。
 しかし、それくらいで蝶人パピヨンは言葉を詰まらせたりしない。
 詰まらせた理由は、臭いをきっかけにある光景が脳裏に浮かんでしまったから。
 そして、柊つかさの見ているものに気付いてしまったから。

 ぽかん、と口を開けて彼女は黒煙の出所を見ていた。
 左腕を押さえ、こちらを睨む相羽シンヤではない。
 彼女の視線の向かう先は一つだけだ。
 右脇腹から下を、先ほど羽織っていたマントよりも黒く焦がした、それを見ていた。
 焼きが甘く、ぽっかりと開いたレアの傷口から腸を垂らしている、それを見ていた。
ロボットアニメバトルロワイアル
45 :代理投下 ◇X5fSBupbmM[sage]:2010/11/23(火) 01:57:32 ID:5qTGpUYV
301 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:31:48 ID:R31TZLSA0 [23/28]
 鉛筆と芯のように、肉色の左腿と炭となった膝をぽきりと折った、それを見ていた。
 つかさと同じ色の頭髪を血で染めた、それだけを眺めていた。

 柊かがみだけを、ぼんやりと見つめていた。


☆☆☆


 今、自分はどこを走っているのだろう。みなみはそう思った。
 あの場所から湖の反対方向に禁止エリアはなかったから、どう行っても安全だろうとは分かっていたけれども。

 みなみの逃走速度が、飛躍的に上がったタネ。
 それは、ふくらはぎに生えた漆黒の翼による低空滑空だった。
 『早くこの場を去りたい』という思いを受けて、黒色火薬の武装錬金・ニアデスハピネスが鷲の羽型の加速装置を形成したのである。
 奇しくもそれは、その武装錬金本来の使い手の飛行方法と似ていた。

 みなみは自分の手首を見る。
 酷い濃さの手形ができていた。武装錬金の展開の直前、シンヤに掴まれた一瞬に生じた痣だ。
 あの力、尋常じゃない。
 体育館にいたピエロやつかさに似た人も、変な力を使っていた。
 喋るカエルなんてものも、いたような気がする。
 そして、今しがた確認した武装錬金・ニアデスハピネスの威力。
 みんな常識外の力を持っている。
 ゾクリ、とみなみの背に冷たいものが走る。促されかのように、みなみの足が速まった。

(駄目、駄目だ駄目駄目だ駄目駄目駄目駄目駄目駄目……。
ゆたかを、こんな非常識に巻き込んではいけない……!)

 あの子は体が弱いのだ。高校での普通の日常を甘受することで満足しているし、それが精一杯であることも事実。
 小さくて儚くて柔らかく笑うあの子が、こんな場所にいてはいけない。

 だから、攻撃した。一刻も早く、ゆたかを見つけるために。
 危険なものを排除するために。
 得体の知れないかがみにそっくりな人と、人の皮を被った化物を。

 朝倉を殺した時に、ゆたかを守るための手段を選ぶ必要なんてないと、決めたはずだった。
 この手は血に染まっている。いくら罪を重ねても、赤黒い色は変わらないのだと。
 けど一瞬だけ、迷ってしまった。これでいいのだろうか、という疑問が自分の中に渦巻いていたから。
 惜しかったと思う。迷いさえしなければ、もっと爆破領域を広げられたのに。
 爆発の瞬間、偽かがみがシンヤを突き飛ばしてかばおうとも、二人とも殺せていたのに。
 奇襲が失敗したみなみが選んだのは、逃走。
使いたての武器で、真っ向から化け物を相手にするのは無理があると判断したためだ。

 偽物のかがみとシンヤだけでなく、みなみは先ほどの放送の主にも憤っていた。

(先輩達が……私たちが、ゆたかが、"魔女"? "化物"?
嘘つき。他の人達の方が、ずっと……)

 他の参加者の方が自分達よりおかしな化物ばかりではないか。
ロボットアニメバトルロワイアル
46 :代理投下 ◇X5fSBupbmM[sage]:2010/11/23(火) 01:58:26 ID:5qTGpUYV
302 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:32:24 ID:R31TZLSA0 [24/28]

 武装錬金の展開による疲労が、みなみを蝕む。スポーツに慣れた彼女の息がはずみ、徐々に上がっていく。
 脳の酸素が不足した状態で進めた思考は短絡的に、視野は狭窄的になっていく。

(……ゆたか)

 大丈夫だろうか、体調を崩していないだろうか。
 あの子はどこかに隠れているとしても、誰かに守られているとしても、きっと怯えているのだろう。
 あの優しい子は誰かの争いと関わる度に傷ついて、痛みを背負って涙を流すのだろう。
 みなみは彼女が痛めつけられて憔悴して泣く顔なんて、見たくなかった。
 守られているとしても、それは誰だろう。先輩達や黒井先生ならいいけれど、そう簡単に遭遇できるとは思えない。
 やっぱり、この殺し合いで初めて会った人と共にいるのだろうか。
 Dボゥイのような人に。

(守らないと)

 Dボゥイは自らのことについて、あまり話してくれなかった。
 そして知った。姿は人間だけど、化け物。それが彼の正体。
 みなみに教えてくれなかったのは、たぶん後ろ暗いことがあったのだろう。ゆたかのことについて。
 あの人はゆたかのことを心配してくれていたと思う。助けてくれていたんだと思う。
 けど、巻き込んだ。ゆたかを、自分の争いに巻き込んだのだ。
 そして"彼と一緒にいたゆたか"は、Dボゥイの弱みとしてシンヤに利用された。
 今回も同じ轍を踏むかもしれない。実際、シンヤはゆたかに興味を示していた。
 Dボゥイではだめだ。
彼は、殺すためにゆたかを捜しているわけではなかった。彼女を守るための力もある。
けれど、彼の周りの"争い"があの子に害を与えてしまう。
 それにあの人も……シンヤみたいに殺意を露わにするかもしれない。
 彼もテッカマンという、化物だから。

(守らないと)

 朝倉涼子の件も、あれでよかったんだ。みゆきを殺した犯人が首輪解除の方法を見つけても、ゆたかが嬉しく思うはずがない。
 首輪についての話も全部嘘だったかもしれない。殺すのは当然だったのだ。

 信じられない。こんな場所で出会う人なんて、とても。

(私がっ、守らないと……!)

 逃げ続けたみなみは、誰も周囲にいないことを確認すると路地裏に座り込んだ。
 疲労、興奮、悪寒、いろんな要因が混ざって、汗がぶわりと湧き出した。
 上気した頬を歪めながらも、ニアデスハピネスを核鉄に戻して握り締める。
 説明書にはこの状態で身につけていれば、傷を癒し体力を回復させるとあった。眉唾ものだが、ないよりマシだ。

「ハッ……ハッ、ハぁ……」

 汗を拭うと、ピンク色の液体がべっちょりと手に付いた。
 未だにこびり付いている、朝倉の血のせいだ。
 汗と鉄臭さが混じった臭いがつん、と鼻腔を刺激する。ひどく不快に感じた。

(早く、着替えよう……)
ロボットアニメバトルロワイアル
47 :代理投下 ◇X5fSBupbmM[sage]:2010/11/23(火) 01:59:29 ID:5qTGpUYV
303 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:33:09 ID:R31TZLSA0 [25/28]
 気持ち悪いし、これから接触する相手に危機感を覚えさせるだろう。
 変な放送のせいで陵桜の制服を着た人間は、あらぬ疑いを掛けられる可能性も出てきている。
 何より、ゆたかは血だらけの人間なんて見たら、気分を悪くしてしまうだろう。
 ふらつきながらも、目に爛々と決意の光を灯し、みなみは立ち上がる。

(私が守る。ゆたかを、守り抜いてみせる……)

 彼女の心に浮かぶのは親友の優しい子と、もう一人。

(だから、だから……。……Dボゥイさん、)

 彼がゆたかを保護していたということ、心配してくれていること、これは真実なのだろう。
 そのせいかチクリと心のどこかが痛んだけれど。ゆたかのためだ、とみなみは決心する。

 あなたはただの人間ではありません。危険な、とても害ある存在です。
 だから、


(……死んで下さい……!!)


 【F-2/南東端・市街/1日目-日中】
 【岩崎みなみ@らき☆すた(原作)】
 [状態]:ゆたかを思うあまり錯乱、人間不信、血まみれ、
      疲労(中)、右手首に鬱血、核鉄により回復中
 [装備]:スペツナズナイフ@現実、核鉄「ニアデスハピネス」@漫画ロワ
 [所持品]:基本支給品一式、長門画像CD@現地調達、鉈@現実、不明支給品(0〜2)
 [思考・行動]
  基本方針:小早川ゆたかを探し出して守る。
  1:返り血を流して、着替えたい。
  2:相羽兄弟の早急な殺害。
  3:ゆたかを殺す可能性のある参加者を殺す。
  4:ゆたかを見つけるために歩き回る。
  5:三村の放送に対する怒り。
  6:Dボゥイに対して……?
 [備考]
  ※人間不信に陥りましたが、ゆたかや知り合いは信用すると思われます。逆に、それ以外の者に対する敵愾心や疑いは強いです。
  ※三村の放送を聞きました。アルフォンスの話についてはあまり理解していません。
  ※シンヤからラダムとテッカマンに関する情報を得ました。『テッカマンは化け物』という印象を強く感じています。
  ※つかさとパピヨンに気付いていません。
  ※かがみの偽物(ロリスキー)を殺害したと思っています。

ロボットアニメバトルロワイアル
48 :代理投下 ◇X5fSBupbmM[sage]:2010/11/23(火) 02:00:32 ID:5qTGpUYV
304 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:33:44 ID:R31TZLSA0 [26/28]

 【E-3/市街・ネットカフェ前/1日目-日中】
 【Dボゥイ@アニ2】
 [状態]:左肩に被弾、疲労(弱)、スパイダープロテクター着用
 [装備]:核鉄「ブレイズオブグローリー」@書き手ロワ2、スパイダーブレスレット@カオスロワ、日本刀@現実
 [所持品]:基本支給品一式、朝倉涼子の髪@現地調達、長門画像+αCD@現地調達、ノートパソコンとバッテリー@現地調達
 [思考・行動]
  基本方針:殺し合いに乗らず、ゆたかを保護、シンヤとの決着をつける。
  1:爆発(フラップラーの落下orニアデスハピネスによる爆発)の下へ向かい、状況の確認。みなみが巻き込まれているならば保護する。
  2:近辺にいるかもしれないみなみと、朝倉殺害の犯人の捜索。
  3:テッククリスタルを手に入れる。
  4:ゆたかを保護する。
  5:長門に朝倉の遺髪を届ける。
 [備考]
  ※スパイダーブレスレットは、スパイダーマシンGP-7とマーベラーを呼ぶことができません。
   他の制限については後の書き手に任せます。
  ※三村とアルフォンスの放送を知りません。
  ※CDの画像内容を知りません。また+α(朝倉が残したデータ)の内容については、後の書き手に任せます。

【朝倉涼子の髪@現地調達】
 スカーフの切れ端で束ねられた、掌に収まる程度の量の朝倉涼子の遺髪。
 彼女の血が少しこびりついている。

【長門画像+αCD@現地調達】
 【長門画像CD@現地調達】 のバックアップCD。画像フォルダは「長門×朝倉」のみ。
 画像の他に、朝倉涼子の一瞬の本気によって収穫された、なんらかのデータも記録されている。

【ノートパソコンとバッテリー@現地調達】
 E-3ネットカフェにてDボゥイが調達した既製品。
 パソコンのデスクトップは紅魔館の某妹様。


【E-3/路上/1日目-日中】
【相羽シンヤ@アニ2】
 [状態]:左腕に火傷(中)、全身に負傷(特に両腕に痛み有り)-手当済
 [装備]:RPG-7@現実(予備弾頭×0)、ブレードのテッククリスタル@アニ2、レッドアイズブラックドラゴンのカード(南夏奈)@カオスロワ
 [持物]:デイパック、基本支給品一式(食料無し)、首輪×3(6/氏(かがみ)、ジョセフ、やる夫、ヤクルト@ニコロワ、他食料
 [方針/目的]
  基本方針:Dボゥイとの決着をつける。
  0:現状の対処。
  1:近辺にいるDボゥイの捜索。
  2:魅音の生存は確認したが、合流できそうにないので予定はやはり破棄。
  3:人間に正体がばれないように行動。ばれたり邪魔だと感じたら殺す。首輪解除に役立つ人間がいるなら利用したい。
  4:Dボゥイの分のテッククリスタルを探し出し手に入れる。
  5:村雨とラッドを殺す。
  6:もう少し冷静に行動することにする。
  7:『柊かがみ』の名前と姿が、情報に多いことが気になる。
  8:ゆたかと出会ったら……?
 [備考]
  ※参戦時期はアニ2、211話「The Incarnation of Devil」内でラッドに殺される前。
  ※力の制限、特にボルテッカに関しては大きな制限が掛けられています(威力低下、疲労感と空腹感の増加など)
  ※南夏奈のカードはテラカオスに殺される直前から参戦。制限はニコロワ準拠で問題ないかと。
  ※南夏奈のカードは24時間使用不能(二日目の午前7時から使用可能)
  ※鯖缶や他食品の残量は後の書き手さんに任せます。
  ※アニ2 211話にて読んだ、高嶺清麿のメモ(簡易版)の内容を覚えていません。

【首輪】×3
 毎度おなじみ、バトロワの必須アイテム。各参加者の名前がカタカナで彫ってある。

ロボットアニメバトルロワイアル
49 :代理投下 そして少女は死んだ -The Elfin Knight- ◇X5fSBupbmM[sage]:2010/11/23(火) 02:04:50 ID:5qTGpUYV
 【クールなロリスキー@書き手2】
 [状態]:不死者、吸血鬼、意識混濁
     背中に火傷と大裂傷、右手指・両足・右腹部焼失、左側頭部から出血、全て再生中
 [装備]:綾崎ハヤテの女装時の服@漫画ロワ(損傷(大))
 [持物]:なし
 [方針/行動]
  基本方針:死にたい。
  0:これで死ねたかな……?
  1:三村が『かがみが魔女』と放送した? 誤解フラグ上等、さっさと殺しなさいよ。
 [備考]
  ※登場時期は「238:trigger」の冒頭辺り。ウッカリデスが死亡するより前です。
  ※つかさとパピヨンに気づいていません。


 【柊つかさ@らき☆すた(原作)】
 [状態]:顔面打撲、全身に鞭の痣、疲労(弱)、唖然
 [装備]:カードデッキ(龍騎)@書き手ロワ、ランカのステージ衣装@現地調達
 [持物]:ねこ缶@オールロワ
 [方針/目的]
  基本方針:6/とやる夫の想いを無駄にしないためにも生きる ?
  0:!? ……!!?
  1:パピヨンと行動。 F-6を経由して放送局方面に向かいながら、こなたやかがみを探す ?
  2:こなたやゆたか、かがみを助けたい ?
  3:ぱんつを替えたいな…… ?
  4:どうして変な夢ばっかり見るんだろう。またあんな夢を見れたらいいな…… ?
 [備考]
  ※龍騎のデッキの制限は書き手ロワ準拠です(ミラーモンスター⇒ドラグレッダーは1分間のみ出現) 、現在変身可能
  ※三村とアルフォンスの放送を知りません。

 【ランカのステージ衣装@現地調達】
  E-3映画館にて柊つかさが調達した。
  映画『劇場版マクロスF〜イツワリノウタ ヒメ〜』宣伝用の衣装。
  リボンとハイソックス付のコスプレフルセット。


 【パピヨン@漫画ロワ】
 [状態]:腹に打撲
 [装備]:なし
 [持物]:デイパック、基本支給品一式(食料なし)、グルメテーブルかけ(残り16回) @ニコロワ、ドライバーセット@現地調達、ひしゃげたキーボード@ニコロワ
 [方針/行動]
  基本方針:主催のトップを倒して帝王として君臨s……技術だけ頂いておこう。ゆとりはいらん。
  0:状況の把握。
  1:柊つかさと行動。とりあえずF-6経由で北東を目指す。暇があったら戦闘についてでも教えてやるかな。
  2:ニアデスハピネスを取り戻す。最悪の場合殺してでも奪い取る。
  3:バイク、車などがあれば調達したい。
  4:ゆたかの力を何とかして手に入れて、高みを目指して翔ぶ。
  5:首輪のサンプルを手に入れ、解析をしたい。
  6:機会と設備があれば龍騎のデッキの解析をしたい。
  7:オプーナとは何か情報収集する。
 [備考]
  ※漫画ロワ 242話の「襲来!蝶男の帝王舞」より参加。
  ※いろいろあって冷静さを少し欠いてます。本人は気付いていないものと思われます。
  ※朝倉涼子の名前をでっていうだと思っています。
  ※柊つかさのこれまでの経緯を聞きました。
  ※ロリスキーを柊かがみだと思っています。
  ※三村とアルフォンスの放送を知りません。

 【ドライバーセット@現地調達】
  E-3映画館にてパピヨンが調達した、特殊ネジ対応ドライバーのセット。
  これさえあれば携帯電話、PHS、無線機、パソコン、ゲーム機なんでもござれ。ただしネジに限る。
ロボットアニメバトルロワイアル
50 :創る名無しに見る名無し[]:2010/11/23(火) 02:10:27 ID:5qTGpUYV
306 名前:そして少女は死んだ -The Elfin Knight- ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:39:37 ID:R31TZLSA0 [28/28]
以上です。問題点等があれば指摘願います。

投下乙!
何だこの陰鬱な雰囲気……
誤解が誤解を呼び、ついにみなみがヤンデレ(?)になっちゃったー!
いやあ、本当にまだまだ何が起こるかわかりませんなあ、このロワは。

とにかく乙乙乙!
このロワも復活じゃーい!


※このページは、『2ちゃんねる』の書き込みを基に自動生成したものです。オリジナルはリンク先の2ちゃんねるの書き込みです。
※このサイトでオリジナルの書き込みについては対応できません。
※何か問題のある場合はメールをしてください。対応します。