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64 :創る名無しに見る名無し[sage]:2010/11/10(水) 00:06:00 ID:l33T3N2C - せっかくなので私も短編を投下させていただきます。
先日、雑談掲示板のほうでいただいたアイディアをもとに書かせていただきました。 お目汚しではありますが、よろしくお願いします。
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66 :1/3 ◆ea7yQ8aPFFUd [sage]:2010/11/10(水) 00:12:05 ID:l33T3N2C - 念のため、トリいれて投下させていただきます。
---------------------------------------------------------------------- 男はただただ困惑していた。 そして、後悔していた。 数時間前の自分の行いに・・・そして、自分の言動に・・・。 都内にある巨大スタジアム。 ここで、今日は世界最強の武術を決める格闘技大会が開催されようとしていた。 ある者はヨーロッパから、またある者は中国の奥地から、 さらには南米の秘境から『己の信じてきた武器こそ最強』という鋼の信念を持った戦士たちが九段下に集まっていた。 無論、その中に『男』の姿もいた。 ・・・だが、彼の心には鋼の信念以上に心を渦巻くものがあった。 「・・・青龍刀・・・無くしちゃった・・・。」 男は思い出していた。 確か、笹塚まで袋に収めた『青龍刀』を手に持ちながら席に座っていたのは覚えている。 しかし、新宿でおばあさんが乗ってきたので席を譲り、出口近くで門番のように立つことに。 すると突然、自身に睡魔が襲いかかり、席のフレームの寄りかかりながら睡眠、そしてそのまま馬喰横山へ。 「・・・で・・・ドタバタしながら反対方向の電車に飛び乗って・・・九段下の駅を降りて・・・ スタジアムまで来て・・・。」 うわ言のようにこれまでの行動を復唱する男。 だが、どこで自身の武器である『青龍刀』をどの場面で失くしたのか、まったくと言っていいほど思い出せなかった。 冷や汗をかきながら、スタジアムの入り口付近をうろうろする男。 とりあえず鉄道会社の電話番号を調べ、「青龍刀が忘れ物として届いてないか?」と質問。 「・・・青龍刀ですか?・・・えぇっと、失くした時間帯から見て・・・もう終点まで行ってると思いますので、 こちらから確認してみますね。あと、結構目立つ物なので、もしかしたら他の方が忘れ物として届け出てる可能性もありますね・・・ じゃあ、そちらの方もチェックしてみますよ。」 対応してくれた職員の親切な答えに落ち着きを取り戻す男。 とりあえず、青龍刀の所在が判れば!・・・と願うのだったが、10分後に返ってきた返事はどれもNOであった。 携帯を耳にあてたまま、再びパニックと化する男。 「どうしよう・・・どうしよう・・・。」 男の口からささやかれ続ける言葉。 男はどうすることも出来ず、ただただ携帯電話を耳にあてたままフラフラとしていた。 そんな時、突然、男の耳にひとりの女性の声が飛び込む。
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67 :2/3 ◆ea7yQ8aPFFUd [sage]:2010/11/10(水) 00:15:16 ID:l33T3N2C - 「出場ですか?」
その声の主は、格闘技大会の参加エントリーを対応する係のおばちゃんであった。 「えぇっと・・・珍しいわね、『武器:携帯電話』での参加ね。」 「え・・・いや・・・あ・・・その・・・。」 いきなりの事態にモゴモゴとした声で反論しようとする男。 だが、その『モゴモゴした声』に何かしらの嫌悪感を感じたのか、 おばちゃんは先ほどの声の3倍くらいの大きさで叫んだ。 「あなた、『漢』ならハッキリとしゃべりなさいよ!出場するんでしょ?!」 「・・・ハイ。」 「『己の信じる武器こそが最強』だってことを証明しに来たんでしょ?!」 「・・・ハイ。」 「『武器:携帯電話』でOKでしょ?!」 「・・・ハイ・・・あ・・・え?」 「はい、エントリー完了!・・・ん?さっさと控室に行きなさいよ! 場所はそこの階段を下りて左!!『B-298』って書いてあるから!!!・・・分かった?!」 男は従うしかなかった。 「・・・ただいまより『世界最強武器決定戦』の予選・・・バトルロイヤルを行います。 大会出場者は各自武器持参のうえ、入場者口にお集まりください。繰り返します・・・ただいまより『世界最強武器決定戦』の・・・。」 男の頭上で流れるアナウンス。 とりあえず「入場者口に行かなくちゃ・・・」という気持ちが働くものの、顔をあげる彼の目に己の手に握られた携帯電話が目に入り、 と同時に彼の気持ちは即座に後悔の念へと変わり・・・というのを繰り返していた。 そして、この行為が10往復目に達した時、彼の頭にひとつの考えが浮かんだ。 「・・・よし、棄権しよう!」 諦めることを決意した男。 ・・・と同時に緊張感が取れ、さらに尿意が男の体に現われる。 「トイレ行こう。」 そう言って彼が控室のドアを開けると、そこには数人の出場者が移動していた。 なんとなく「どんな武器を使っているのだろうか?」と思い、出場者たちの手元を覗き込む男。 だが、そこにあったのは男の想像を超える武器・・・いや、道具ばかりであった。 2つのヤカンが取り付けられた鎖、エアコンのフィルター、両手に握られた電気ポット・・・ 中には日本刀やヌンチャクといった正統派もあったが、7割近くの出場者が武器なのかどうか謎な物を握りつつ入場者口を目指して歩いていた。 「何だこりゃ・・・?」 ポツリと言う男。 そんな時、彼の肩に何かしらの圧力がかかる。 訳も分からずに横を見ると、そこには陽気な男が彼の肩に手をかけていた。 「ヘイ、ユー!アナタモ参加スルノデ候(そうろう)デスカ?」 陽気な男がヘンテコな日本語で言う。 「ユーノハ・・・オー、『もばいる・ふぉん』ネ!グッドベターネ!!デモォ・・・ミーノコレニハ勝テナイアルネ!!!」 そう言って、陽気な男は彼に何かを見せると、スキップしながらその場を去って行った。 彼が見せたのは、アメリカのドラマで見るような金属製のごみ箱であった。 「・・・。」
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68 :3/3 ◆ea7yQ8aPFFUd [sage]:2010/11/10(水) 00:18:35 ID:l33T3N2C - 数分後、気づいた時にはすでに男はスタジアムの開会式に参加していた。
奥に見える段の上で委員長と名乗る老人がヨボヨボした声で祝辞を述べるものの、 周りの「早く戦わせろ!」の声にかき消されていた。 ようやく退場する委員長。 そして、入れ替わりにアナウンサーのような男が現われ、出場者に向かって叫んだ。 「今からぁ!最強の武器を決めるぅ!!覚悟は良いかぁ?!」 彼の大声に呼応するかのように、スタジアム内を揺らすような声で答える出場者たち。 「相分かったぁ!!それじゃあ・・・予選・・・開始ぃ!!!」 こうして、戦いが始まった。 携帯電話を片手に手持無沙汰にいる男。 その周囲では電気ポット 対 チェーンクロス、 鎌ヌンチャク 対 少年チャンピオンなどの戦いが繰り広げられていた。 「・・・。」 このカオスな空間にただただ黙る男。 だが、その沈黙を破ろうと、何者かが男めがけて黄色い何かを投げてきた。 とっさに避ける男。 それはプリンであった。 その直後、彼の前に両手にむき出しのプリンを持った男が現われて言う。 「プリンこそ最強の武器!その証明として貴様を倒す!!」 その男の表情は真剣そのものであった。 「・・・ま、いいか。」 つぶやく男。 そして彼はこのカオスな空間を受け入れると、とりあえず先ほどのプリン男へ反撃するため、 携帯電話片手に飛びかかり、相手の鼻をもぎにかかるのであった。 おわり ---------------------------------------------------------------------- 以上です。 なんか・・・思いつきでシュールな作品を書いてしまい、本当に申し訳ありません。
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73 : ◆ea7yQ8aPFFUd [sage]:2010/11/10(水) 00:35:00 ID:l33T3N2C - >>69
>>70 >>71 感想ありがとうございます。 まさか、発作的に思いついたプリン男がここまで反応をいただけるとは思ってもいませんでしたw
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75 : ◆ea7yQ8aPFFUd [sage]:2010/11/10(水) 00:42:24 ID:l33T3N2C - >>72
少年チャンピオンの起用は、先日の雑談掲示板からだったりします。 まあ、チェーンクロスも雑談掲示板でのムチの話が頭にあったことによる無意識での使用かもしれませんが。 個人的に電気ポット VS チェーンクロスは良い戦いを見せそうな気がするのですが・・・気のせいですかね? >>74 創作板発のプリン男について、詳細を教えていただけないでしょうか?
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78 : ◆ea7yQ8aPFFUd [sage]:2010/11/10(水) 00:55:49 ID:l33T3N2C - >>76
電気ポット:殴るorお湯をかける 少年チャンピオン:叩くor紙面で切りつける ゴミ箱:相手を中に押し込んで圧縮 携帯電話:折りたたんで、相手の体の一部を挟んでつねるorもぐ ・・・適当に書いたばっかりに、書面ではシュールでも実際だと地味なものばかりになっていた。 なんか、地味すぎてすみません・・・。 >>77 へぇ・・・そんなことがあったんですね。 情報ありがとうございます。
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